みなさんこんにちは。前回からの続きです。
10月でデビューから50年を迎えた、JR西日本の看板列車「新快速」、その歴史をひもといた、特別展が行われている「京都鉄道博物館(京都市下京区)」の展示を拝見しています。
さて、展示順路は、少し離れたこちらの「関西の鉄道」コーナーへと続いていました。
「関西の急行列車」。
解説にもありますが、競合関係にある、関西の大手5私鉄を圧倒する勢いの「新快速」。
ですが、その潮流が著明になったのは、昭和の末から平成に入った頃です。
というのも、関西では、はやくも明治期から民営鉄道が、当時は最新技術だった電車を用いた営業をはじめていて、頻発・高速運転、車両や駅設備、企画乗車券に至るまで、全国的に大変高いサービス水準にありました。
俗に「私鉄王国」と呼ばれるほどのもので、逆に旧国鉄を圧倒する状態が長く続きました。
こちらでは、その「関西5私鉄」が、国鉄を圧倒していた時代にまつわる品々が展示されていました。
「近鉄特急」のシンボルマーク。
逆三角形が特徴のものですが、スピード感のあるデザインです。懐かしいものです。
こちらは「阪神電車」の特急ヘッドマーク。
路線が短いこともあってでしょうか、短い間隔で駅を設け、頻発運転で高い利便性があるのは現在も変わりません。
そして、京阪の一ファンとしてはうれしい!
「京阪特急」のシンボル、鳩マーク。
いや、こちらも懐かしいものです。
1971(昭和46)年にデビューした、写真の「3000系(初代)」に設けられたものですが、正面のマークは電照式。
京阪の代名詞「テレビカー」を連結し、全車冷房。快適な転換式クロスシートを設け、豪華な装備で長年人気を博しました。
京都・大阪間では、阪急京都線もその一翼を担いました。こちらも、転換式クロスシートを設置した、特急専用車両が運用されています。
そういったことで、関西では鉄道会社同士の競合関係が古くから構築されていました。
互いに切磋琢磨しながら乗客を開拓し、さらにサービスの向上を図るという、ユーザーにすれば望ましい競争が繰り広げられて来た訳ですが、昭和40年代まではその争いに参加しなかった旧国鉄(→JR西日本)が加わることで、各社のサービス展開にも多大な影響がありました。これは関西圏の鉄道の大きな特徴のひとつでしょうし、特急並みのスピードを出すほどの「新快速」が誕生した素地だとも感じます。
次回に続きます。
今日はこんなところです。