みなさんこんにちは。前回からの続きです。
4月13日(日曜日)に開幕した「EXPO2025 大阪・関西万博」。9回目となった5月9日(土曜日)の訪問記をお送りしています。

ゴールデンウィークが終わり、普段の平日開催に戻ったという万博会場。入場しますと、小中生たちの団体が殊に増えて来たのを感じます。
府下の子どもたちは府から万博の入場招待がなされているので校外学習という形であったり、それに行かない低学年ならば、子ども招待一日券が学校から配布されています(うちのちびっ子次女がそれでした)。


半年の間に、世界が地元の大阪に集ってくれている訳ですから。文化の違いはじめ世界の国々のことを知れる機会などそうそうありませんから、本当に運の良いことだと感じます。
わたしの場合、35年前にやはり大阪・鶴見緑地で開催された「国際花と緑の博覧会(花の万博、EXPO'90)」でした。当時小6でしたが、花と緑の園芸博とはいえど、そういったことを子どもながらにひしひし感じ、以降、このように万博の虜になったのでした。余談でした。


さて、大屋根リングを反時計回りして、真北の場所にあるトルコパビリオンを横目に内側へ。
会場中心のオアシス「静けさの森」を突っ切ると「いのちパーク」という広場に出ます。
先日記事より触れておりますが、森からウォータープラザまでの南北に長細いエリアには「シグネチャーゾーン(Xゾーン)」があります。
万博のメインテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」から「いのち」をテーマに、各界著名人がプロデューサーを務める「シグネチャーパビリオン」全8館が、ここに集結しているのでした。万博公式サイトより。

さて、その中のひとつ「EARTH MART」という当日予約が取れていました。
通算、2館目のシグネチャーパビリオンです。


パビリオン入り口には「ITADAKIMASU」と記されたのれんが目に留まります。あらためて日本の素晴らしい習慣ですね。

「EARTH MART」のプロデューサーは小山薫堂(こやま・くんどう、1964-)さん。
フジテレビ系で人気を博した「料理の鉄人」などを手がけた放送作家、脚本家などと多方面で活躍。現在は京都芸術大学(京都市左京区)の副学長に就任されているとのこと。


パビリオンの名称「MART」というあたり、スーパーの類を連想させられます。食といのちの循環に触れ、未来へのヒントと出会う空想のスーパーマーケット、と解説に見つけました。
万博のテーマ「いのち」から派生して、その循環に主眼を向けているという内容。どのようなものなのでしょうか。食の循環…楽しみです。

しばし予約列に並びます。ところで…

当日予約は、スタッフの方が専用のハンディ機械でQRコードを読み取りますと再び空き枠になり、他のパビリオンや展示館の予約がひとつ取れるようになります。
この入場に並んでいる間に、同じシグネチャーパビリオン「いのちのあかし-Dialogue Theater-(17:30〜)」の予約が取れました。

しかし、パビリオンも実にレトロで味のあるもの。奈良や和歌山の山間部で閉校になった小中学校をまるままここに移設させたというので、眺める度に入ってみたいなあ、と思っていました。良かった、夕方にも楽しみが増えます。


うず高く積まれた茅葺き屋根は、その材料を使用している産地ごとに山が分けられているのだとのこと。



意外にも、といいましょうか。淀川の河川敷に残るヨシも使用されていると解説。
市内はどのようなものか詳しくわかりませんが、淀川を上って枚方や八幡あたりになると、川べりには鬱蒼と茂っていますし。

大阪にも、豊かな自然が残されていることにあらためて気付かされます。

さて、前室に入場。嵐・松本潤さんの登場する映像(撮影不可!)を観覧してから、本展示室へと入ります。


本展示室に入りますと、目の前に鎮座しているのはこの草木が生い茂るオブジェです。扉が開くといきなり、でしたからびっくりします。



目を凝らしますと、なんとも生活感が滲むものばかりが置かれています。なんやろう。



ただ、並ぶのはもう朽ち果てようとしている小かぶに、勝間南瓜たち。情景からなんだか物悲しくなるのですが、朽ちて終わり、ではなくて
種は残されます。


野菜もいのちを全うして、その後に残す種がまたあたらしいいのちをつなぐ。



そのようなことを意識することは日常ではそうありませんので、はっ、とさせられます。確かに、いのちは循環しながらつながるものです。


これは野菜だけではなくて、さまざまな意味で生きとし生けるものすべてに共通すること、なのかも知れません。
朽ちるばかりではなくその後、どのように姿形を変えて生まれ変わるのか。そういったことに考えを巡らせますと、大変な衝撃を受けたのでした。


さて、生まれ変わろうとしている野菜たちの隣には悠々と泳ぐ魚たちが今度は目に入ります。


これは「鰯」でした。このように、スーパーなどでは氷漬けのショーケースに並べられているのはよく見かける光景。

しかしながら、3匹が商品になるのには、10万匹が生まれているからこそ、という解説。

我々が当たり前のように海山の幸を享受出来るということには、実は大変な背景があった、ということがよくわかりました。
しかし、感心しきりの「EARTH MART」です。
次回に続きます。
今日はこんなところです。