みなさんこんにちは。今日の話題です。

昨年10月から放送がはじまった、NHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」。
長崎・五島列島とともに、おらが街・東大阪がその舞台になっている作品です。
このドラマ、気づいたこと、印象的だったことなどを毎週、取り上げて述べてみようという企みを、第1週からお送りしています。
先週は、第20週「伝えたい思い」。前後編はこちらもどうぞ↑
読売大阪朝刊特別版「よみほっと」2023(令和5)年2月19日付け 7面より。
それでは、第21週「新たな出発」編を、今週も前後編に分けて振り返ることにいたします。
ところで当週からの、アバンタイトル後の出演者紹介。ついに、舞ちゃんが「岩倉舞」から「梅津舞」に!

時は、2015(平成27)年3月7日。
前年に、ようやく互いの本心を確かめ合った、主人公・岩倉舞(福原遥さん)と、幼馴染の梅津貴司(赤楚衛二さん)。


晴れて結婚式を挙げることが出来たその足で、自宅の父・浩太(高橋克典さん)の仏前に、ふたり揃ってその報告をします。


これは…週の冒頭から、本当にうるっとした場面でした。どんな時でも舞を応援し、舞にとって、最大の理解者であった浩太。

それも、浩太も幼少から良く知る貴司が、その舞の相手なのですから…
もし存命であれば、どれほどまでに喜んだことか。本当に、良かったなと感じます。しかし福原さん…もとい舞ちゃん、きれいですね。


そういったこともあってでしょうか、おなじみの「ラグビーカフェ ノーサイド」の二次会にはこれまで登場した主要な登場人物が勢ぞろい。

「舞いあがれ!」も、残すところあと1ヶ月になりました。
出席者の顔ぶれを確認していますと、これまでの舞の足跡を、自ずから回顧してしまいます。

「IWAKURA」で舞と同僚の、山田(大浦千佳さん)と藤沢(榎田貴斗さん)。
さらに、長崎・五島列島で幼少期を過ごした際からの親友・一太(若林元太さん)と、当地のイベントで知り合った、大阪の百貨店に勤める熊谷(尾本祐菜さん)。互いにカップルに。
苦楽をともにした、母・めぐみ(永作博美さん)。さらに、舞の祖母・祥子(高畑淳子さん)に、めぐみ(永作博美さん)の幼馴染で、一太の父・信吾(鈴木浩介さん)。
祥子と懇意にしている船大工の木戸(哀川翔さん)、島でカフェを営むさくら(長濱ねるさん)。みな、舞を幼少から見守る長崎・五島列島の人々。

「IWAKURA」が個人工場だった時から浩太を支え、現在は舞とともに働く工員の笠巻(古舘寛治さん)と、結城(葵揚さん)。

そして、新郎・貴司の両親で「お好み焼 うめづ」を営む勝(山口智充さん)と雪乃(くわばたりえさん)。舞の義両親になりますね。

このふたりもです。
舞が航空機パイロットを目指すきっかけになった、浪速大学の人力飛行機サークル「なにわバードマン」の先輩・由良(吉谷彩子さん)、航空学校で舞と同期の倫子(山崎紘菜さん)。

となると、このふたりは大変話しが合うのではと思うのですが、由良がなんと、セスナ機でグランドキャニオンを飛んでいる、と倫子に話しているではないですか。


負傷した由良に替わり、人力飛行機で琵琶湖を飛んだ、大学一年生だった頃の舞。空を飛ぶことにすっかり魅了された舞は、パイロットになりたいという夢を抱くようになります。

