みなさんこんにちは。前回からの続きです。
電車の正面に、このように取り付けられていた方向幕。周りの銀色の金属押さえまで、リアルな再現具合がたまらぬものです。
この路線で走っていたのは、スカイブルー色の103系でした。出典①。
さて、こちらは「天王寺駅(同天王寺区)」。
半地下に発着している「環状線」や「大和路線(関西本線)」のホームを上がり、中央改札前のコンコースを、北側へ進もうというところ。

わずか3分ほどで、終点の「東羽衣駅(大阪府高石市)」に到着。3両編成に仕立てられた、専用のワンマン電車が行き来していました。
もちろん、こちらも「103系」です。
古い高架式の駅舎が、私鉄時代の名残り。紀伊中ノ島にて。
そして、府県境を越えて「和歌山駅」へ。
大阪からは60kmあまりの、都市間路線としての役割を果たす「阪和線」の顔でした。
では、くだんの方向幕を回してみましょう!
「阪和線」のみならず、和歌山から直通している「きのくに線(紀勢本線)」の行先も多数、入っているのが興味深いですが、なんと、幕の中にはこの「新快速」もありました。
現在、阪和線の速達列車というと「関空快速」や「紀州路快速」が主です。天王寺にて。
「新快速」というと「JR京都・神戸・琵琶湖線」のもの、とイメージするのですが…
いまからちょうど50年前、1972(昭和47)年3月号の時刻表を、ここでひもといてみます。
巻頭で大書きになっているように、開業以来、新大阪が終着になっていた新幹線が西へ延伸。「山陽新幹線」岡山開業の時です。
その、岡山開業50周年を記念して、沿線ではさまざまなイベントがなされるのだとのこと。
ずらり並んだ歴代車両を見るに、半世紀の間、路線も車両も、そして沿線も、大きく変貌したのだなと感じます。余談でした。出典②。
「阪和線」のぺージに移ると、なんと「新快速」の時刻が掲載されているではないですか。
出典③。
この改正から、日中1時間ごとに6往復が設定され、途中「鳳駅」停車の最速45分で、阪和間を結んでいたそうです。
しかし、直通の需要が少なく、途中駅停車のニーズが高まったこともあり、わずか6年後(昭和53年10月)のダイヤ改正で消滅しました。
「阪和線新快速」の廃止からは、都合40年以上が経過した現在ですが、方向幕にそれが残されていたということには、なにやらロマンを感じたりします。将来の復活…なども、予想されていたのでしょうか。興味深いものです。
長年、阪和線の顔として活躍したこのスカイブルー色の103系も、2018(平成29)年3月のダイヤ改正を以って、すべて引退しました。
私鉄時代からの、独特な雰囲気の天王寺ターミナルを、頻繁に出入りしていたスカイブルーの車両たち。姿を消してから久しいですが、いまだに強く印象に残っている存在です。
次回に続きます。
今日はこんなところです。
(出典①「JTB時刻表 2022年3月号」)
(出典②「JRおでかけネット」ホームページ)
(出典③「国鉄監修 交通公社の時刻表 1972年3月号」)