開業100周年を迎えた「近鉄生駒線・旧東信貴鋼索線」を巡り信貴山へ その36 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。

今年5月で開業から100周年を迎えた「近鉄生駒線・旧東信貴鋼索線」。


大阪・奈良府県境を成し、古くから霊峰として崇められていた「信貴山(しぎさん)」へ向かった鉄道網にまつわる歴史に触れるべく、現地を巡った訪問記をお送りしています。



ただいま「河内山本駅(大阪府八尾市)」。

信貴山を東西に縦断して来た小旅行も、いよいよ終盤に差し掛かりました。



近鉄ホームページより。

信貴山を大阪市内方面の西側へ下る、そのメインルートをたどっています。

乗り込んだのは「大阪線」の準急列車でした。



ここからは、出発地の「鶴橋駅(大阪市生野区)」へ一気に向かいます。


河内山本からは、わずか10分少々。

わたしにとっては、慣れ親しんだ道のりです。



それでは、空いていた準急の車窓から。
ロフトやニトリ、エディオンなどが入居する「近鉄八尾駅(同)」駅前の商業施設。かつては関西では珍しい「西武百貨店」でした。


「府道大阪中央環状線(中環)」、さらに高架の「近畿自動車道(近畿道)」と交差。

どちらも東部大阪の主要道路ですが、閑散とした信貴山から一気に都心へ、現実に引き戻された感があります。



高架線をさらに進むと、進行方向右側からさらに高架の「奈良線」が見えて来ました。
行きは、これで奈良入りした路線です。


グーグル地図より。
おらが街、東部のターミナル「布施駅(ふせえき、同東大阪市)」が近付いて来ます。

車窓から見えていたのは、そのひとつ手前の「奈良線 河内永和駅(同)」。
新大阪へ直通する「JRおおさか東線」がその下を南北方向に通過しているというところです。



「大阪線」は「奈良線」の高架下にもぐり込む形で「布施駅」に進入。何回通っても、趣味的には迫力があります。地元の自慢です(笑)


そういったことで、この駅は4階に「奈良線」、3階に「大阪線」。2階にコンコース階という、関西では珍しい重層構造になっています。


広いホームですが、この真上に「奈良線」が走っています。ほどなく発車。




真上の「奈良線」が同じ高さレベルに降りて来たところから、複々線区間がはじまります。
乗り入れている阪神車両も加わり、多種多様な列車が行き交う、にぎやかな光景が車窓に広がります。



「河内山本駅」からは10分ほどで「JR大阪環状線」との乗り換え駅「鶴橋駅」に到着。
ちょうど、名古屋ゆき「特急ひのとり」がプラットフォームに入って来るところでした。


シリーズでお送りして来た、信貴山を巡る鉄道の歴史を巡る小旅行。

無事に出発地に戻って来ました。






ここまで、大阪・奈良を分かつ霊峰・信貴山を巡る鉄道、殊に今年5月に開業100周年を迎えた「近鉄生駒線・旧東信貴鋼索線」の歴史を中心に、輸送目的地だった「信貴山朝護孫子寺」を含めて、現地をあちこちと訪れて来ました。




これら2路線を建設したローカル私鉄「信貴生駒電鉄」が目指した、信貴山に至る新路線の開拓によって、押し寄せる参拝客の利便性は劇的に向上され、建設目的は十二分に達成された史実がありました。出典①。



しかし、奈良方からの「信貴生駒電鉄」による「東ルート」に対して、戦前、関西大手私鉄の雄として着々と勢力を拡大していた「大阪電気軌道(大軌、現在の近鉄の母体会社)」による大阪都心から便利な「西ルート」の開拓により、その主役の座を追われます。近鉄ホームページより。






開業当時は、東京を上回る人口を擁していた大都市・大阪の巨大ターミナル「上本町駅(現在の大阪上本町駅、大阪市天王寺区)」へ直結する「西ルート」が信貴山へのメインルートとなるのには、さほど時間はかかりませんでした。大阪上本町にて。


そして、激しく主導権を争った「信貴生駒電鉄」もライバル「大軌」の軍門に降り、それを含めた周辺の中小私鉄が、結果的に現在ではあまねく同じ「近鉄」の路線になっている、という経緯も、実に興味深いものがあります。近鉄ホームページより一部加工。



「大正期に誕生した小さなローカル私鉄が、大手私鉄と競合し、古くからの篤い信仰を集める山上のお寺を目ざした、栄枯盛衰の物語」でした。記念クリアファイルより。



大阪市内から近いところに、これほど興味深いスポットがあったとは、感心しきりでした。

長駆、お付き合いくださりありがとうございました。このシリーズはこんなところです。


(出典①「さとふる納税クラウドファンディング・奈良県三郷町」ホームページより)