みなさんこんにちは。今日の話題です。
昨年10月から放送がはじまった、NHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」。
長崎・五島列島と、おらが街・東大阪がその舞台になっている…という記事を、放送開始から連日にわたり、お送りして来ました。
空を飛ぶことに憧れ続けた、主人公・岩倉舞(→梅津舞、福原遥さん)。
波乱に富みながら、着実に成長を果たすストーリーがここまで展開されて来ましたが、築いた人脈をさらに広げようと続ける舞ですから、想像し得ないような動きがありそうです。3月2日放送より。
そんな中、ドラマの舞台になったおらが街「大阪府東大阪市」でのさまざまなシーンが、ここまででも劇中ふんだんに登場して来たということには、地元民としては期待以上に新鮮で、とてもうれしいことでした。
舞や、舞を取り巻く人々にとって重要な転機になったシーンの数々が、おらが街のあちこちで展開されました。
ここまで、放送開始から5ヶ月。
劇中で登場した市内の街角を地元民はしくれのわたくしが巡り、そこでのエピソードを回顧しようかということを、残り最後の1ヶ月でもってやってみようと思います。
いま流行りの、いわゆる「聖地巡礼」というやつになりましょうか。
これ、おらが街が朝ドラの舞台になるらしいと聞いた日から、ぜひにやってみたかったこと!
どうぞ、宜しければお付き合いください。
舞と結婚した貴司(赤楚衛二さん)が任されている、古書店「デラシネ」。
同じく、花園のラグビー場に近いと思われる「ラグビーカフェ ノーサイド」。
さらに最近、頻繁に登場するこの小さな公園。
先日の記事でも触れましたが「摘路西(つむじにし)公園」というそうです。市内を走る近鉄電車の高架下をイメージしたものだとのこと。
それから、舞や母のめぐみたちが活躍する「株式会社IWAKURA」内部も、セットの設え。
そうなると、あまり現地での撮影というのがなさそうな気がしないでもないのですが、ここまでの劇中をよく凝視しますと、どっこいそんなことはありませんでした。
作品の舞台になった、市内のあちこちをストーリーに取り入れるというのは、むしろ近年の朝ドラでは珍しいようにも感じます。
ではここで、本題に入る前に、おらが街・東大阪について少し触れてまいります。
市名になっている通り、東大阪市は大阪市の東部に位置する街。人口は47万あまり、府内では大阪市・堺市に次ぎ、3番目に多い人口を有する都市です。ヤフー地図より。
高い技術を有し、さまざまな製品を生み出す中小企業が古くより多数集積していることから「ものづくりの街」として知られており、それがまさに「舞いあがれ!」の主題になっています。市役所展望台より。
さらに「東大阪市花園ラグビー場」や「石切劔箭(つるぎや)神社」、「枚岡(ひらおか)神社」など生駒山麓に近づくに連れ、古来からの歴史ある史跡や、観光名所が点在しています。
ところで、東大阪という街は、大阪市内より続く住宅密集地から、緑溢れる奈良との府県境に至るまでの市域を持つという、実際に住んでいると、実に多彩な顔を感じる街です。
市域が東西に広いために、同じ市内といえどだいぶと街のイメージが異なることが特徴でしょうか。人力飛行機パイロットを務めるため、生駒山麓の公園で訓練していた舞。
というのも、東大阪市は新設合併で誕生した市だということがその理由だと言われます。
東大阪市が誕生したのは、1967(昭和42)年2月1日のことですが、その8年前、1959(昭和34)年発行の地図帳を自宅の本棚に見つけました。以下、出典①。
比較してみますと、現在の市域は「布施(ふせ)・河内(かわち)・枚岡(ひらおか)」という、3つの市に分かれていることがわかります。都合、これら3市が合併して誕生したのが「東大阪市」です。
「旧布施市」、現在の「西地域」。市域は、概ね大阪市境から「府道大阪中央環状線(中環)」まで。1937(昭和12)年4月、府下では5番目に市制施行。
「旧河内市」、現在の「中地域」。市域は、概ね「旧布施市」との境から「恩智川(おんちがわ)」まで。1955(昭和30)年3月市制施行。


これも実は、同じ市内ながら、市域の広さから旧市域で郵便の集配局も分けられている証左。
「577…」は旧布施市域に当たります(旧河内市域は「578…」、旧枚岡市域は「579…」)貴司が「長山短歌賞」に作品を応募した封筒から。
そういったことで、3市が合併したがゆえに市域の広いおらが街。集配郵便局や市の出先機関、警察署の管轄区域がなお旧市域で分けられているのは、その名残です。石切参道商店街にて。ここは「枚岡郵便局」の管轄。
劇中で頻繁に登場する場所には、そのようにして、きちんとした設定がなされている、ということなどにも、触れて行ければと思います。
それでは、主人公の舞たちが住むその「大阪府東大阪市摘路町」の界隈のモデルになった街を、まず最初に探索してみることにします。
次回に続きます。
今日はこんなところです。
(出典①「写真で見る日本4 近畿篇 大阪」高木恒夫編・日本文化出版社発行 昭和34年6月)