NHK朝ドラ「舞いあがれ!」一週間を振り返る〜第3週「がんばれ!お父ちゃん」編 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。今日の話題です。



今月3日から放送がはじまった、NHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」。

長崎・五島列島とともに、おらが街・東大阪がその舞台になっている作品です。



このドラマ、気づいたこと、印象的だったことなどを毎週、取り上げて述べてみようという企みを第1週からお送りしています。

それでは、第2週をまとめたものからです。


東大阪での生活で、原因不明の発熱や、母・めぐみ(永作博美さん)の世話を気にかけ、さらに失敗を恐れるあまり、消極的になっていた主人公・岩倉舞(幼少期・浅田芭路さん)。


祖母・才津祥子(高畑淳子さん)の取り成しで母と離れ、めぐみの故郷である長崎・五島列島でふたり暮らしをすることになりました。


祥子や、暖かく迎えてくれた島の人々との生活を通じて、自分のことは自分で考えてすることの大切さを教えられます。

さらに、舞にとってトラウマになっていた「失敗すること」が決して悪いことではないことで、その後にどうするのか、自分で考えて行動することの方が大事だということも知ります。


その結果、雨降って地固まるなら良い、ということを会得した、かけがえのないものでした。



なにごとにも真摯に生きる、祥子のさまを目の当たりにして、もともとの人を思いやれる優しさに加えて舞は、少しずつ自分の気持ちや意志をしっかりと言える、積極的な性格へと変化を遂げて行ったという、清々しい第2週でした。


読売大阪朝刊特別版「よみほっと」2022(令和4)年10月16日付け 7面より。

祥子との五島列島の生活で心身ともに療養し、別人のように明るく、逞しく成長した舞。
いよいよ、両親と兄や友人が住む東大阪へと帰って来る…という、第3週を振り返ります。


帰阪し、通学していた小学校に再び戻った舞。



五島列島へ行く直前、一緒に飼育係をしていた同級生の望月久留美(幼少期・大野さきさん)と、可愛がっていたうさぎのスミちゃんのことが、まず気になっていたことでした。しかし…


舞が大阪に居ない間、スミちゃんは死んでしまっていました。


五島列島で、祥子と一緒に完成させた「ばらもん凧」にも描かれているくらい、舞にとっては大切な存在だったことがわかります。


そのために同級生から心ない言葉で噂され、仲間外れにされてしまっていた久留美。


正直、これはきついはじまり方やなあと感じたのですが、今週特に印象に残ったのは、傷ついた久留美を気づかう舞の、線路際でのこのシーンでした。

近鉄電車が高架から降りて来る、市内では西端に当たるこの場所は一発でわかりました(笑)




恐らくは、五島列島での生活を経験しなければ
それまでの舞に、勇気の要るこの行動は、出来ることではなかったのかも知れません。


それも、大好きだったスミちゃんが死んだ悲しさもあったでしょうに、がんばったですね。


その久留美はというと、家庭の事情で父・佳晴(松尾諭さん)と二人暮らしをしていました。



本音を話せる友人が、そう居なかったであろうことが劇中の描写から窺えたのですが、そんな久留美にとっては、舞のこの思いやりというのはなにごとにも替えがたいものだったのでは、と感じました。



公式サイトでは、舞と久留美は無二の親友という設定になっているあたり、その絆や信頼関係というものは、つらい現実があれども、これがきっかけになっていたに違いありません。



「現実」というと、舞の父・浩太(高橋克典さん)が経営する工場の存続に危機が迫って来たことが、この週では主軸になっていました。


得意先からの受注を次々打ち切られ、弱気になってしまっていた浩太。なんとかせねばと奔走するのですが、なかなかうまく行かず。


そして、久留美の父・佳晴もけがのせいで仕事が見つからず、自宅で不貞腐れている描写がありました。





しかし、久留美がお父ちゃんを、お父ちゃんは久留美を互いに、大事に思っていることはわかり安心しました。


そんな中、舞と久留美は、苦境に陥っているそれぞれのお父ちゃんを励まそうと、模型飛行機を飛ばして元気付けようと苦心しながら協力。



浩太はかつて、飛行機部品を製造していた重工業メーカーに務めていたのですが、退職して、急逝した父の工場を継いだのでした。


ただ、飛行機を作るという夢はまだ諦めていないという浩太。


五島列島から帰阪する際、はじめて乗った飛行機にすっかり魅了された舞と、思わぬところで共通項が見つかったことも、お父ちゃんを元気付けようとする行動につながっていました。


