みなさんこんにちは。前回からの続きです。
福岡県「筑前・筑後」を巡るひとり旅、初日は「大牟田駅(おおむたえき、福岡県大牟田市)」駅前でレンタサイクルをお借りして、ユネスコ「世界文化遺産」に登録されたかつての「三井三池炭鉱」関連史跡を巡っています。
さて、今回大牟田を訪問するに当たって、その最大の目的だった、世界文化遺産「三井三池炭鉱 宮原坑(みやのはらこう)跡」をじっくりと見学することが出来ました。
明治半ばに建造された、当時としては最先端の技術をふんだんに用いた坑道、ということでしたが、閉鎖から80年余り経った現在でも残る、その往年の栄華の様子を、少し垣間見れたような気がします。
はるばるやって来て良かったなと思えるものでしたし、古い史跡を大切にされている関係者の方々の労は多大だとも感じます。
そういったことで、大変意義深い訪問だった「宮原坑跡」(地図中、赤い□)でした。
ところで、ここからはどうするかというところですが…たどって来た「専用線跡」(地図中、ピンク色)は、県境を越えた荒尾市内へとまだまだ延びているのですが、駅前の観光案内所の方は、全部たどるとなると結構な時間がかかると言われていましたし…
悩んだ末に、ここ「宮原坑跡」から山を下り、大牟田の市街地を突っ切って、今度は有明海沿いにある「三池港(みいけこう)」方向に向かうことにしました。
そちらにも、また「三井三池系」の炭鉱跡が遺されているということなので、ぜひそちらにも訪問してみたいところです。
ただ、方角は西!ということだけはわかるのですが、古くからの民家が立ち並ぶ狭い道を、あっちへ行けば行き止まり、こっちへ行けば元の道…というのを繰り返しながら、ようやく山は降りられたようです。
どぎまぎしながら進みます(苦笑)
しばらく進みますと、国道208号線と、県道789号線が交わる「八江町(やつえまち)」という交差点に出ました。手元の地図では、もう少し進むと「三池港」の入り口。これで道のりは正解でしたので、ほっとします。
その「八江町」交差点からさらに海側(西方向)へ。連続していた住宅地が切れたところが、次の目的地「三井三池炭鉱 三川坑(みかわこう)跡」でした。「宮原坑跡」からは、自転車で迷いながら20分ほどで到達出来ました。
名称通り、先ほど訪問した「宮原坑(みやのはらこう)跡」や、石炭記念公園になっている「宮浦坑(みやうらこう)跡」と同系列の、「三井三池炭鉱」が経営していた炭鉱のひとつです。
しかし、立派な門構えです。
この「三川坑」も、大牟田にある「三井三池系炭鉱」の中でも主力の坑道だったそうです。
解説より。
開坑は、明治期に操業を開始した他の主力坑道より遅く、アジア・太平洋戦争がはじまる前年の昭和15(1944)年だったとのこと。
すぐ西側の有明海の海底へ向けて、長く深い坑道が掘られていました。
ということは「海底炭鉱」だったのですね。
その当時の最先端技術を駆使して開坑したこの「三川坑」、戦後間もない昭和24(1949)年には、全国各地を行幸していた昭和天皇の訪問を受け、実際に海底坑道まで入られたのだそうです。これは大きな出来事ですね。
他の三井三池系炭鉱の閉鎖が相次ぐ中、この「三川坑」は最後まで操業を続け、閉坑に至ったのは20年余り前の平成9(1997)年だったそうです。つい最近まで、実際に稼働していたことに驚きますが、ここの閉坑を以て、明治以来長い歴史を誇った「三井三池炭鉱」はすべて閉鎖になりました。
「最後の坑道」と聞くと、なんとはなしにもの悲しいような気分にもなります。
では、この「三川坑跡」をあちこち探索してみたいと思います。
次回に続きます。
今日はこんなところです。