JR東日本 全線完乗への道!その77~前谷地駅からBRTで本吉駅へ | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。
今月初旬、宮城・岩手のJR未乗線区をひとり乗り鉄した際の様子をお送りしています。

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朝に仙台を出発、「仙石東北ライン」で石巻(いしのまき、宮城県石巻市)へと出まして、石巻線で前谷地(まえやち、同)へ。
そこからは初乗車となる気仙沼線(けせんぬません)で、ここ柳津駅(やないづえき、同登米市津山町)へと降り立ったところです。

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その柳津駅にあった列車の時刻表ですが…
右側、「上り」の前谷地・小牛田方面には列車が記載されているのですが、本来左側にあるはずの「下り列車」の部分には、まったく記載がなされていません。

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この駅を発着する気仙沼線は、その名の通り、この先「気仙沼(同県気仙沼市)」までを結んでいた路線だったのですが、東日本大震災により被災し、現在、鉄路では「柳津駅~前谷地駅」のみの運転となっています。

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その代替えとして、この先の「柳津駅~気仙沼駅」の間では、全国的に見ても珍しい「BRT(Bus Rail Transit、バス高速輸送システム)」という方式で気仙沼線の復旧が行われました。平成24(2012)年のことです。

柳津駅前には、その「BRT」乗り場がありました。
一見ごく普通のバス停ですが、きちんと「JR柳津駅」と記されています。

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こちらなどを見ると、まったく「バス停」なのですが…
震災で不通となっている、そのBRTが運行されている「柳津駅~気仙沼駅間」は「鉄道代行バス」という扱いではなく、あくまでも「鉄路の復旧」という扱いがなされています。

運行形態も、もともとの線路に並行する国道などを迂回しながら、運転休止している駅をトレースするように停留所(駅)が設けられています。

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ところでこれは、今日仙台から使用している乗車券ですが…
きちんと「BRT線」という記載があります。

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案内板には、このBRT線の運賃表や時刻表を見つけました。
一般的な鉄路のそれと、まったく相違ないですね。

このBRT線の運賃形態も別建てではなく、もともと運転されていた気仙沼線不通区間の各駅のキロ数に合わせたものを適用していて、前後に他のJR鉄道路線をはさんでの合算がなされます(バス区間だけ別料金にはならない)。
ということで、もうすぐ夏シーズンのはじまる「青春18きっぷ」などでも乗車が出来るシステムになっています。

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BRTの停留所内には、近代的なモニターなども設けられていました。
こういうこまかな点では、ひょっとするともとの鉄道よりも便利かも知れないですね。

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時刻表などを眺めていますと、既存の鉄道路線との接続も加味したものになっているようで、このBRTはあくまで「鉄道路線の一部」として取り扱われていることがよくわかりました。

余談ですが、わたしとしては「JR全線完乗」を目指すに当たり、バスを使用しているこの区間もその範疇に加えるべきかどうか、とちょっと悩んだのですが、さまざま調べているうちに、このようにBRTが鉄道と同様の扱いをされていることを知り、これは鉄路と変わらず、と判断した次第です。

また、この先の沿線で、その判断がさらに強く確信されることがらもありました。それについてはまた後日の項で取り上げたいと思います。
(人によって捉え方は異なるのでしょうが…余談でした)

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さて、肝心のそのBRTですが…駅前に一台のバスが留め置かれています。

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このバスが、BRTの柳津駅へと入って来ました!
これがその「気仙沼線BRT車両」です。

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車体正面には、確かに「EAST JAPAN RAILWAY COMPANY(東日本旅客鉄道株式会社)」の文字があります。「JRバス東北」などではありません。イメージ 9

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経由地の表記を見ますと、鉄路で運転されていた当時とまったく同じルートをたどっています。ただし、先ほども触れたように、並行する国道などを迂回したり、沿線の街の中心地に入ったりするがゆえに、所要時間という点ではかなり異なるようです。

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では、さっそく乗り込みたいと思います。

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車内は…一般的なバスとなんら変わりないですね。
地元の用務客と思しき人々がほとんど、と感じで出発しました。

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BRTの車窓から。登米市から南三陸町へと入って来たところですが、震災で大津波の被害が特に大きい地域だったということで、国道の両側ではさかんに大規模な土木工事が行われていました。

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そんな中、右側の車窓に海が見えて来ました。

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もともとの鉄路も、地図などを見ますと結構、海寄りに線路が敷設されていたようです。それをトレースする形でBRTは快調に飛ばして行きます。
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ところで、気になっていたのですが、時々車窓に単線の高架がちらりと見えたり、並走したりします。これがもともとの気仙沼線のようです。

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車窓からは海岸沿いや…

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山手の方までも大規模なインフラ整備でしょうか、工事が行われていました。大型のダンプカーと頻繁にすれ違います。
バスは街中、すなわちもともとあった駅の周辺をくねくねと走るのですが、国道もあたらしく作り直しているようです。

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こちらは、もともとあった川を造成しているところだとのこと。
大津波は、川までをも破壊してしまったのですね…想像もつきません。

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気仙沼線の主要駅のひとつ、志津川駅(同県本吉郡南三陸町)に到着。
ここで地元の方と思しき人々がどっと降り、車内は空いて来ました。

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この志津川のみと言わず、その間までの小さな駅々の周辺にも、大小問わず漁港の様子が垣間見られました。豊かな水産業が主な土地柄だったことが伺えます。

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先ほどの志津川駅から少し東へ行ったところに「シーサイドアリーナ」という駅(停留所)がありました。町の総合体育館だとのこと。

近くには現在は仮の南三陸町役場など移転し、震災後にはあらたな街の中心地となっているそうですが、もともとはこのあたりに線路は敷設されていなかったとのこと。バスであれば、このように柔軟にルートの変更などが効くので、こういった点は鉄道では実現出来ない利便性だと思えます。

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ここで乗客はみな降りてしまい、貸し切り状態になりました。
ところで、このあとは「気仙沼」へと向かうのですが、そのあとの接続が比較的ゆったりしているので、どうしようかと車中で思案します。

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せっかくの機会なので、柳津と気仙沼との中間地点にあたるこちら「本吉駅(もとよしえき、同県気仙沼市本吉町)」で途中下車することにしました。

バスとは言えど、冒頭に触れたようにBRTは「鉄道扱い」なので、今日使用している「仙台市内→盛岡」間の乗車券では、手数料なしで途中下車が出来ました。そういえば、昼食もまだでした('ω')ノ

次回に続きます。
今日はこんなところです。