みなさんこんにちは。前回からの続きです。
今年6月に限定で発売された「近鉄全線2日間フリーきっぷ」で巡った、近鉄沿線乗り鉄道中記をお送りしています。
旅の第2日目(2023年6月14日)。
「生駒ケーブル」に乗り、大阪・奈良を分かつ「生駒山(いこまやま)」の頂上へ。古くからの名物遊園地「生駒山上遊園地(奈良県生駒市)」にやって来ました。

ところで先日、近鉄電車に乗った折に見かけたこのポスター。生駒山界隈、それにまたがる生駒市や東大阪市の名所をピックアップし、再発見しようという「いこまやまいこ!」なるイベント、キャンペーンのもの。鶴橋にて。


生駒山中の、さまざまな見どころがひと目でわかるかわいらしいイラストに目を惹かれたのですが、いま来ている「生駒山上」には色鮮やかな「飛行塔」。


これのゲート脇には、エントランスになる大きな風洞。かつては出札の窓口だったのでしょうか。形がユーモラスなので、なにかのゆるキャラのようにも(汗)


それはさておき、これに取り付けられていたものを見ると、すごいものだということがわかります。「土木学会選奨土木遺産」認定の銘板。
毎度おなじみ「フリー百科事典Wikipedia」の項からも。土木学会選奨土木遺産は、社団法人土木学会が、日本国内の歴史的建造物のうち土木構造物について、これの保存に資することを目的として構造物群を「土木遺産」に認定して顕彰する制度、及びこれにより顕彰された土木構造物群のこと。2000年より認定を開始している。2019年1月時点で394件が選ばれている。
そういえば以前に、この高架橋も「土木学会選奨土木遺産」に認定されている…という記事を上げたことがありました。
「阪急神戸線 王子公園駅(神戸市灘区)」から三宮駅へ続く「阪急電鉄神戸市内高架橋」。1936(昭和11)年竣工、2020(令和2)年認定。戦禍と震災に耐えた名建築です。うめだ阪急本店「鉄道模型フェスティバル2021」より。
これは近代日本の歴史的な建造物を専門的な見地から認定するものだそうですが、著名なそれだけでなく、人知れず現在も社会インフラとして機能しているものも多数含まれるというものです。調べてみますと、意外にも身近のものがたくさんありました。余談でした。

戦前からの遊園地には、このような「飛行塔」はよくあったそうですが、現存している例は少なく、日本最古のものなのだとのこと。1929(昭和)4年竣工、2021(令和3)年認定。
解説にもありますが、生駒山が大阪平野に面する山の頂上だということから、第二次世界大戦中には防空監視所として接収されたために、戦時中の鉄材供出も逃れたという経緯があったそうです。
認定は「生駒ケーブル」ともどもということで、まさに「時代の生き証人」なんですね。宝山寺にて。
所変わって、ここは「東大阪市花園ラグビー場」。前回の記事でも登場した、おらが街の中央に位置する、市内の数少ない?名所です。
前回の記事では、山頂付近に居並ぶ在阪放送局のアンテナがここからだとはっきり見える…ということを述べたのですが、4〜5kmほど離れているここから、この「飛行塔」も果たして視認出来るのか。グーグル地図より。

見えました!これですね。やった\(^o^)/
アップにしてはいますが、スマホのカメラでもこのようなはっきりした見え方。さながら幾重にも衣を重ねたかのような青々とした山肌のさまもさることながら、感心してしまいます。
さて、こちらも前回で触れた前々作のNHK朝ドラ「舞いあがれ!」から。
主人公・岩倉舞(幼少期・浅田芭路さん)と、父・浩太(高橋克典さん)がこの遊園地を訪れるという一場面。第3週放送より。
楽しそうな様子が良くわかるのですが、これ、結構なスピードで回ります。高さもありますし、西側は大阪平野に放り出されそうなほど。
わたしも幾度か乗ったことがあるのですが、実際におおげさではないんです\(^o^)/
舞ちゃんと浩太さんが乗っていたのが、この3号機。4つある駆体は色違いですが、なんとも味わいのある形をしています。
この飛行塔の思い出は、舞にとって大きなエピソードだったようで、旅客機パイロットになるべく、後に大学を中退して航空学校に進むきっかけにもなったのでした。第7・8週より。
この飛行塔は、なんと大阪側にあったという!
駅からここまで坂を登って来て、目の前に辿り着いたところが大阪府、それもおらが街なのでした。まったく実感がないのですが、これには驚きます。生駒山上遊園地というと、奈良県だとばかり思い込んでいましたので。
次回に続きます。
今日はこんなところです。