そして、無事に飛行機は大空を舞います。


苦境に陥っていた浩太は、工場仲間の協力で特殊ねじの開発に成功。付き合いを断られていた取り引き先からその品質が高く評価され、多数の受注を得られることに。


さらに、久留美の父・佳晴も、就職の目処がついたようでした。


自信が揺らいでいた大人を、自分に自信を持てた舞が、行動を起こしたことで結果として励まし勇気付け、行動させることが出来た。

先ほども触れましたが、これまでの舞では恐らくは、そのような気持ちはあっても出来なかったことだったに違いありません。



子どもというのは、小さいなりにまわりをよく観察しているもので、ゆえにさまざまなことを考え、それぞれに問題も抱えている。


ただ、それをくすぶらせるだけではなくて、純粋に苦境にある身近な人を励まそうと、行動に移した舞の姿を見るに、自分が持つことが出来た勇気と行動力を、まわりにも伝播させる力まで兼ね備えるほどになったのかと、感じます。


一週間を通じて、それぞれにやって来た逆風を乗り越えた浩太や、久留美・佳晴親子。


 

その根底には、舞ちゃんが五島列島から東大阪に連れて来た「ばらもん凧(語り、さだまさしさん)」の、それが持っている、意味している力もひょっとするとあったのかも知れません。

確かに、五島列島から帰阪した舞ちゃんの今週というのは、まさにこれが支柱にあったように思えます。本当にすごい成長をしたものです。


「向かい風に逃げずに立ち向かう」、祥子さんが事あるごとに舞に言い聞かせていたこの台詞と「ばらもん凧」の持つ意味合いというのは、相通じるものがあるようにも思えます。


ところで、経営危機を撥ね返すため、特殊ねじ製造を決意した浩太。
自宅隣のお好み焼き「うめづ」で丁度、昼食を摂っていた工場仲間に、その金型を作ってほしいと懇願するところも、見どころでした。



そないな短期間で、こないにややこしいもん作れるか!と怒られるのですが、特殊ねじの金型をすぐに拵えてくれた金型工場の社長、曽根(蟷螂襲さん)。



ベテラン職人の笠巻(古舘寛治さん)、若手社員の章(葵揚さん)と早速、試作をはじめるものの、これからという時に、機械の機嫌が悪くなる始末。



またも「うめづ」に居た機械工場の社長、古田(湯浅崇さん)に浩太は急ぎの修理を断られるのですが、直後、なにも知らずに来店した舞ちゃんを前に、梅津夫婦(勝、山口智充さん・雪乃、くわばたりえさん)がひと芝居打ちます。







このくだりには、腹を抱えて笑ってしまったのですが。ただこのようにして、なんやかんや言いながら困った時に、互いが互いを支えることということは、実に大事なことだと感じます。

特に、ねじ工場を営む浩太にとって、大切な商売道具の金型や機械やとなると…横のつながりの大切さも、よくわかる情景でした。
東大阪には良い人ばかりだというシーンでしたから、地元民としてはなおさらにです(笑)


さらに今週は、その梅津夫婦のひとり息子・貴司(幼少期・齋藤絢永さん)が見つけた、商店街の古本屋「デラシネ」が登場。



舞ちゃんが探していた、模型飛行機の手引きを無事に見つけられました。


店主は、八木と名乗る詩人(又吉直樹さん)。


貴司は、その八木がしたためた詩集を食い入るように読み、実に味わいある感想を述べます。


八木と、舞たちの秘密基地となった「デラシネ」は今後も登場するとのことで、これはストーリー展開に大きな影響を及ぼしそうな予感がします。気になります。



さて、この週金曜日の放送。
舞台は10年進み、2004(平成16)年に。


いよいよ、福原遥さん演じる舞が登場。

幼少期の夢を叶えようと、航空工学を学ぶべく浪速大学に入学。浩太の工場も、あれから規模を拡張していて、経営は順調のようです。



ところで、朝ドラでは異例の3週目まで登場した子役時代の主人公と、それを暖かく取り巻く友人たち。


その情緒あふれる純粋な人間性というのを毎回ふんだんに感じられる、清々しいものでした。




ここまでわずか15回の放送ですが、今週で子役のみなさんとはお別れ。

心のこもったことが十二分にわかる演技でしたので至極残念なのですが、これは、スピンオフに期待でしょうか(笑)






青春の日々を迎えた舞、大空を舞うという夢に向かって、どのような展開になるでしょうか。

第4週目も、楽しみに拝見したいと思います。



今週は取り上げたいことがたくさんで、えらく長い記事になりました(汗)

次回に続きます。
今日はこんなところです。