その舞に、国家ライセンスを取得出来る航空学校があると教えたのは、他ならぬ由良でした。

舞と同じように、パイロットに憧れていた由良。ただ、身長の受験資格を満たしていなかったために、由良は航空学校への進学を諦めざるを得なかったのでした。第7週より。


さらにその後。大学を中退し、航空学校を無事に卒業。苦労の末、パイロットの内定を得たものの、リーマンショックの影響でそれが一年延期になった舞。

お金を貯めて、自分の身長でもライセンス取得が可能なアメリカに渡り、パイロットになる夢がある、と話していました。無事に、その夢を実現させたのですね。第12週より。


一方の倫子。帰国子女の彼女は商社に勤めていたものの、男性中心の社会に疑問を呈し、女性でも立派なパイロットになるのだと、強い意志で航空学校に進んだ女性でした。第10・11週より。


しかし、倫子が就職した航空会社にもリーマンショックの影響が及びます。
パイロット養成が半年遅れていると舞と電話でやり取りするシーンがありましたが、倫子も無事にパイロットとして活躍しているようです。

この作品は「リーマンショック」という出来事が登場人物に実に大きな、さまざまな影響を及ぼしました。
舞や浩太は、それで人生が変わってしまった訳ですし…複雑な心境になります。第12週より。

ただ、そうなった事実を悲観するのではなく、そんな中でも自分に出来ることはいったい何なのかと登場人物みながそれぞれ考え、試行錯誤して来た経緯というものが、この瞬間に至っているのかも知れません。


そして、この人もです。
リーマンショックを予想したカリスマ投資家と時代の寵児になりながらも、インサイダー取引で司法の裁きを受けることになった、舞の兄・悠人(関ジャニ∞・横山裕さん)。
それ以来の登場、元気そうで安心しました。



さらに「ノーサイド」のオーナー・津田(たくませいこさん)と、昔から懇意の望月親子(松尾諭さん、乃木坂46・山下美月さん)。
舞と貴司には、優しく見守り、支えてくれる人がこれほど居るのかと、これまでの経緯を思い出し、勝手に胸熱になります(T_T)
最終週まで、あと1ヶ月を切りました。


その二次会も終わり、舞の義両親になった勝と雪乃が帰宅しようとするところ。梅津家の隣の、岩倉家の表札が「梅津 岩倉」に変わっていることに、勝は気づきます。


はっと思い出したのが、リーマンショックの影響で工場の経営が苦境に陥り、浩太が心底苦悩していた頃のこと。

いざとなったら、ふたりでお好み焼き屋をやったらええ、店の名前も「うめづいわくら」に変えたると、勝は浩太を労っていたのでした。


勝は、浩太と幼少期からの親友。さらに、ともに先代の父親が急逝し、家業を継ぐことになったという同じ境遇にありました。第14週より。

勝にとってまた、浩太はかけがえのない親友でした。その一人息子と愛娘が結ばれ、新しい家庭が出来たのですから…沁み入るような気持ちになった「伏線回収」でした。

さて、岩倉家の二階をぶち抜き、リフォームしたところがふたりの新居になっていました。

先週の記事でも触れましたが、知らず知らずの間に互いを思いやり、支え合うことの出来るふたり。結ばれるべくして結ばれたのだろうと。
激動のここまでの経緯を見て来たひとりとしてはまさにそう感じます。本当に良かったです。

さて、歌集を出版することになり、これまで隠すようにしていた「(舞に向けての)恋の歌」を拵えることが出来た貴司。
担当編集者のリュー北條(川島潤哉さん)との関係も、良好な様子。

北條に叱咤激励されてまとめた短歌は、無事に出版されたようです。それも、重版がかかるほどの異例の人気だとのこと。
貴司が上梓したというのは「デラシネの日々」という短歌集。この古書店での、舞はじめたくさんの人々との思い出が詰まったものなのでしょうが、わたしも読んでみたい。


そして北條とともに、舞と貴司とをつなぐ役割を果たした秋月(八木莉可子さん)。
短歌賞の佳作を受賞したのだと、北條の弁。


貴司を私淑していた秋月でしたが、それが舞への本心に向かい合うことのきっかけに貴司はなったのでした。
このドラマ、こういった後日談がきちんと丁寧に描かれていることが、魅力のひとつではないかとわたしは感じます。第20週より。
家庭環境で苦労していた秋月さん、自分の気持ちを昇華出来るのが短歌しかない、と話していましたので、こちらも本当によい結果でした。
きっと、努力が結実したのですね。


