NHK朝ドラ「舞いあがれ!」一週間を振り返る〜第4週「翼にかける青春」編 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。



今月3日から放送がはじまった、NHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」。

長崎・五島列島とともに、おらが街・東大阪がその舞台になっている作品です。



このドラマ、気づいたこと、印象的だったことなどを毎週、取り上げて述べてみようという企みを第1週からお送りしています。



それでは、第3週「がんばれ!お父ちゃん」編をまとめたものからです。


祖母・才津祥子(高畑淳子さん)と過ごした、長崎・五島列島を後に、家族や友人たちの待つ生まれ故郷の東大阪へ戻って来た、主人公の岩倉舞(幼少期・浅田芭路さん)。



なにごとにも誠実に生きる、祥子の姿を目の当たりにして、失敗を恐れる舞は、自身の引っ込み思案で消極的な性格をきちんと覚知した上で本来の優しさをそのままに、自分で考え、自分から行動するという、大きな成長を遂げます。



そんな舞を、家族や友人は暖かく迎えるのですが、その前後に、取り引き先からの発注が激減し、経営するねじ工場が経営危機に陥った舞の父・浩太(高橋克典さん)。



すっかり自信喪失していた浩太を、父が大好きだった模型飛行機を飛ばして元気付けようと、舞は同じく仕事がうまく行かない父・佳晴(松尾諭さん)と二人暮らしをしていた同級生の久留美(幼少期・大野さきさん)と協力します。




そして、二人が苦心しながら拵えた模型飛行機が、大空に舞います。自信を喪っていた、それぞれの父親を大いに励ますには、十分でした。




浩太が苦境を脱しようと奔走する中で、どの下請け業者も受注しなかった、特殊ねじの量産化に仲間の協力で成功。息を吹き返します。


久留美の父・佳晴も、けがのために決まらなかった仕事の目処がついたようでした。




誰かのために何かをしようと思いを巡らせられても、それまででは決して出来なかったであろうことを、まわりの人間をも良い意味で巻き込んで、励ますことが出来るまでになった舞。


その結果、大人たちに元気を取り戻させることが出来たのですから、すごいものです。

著しい成長と、貴司とともに、後に無二の親友となる久留美との絆を結ぶことになったきっかけになった、実に清々しい第3週でした。



読売大阪朝刊日曜版「よみほっと」2022(令和4)年10月23日付け 7面より。



そして、舞台は10年先の2004(平成16)年4月に。いよいよ、福原遥さん演じる舞が登場する第4週を、振り返ることにいたします。




浪速大学に進学することになった、18歳の舞(福原遥さん)。幼い頃からの、空に対する夢はそのままに、航空工学を専攻する大学生になります。





そんな中、入学直後のサークル見学で、運命的な出会いをすることになりました。


「人力飛行機サークル」、通称「なにわバードマン」。

部員が工夫を重ね制作したグライダーを、毎年飛ばすという活動をしているサークルでした。



発泡スチロールで作られた、緻密な翼の美しさに魅了された舞。


これが大空を飛ぶのかと、わくわくしながらその一員になるのですが、好奇心旺盛なこと以上に、空を舞うものに熱心になる姿は、まったく軸がぶれていないなと感心します。



さまざまな、個性的な先輩部員が居る中でも、舞が憧れることになったのが、2回生の由良(吉谷彩子さん)。「スワン号」と名付けられた、グライダーのパイロットに任命された、寡黙な女性の先輩でした。




そして、迎えたテストフライトの日。

しかし「スワン号」は不時着し、厳しい訓練を続けていたパイロットの由良は、心ならず負傷してしまいます。



部員みんなが精魂込めて作った「スワン号」は3回生が引退する前に、もう飛べなくなるのか…



さて、舞ちゃんが福原遥さんになったというので、親友になった久留美や、幼馴染の貴司もキャストが交替しました。




学校では友人も少なく、家では家事全般をこなしていた久留美だったのですが、まるで別人のように明るく、ちゃきちゃきした性格に変わっていたのには、ちょっと驚きました。


看護専門学校に入学し、看護師を目指す久留美には、山下美月さん(乃木坂46)。



お父ちゃんとの二人暮らしは、転居してもそのままのようですが、なんやかんや言いながら、親子関係が良好なのには安心しました(個人的にはどうなるのか気になっていましたので)。




貴司は高校卒業後、実家のお好み焼き屋ではなく、システムエンジニアとして就職。

この時代からでしたら、なかなか大変な職種やなあとも感じるのですが。赤楚衛二さんが演。




子役最終週となった第3週では、詩や文学に目覚めつつある描写がありましたが、それもそのままの様子。優しく、穏やかな性格にも変わりないようです。




しかし、岩倉家の悩みの種というのが、舞の兄・悠人(幼少期・海老原幸穏さん)。

勉学に勤しみ、どうやら無事目標の東大に入学したようですが、実家とは音信不通のまま。


心配する両親や舞をよそに、悠人(関ジャニ∞・横山裕さん)はある日、ふらりと東大阪へ帰って来るのですが…




きちんと大手電機メーカー(「IMORI=井深さん+盛田さん」とは、あの世界的企業?)に就職先を決めていて、さらに在学中に自力で資金調達し、デイトレーダーとして2000万円も稼いでいた、との弁。



