みなさんこんにちは。今日の話題です。

昨年10月から放送がはじまった、NHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」。
長崎・五島列島とともに、おらが街・東大阪がその舞台になっている作品です。
このドラマ、気づいたこと、印象的だったことなどを毎週、取り上げて述べてみようという企みを、第1週からお送りしています。
当週は第21週「新たな出発」。前編はこちら↑

読売大阪朝刊特別版「よみほっと」2023(令和5)年2月19日付け 7面より。

それでは、第21週「新たな出発」編をさらに振り返ることにいたします。

工場の騒音問題から、市役所の職員・安川(駿河太郎さん)と知り合った主人公・梅津舞(福原遥さん)。
奇遇なことに、自身がかつて所属していた大学の人力飛行機サークル「なにわバードマン」の先輩だったことがわかりました。


自社の「IWAKURA」を含め、町工場のことを地域の人々に知って貰うことでコミュニケーションを取ろうと、金属加工会社を継いだばかりの的場(杉森大祐さん)と協力することに。

舞と的場が考えたのは、オープンファクトリーという、工場を地域に開放する、いわば社会見学のような取り組みでした。
市の活性化に積極的な安川に、早速相談するのですが、ただ、二社だけでは難しいだろうと。

さらに、それにかかる費用をすべて手弁当で賄うことに、理解はあるものの、決して経営が楽とは言えない他の町工場は、難色を示します。


そんな中、舞の人力飛行機サークルの先輩・渥美(松尾鯉太郎さん)に相談してはどうか、と提案します。


舞の一年先輩だった渥美は、母校で「都市ブランディング」を研究テーマにして、准教授を勤めているのだとのこと。
舞が青春を掛けた、人力飛行機のパイロット。
厳しいトレーニングの努力が実り、琵琶湖を約3.5km飛ぶという記録を叩き出しました。

自分自身で空を飛んだということに、舞はこのような言葉でその感激を語っていました。その後、舞は航空学校への進学を両親に説得するに至ります。
舞が飛ばした「スワン号」の胴体を拵えていたのが渥美先輩。それ以来の登場ですが、清々しい青春の日々の一ページでした。第5週より。


後日、渥美と面会した舞たち。ぜひに一緒にやらせてほしいと、快諾を得ます。

さらに、自分のゼミに所蔵する学生たちに、フィールドワークを経験させる意味合いでも手伝えると。規模が大きくなると、補助金も出しやすくなる…話しは、とんとん拍子に進みます。

しかし…人脈というものは、期せずしてうまくつながるものなんやなあ、と感心します。それも、自分から動かないと築けなかったでしょうし。舞の行動力というのには、返す返す感心します。


最初は、参加を渋っていた町工場仲間も、そうなるとぜひやりたいと賛意を示してくれます。金型製造を営む曽根(井之上チャルさん)、工場機械を取り扱う古田(湯浅崇さん)。
町工場の会合に集まった顔ぶれも、父・浩太(高橋克典さん)の代から子へと替わったものの、先代から互いに助け合うつながりは続いている様子で、安心しました。
それぞれ先代の曽根(蟷螂襲さん)と古田(湯浅崇さん、二代目と二役)。第16週より。

オープンファクトリー開催の目処がつき、舞たちは工場見学だけでなく、来場者にものづくりを体験して貰おうと企画をします。

来場者に拵えて貰うことになったのは「模型飛行機」。なのですが…


催しに参加する工場が、そのパーツを分担して制作するという!工場独自の技術を活かせますし、なにより参加者にそのPRも出来る。



これは、よく考えたものです!
工場の横のつながりを広く活かすというのは、なかなかやれそうでやれなそうなこと。
このアイディアには感心したのですが、これが今後の舞に、大きな影響を与えることになりそうな展開になって来ました。

しかしこれ、クオリティーのなんと高いこと!ということもさることながら、それぞれが持つ技術を結集させることが、どれだけすごいものなのかと、あらためて感心しきりになります。


