多扉車の元祖「京阪電車5000系」ラストランへ向かって〜その60「さようなら臨時団体列車記」⑨ | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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みなさんこんにちは。前回からの続きです。

今月4日の運転を以て、ついに全車両が引退した「日本初の多扉車(たとびらしゃ)」こと「京阪電車5000系」。


完全引退を前にした先月の28日、最後に残った第1編成(7両編成)を用いた、団体臨時列車が運行されました。幸いにも、この臨時列車に乗車出来た際の様子をお送りしています。



ツアーも、京都市内に入って来ました。
ここ「淀駅(京都市伏見区)」で、トイレタイムを兼ねた休憩中です。



さて、運転台に掲げられている運転時刻表(スタフとも呼ばれる)が気になります。
秒単位の運転時刻、そして、付帯する注意事項などが注釈されているものです。

京阪電車のみならず、鉄道会社では何処でも見かけますが、京阪電車のそれは他社とは違う独特なもので、大変興味深いものがあります。


せっかくですので、これをちょっとだけ紐解いてみたいと思います。

「列車種別()」は「団体」。
その左下の「X1350S」というのが、乗車している団体臨時列車の「列車番号()」ですが、
この「X1350S」「X・13・50・S」という、それぞれに意味のある英数字を組み合わせたものです。

これを具体的に見て行きますと…
(種別)
先頭のアルファベット一文字
A 快速特急
B 特急・ライナー
C 通勤快急 
D 快速急行
E 深夜急行
F 急行(淀発着を除く)
G 急行(淀発着)
J 通勤準急(中之島線直通を含む全線通し。三条折り返しを含む)
K 準急(中之島線直通を含む全線通し。三条折り返しを含む)
L 通勤準急(淀から大阪方で折り返す列車)
M 準急(淀から大阪方で折り返す列車)
N 区間急行
(守口市 - 京橋間でB線を走行する列車)
P 区間急行
Q 普通(淀を跨いで運転されるもの)
R 普通(淀から大阪方面で運転されるもの)
S 普通(淀から京都方面で運転されるもの)
T 普通(交野線内)
U 普通(出町柳方向より宇治線に直通するもの。制定のみで設定なし)
V 普通(宇治線内)
X 臨時列車・団体専用列車
Y 回送列車
Z 試運転列車

(行先)
末尾のアルファベット一文字
A 淀屋橋
B 中之島(2008年に京橋から変更)
C 中書島
D 石清水八幡宮
(制定のみで設定なし。渡り線なし)
E 丹波橋
(制定のみで設定なし。渡り線なし)
F 龍谷大前深草
(制定のみで設定なし。渡り線あり)
H 枚方市
K 香里園
M 守口市
N 寝屋川信号所(萱島・寝屋川市発着列車を含む。ただしQに該当するものを除く)
Q 萱島(寝屋川信号所を発着せずに別の駅との間で回送される列車)
R 樟葉
S 三条
T 天満橋
(制定のみで設定なし。渡り線あり)
U 宇治
W 私市
X 交野市(制定のみで設定なし。手動の渡り線あり)
Y 淀
Z 出町柳(1989年に追加設定)
他に渡り線のある京橋・七条は現在不明。

(数字 上2ケタ)
その列車が始発駅を発車する時刻(24時制)

(数字 下2ケタ)
下り(大阪方面ゆき):奇数
上り(京都方面ゆき):偶数

下2ケタは、上2ケタの時刻における、始発駅からの発車順で付番する(例:上り1本目は00、2本目は02、3本目は04。下り1本目は01、2本目は03、3本目は05、となる)
臨時列車・団体列車の場合は、下2ケタ「+50」から付番を開始する


ということで、「X1350S」という列車番号は、
「団体・臨時列車+始発駅を13時に発車+上り臨時列車のうち13時台で1本目の運転+三条ゆき」という列車だとわかります。


では、ここでこの法則を応用してみます。
ここは「淀駅」ですので、それにまつわるスタフから。ブログ主所蔵。



「S0900Z列車」。淀駅始発の出町柳ゆきです。
「1月5日限定」というのは、京都競馬が年始の変則日程により、平日に開催されたためです。

S:普通(淀以東京都方面で運転されるもの)
09:始発駅を09時台に発車
00:(09時台で)1本目に運転される上り京都方面の列車
Z:出町柳ゆき

という組み合わせ。

 
こちらは応用問題?です。「Y2262Z列車」

先ほどと運転区間は同じ「淀〜出町柳」ですが「回送列車」、さらに「祇園祭宵山の日」限定で使用されたものです。


Y:回送
22:始発駅を22時台に発車
62:(22時台で)7本目(50・52・54・56・58・60・62)に運転される上り京都方面の「臨時列車(+50から付番開始している)」
Z:出町柳ゆき という組み合わせ。


出町柳到着は「23時17分」です。
「祇園祭宵山の日」ということですから、祭りを楽しんだ多数の乗客を運ぶための、下り大阪方面へ向かう臨時列車に充てるために、淀車庫から出町柳へと送り込まれた列車です。

「臨時列車として運転するために設定された、臨時回送列車」というのには、趣味的には大変興味深いものがあります。


ただし、この法則にも例外はありまして…
そのひとつが、この「大晦日ダイヤ」のもの。

年を跨いだ終夜運転をされるので、上2ケタの時刻表示は「26(午前2時)」になります。


そして「枚方公園駅(大阪府枚方市)」で「27時(午前3時)」を迎えます。

ちなみに「午前4時」からは「28」ではなくて「04」と表示されますので、ダイヤ上では、京阪電車は「午前4時からが新年」になります。


ところで、この臨時団体列車が始発の「中之島駅(大阪市北区)」を出発したのは「11時25分」でした。

ではなぜ「13時台」?と思ったのですが、ダイヤ上では「中之島〜寝屋川信号所間(X1150N列車)」「寝屋川信号所〜淀間(X1250Y列車)」「淀〜三条間(X1350S列車)」の3つに、この列車は運転上、分割されていたためでした。

(参考出典「フリー百科事典ウィキペディア #列車番号の付番方法_大手私鉄_京阪電気鉄道」より)

だいぶ、余談になりまして恐縮です…
次回に続きます。
今日はこんなところです。