みなさんこんにちは。前回からの続きです。
今年6月に限定で発売された「近鉄全線2日間フリーきっぷ」で巡った、近鉄沿線乗り鉄道中記をお送りしています。
旅の第2日目(2023年6月14日)。
大阪・奈良を分かつ「生駒山」を奈良側から登る「近鉄生駒ケーブル」で、山頂の「生駒山上駅(奈良県生駒市)」に向かっています。グーグル地図より。
「宝山寺線」「山上線」という2路線で構成されている、このケーブルカー。
乗り換え駅の「宝山寺駅(同)」を出ると、すぐに薄暗く、ひんやりとしたトンネルに進入。すでに生駒の中腹、標高は300mを超えたところ。さらに上半分の300mを登って行きます。

ほどなく「梅屋敷駅(同)」に到着。
ケーブルカーとしては珍しい中間駅ですが、この駅、なかなかに興味深いものが車窓からも窺えました。

駅の宝山寺方には踏切があるのですが、よくよく観察すると、なんと簡易なつくりの踏み板!このようなものは、身近であまり見たことがありません。もちろん、クルマは通れません。
さらに、踏切自体にも遮断棒が見当たりません。
列車が接近すると、警報機だけが作動するという「第3種踏切」と呼ばれるもの。
いや、大阪近郊では珍しいものです。出典①。
遮断器がないということは、保安度は高くはありません。列車や人の往来が多くないところ、例えば、旅先の地方では見かけるものですが。
背景には、奈良側の大和盆地が広がります。景色は見入るほどに抜群です。奈良と京都の境あたりになりましょうか。

ところで、これの脇に気になる看板も見つけました。「生駒聖天(宝山寺)」へ案内を促しているもの。
あれ、宝山寺というと、先ほどまでうろうろしていたしていた「宝山寺駅」がその名の通り、最寄り駅のはずなのですが。

料理旅館やみやげ物屋が並ぶ本来の参道はくだんの「宝山寺駅」を出たところから延びているのですが、山を背にした本堂や奥の院、大師堂などは、登りかけたこちらの方が近いという。
線香の煙たなびく本堂。40年ほど前の出典ですが、令和の現在とは、雰囲気は同じなのだなと気づきます。お参りという大切な習慣というのは、時代が変わっても同じもの。出典②。
「梅屋敷駅」を出発。間断なく勾配が続く中、下り列車との行き違い地点に。動画でどうぞ↑

奥の大和盆地、その景色の見え方がこの短い時間でありながら、広々と変わったように思えます。生駒の山は、早くも7・8合目あたりです。
次回に続きます。
今日はこんなところです。
(出典①「一般社団法人 日本民営鉄道協会」ホームページ)
(出典②「カラーブックス637 近鉄線各駅停車1奈良・生駒線」徳永慶太郎著・保育社発行 昭和59年4月)