開業100周年を迎えた「近鉄生駒線・旧東信貴鋼索線」を巡り信貴山へ その22 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。

今年5月で開業から100周年を迎えた「近鉄生駒線・旧東信貴鋼索線」。


大阪・奈良府県境を成し、古くから霊峰として崇められていた「信貴山(しぎさん)」へ向かった鉄道網にまつわる歴史に触れるべく、現地を巡った訪問記をお送りしています。



ただいま「奈良交通バス 信貴山停留所(奈良県生駒郡三郷町)」。

いよいよ主目的地の「信貴山」へやって来た訳ですが、こちらはもともとケーブルカーの「信貴山駅」駅舎。1983(昭和58)年8月に「東信貴鋼索線」が廃線になった後、バス待合所としていまも活用されています。


さて、古びてはいますが、地元の方々の手が行き届いているさまがよくわかる、かつての駅舎なのですが…その遺産といいましょうか、えらいものを見つけました。


それがこちら。「近鉄沿線ご案内」と銘打たれた、ケーブルカー現役時、そのままの路線図!




いや、色褪せたり、あちこち割れたりと朽ちてはいますが、40年以上前の近鉄沿線を知ることが出来る貴重なものです。


それでは、時代を感じさせられる、この路線図をじっくり拝見して行きたいと思います。


最初は、近鉄沿線外になるのですが「日生球場(大阪市中央区)」。


グーグル航空地図より。
堀が巡らされた、大阪のシンボル「大阪城」。


その南側、JRとOsaka Metro「森ノ宮駅(大阪市中央区)」から至近のところにありました。
現在は「もりのみやキューズモールBASE」となっているところですが、かつては近鉄球団が準本拠地としていた、野球場です。

名前の通り「日本生命」がレクリエーション施設としていたものですが、これは懐かしい。


そして「藤井寺球場(大阪府藤井寺市)」。


「近鉄バファローズ」の本拠地として親しまれて来ましたが、周辺が住宅密集地ということで、長年にわたりナイター設備がありませんでした。ゆえ、先ほどの「日生球場」をメインにしていたという経緯がありました。




2005(平成17)年の閉鎖後は更地にされ、跡地は私立小学校として生まれ変わりました。
数々のドラマが演じられた、猛牛軍団の舞台です。2004(平成16)年10月撮影。





「近鉄バファローズ」は1997(平成9)年に「大阪ドーム(現在の京セラドーム大阪)」へ本拠地を移転した後「大阪近鉄バファローズ」と都市名を冠するものの、球界再編を経て「オリックス・バファローズ」につながります。

昨年度はパ・リーグ優勝、おめでとうございました(^o^)


さらに「道明寺駅(同)」や「河内国分駅(かわちこくぶえき、同柏原市)」近くには「玉手山遊園地」。




開設は1908(明治41)年8月、現在の「南大阪線」の一部を建設した「河南鉄道」の手によるもので、関西では最古の部類に入る遊園地でした。現在、跡地は公園になっています。2018(平成30)年8月撮影。


このように、近鉄は乗客誘致のために、沿線のあちこちに遊園地を設けていました。その代表格というと「あやめ池遊園地(奈良市)」。

開園は1926(大正15)年6月。
温泉の掘り当てに成功し、保養地として整備された他、後年には近鉄系列となった「OSK(大阪松竹歌劇団)」の常設劇場も併設されるなど絶大な人気を誇る一大レジャー施設でした。
わたしも小学校の遠足はここでした。


「玉手山遊園地」と同じく平成に入って閉鎖、跡地は住宅地や小学校、また、商業施設に変わってしまいました。時代の流れですね…


ちなみに、本題の「東信貴鋼索線」は消されています。ということは、これは撤去するつもりはなかった…ということになりましょうか。


さらに細かく見て行きますと、現在は「養老鉄道(←養老線)」「四日市あすなろう鉄道(←内部線・八王子線)」「三岐鉄道北勢線(←北勢線)」へと転換されている北勢地域の支線も近鉄路線のまま。


さらに南へ。巷で人気の観光施設「パルケエスパーニャ 志摩スペイン村」も、もちろんありません。





終着の「賢島駅(かしこじまえき、三重県志摩市)」からは、この頃には観光外輪船も発着していたのですね。2020(令和2)年1月撮影。



かつて、たくさんの人々がケーブルカーで登って来た山頂の駅。

朽ちても令和の現在まで遺されたその駅舎。



歴史の移ろいというものは、このように少し掘り下げてみますと、実に興味深いものがあります。しかし、良いものが見られました。


次回に続きます。

今日はこんなところです。