10月1日で開業30周年を迎えた、「近鉄けいはんな線」について取り上げています。

起点の長田駅(ながたえき、大阪府東大阪市)から4つ目、大阪・奈良県境の生駒山(いこまやま、標高642m)をトンネルで抜けたところで「生駒駅(いこまえき、奈良県生駒市)」に到着しました。

けいはんな線は北側の1・2番線を使用しています。
右側の、緑色の帯が入っている銀色の車両がここまで乗車して来た「大阪市地下鉄」の車両なのですが、ここは「奈良県」。つまり、地下鉄車両にとっては大阪市域のみならず東隣の東大阪市を通り抜けさらに府県を越境している光景なのですが、ごく普通に、日常的に見られるものです。

けいはんな線はさらに北東へ進んで行きまして、「学研奈良登美ヶ丘駅(がっけんならとみがおかえき、奈良市)」に至ります。こちらももうあと数百メートル進むと京都府(相楽郡精華町)という、これまた「県境」の終着駅です。
将来的な構想として、「祝園(ほうその、同)」や「高の原(たかのはら、奈良市)」への延伸が計画されているとのことで、「けいはんな線」という路線名はこれら「京都・奈良・大阪」を結節するという意味合いがあるようです。

反対のホームには、朱色とベージュ塗装の電車がひっきりなしに入って来ます。
大阪では見慣れた近鉄電車、その奈良線です。

この生駒駅にはけいはんな線の他にも、その奈良線や、南下していく生駒線が乗り入れています。
さらに、少し離れた「鳥居前駅(とりいまええき)」からは生駒ケーブルが発着しており、霊峰・生駒山への奈良方からのアクセスとしての役割を果たしています。

そういうことで、案内板にさまざまな行き先が見られるのも特徴です。
そんな中、「尼崎 甲子園 三宮」という表記がありますが…

大阪方面のホームから、ちょうど阪神車両の「快速急行 神戸三宮ゆき」が発車していくところでした。「奈良線」は終点の大阪難波駅から阪神電車へ相互乗り入れをしており、最長の区間でその神戸三宮駅までの直通列車が運転されています。
「奈良県で兵庫県の駅名が見られる」というのも独特なものがありますが、相互乗り入れ開始からすでに7年、個人的にはようやく慣れた感があります。


けいはんな線では電車に電気を送る架線が存在せず、線路とほぼ同じ高さに「第三軌条」という電気が流れているレールを敷き、そこから給電していることも特徴です。
そういったことで、この「高圧電気通電中」という警告板が駅構内に数多く設けられているのですが、開業当初の警告板はもっとどぎつい(?)デザインのものでした。
画像がないので申し訳なのですが、「高圧電気通電中」の文言はいまだ現役でした。ただ、以前のものは、
こわいでんきがながれています
高 圧 電 気 通 電 中
という感じで、漢字表記の上に同じ文字フォント、サイズでカナ表記が打たれていました。当時、小学生だったわたしは「これはこんな読み方をするのか」と勘違いしたとかしなかったとか(笑) これも、懐かしい思い出のひとつです('ω')ノ

けいはんな線(左側)、奈良線(右側)の線路の様子。その間に柵が設けられているなど、感電の危険性があるがために厳重さ、ある種、ものものしさを感じます。
改札を出たあとにまたすぐ入り、長田駅へと戻ることにしました。

今度は「コスモスクエアゆき(大阪市住之江区)」に乗車。
先頭車両からの様子ですが、これが奈良側から見た「生駒トンネル」です。
左側の奈良線と並んでトンネルへと入って行く様子がわかります。

大阪方の新石切駅から見た「生駒山」とは、このようにだいぶ様相が異なります。

長田駅へと戻って来ました。
乗車して来たのは「近鉄7000系車両」、リニューアルされてはいるものの、30年前の開業当初からの車両です。オレンジの塗装が大きなアクセントですね。

先頭車両には、開業30周年記念のステッカーが掲出されていました。
なかなか夢のある図柄のように感じます。
ここで「けいはんな線」の乗り鉄は終了。
おらが街を走るなじみのある路線ではあるのですが、地元とはいえ降り立つことのない駅も多々あったので、このように改めて細見してみることであらたな発見がたくさんあったように思えます。地元ならではといえど、さまざまな視点から俯瞰することのおもしろさを再認識した次第です。
5回にわたって、おつきあいくださりありがとうございました。
今日はこんなところです。