「青春18きっぷ」で初秋の旅2016~その6 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。
先日、「青春18きっぷ」で「岐阜」を訪問した際の記録をお送りしています。

ところで今回、このようにして岐阜を訪問しているのは先月、東宝系で封切られた映画「ルドルフとイッパイアッテナ」、その主人公である黒猫「ルドルフ」にまつわる地がここ「岐阜」、ということからです。

原作は小学生の頃、食い入るように幾度も読んだ思い出の作品、ということもあり、いまはやりの「聖地巡り」なるものを人生ではじめて敢行?することにしています。
過分に私感が入りますが(笑) ここからもどうぞおつきあいください('ω')ノ

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「岐阜駅」から地元の「岐阜バス」に乗車。すぐに「名鉄岐阜駅」の前を通過します。
開放感のある立派な駅ビルですが、10年ほど前には少し年季の入ったものだったと記憶しているので、全然印象が異なりびっくりします。

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まず、目指すのは「JR・名鉄岐阜駅」から北へ、「国道256号線」沿いに近い「金華橋(きんかはし)」です。

作中でも、実に印象に残る描写がなされているところです。

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映画の原作となった「ルドルフとイッパイアッテナ」、「ルドルフともだちひとりだち」
(原作・斉藤 洋。講談社文庫、平成28年6月第1刷発行。いずれも580円)。

では、車中の移動を利用して、この「ルドルフとイッパイアッテナ」という作品について掘り下げてみたいと思います(ネタバレになるかと存じますが、ご了承ください)。

…長良川のほとり、金華山のふもとで小学生の「リエちゃん」に可愛がられ、飼い猫として生活していた黒猫の「ルドルフ」。とある日、おなかが空いたため商店街にある魚屋のシシャモを盗んでしまったルドルフは、追いかけて来る魚屋から逃げる途中、トラックの荷台に逃げ込もうとしたところ、投げられたモップが頭に命中、気絶してしまう。

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乗車すること10分ほど、こちらの「メディアコスモス・美江寺町」で下車。
車内も、道路もすこぶる空いていました。山の近さが印象的です。

…一晩、トラックに揺られてたどり着いたのは東京・江戸川区。そのトラックから降り立ったルドルフの前に、このあたり一帯を仕切っているという大柄なトラ猫(ノラネコ)が現れる。シシャモを黙って置いていけ、というそのトラ猫に、ルドルフは逃げずに問答する。トラ猫はその気丈さを気に入り、面倒を見ることになった。

ところで、その時の情景がおもしろいのでちょっと取り上げるのですが…

 「…おまえ、名まえはなんていうんだ。」
 「ぼくはルドルフだ。あんたは?」
 「おれか。おれの名まえは、いっぱいあってな。」
 「えっ、『イッパイアッテナ』っていう名まえなのかい。」
 「そうじゃない。『イッパイアッテナ』なんて名まえがあるもんか。
 でも、おまえがそうよびたけりゃ、それでもいい。」… (P28)

「イッパイアッテナ」というのは、ノラネコゆえに近所の人間からさまざまな呼ばれ方(作中で確認出来るだけでも「ステトラ、ボス、トラ、ドロ、シマスケ、デカ…」など。
もともと飼い主につけられていた名前は「タイガー」)をされているのを「いっぱいあってな」という言葉でルドルフへと実に簡潔に伝えたわけですが、ルドルフがそれを勘違いして認識してしまった、という経緯がありました。

「ルドルフは素直なのだな」と、はじめてこの作品を読んだ小学校低学年の頃に感じたとともに、もし自分(当時小学生)が仮にそう言われたとすると、きっとそのように捉えただろうなと、少し不思議に思った記憶があります。わたしは素直ではありませんでしたが(笑)

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快晴の空の下、まずは「金華橋」へと向かいます。

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バス停から少し進みますと、その「金華橋」に所以する「金華橋通り」に出ます。
奥の鉄塔は「NHK岐阜放送局」、ここが「岐阜の中枢部」であることがわかります。

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交差点をわたったところには、バス停の名称にもあった「美江寺観音」(みえじかんのん)」という天台宗のお寺がありました。「稲葉山城(岐阜城)」の「裏鬼門」(南西方向)に当たる場所だそうで、その「守護」という意味合いがあるそうです。

…こうして、イッパイアッテナははるばる東京へとやって来たルドルフの親代わりとなり、飼い猫だったルドルフにノラネコとしての生活を教え込むとともに、ルドルフをなんとか岐阜へ帰らそうと策を繰り広げる。

この作品で特筆されるのは、イッパイアッテナは「日本語が理解出来る」ということと、そこから発展した「教養の重要さ」が語られていることではないかと思います。

イッパイアッテナはもともと「日野さん」という男性の飼い猫だったのですが、その時に飼い主がおもしろがって日本語を教えた、というのです。「字の読み書きが出来る→知識の習得が出来る→教養を持つことが出来る」という図式に興味を抱いたルドルフは、イッパイアッテナに日本語の教えを乞うのですが、実はそれが「ルドルフの岐阜帰還計画」において大きな意味合いを持つことになります。

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「長良川」までは少し距離があるようです。先へと進みます。

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スマホで地図を確認して、というのは便利なものですね。いまさらながらですが…
「長良川」はこの坂を上がったところのようです。

この作品を読んで、強く感じたのは「幼いルドルフがとあることからノラネコになり、教養のあるネコことイッパイアッテナに出会い、その教えを乞うことで心身ともに成長を遂げ、その最大の成果として『岐阜への帰還計画』を実行しようとする」という点でしょうか。実際、作中には「これは本当にネコ同士の会話なのか」と思わされる内容が多々あるとともに、「こういったネコのコミュニティというのがひょっとすると存在するのかも」、などと思ってしまいます。

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河川敷への坂を上がります。30度…しかし、風があるのでさほどにも感じません。

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ようやく、川べりに出ました!といいますか、ちょうどその近くのバス停から、乗車して来たものとは別ルートのバスが出発するところでした('Д') 

駅から、この近くまで行くバスのルートがあったのですね…

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さて、ここが「長良川(ながらがわ)」です。広い河川敷、堂々とした流れです。

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左(西方向)へと目を向けますと、特徴的なアーチ形の橋脚があります。
「忠節橋(ちゅうせつばし)」という橋ですが、なかなか古風な名前だと思えます。

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そこから背を向けますと、作中でルドルフが「なつかしい光景」、として語っている、「ルドルフにとっての岐阜の思い出」が展開されていました。

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こちらが目指す「金華橋」、先ほどの「忠節橋」から東寄りにあり、「長良川」に架かる橋です。

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反対側に目を転じますと「金華山(きんかざん)」の姿が見られます。

次回に続きます。
今日はこんなところです。