みなさんこんにちは。前回からの続きです。
今年4月から、「OsakaMetro今里筋線」延伸計画区間の需要喚起や今後の工事の検討を目的に、「社会実験」として運行が開始された、大阪市東部を南北に走る「大阪シティバス」の「いまざとライナー」について取り上げています。
あらたな取り組みとして注目される、その「いまざとライナー」に乗って沿線を巡ってみようかと思い、先日実際に出かけて来ました。
まずやって来たのは、「JR鴫野駅(しぎのえき、大阪市城東区)」です。
今春、新大阪駅までの区間が全線開業した「おおさか東線」と、「学研都市線」とが乗り入れている駅です。
JR高架の下には「今里筋(いまざとすじ)」。
昼夜問わず、交通量の多い、大阪市内東部を南北に結ぶ幹線道路ですが、この直下に「OsakaMetro今里筋線」が走っています。
JR駅を出ると、右方向(北側)に「今里筋線 鴫野駅」があります。
「大阪市交通局」が民営化されてつくられた新会社「大阪メトロ」の「M」マーク、沿線を見ていてもそのほとんどがこれに変わったので、ようやく見慣れたなという感じを受けます。
地下コンコースに降りて来ました。「今里筋線」の各駅は、概ねこの様式でデザインは統一されています。
華美なデザインではないのは、「建設費の圧縮が目的」と言われています。
「今里筋線」を毎回利用していて「便利やなあ」と感じるのは、この改札口前にある「列車接近標」でしょうか。きっぷを買わねばならない時など、焦らずに済みます。
ですが現在、日中は約10分おきでの運転がなされているのですが、乗客減から近年、減便されてしまいました。
さて、今日はいろいろと沿線を巡ることにしているので、この「1日乗車券(エンジョイエコカード)」800円を購入しました。
「OsakaMetro」、「大阪シティバス」全線が1日乗り降り自由なもので、もちろん「いまざとライナー」も含まれます。
この「エンジョイエコカード」、休日には「大人600円・子ども300円」と大幅に割り引きされるもので、市内の観光スポットで利用日にこれを提示すると、入場料・入館料などの割り引きを受けることも出来るなど、結構お得な乗車券です。わたしも休日にはよく利用しています。
それでは改札を入り、地下のホームへと向かいます。
「今里筋線」は比較的近年になって建設された路線ということ、既存の地下鉄路線の下をくぐるような形で建設されていることなどから、ホームや線路は割に深いところに設けられているのが特徴です。
ホーム階にやって来ました。可動式ホーム柵が設けられており、安全面では十分な設備です。
列車はすべて4両編成、車掌が乗務しないワンマン運転が行われています。
各乗車口付近にも、改札口付近にあったものと同じような「列車接近案内」が設けられています。
ところで、ホーム柵の向こうからちょっと線路を観察してみますと…
線路の中央部に、銀色のプレートが並行して並べられています。
「リアクションプレート」と呼ばれるものなのですが、この「今里筋線」は「鉄輪式リニアモーターカー」として開業した路線としても知られています。平成2(1990)3月に開業した、同じ「OsakaMetro」の「長堀鶴見緑地線」で日本で最初に採用された方式です。
ただ「リニアモーターカー」とはいえ、よくイメージするような、現在工事が進められている「リニア中央新幹線」のような「浮上式」ではなく、通常の車輪を使用して、「リアクションプレート」と「車両」双方に取り付けられた磁力を推進力として電車を動かすという方式が採用されています。東京の「都営大江戸線」、福岡の「地下鉄七隈線」、仙台の「地下鉄東西線」なども同じ方式で開業しているものです。
天井を見上げますと、架線も張られているのがわかります。
「地下鉄」と言いますと、パンタグラフが天井になく、線路と同じ高さレベルにある「第三軌条(サードレール)」と呼ばれるものから集電しているケースが多いのですが、この路線では通常の鉄道と同じく「架線集電」が、そして「リニアモーター」が導入されています。
導入された経緯としては、沿線に比較的多い、急勾配・急カーブにスムーズに対応出来ることがそのひとつとして挙げられています
(大阪メトロの路線は、原則的に幹線道路の下を走るルートを採用していて、直角カーブや急勾配などが他社局に比べて多いこともあるでしょうか)。
「今里筋線」は、前回の記事でも触れましたが、大阪市内東部を南北に結んでいる路線です。
大阪周辺では、東西の鉄道網は昔から充実しているものの、南北軸のそれは大変数が少ないので、有用な路線のひとつでもあります。
目指す「今里駅」はここから2つ目。さっそく、向かいたいと思います。
次回に続きます。
今日はこんなところです。