悠人は、油臭い町工場は嫌やと実家を飛び出したという設定なのですが、そこまで記していると、両親や舞との関係性はどうなるのか、と気になりました。





浩太と、考え方の違いで口論になった悠人。

ただ、素っ気ないようで、兄妹はお互いを気にかけているという。


これが「朝ドラの王道」とでもいうのでしょうか、ひねくれていても、悪い人は居ないこと。そうは言っても、はなから否定をしないと悠人に、このやり取りからは、安堵した次第です。




ただ、この数年後にはあの「リーマンショック」がやって来るのでは。そちらの方が心配になりますが、これは、フラグになるのか…



さらに、悠人の帰阪で印象に残ったのは、音信不通だった実家に帰りづらく、隣の「お好み焼き 梅津」へ先に足を運んだこの一幕。



再会によろこんだ大将の勝(山口智充さん)とは対象的に、女将の雪乃(くわばたりえさん)がびしっとこの一言。

おそらくは、母・めぐみ(永作博美さん)から心配事として相談されていたのでしょうが、これは厳しくも、めぐみのみならず、悠人本人をも気にかけての、ナイスプレーです。



そういえば、他人でありながら、身近な馴染みを心配してくれることというのは、最近ではそうそうないことです。

それ以上に、岩倉家と梅津家との関係性が、とても良く分かったシーンでした。



ところで心配事というと、この「お好み焼き 梅津」の大将、勝さんのこともありましょうか。


このような記事を見つけたのですが、勝は、東大阪から近いプロ野球球団「近鉄バファローズ」の筋金入りのファンであることが、これまでの情景からわかります。


ヒロインたちの幼少期(1994年)、本拠地は南河内の「藤井寺球場(大阪府藤井寺市)」。

10年経った2004年には「大阪ドーム(現在の京セラドーム大阪、大阪市西区)」に移転し、チーム名も、本拠地の都市名を冠した「大阪近鉄バファローズ」になっていた頃です。


グラウンドコートには、ドーム移転後(1997年)に登場したオリジナルキャラクター「バフィリード」。


レプリカユニフォームも、ドーム移転後にリニューアルされたものです。懐かしいです。


この年、開幕12連勝という大記録を達成した、エースの岩隈久志投手(後にオリックス→東北楽天→マリナーズ→読売)の21番が飾られていて、これは時代考証がすばらしい、と思ったのですが…出典①。



この年の6月、降って湧いたように発表された「球界再編問題」。「オリックス・ブルーウェーブ」と「大阪近鉄バファローズ」との合併、他のパ・リーグ球団をも合併させ、プロ野球球団の1リーグ化を進めようという、社会問題にも発展した大事件でした。出典②・③。


経営陣だけで、一方的に進めようとする球界再編に対して、選手会は史上初のストライキを決行。2リーグ制を維持する世論が高まって行きます。出典④。


結果、1リーグ化の球界再編は撤回。ただし、合併は予定通り行われて「オリックス・バファローズ」と、新設球団「東北楽天ゴールデンイーグルス」の2チームが結成されるに至ったという、大激震の2004年でした。出典⑤。



一方的に進められた球界再編騒動を経て、2リーグ制が維持される代わりに、奇しくもこの2004年に「大阪近鉄バファローズ」は消滅してしまいます。出典⑥。


これからその騒動にさらされるであろう、勝さんの方も(が?)大変心配なことです。「お好み焼き 梅津」は、いったいどうなるのか…出典⑦。



最終試合で胴上げされる、梨田昌孝大阪近鉄監督(当時)。ショックで、よもや店を畳んだりなどせんかったら、良いのですが…出典⑧。



朝日大阪朝刊 2022(令和4)年10月28日付け 15面(スポーツ面)より。
奇しくもいま、その血筋を引く「オリックス・バファローズ」は日本シリーズで「東京ヤクルトスワローズ」と熱戦を繰り広げています。

パ・リーグが消滅の危機にさらされた、あの頃を知るひとりとしては、感慨深いものがあります。いちホークスファンの余談でした。


さて、パイロットの由良が負傷し、再び「スワン号」が飛べるかという危機に陥った「なにわバードマン」。舞は、こう由良に問います。






由良の、これまで費やした血のにじむような努力を感じて、未経験ながら「スワン号」のパイロットをすると、舞は意を決します。





次週、第5週予告より。
あの内気だった舞ちゃんが、ハードなトレーニングを経て、過酷なパイロットに挑む週になるようです。果たして、どうなるか。


元気を与え(第3週)、元気を貰い(第4週)、そして元気を奮う(第5週)と、舞の成長をなぞるような、芯のある流れになりつつある来週。

今週も、えらく話しがあちゃこちゃに飛びました(汗)
引き続き、楽しみに拝見したいと思います。
今日はこんなところです。

(出典①朝日大阪朝刊 2004年6月21日付け)
(出典②毎日大阪夕刊 2004年6月14日付け)
(出典③毎日大阪朝刊 2004年7月8日付け)
(出典④毎日号外 2004年9月6日付け)
(出典⑤朝日大阪朝刊 2004年10月15日付け)
(出典⑥朝日大阪朝刊 2004年9月25日付け)
(出典⑦朝日大阪夕刊 2004年11月10日付け)
(出典⑧朝日大阪朝刊 2004年9月28日付け)