開業100周年を迎えた「近鉄生駒線・旧東信貴鋼索線」を巡り信貴山へ その23 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。

今年5月で開業から100周年を迎えた「近鉄生駒線・旧東信貴鋼索線」。


大阪・奈良府県境を成し、古くから霊峰として崇められていた「信貴山(しぎさん)」へ向かった鉄道網にまつわる歴史に触れるべく、現地を巡った訪問記をお送りしています。



ただいま「東信貴鋼索線 信貴山駅跡(奈良県生駒郡三郷町)」。現在はその代替として運行されている「奈良交通バス 信貴山停留所」として活用されています。


なかなかに貴重な、ケーブル廃線当時の近鉄路線図。30年以上前のものなので、現在とはだいぶ異なる内容であるのは当然ですが、まさかこのようなものが保存されていたとは…です。


この駅舎のみならず、令和の現在にまでここに鉄道が存在していたことを知らしめている、これは貴重な「遺産」…と、感慨に耽ってしまいました。いや、これはこのままで残ってほしいものです。


さて、駅舎を出ますと、このような案内板を見つけました。

右へ行きますと「信貴山朝護孫子寺(しぎさんちょうごそんしじ)」。開業時の「生駒線」と「東信貴鋼索線」の最終的な輸送目的地に当たります。歩いておよそ500m。


そして、その反対側には「ケーブル跡ハイキング道」という道標があるではないですか。それもすぐ近くに。


先ほど、ふもとの「信貴山下駅(同)」で見つけた「東信貴鋼索線」廃線後のルートをたどったものですが、この駅跡からの廃線跡は遊歩道に姿を変えて整備されている、ということを思い出しました。



ケーブルカーは、駅跡に設けられているバス乗り場の敷地へこのように出入りしていました。


これを北側から。やはりケーブルカー、少しずつ山を下っている様子がいまでもわかります。


バス乗り場、転回場の東のはずれはこのような
配線でした。


先日も登場した100周年記念のクリアファイルからですが、このアングルとだいたい同じ場所になりましょうか。


ここから、そのケーブルカー廃線跡を活用したハイキングコースがはじまっています。



「東信貴鋼索線」の全長は1.7km。

果たして、どのあたりまでこれが続いているのかはわかりませんが、ケーブルカーが登山していた廃線跡、せっかくの機会なので思い切って行けるところまで行って見ることにしました。



グーグル航空地図では「千本桜並木道」と銘打たれているところ。思わぬハイキングになりますが、さて果たして、どないなることやら…



この日は、まるで夏を思わせるような陽射しが昼前から降り注ぐ日でした。
しかし、沿道には緑あふれるたくさんの木々。幸いにもそんなに暑くはありません。


勾配がある廃線跡、もといハイキングコースを少しずつ進んで行くことにします。


最初の100mほどはレンガ敷きの道だったのですが、ここからは舗装されていない、往年を感じさせられる道へと変貌します。



足元には…まさに「木の枕木」。

朽ちてはいますが、犬釘(いぬくぎ、レールを枕木に固定するピン)を挿した跡もありますので、紛うことなき当時に使用されていたものです。



下り坂をしばらく進みますと、視界が開けて来ました。


鉄柵や、側溝があるあたり、ここは鉄橋だったようです。


というと、その傍らに立っていた木製の電信柱は当時のもの、ということになります。よく残っていたなと感心します。



だいたい、長さ20mくらいだったでしょうか。「スタンド・バイ・ミー」のようです。



「さとふる納税クラウドファンディング・奈良県三郷町」ホームページより、営業当時のショットを見つけました。

「東信貴鋼索線」の廃線跡、ハイキングコースになっている部分には、鉄橋が一箇所のみということですので、この場所に違いありません。


撮影された反対側からも確認してみたいところですが…それは無理ですね。さらに下ります。


ここでも、ケーブルカー時代の遺構を発見!



これはレール。打ち捨てられてはいますが、ちゃんとフランジ(溝)がついています。これも廃線跡に引き上げられたものなのでしょうね。



3、400mほど下ったところでしょうか。

急に視界が開けまして、大和盆地が手に取るように眺められました。ケーブルカーからも、きっとこの景色に目を見張られていたに違いありません。


次回に続きます。

今日はこんなところです。