みなさんこんにちは。前回からの続きです。
今年4月から「社会実験」として運行がはじまった「BRT」路線バス「いまざとライナー」について取り上げています。
運行の開始前後から、大阪メトロ各駅ではこのようなリーフレットを見かけるようになりました。
ここからは、これらのリーフレットから詳しく「いまざとライナー」について拾ってみたいと思います。
リーフレットを見て行きますと、ところどころで「BRT」という言葉に出くわします。
「BRT」とは「Bus Rapid Transit」を略したもので、解説にもあるように「速達性、定時性の確保や輸送能力の増大が可能となる高次の機能を備えたバスシステム」のことを指します。
換言しますと、「鉄道輸送に匹敵する利便性の確保を目的としたバス輸送システム」と言えるものです。
今項で取り上げている「いまざとライナー」は、「今里筋線を延伸させたという想定のもとでのバスによる旅客輸送」という位置付けがなされています。
ところで、「BRT」と言いますと、数年前に東北を旅した際に乗車した、こちらの「BRT」のことを思い出しました。
本吉駅(宮城県気仙沼市本吉町)にて。
平成23(2011)3月に発生した「東日本大震災」で甚大な被害を受けた、東北地方の太平洋沿岸部を走っていたJR線を復旧するに当たり、かつてあった「鉄道」という方式ではなく、一般道や、かつて運行されていた鉄道路線をBRT専用道路として整備し、バスによる復旧を行ったという事例です。国内では、この路線が「BRT」として本格的に採用された最初の事例として知られています。
こちらもどうぞ↓
当ブログ
「JR東日本 全線完乗への道!その77~前谷地駅からBRTで本吉駅へ」(2017年7月17日アップ)
https://ameblo.jp/kyle-of-lochalsh/entry-12477849021.html
さらに、リーフレットを詳しく見て行きます。
前回の記事でも触れましたが、運行の目的としては、現在「今里駅(大阪市東成区)」が終点となっている「OsakaMetro今里筋線」の延伸予定区間における需要の喚起・創出、鉄道代替の可能性を検証するため…とあります。
運行期間は向こう3~5年、その間の旅客需要を勘案し、今後の対応方針を決定する(→「今里筋線」の延伸可能性を判断する)とのこと。
そういった事情から、交通系ICカードを使うと、従来では「地下鉄⇔バス」間の乗り継ぎ割引された金額が「290円」なのに対し、「地下鉄⇔いまざとライナー」間では「230円」と、大幅に下げられています。
これは「OsakaMetro」の「地下鉄二区」の運賃と同額ですので、利用喚起としては大きなことではないかと思われます。
その「いまざとライナー」の運行ルートは、「今里筋」を経由する2つが設けられています。
「長居ルート」…「地下鉄今里~杭全(くまた、同)~湯里六丁目~地下鉄長居(同住吉区)~長居西二丁目」間。
この区間は、そもそもの「今里筋線」延伸計画区間である「今里~湯里六丁目(同東住吉区)」間を経由するものです。
もうひとつは「あべの橋ルート」…「地下鉄今里~杭全~あべの橋」間。
延伸計画ルートの途中、「杭全」から西へ折れ、沿線では一大ターミナルである「あべの橋(天王寺駅)」へ至るものです。
運行時間帯は、平日・休日ともに「6~23時」。
両ルートとも、平日日中は20分おき、その他の時間帯では30分おきの運転と、出来るだけ鉄道のダイヤに近づけようとしたものであることがわかります。
設置されるバス停は、鉄道駅の設置を想定して、およそ1kmごとに設けられています。
「地下鉄今里」から「あべの橋」までは約25分、「地下鉄長居」までは約37分というのが、所定の所要時間の設定です。
専用のバスも、このオレンジとブラックに彩られた新車で運行されています。
「今里駅」が終着になっている「今里筋線」の車両カラーに合わせた「オレンジ色」で統一されていて、一体感を持たせているようです。
その車内も、なんと7種類、14タイプの内装があるのだとのこと。これもおもしろい試みですね。
リーフレットを見ているだけでも、趣味的にはなかなか興味深い「社会実験」の「いまざとライナー」。
次回からは実際に乗車して、沿線を巡って来た際の様子をお送りしたいと思います。
今日はこんなところです。