「近鉄全線2日間フリーきっぷ」で巡る近鉄沿線道中記2023〜その21 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。

今年6月に限定で発売された「近鉄全線2日間フリーきっぷ」で巡った、近鉄沿線乗り鉄道中記をお送りしています。



「ナローゲージ」という、いまや国内に3社・4路線しか存在しない貴重な、軌道幅が762mmの車両も小規模な規格の鉄道。

そのうちの2路線「内部線(うつべせん)」「八王子線(はちおうじせん)」を有する「四日市あすなろう鉄道」を、朝から乗り鉄しているところ。その「日永駅」に降り立ちました。



改札を出ます。周辺は住宅がびっしりなのですが、無人駅のよう。

意外にもひっそりしているのですが、気になったのは「あすなろう中央緑地駅」なる副駅名。


駅前に案内がありました。

「四日市中央緑地公園」という、広大な敷地に陸上競技場、野球場、体育館や水泳競技場などを兼ね備えた、市内のみならず、県内有数の規模を誇る公園を指しているのだとのこと。


なんでも、2021(令和3)年にこの緑地公園を会場に開催された「みえとこわか国体」を前に最寄り駅のひとつであること、利用促進のために、こういった副駅名がつけられたそうです。「YOU Yokkaichi」ホームページより。


なかなかこれは立派な体育館、水泳競技場にトラックですが、毎年おなじみ「フリー百科事典Wikipedia#中央緑地公園(四日市市)」を掘り下げてみますと…

…公害対策の一環として1966年(昭和41年)に計画された都市公害対策マスタープランに基づき、工場地帯と住宅地帯の間の遮断緑地として、1969年(昭和44年)3月に落成。

とありました。
なるほど、工場地帯と、古くからの住宅地帯を緑地公園で区切る意味合いがあったのですね。



四日市というと、小中学校の社会の授業で教わった「四日市ぜんそく公害」を想起します。

四日市を訪問しているからには、これは歴史の経緯として取り上げておかないとと思います。


海岸部の石油コンビナート群から排出された煤煙が、周辺の住民に深刻な喘息被害を引き起こしたという、我が国のいわゆる「四大公害」のひとつとして知られているものです。出典①。



海岸部に石油コンビナートが林立するのは現在もですが、現在では、排出される煤煙などはその基準の管理は厳格になされており、緑多きクリーンな都市に生まれ変わったといいます。


「あすなろう四日市駅」「近鉄四日市駅」からほどないところに、市立博物館と同居する「四日市公害と環境未来館」があるというのを行きしなに見かけ、帰路に立ち寄った次第です。

いずれも興味深く、勉強になった施設でした。


さて、本題の「日永駅」に戻ります。

無人駅ですが、券売機の類はもちろん取り付けられています。こぎれいな設えなのですが…


おっ、と思ったのがこの時刻表。


「四日市あすなろう鉄道」には「内部線」「八王子線」の2路線が存在しているということは先日から幾度か触れています。


日中は両線とも、30分おき(1時間2本)の運行。全列車が起点の内部、西日野と四日市を往復しており、それらが接続、合流しているのがこの「日永駅」。出典②。


つまり、この日永から四日市までの間は両線の列車が、30分おき交互にやって来ます

どことなくローカルなイメージを感じますが、ここから四日市までは約15分おき(1時間4本)という、規格が小さい車両で小回りが効く、ナローゲージの本領発揮と言える、破格の?頻発運転。これは、さぞかし便利なはず!



そういったことで「四日市あすなろう鉄道」最大の見どころと言える「内部線」「八王子線」が接続、合流する重要な基幹駅、この「日永駅」をじっくりと観察してみることにします。

次回に続きます。
今日はこんなところです。

(出典①「図説日本史通覧」帝国書院編集・発行 唐杉素彦編集協力 黒田日出男監修 2014年2月)
(出典②「四日市あすなろう鉄道 乗って歩いて再発見マップ」特定非営利活動法人四日市の交通と街づくりを考える会企画・編集 四日市市発行 2023年3月)