NHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」ひなたの「東映太秦映画村」訪問記〜その15 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。



NHK朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」についての話題を、先日よりお送りしています。第112回(4月8日)最終回放送より。




8日に最終回を迎え、いよいよ次作「ちむどんどん」がはじまりました。
余韻に浸る間もなく、沖縄の美しい自然と、おいしそうな料理がさっそく登場、楽しみです。


作品の舞台となった「東映太秦映画村(京都市右京区)」。第112回(4月8日)最終回放送より。


今年3月、期間限定で開催されていた「カムカムエヴリバディ展・ひなたの映画村へようこそ!」特別展を、半年にわたる劇中のシーンを交えながら回顧するということをしています。



さて、さまざまテーマが輻輳的に重なり合い、展開された「カムカムエヴリバディ」。
その重要な軸のひとつとなったのが「ラジオ」と「英語講座番組」です。

展示されていた3台のラジオは、劇中で登場したもの。いずれもヒロイン三世代に大きく関わった、重要な役割を果たしたものでした。


初代ヒロイン・橘安子(上白石萌音さん)と、地元の名家の跡継ぎとして育った雉真稔(松村北斗さん)。第15回(2021年11月19日)放送より。

偶然に出会った二人の関係を繋いだのは、やはりその「ラジオ」と「英語講座番組」でした。




英語に興味を持ち、稔からラジオの「実用英語講座」を聴いてみるように勧められた安子、まるで歌ようるみてえで、と語るシーンが印象的でした。第2回(2021年11月2日)放送より。



これ!わたしも、はじめて英語を習った中学生の頃にやっていました。こうして発音を書いた方がわかりやすいですし(苦笑)先生には怒られましたが…上白石萌音さん直筆とのこと。




ところで、商科大学予科に通うため、大阪に下宿していた稔と安子は、頻繁に手紙のやり取りをしていたことが、作中でも登場しています。




ヒロイン三世代に通ずる、100年の物語の主軸となった、ルイ・アームストロングの「On The Sunny Side Street(ひなたの道を)」。

安子と稔だけでなく、二代目ヒロイン・大月るい(深津絵里さん)、るいの夫となる錠一郎、そして、娘のひなたにはこの曲が、陰に陽にその柱になっていました。


そういったことで、安子と稔との間には、英語という要素が大きく、その絆の役割を果たしていました。


そして作中、幾度も要所で登場するのが、稔が中学生時代に使用していたという英語辞書。
英語に興味を持ち、熱心にラジオ講座で勉強する安子に、稔からプレゼントされたものです。



そして戦後、稔と死別した安子は、生活のため岡山の雉真家を出て、幼いるいとともに、稔が下宿していた大阪に居を移します。




生活が楽ではない中、倹約して手に入れたラジオで「英語會話(カムカム英語)」を親子で聴くのが、安子にとって大切な時間でした。第23・24回(2021年12月1・2日)放送より。






安子が親子断絶され、渡米した後も、雉真の家で大切にテキストが保管されている描写もありました。三代目ヒロイン・大月ひなた(川栄李奈さん)がはじめて、祖母を「安子」と知ったきっかけでもありました。第97回(3月18日)放送より。



思えば、苦労しておはぎを売り歩きながらも、幼いるいのために尽くしていた安子にとっては、不自由なく夫・稔亡き雉真の家に留まる居づらさより、貧しくても母子ふたりで過ごす方が、なにより幸せだったのかも知れません。

安子の逞しさ生活力の高さに感心するのですがそれはるいとひなたにも継承されています。



そして、今度はるいが、ひなたの母親になった昭和半ば。

初恋の外国人少年・ビリーと仲良くなりたいことから、英語の勉強をしたいという、小学生のひなた(新津ちせさん)に、ラジオ英語講座をるいは勧めます。第68回(2月7日)放送より。


ここで登場するのが、劇中三代目のラジオ。
しかし、時代は1975(昭和50)年。その頃にしては、えらいレトロなものなのですが…




商店街の福引で、るいが当てた3等の商品がこれでした。ただし、最終回まで現役の描写がありましたので、先のふたつよりいちばん長持ちをしました。第67回(2月4日)放送より。




そして、ひなたも英語の勉強をすることに。



ひなたの名前を筆記体で書いたのは、るい。
かつて、母・安子がそうしてくれたように、温かく娘のひなたを見守ろうとするのですが…


放送は朝の6時45分からと聞き、ついこう口走っていた、小学4年生のひなた。その宣言?通り「ラジオ英語会話」は、1週間あまりで挫折してしまいます。第68回放送より。しかし…




そして月日は流れ、2024(令和6)年の春。
そのひなたは、NHKラジオで「Hinata's Sunny Side English」という英語講座番組の講師を務めるまでに、自身に研鑽を重ねました。


ところがひなたが講師のこの番組、よくある英語講座の番組とは、様子が異なります。



劇中で語られる、ひなたの英語による場面解説。ひなた以前には番組開始から、城田優さんがナレーターを務めていたのですが…


なんと、そこで語られていた英語での場面解説のみならず、「カムカムエヴリバディ」というドラマはすべて「Hinata's Sunny Side English」という番組のスキッドだったという!

全112回の放送を視ていたわたしたちは、いつの間にやらひなたのラジオ番組リスナーだったというオチなのでした。いやはや、考えた原作の方はすごい…第111・112回放送より。



ところで、安子が稔から譲り受けた英語辞書は
雉真の家で大切に保管されていたのを、るいが発見。そしてるいから、安子の孫に当たるひなたに継承されます。第97回放送より。




稔から安子、るい、ひなた、そして奇跡的に、再会を果たした安子の手に戻った辞書。そして、世代ごとで姿形は異なるものの、主役を張ったラジオ。第112回、最終回放送より。


「継承」という言葉が頭に浮かびましたが、実はこれも本作の重要なキーワードなのでした。

顧みますと、それには大変な重さを感じます。

次回に続きます。

今日はこんなところです。