さらに居合わせた他の町工場仲間も、協力を申し出てくれることに。


舞が考えていたのは、作ったこの模型飛行機を持ち帰ることが出来るということ(参加費1000円)。これはわたしも参加してみたいもの。


そんな中、ベテラン工員の笠巻(古舘寛治さん)が仕事中に、腰をいわしてしまいます。


病院に駆けつけたのは、笠巻の一人娘・佐知子(吉田真由さん)でした。
その佐知子を演じている、吉田真由さん。「大阪ことば指導」として、すでに幾度もテロップでは登場していました。
劇団に所属されている方だそうですが、こういった出演の仕方というのも、興味深いものです。余談でした。


数日後。その笠巻は、もう身体がもたないのだと、退職することを決めました。


という笠巻さん。

しかし、長年笠巻と師弟関係だった結城(葵揚さん)から、舞はこのような話しを聞きます。
これまで語られなかった笠巻さんの家族についてでしたが、前年(2014年)に奥さんを亡くし、独居していることがわかりました。



ただ、佐知子と息子は母、つまり笠巻さんの妻亡き後、仕事一筋だった父親とどのように接したらよいか分からずに、実家から足が離れがちになっていたのでした。


そんな佐知子に舞は、だからこそオープンファクトリーに息子と来てほしい、と伝えます。


舞の父・浩太と笠巻は、かつて工場が個人経営だった時代からの付き合い。その姿を幼少期から見ている舞だからこそ、の言葉でしょう。

そして、迎えたオープンファクトリー当日。浪速大学の学生も運営に大勢参加し、さらにどの工場の見学も盛況と、大変な盛り上がりに。
実際に、市を挙げてのこれくらい盛り上がるイベントがあれば、さぞかし良いんやろうなあと地元民としては、地元で催されているイベントということではあるものの、うらやましくなります(苦笑)


舞が任されたのは、くだんの模型飛行機を拵えるものづくり体験イベント。これ、なかなかに本格的です。


なるほど…これでしたら、どのような名前の工場のどのような人が、どのような製品を拵えているのか。ものづくりの楽しさもさることながら、地域の人に自分たちのこと、自分たちの仕事や、さらに言うと「地域で果たしている役割」をも知って貰える。すごいことです。
方向性が違うんかなと承知はするのですが、最近スーパーなどでよく見かける、野菜のパッケージに生産者の顔と名前が載っているような取り組みもそうなんかなと、ふと想起しました。

佐知子に連れられてやって来たのは、笠巻にとっては孫の正行君(髙田幸季さん)。舞の言葉はきちんと響いたようでした。良かった。


参加者に手ほどきをする役目を引き受けた、笠巻さんに対面した正行君。
わだかまりのあった祖父と孫。それも「ものづくり」や「飛行機」というキーワードで、いい方向に向かいそうでした。

しかし、正行君への笠巻さんのこの視線。このような笠巻さん、見たことがありません。
劇中、要所要所で重要な役割を果たして来た笠巻さん。ひたすら仕事に生きてきた人だからこそ、これからは家族との絆を深めてほしいと感じます。

これは、大成功やったんですね。参加出来なかった他の町工場からも、次回は参加させてほしいと、期待以上のものだったようです。


そして、笠巻さんが迎えた退職の日。


若い頃から一人前の職人に育てるべく、厳しいながらも優しさで笠巻とつながれた結城。おそらくは、結城にとっても大切な人生の転換点になったに違いありません。

次週、第22週「冒険のはじまり」編予告より。
先ほどの慰労会の続きのようですが、これなんとも不穏な…




さらに、舞が起業?それも、懇意にしている新聞記者の御園(山口紗弥加さん)が。
そして、あんちゃんの悠人(関ジャニ∞・横山裕さん)が再び登場。そうなると、舞の起業に出資…どのような仕事を考えているのか。
引き続き、楽しみに拝見したいと思います。
今日はこんなところです。