NHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」ひなたの「東映太秦映画村」訪問記〜その16 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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みなさんこんにちは。前回からの続きです。



今月8日、最終回を迎えたNHK朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」、作品の舞台となった「東映太秦映画村(京都市右京区)」。第108回(4月4日)放送より。



今年3月、期間限定で開催されていた「カムカムエヴリバディ展・ひなたの映画村へようこそ!」特別展を、半年にわたる劇中のシーンを交えながら回顧するということをしています。


ここからは、個人的に作中でとても好きな描写だった、三代目ヒロイン・大月ひなた(川栄李奈さん)の幼少時代を主に、項を進めてまいります。演じたのは、新津ちせさん。
舞台は1975(昭和50)年、夏の京都です。


二代目ヒロイン・大月るい(深津絵里さん)の夫で、父の錠一郎(オダギリジョーさん)の影響で、時代劇が大好きな少女として育ちます。


ところでわたしは、1965(昭和40)年生まれのひなたとは、一回りほど世代は異なります。

しかし、自身が確かに昭和の終わり頃に体験した、いまでいう「エモい」光景が頻繁に登場したので、涙が出るほど懐かしい思いでした。


その小学4年生、ひなたの部屋の様子。
昭和も終わりに入った頃の、いかにも小学生女子の、という感の佇まいです。

私事ですが、わたしには年の近い姉が居ますので、そのあたりの雰囲気はわかる次第ですが…


時代劇を愛するひなたを、ひと目で表現していたのが、壁に飾られた「さむらい」の筆。ここまで第63回(1月31日)放送より。


小学生ひなたを演じた、新津ちせさんの直筆なのだとのこと。実に、力が込もっています。


そして、ひなたが宝物にしていたのが「モモケン」こと、憧れの時代劇俳優・二代目桃山剣之介(尾上菊之助さん)の直筆サイン。




これは、オープン間もない映画村で行われたモモケンのサイン会で貰った、という描写がありました。第66回(2月3日)放送より。



特筆すべきなのは、ひなたは、サイン会の入場料1500円を、ジュースの空き瓶を拾い集め、同じ商店街の森岡酒店(おいでやす小田さん)に持ち込み、リターナブルの10円をせっせと貯め自力で用足したことでした。



ところで、この時代の1500円というと、いまなら6、700円位になりましょうか。偉いなあと感じると同時に、ひなたはやる気になると、実力を発揮するタイプなのだろうなとも感じます。



しかし、後にひなたと再会することになる二代目桃山剣之介の、小学生ひなたへのこの真摯な言葉。これは人気にもなるはずです。モモケンの人柄が作中でさらに掘り下げられる中、わたしも気づけば、ファンになっていました。同。




さて、ひなたは時代劇だけではなく、年相応?に、少女マンガにも興味を示していました。



わたしは門外漢ですが、作中に幾度も登場する「花とおとめ」は「花とゆめ」でしょうか。それだけは察しがつきます。第69・71回(2月8・10日)放送より。



ところで、三代目ヒロイン・ひなたが、初代ヒロインの安子や、二代目ヒロインで母のるいの幼少期と大きく違う点というのは、両親からの愛情を注がれ、平和な世界で、平穏に成長したことです。


ひなたの祖母に当たる安子は、両想いの稔(松村北斗さん)と結婚出来たものの戦争で未亡人になり、さらに岡山空襲で祖母と母を喪い、生き残った父・金太とも、病気で死別。第15回(2021年11月19日)放送より。


娘のるいも、安子との親子関係を周りの大人が引き裂くことになり、決定的な誤解が生じて、半世紀に渡り、生き別れになってしまいます。


るいや、戦災孤児だった錠一郎も、そういった影や負がありつつも、ひなたの見ているだけで清々しいほど、のびのびと成長する姿を見ると
あたかもそれらの「アンチテーゼ」のようで、深く考えさせられました。



そんな明るく生きるひなたですが、夏休みに遊び呆けた結果、手づかずの宿題の山に、絶望するシーンがありました。



親友の一恵(清水美怜さん)、小夜子(竹野谷咲さん)のアシストで、なんとかすべて終わらせることに成功。
これはまるで、ひとごとではない記憶(苦笑)






ひなたの絵日記、8月31日のページを、実に愛おしそうに読むるいの姿、両親から愛情を注がれていることが滲み出る、名シーンでした。ここまで、第64回(2月1日)放送より。


ところで、この激動の?夏休みがはじまった直後、ひなたは一恵と自由研究の課題について言葉を交わしていました。第63回放送より。


ひなたが毎年、自由研究のテーマにしていたのは、家業の「回転焼きの焼き方」。ちょっとその内容が、大変気にはなるものです。




ところが、高校生になってもひなたは、やはりというかこうなっていたという…
サポートするのも、やはり親友の一恵(三浦透子さん)と小夜子(新川優愛さん)でした。第79回(2月22日)放送より。



ところで作中には、このように夢を見そうな、サイケデリックな絵日記も登場します。



くだんの宿題に追われるひなたを手伝おうとする父・錠一郎が描いたものなのですが…
ひなたにはやめれと言われ、替わりに算数のドリルをやるように指示されるという一段でした。第64回放送より。


思い起こせば、るいと京都に移り住み、回転焼き屋をオープンした時にも、このようなチラシを自作していました。

先般の記事でも触れましたが、錠一郎はトランペット一筋だった人物。ということは、芸術的な面では、音楽以外でもセンスがあったのかも知れません。個人的には…ですが(苦笑)




そんなひなたも、真剣に進路に悩み、映画村のミスコンに応募(結果は落選)。

しかし、その後の経緯を経て映画村職員に、さらに祖母・安子との出会いをきっかけに「ハリウッドキャスティングディレクター」という、現在線につながる、生涯の糧を見つけます。





まったく手伝わなかった家業の回転焼き屋も、苦心の末でしたが、母・るいの替わりにあんこから拵え、店を回せるほどのしっかり者に成長します。




さらに展示にはこのようなものもありました。
「京都東雲銀行」の預金通帳。


恋人だった大部屋時代劇俳優・五十嵐文四郎(本郷奏多さん)との結婚資金にと、毎月の給料から定期預金で、貯蓄していたものです。

すっかり、しっかり者になったひなたやなと、観ていて感じたものなのですが…



しかし、五十嵐に突然別れを告げられた後、英語力を高めようと、英会話学校の3ヶ月集中コースに通うべく用途を変更してしまいます。


ただこれは結果的に、どうにもならなかったようですが…まさか、この預金通帳までもが見られるとは思いませんでしたが、切なくもあります。第91回(3月10日)放送より。


自由闊達で周りを明るく出来る、名前の通り、「ひなたの道」を歩んで来た、ひなた。
英語を学習しようとしたそもそもの理由は、映画村で出会った少年・ビリー(幸本澄樹さん)に初恋をしたから、だったのですが…


そして、現在線。ひなたは努力の末、NHKで英語講座の講師を務めるほどに成長します。
さらにアシスタントとして支えるのは、その初恋の相手・ビリー(城田優さん)なのでした。

ドラマであるのは重々承知ですが、これは運命というよりかは、ひなた自身の努力のみならず放つような明るさの人柄で手繰り寄せた結果なのかもな、などと妄想してしまった次第です。
NHK「カムカム」公式ツイッターより。

次回に続きます。
今日はこんなところです。