みなさんこんにちは。前回からの続きです。
今月3日から放送がはじまった、NHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」。
長崎・五島列島とともに、おらが街・東大阪がその舞台になっている作品です。
このドラマ、気づいたこと、印象的だったことなどを毎週、取り上げて述べてみようという企みを第1週からお送りしています。
それでは、第3週「がんばれ!お父ちゃん」編をまとめたものからです。
祖母・才津祥子(高畑淳子さん)と過ごした、長崎・五島列島を後に、家族や友人たちの待つ生まれ故郷の東大阪へ戻って来た、主人公の岩倉舞(幼少期・浅田芭路さん)。
なにごとにも誠実に生きる、祥子の姿を目の当たりにして、失敗を恐れる舞は、自身の引っ込み思案で消極的な性格をきちんと覚知した上で本来の優しさをそのままに、自分で考え、自分から行動するという、大きな成長を遂げます。
そんな舞を、家族や友人は暖かく迎えるのですが、その前後に、取り引き先からの発注が激減し、経営するねじ工場が経営危機に陥った舞の父・浩太(高橋克典さん)。
すっかり自信喪失していた浩太を、父が大好きだった模型飛行機を飛ばして元気付けようと、舞は同じく仕事がうまく行かない父・佳晴(松尾諭さん)と二人暮らしをしていた同級生の久留美(幼少期・大野さきさん)と協力します。
そして、二人が苦心しながら拵えた模型飛行機が、大空に舞います。自信を喪っていた、それぞれの父親を大いに励ますには、十分でした。
浩太が苦境を脱しようと奔走する中で、どの下請け業者も受注しなかった、特殊ねじの量産化に仲間の協力で成功。息を吹き返します。
久留美の父・佳晴も、けがのために決まらなかった仕事の目処がついたようでした。
誰かのために何かをしようと思いを巡らせられても、それまででは決して出来なかったであろうことを、まわりの人間をも良い意味で巻き込んで、励ますことが出来るまでになった舞。
その結果、大人たちに元気を取り戻させることが出来たのですから、すごいものです。
著しい成長と、貴司とともに、後に無二の親友となる久留美との絆を結ぶことになったきっかけになった、実に清々しい第3週でした。
読売大阪朝刊日曜版「よみほっと」2022(令和4)年10月23日付け 7面より。
そして、舞台は10年先の2004(平成16)年4月に。いよいよ、福原遥さん演じる舞が登場する第4週を、振り返ることにいたします。
浪速大学に進学することになった、18歳の舞(福原遥さん)。幼い頃からの、空に対する夢はそのままに、航空工学を専攻する大学生になります。
そんな中、入学直後のサークル見学で、運命的な出会いをすることになりました。
「人力飛行機サークル」、通称「なにわバードマン」。
部員が工夫を重ね制作したグライダーを、毎年飛ばすという活動をしているサークルでした。
発泡スチロールで作られた、緻密な翼の美しさに魅了された舞。
これが大空を飛ぶのかと、わくわくしながらその一員になるのですが、好奇心旺盛なこと以上に、空を舞うものに熱心になる姿は、まったく軸がぶれていないなと感心します。
さまざまな、個性的な先輩部員が居る中でも、舞が憧れることになったのが、2回生の由良(吉谷彩子さん)。「スワン号」と名付けられた、グライダーのパイロットに任命された、寡黙な女性の先輩でした。
そして、迎えたテストフライトの日。
しかし「スワン号」は不時着し、厳しい訓練を続けていたパイロットの由良は、心ならず負傷してしまいます。
部員みんなが精魂込めて作った「スワン号」は3回生が引退する前に、もう飛べなくなるのか…
お父ちゃんとの二人暮らしは、転居してもそのままのようですが、なんやかんや言いながら、親子関係が良好なのには安心しました(個人的にはどうなるのか気になっていましたので)。
貴司は高校卒業後、実家のお好み焼き屋ではなく、システムエンジニアとして就職。
この時代からでしたら、なかなか大変な職種やなあとも感じるのですが。赤楚衛二さんが演。
子役最終週となった第3週では、詩や文学に目覚めつつある描写がありましたが、それもそのままの様子。優しく、穏やかな性格にも変わりないようです。
しかし、岩倉家の悩みの種というのが、舞の兄・悠人(幼少期・海老原幸穏さん)。
勉学に勤しみ、どうやら無事目標の東大に入学したようですが、実家とは音信不通のまま。
心配する両親や舞をよそに、悠人(関ジャニ∞・横山裕さん)はある日、ふらりと東大阪へ帰って来るのですが…
きちんと大手電機メーカー(「IMORI=井深さん+盛田さん」とは、あの世界的企業?)に就職先を決めていて、さらに在学中に自力で資金調達し、デイトレーダーとして2000万円も稼いでいた、との弁。
悠人は、油臭い町工場は嫌やと実家を飛び出したという設定なのですが、そこまで記していると、両親や舞との関係性はどうなるのか、と気になりました。
浩太と、考え方の違いで口論になった悠人。
ただ、素っ気ないようで、兄妹はお互いを気にかけているという。
これが「朝ドラの王道」とでもいうのでしょうか、ひねくれていても、悪い人は居ないこと。そうは言っても、はなから否定をしないと悠人に、このやり取りからは、安堵した次第です。
ただ、この数年後にはあの「リーマンショック」がやって来るのでは。そちらの方が心配になりますが、これは、フラグになるのか…
そういえば、他人でありながら、身近な馴染みを心配してくれることというのは、最近ではそうそうないことです。
それ以上に、岩倉家と梅津家との関係性が、とても良く分かったシーンでした。