そんな中、やりたいことはないのかと、北條に問われた貴司。
即座に、短歌教室をやってみたいと答えます。


さすがというべきか、北條はその話しに乗ります。取材をして貰い、知名度と好感度を同時に上げようと。相変わらず言葉尻は荒っぽいですが、良く考えている人です。


そして4月、貴司の短歌教室が行われることに。
場所は最近、頻繁に登場する公園なのですが…
この公園が「摘路(つむじ)西公園」という名前だとわかりました。ちゃんと名前があったんですね。当たり前ですが。
地元民からしますと、いかにも東大阪にありそうな町名やなあと思ったのですが、岩倉家や梅津家などがある一帯は市内西端の、このあたりがモデルになっているようです。これについてはまた後日項で。



子どもたちにアドバイスする貴司の姿を見ていますと、これはわかりやすいなと感じます。



身近なものをどう捉えて表現するのか、ということでしょうが、それが人によりけりだということに、味わいがあるのでしょうね。わたしになんら知識がある訳ではないのですが(苦笑)

無事に、短歌教室は終了したようでした。

ところで、新しくやりたいことを見つけた貴司に対して、舞にもそのきっかけが出来ました。

住民から騒音の苦情が寄せられて、市役所からその調査にやって来たと。

ああ、確かにわたしの身近でもそうです。
工場が閉鎖され、跡地にマンションや戸建て住宅が建つというのは、よく見かける光景です。
後日。舞と懇意になった新聞記者・御園(山口紗弥加さん)と話しをする中で「オープンファクトリー」という取り組みがあることを教えて貰った舞。



なるほど…近所に工場があるのは知っていてもなにを作っているのか、どんな人が働いているのか、ということまではなかなかわからない。




その後は、貴司君が詳しく説明してくれていました(苦笑)よくわかりました。
ところで先日、このような記事が載っていたのを思い出しました。朝日大阪朝刊 2023(令和5)年2月11日付け 25面(大阪 東部・河内地域面)より。

市内で操業している、町工場を日帰りバスツアーで巡るという企画。
ガイドは、照明器具メーカーの女性社長さん。ドラマ同様に、経営危機を立て直した経緯があったのだとのこと。

さらに、ひな人形づくりの現場や、河内木綿の織物体験が出来たり、枚岡神社を巡るものは、外国人落語家さんが案内役とのこと。
ツアーは合計4日間で、市内のホテルで長崎・五島列島の食材を使ったランチを楽しめる…というもの。こちらの郷土料理も気になります。
「ものづくりの街」と言われて久しいおらが街ですが、先ほど舞や貴司が述べていたように、どんなものを拵えているのか、どんな人々が携わっているのかということまで知る機会がなかったのも、恥ずかしながらの事実でした。
地場産業というものがどのようなものなのか、地元民としても、大変勉強になる「舞いあがれ!」です。余談でした。

ところで、先週から登場するようになった、金属加工を営む会社を継いだばかりの的場(杉森大祐さん)が舞と、このようなやり取りをしていました。

安川という市役所の職員が、なんとかして市を盛り上げたいと、意気込んでいると聞いた舞。

その安川(駿河太郎さん)と、舞たちは「IWAKURA」でくだんの「オープンファクトリー」について話しをすることに。



安川さんの名刺には、なんと人力飛行機のイラストが!


なんと安川は、舞が浪速大学に居た頃の人力飛行機サークル「なにわバードマン」の、伝説の先輩だった、ということがわかります。

これは、舞ちゃんの言う通りですごい偶然。
縁というものは、どこでつながっているかわかりません。舞に、力強い味方が加わりました。
次回に続きます。
今日はこんなところです。