京阪電車 史上初の大減便ダイヤ改正を9月25日に実施〜中編 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。



朝日大阪朝刊 2021(令和3)年7月9日付け 28面(社会面)より。


京阪電車が、一連のコロナ禍による利用客減少を受けた形での、史上初の大減便を軸にしたダイヤ改正を9月25日に実施することになった…という話題について、私見からあれこれ語るということをしています。


ダイヤ改正は全線にわたるもので、殊に「京阪線(京阪本線・鴨東線・中之島線・交野線・宇治線)」の5線では、実にこれまでの15〜20パーセントもの列車本数を削減するという、おそらくは、京阪電車史上初の大減便になる模様です。



それでは、その「史上初の大減便ダイヤ改正」について、京阪電車から発表されたプレスリリースから、気になる点を拾ってみたいと思います。


まず、このダイヤ改正の主軸となっているのは
やはり「コロナ禍による利用客減少」です。

近年、利用客減少というと、少子高齢化による影響というものがクローズアップされていました。これはなにも京阪のみならず、鉄道業界全般での課題ですが、それに加え、コロナ禍がそれに比較にならないほどの追い討ちをかけた形になったことが窺えます。


「京阪線における輸送人員の増減率(2019年と2021年との比較)」の表を見てみますと…

平日一日あたりの利用客数は、29.1パーセント減。最も利用客数が多いであろう平日、朝ラッシュ時間帯でも18.6パーセント、夕方の帰宅ラッシュにおいても、それに比するくらいです。
しかし、昼間時間帯(41.7パーセント)と深夜時間帯(69.9パーセント)とは、なんという減り方…


土休日ダイヤの方はもっとひどく、終日でおよそ40パーセント減、深夜時間帯では64.3パーセントの減。

この表を見た時に、なにかの間違いではないのか?とも思ったのですが、繰り返しますが、ここまで乗客が減っているとは…です。
それにしても、とんでもない減り方です。



さらに、比較対象となったこの2021年の利用客数は「緊急事態宣言が発出されていない時期に取ったデータ」だそうなので、宣言発出中にはこれに輪をかけての相当な減り方、ということの想像がつきます。春に宣言発出中のある休日、淀屋橋にて。


そんな中で、平日・土休日ともに、60〜70パーセント近くの利用減少になった深夜時間帯の列車については、終電時刻の繰り上げ・列車種別の変更など、かなり大規模な整理が図られるようです。具体的な計画も発表されていました。


現在、上り京都方面ゆき「淀屋橋(大阪市中央区)」からの主な終電は「特急 出町柳ゆき」が23:40発。
路線中間の「樟葉駅(くずはえき、大阪府枚方市)」へは、京阪電車にしかない日本唯一の列車種別の「深夜急行」が00:20発。

下り大阪方面ゆき「出町柳(京都市左京区)」からでは「急行 淀屋橋ゆき」が23:26発、「普通 枚方市ゆき」が0時ちょうど発。


これが変更後、上り最終特急は7分繰り上げ。また、0時ちょうど発で「快速急行 樟葉ゆき」が新設されますが、これはくだんの「深夜急行」の実質的な代替(列車種別変更+運転時刻繰り上げ)になるようです。

下り大阪方面への最終は、23:15発の「快速急行 淀屋橋ゆき」、枚方市までの最終は23:39発の特急(現在は23:59発)に。
前者については、こちらも「列車種別変更(急行から快速急行に格上げ)+運転時刻繰り上げ」という形が取られることになります。



ただし、これら時間帯の列車3本(図表中、網掛けされたもの)は、すでにダイヤ改正に先んじて4月末から運休しているので、実質的には終電の繰り上げははじまっています。


先ほども触れましたが、2008(平成20)年10月の「中之島線開業」による白紙ダイヤ改正で誕生した、日本唯一の列車名称「深夜急行」は、このまま姿を消すことになりそうです。

しかし、停車駅の面から見ますと、代替えに設定される「快速急行」と比べても「守口市(大阪府守口市)に停まるか停まらないか」しか差がありませんし…
「列車機能を集約する」という観点からは、妥当なことなのでしょう。ブログ主所蔵。


またこれら「終電の繰り上げ」はいわゆる「働き方改革」の実践でもあることが窺えます。
深夜帯にしか実施出来ない、大規模な保線作業に従事される方々の人員不足、また、労働環境の改善に資する面も大きいようです。

次回に続きます。
今日はこんなところです。