みなさんこんにちは。前回からの続きです。
NHK朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」についての話題を、先日よりお送りしています。第112回(4月8日)最終回放送より。
8日に最終回を迎え、いよいよ次作「ちむどんどん」がはじまりました。
余韻に浸る間もなく、沖縄の美しい自然と、おいしそうな料理がさっそく登場、楽しみです。
作品の舞台となった「東映太秦映画村(京都市右京区)」。第112回(4月8日)最終回放送より。
今年3月、期間限定で開催されていた「カムカムエヴリバディ展・ひなたの映画村へようこそ!」特別展を、半年にわたる劇中のシーンを交えながら回顧するということをしています。
さて、さまざまテーマが輻輳的に重なり合い、展開された「カムカムエヴリバディ」。
その重要な軸のひとつとなったのが「ラジオ」と「英語講座番組」です。
展示されていた3台のラジオは、劇中で登場したもの。いずれもヒロイン三世代に大きく関わった、重要な役割を果たしたものでした。
初代ヒロイン・橘安子(上白石萌音さん)と、地元の名家の跡継ぎとして育った雉真稔(松村北斗さん)。第15回(2021年11月19日)放送より。
偶然に出会った二人の関係を繋いだのは、やはりその「ラジオ」と「英語講座番組」でした。
これ!わたしも、はじめて英語を習った中学生の頃にやっていました。こうして発音を書いた方がわかりやすいですし(苦笑)先生には怒られましたが…上白石萌音さん直筆とのこと。



ところで、商科大学予科に通うため、大阪に下宿していた稔と安子は、頻繁に手紙のやり取りをしていたことが、作中でも登場しています。



ヒロイン三世代に通ずる、100年の物語の主軸となった、ルイ・アームストロングの「On The Sunny Side Street(ひなたの道を)」。
安子と稔だけでなく、二代目ヒロイン・大月るい(深津絵里さん)、るいの夫となる錠一郎、そして、娘のひなたにはこの曲が、陰に陽にその柱になっていました。

そういったことで、安子と稔との間には、英語という要素が大きく、その絆の役割を果たしていました。
そして作中、幾度も要所で登場するのが、稔が中学生時代に使用していたという英語辞書。
英語に興味を持ち、熱心にラジオ講座で勉強する安子に、稔からプレゼントされたものです。
生活が楽ではない中、倹約して手に入れたラジオで「英語會話(カムカム英語)」を親子で聴くのが、安子にとって大切な時間でした。第23・24回(2021年12月1・2日)放送より。
ひなたの名前を筆記体で書いたのは、るい。
かつて、母・安子がそうしてくれたように、温かく娘のひなたを見守ろうとするのですが…
放送は朝の6時45分からと聞き、ついこう口走っていた、小学4年生のひなた。その宣言?通り「ラジオ英語会話」は、1週間あまりで挫折してしまいます。第68回放送より。しかし…
そして月日は流れ、2024(令和6)年の春。
そのひなたは、NHKラジオで「Hinata's Sunny Side English」という英語講座番組の講師を務めるまでに、自身に研鑽を重ねました。
なんと、そこで語られていた英語での場面解説のみならず、「カムカムエヴリバディ」というドラマはすべて「Hinata's Sunny Side English」という番組のスキッドだったという!
全112回の放送を視ていたわたしたちは、いつの間にやらひなたのラジオ番組リスナーだったというオチなのでした。いやはや、考えた原作の方はすごい…第111・112回放送より。
ところで、安子が稔から譲り受けた英語辞書は
雉真の家で大切に保管されていたのを、るいが発見。そしてるいから、安子の孫に当たるひなたに継承されます。第97回放送より。
稔から安子、るい、ひなた、そして奇跡的に、再会を果たした安子の手に戻った辞書。そして、世代ごとで姿形は異なるものの、主役を張ったラジオ。第112回、最終回放送より。

「継承」という言葉が頭に浮かびましたが、実はこれも本作の重要なキーワードなのでした。
顧みますと、それには大変な重さを感じます。
次回に続きます。
今日はこんなところです。