遠出の旅再開!四国・香川ことでん沿線を高松ひとり旅〜その25 志度線で名勝・屋島を初訪問!⑥ | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。

 

昨秋、急遽頂いた連休に思い立ち、お四国の香川・高松へ「ことでん(高松琴平電気鉄道)」の沿線を巡った、久しぶりの遠出ひとり旅の様子をお送りしています。

 



「ことでん屋島駅」からシャトルバスで10分ほど。急な山道を一気に、屋島山上まで登って来ました。


シャトルバス乗り場や、駐車場からほどないところがもう、名勝・屋島を代表するさまざまな名所の入口です。


時間が許す限り、じっくりと観て回りたいと思います。いや、楽しみです。



さて、その道すがらには…
かつてここで行われた、あの有名な合戦の様子が紹介されていました。

かつてないほどの隆盛を誇った平氏と、後に鎌倉幕府を拓く源頼朝が率いた源氏との、その最後の戦いのひとつである「屋島の戦い」です。


ではここからは、少し歴史の勉強です(^o^)
平氏の象徴であり、強大な権勢を誇った平清盛(1118-1181)が世を去った後、一枚岩と思われた平氏一族の中では諍いが起こるようになり、少しずつ綻びが生まれて来ます。

 
東国(関東)で徐々に勢力を高めつつあった、源頼朝(1147-1199)が中心の源氏は、平に替わろうと、清盛亡き後、内輪揉めの爭いが続く平氏に戦いを挑むようになります。


源氏に追い立てられる形で、平氏は少しずつ西へ、西へと追い詰められて行きました。

京都で「宇治川の戦い(1184年1月)」、神戸の「一の谷の戦い(同2月)」を経て、ここ讃岐・香川で「屋島の戦い」が起ったのは、翌1185年2月のことです。


激しい戦いの結果、頼朝の弟・源義経(1159-1189)率いる源氏が勝利。
その勢いを駆り、翌月には関門海峡の「壇ノ浦の戦い」でついに平氏を滅亡させ、頼朝は鎌倉幕府を拓く…という、歴史的な戦いがあったところです。


ところで、この「屋島の戦い」のエピソードで有名なのが「那須与一の扇の的」でした。ここまで出典①。
これについては、毎度おなじみ「フリー百科事典Wikipedia #屋島の戦い」より。


…夕刻になり休戦状態となると、平氏軍から美女の乗った小舟が現れ、竿の先の扇の的を射よと挑発。外せば源氏の名折れになると、義経は手だれの武士を探し、那須与一(なすの よいち1169?-1189または1190?)を推薦した。


与一は海に馬を乗り入れると、弓を構え「南無八幡大菩薩」と神仏の加護を唱え、もしも射損じれば、腹をかき切って自害せんと覚悟し、鏑矢を放った。
矢は見事に扇の柄を射抜き、矢は海に落ち、扇は空を舞い上がった。しばらく春風に一もみ二もみされ、そしてさっと海に落ちた。
『平家物語』の名場面、「扇の的」である。

美しい夕日を後ろに、赤い日輪の扇は白波を浮きつ沈みつ漂い、沖の平氏は船端を叩いて感嘆し、陸の源氏は箙(えびら。腰に取り付け弓矢を持ち歩くための容器)を叩いてどよめいた。
これを見ていた平氏の武者、年五十ほど、黒革おどしの鎧を着、白柄の長刀を持っている者が、興に乗って扇のあった下で舞い始めた。


義経はこれも射るように命じ、与一はこの武者も射抜いて船底にさかさに射倒した。
平家の船は静まり返り、源氏は再び箙を叩いてどよめいた。あるものは「あ、射た」といい、あるものは「心無いことを」といった。


怒った平氏は再び攻めかかる。
激しい合戦の最中に義経が海に落とした弓を敵の攻撃の中で拾い上げて帰り「こんな弱い弓を敵に拾われて、これが源氏の大将の弓かと嘲られては末代までの恥辱だ(→ウチの武将は粗末な弓矢を用いたとしても、どんな的でも射抜ける腕がある、という意趣返し)」と語った『平家物語』の「弓流し」のエピソードはこの際のことである…


激しい戦いの中、一瞬の、なんというのでしょうか、敵味方の立場を超えたエピソードです。

武運や風流というのは、そういったものも関係なく、相手をも讃えるものなんやあと、はじめて習った中学生の頃には感心したのですが、激しい戦いのさ中だという背景を知ると、なんとも切なくもなります。



さてその山頂には、四国八十八ヶ所の第84番霊場「屋島寺」がありました。
こちらにも、お参りをして行くことにします。


(出典①「図説 日本史通覧」黒田日出男監修 帝国書院 編集・発行 2015年2月初版)


次回に続きます。
今日はこんなところです。