みなさんこんにちは。今日の話題です。



NHK大阪ローカル「関西NEWS845」2022(令和4)年4月12日放送より。



近鉄電車で、今月29日から登場する豪華観光特急「あをによし」という列車が報道陣に公開…というニュースでした。以下、放送より。




うわー、これは豪華な内装です。色合いも目に優しく、かなりゆとりもありそうですね。


パーテーションで仕切られた、セミコンパートメントは4名が定員。




さらに、車内ではスイーツや、沿線名産のアルコール類やドリンクなども愉しめるとのこと。


これはなかなか、人気が出そうな列車になりそうです。運行は、今月29日からとのこと。



ところで、この「あをによし」の元になったのは、昭和40年代半ばから、近鉄特急の看板車両として長年にわたって活躍して来た、この「12200系」という車両でした。松阪にて。




デビュー登場には、車内で軽食を提供していたことから「スナックカー」の愛称で親しまれていました。

また、広大なネットワークを誇る近鉄特急で、軌道幅が1,435mm(標準軌)すべての区間で運用が可能という、万能な「汎用特急車両」として重宝されていたものです。


オレンジに濃紺帯という塗装も、近鉄特急のイメージを鮮烈に植え付けるもの、という功績がありましょうか。鳥羽にて。



読売大阪夕刊 2020(令和2)年8月19日付け 11面(社会面)より。

しかし、近年は車両の経年も進み、新型の特急車両が続々と登場する中、昨年3月をもって定期運転からはすべて引退。
それと同時に「オレンジ濃紺」という、近鉄特急伝統の塗装も消滅した瞬間でもありました。


車内設備の豪華さから、沿線の伊勢神宮に参拝される皇室の方々や、イギリス・エリザベス女王夫妻の来日でも使用されるなどの、数々の名誉にも浴して来た、名車でもありました。



この、高性能な特急車両の一部を大改造して誕生したのが「あをによし」だという訳です。



気になる運行ダイヤもすでに発表されていました。以下、近鉄ホームページより。




一日6便のうち、4便は「近鉄奈良↔近鉄京都間」。奈良と京都、二つの古都を結ぶのにはふさわしい印象がありますが、京奈間を往復するのが主なところを見ると、京都を訪れた観光客に、奈良まで足を延ばしてほしいという意図がわかります。そして、さらに…




第1便と6便の運行は、なんと「大阪難波↔大和西大寺↔近鉄京都間」ではないですか。

所要時間は1時間20分あまりとたっぷりですので、存分に旅を楽しめそうなのですが…



そうなると、始発から終点まで通して乗るとするとこれは、奈良(大和西大寺)を経由しての「大阪↔京都間」での運転ということに!




いまさら述べるまでもありませんが、大阪・京都間には「京阪特急」や「JR新快速」などが頻発しています。出町柳、新大阪にて。



読売大阪夕刊 2022(令和4)年4月12日付け 11面(社会面)より。




「二つの古都を結ぶ列車」ではありますが、穿った見方をすると、所要時間をかけての豪華観光列車で京阪間の移動のあらたな選択肢、とも取れます。趣味的にもこれは大変興味深いものですが、こうした目的を持った遠回りの旅も、なかなか楽しそうにも感じます。



いずれにしろ、早く乗ってみたい列車です。

今日はこんなところです。