みなさんこんにちは。今日の話題です。

先日まで、京阪電車の鉄道資料展示施設「SANZEN-HIROBA(さんぜんひろば)」での「歴代ヘッドマーク展示」について取り上げていたのですが、その中で「個人的に気になったヘッドマークがある」、と触れました。
その際の記事↓
当ブログ
「SANZEN-HIROBAを訪ねて その68」(2016年5月20日アップ)

それがこの「旧3000系特急車 最後の夏」ヘッドマークです。
昭和46(1971)年、「第四代京阪特急」としてデビュー、長年にわたり「京阪のフラッグシップ」として活躍して来た「旧3000系特急車」の全車勇退が翌年春(平成25年3月)に発表された平成24(2012)年夏、掲出が開始されたものです。
先述した通り、「京阪特急の看板列車」として大きな役割を果たして来たこの「旧3000系特急車」の引退まで、この「最後の夏」ヘッドマークの掲出をはじめとしたさまざまな「記念イベント」が行われたのですが、「当時を回顧する」ということで、その際に撮影した記録について、シリーズでご紹介したいと思います。
よろしければどうぞおつきあいください。

「最後の夏」ヘッドマークを掲出した「旧3000系特急車」。三条にて。
(余談ですが、この場所は地下駅でありながら中央に支柱がないので、列車全景を撮影出来る穴場ポイントだったりします)


枚方市にて。印象に残るデザインです。
実は、この時点でこれら編成は「8000系30番台」という形式名を名乗っていました。

「京阪時刻表2008 Vol.15(平成20年10月発行)」より。
大阪中心部を東西に貫く「中之島線(なかのしません)」がこの時開業したのですが、それにあわせて投入されたこの新型車両に「3000系」という車両形式が割り当てられることとなりました。

その際、「京阪特急の主力」として活躍していたこの「8000系」の一グループとして編入されることとなり、「8000系30番台」と改番されるに至りました。
余談ですが、この「8000系」と「旧3000系」はまったく異なる様相なのですが、制御装置などをはじめとする車両器具は共通しているため、メンテナンス的には「8000系」も「旧3000系」も大差なかったようです(もっといえば、「8000系」を新造する際に、廃車となったもののまだまだ使用出来る「旧3000系」の車両器具を「8000系」へと流用したという事実があります)。
ところで、車内の様子も記録していましたので、そちらも見て参りたいと思います。

「旧3000系の目玉」、「5号車(8781)」は伝統の「テレビカー」です。
車内の京都方にBS・地デジ対応の「カラーテレビ」が設置されていました。

淀屋橋停車中の「テレビカー」の様子ですが、そのテレビの周辺の蛍光灯が消灯されています。テレビ画面に照明が写りこまないようにしているという心配りです。


「テレビ」は32型液晶型。登場から長年にわたり沿線の「松下電器(現在のパナソニ
ック)製」を使用していましたが、先ほど述べたBS・地デジ対応の際に「三菱電機製」のものへと取り換えられました。

「テレビカー」の車両屋根上には「テレビアンテナ」が設けられています。
かつては、移動する列車の位置にあわせ車掌がテレビアンテナを操作していたそうですが、後年は「ダイバーシティ式(良好な電波を自動的に受信する方式)」に改められました。また、本来であれば電波の届かない地下線区間でもテレビ視聴を可能にするため、これら地下線内に「漏洩同軸ケーブル」なる設備も設けられるなど、さまざまな対応がなされていました。

「テレビカー」の隣には「二階建てダブルデッカー車両」が連結されていました。
平成7(1995)に従来の車両を「二階建て」へと改造した車両が増結され運用がはじまり「テレビカー」と並ぶ人気車両となりました。現在では、後継の「8000系特急車」の全編成にも連結されています。

「二階部」へのアプローチ。
はじめて乗車した時に「意外にも天井が広いな」と感心した記憶があります。

ぶれておりますがご容赦ください。「階下部(一階部)」です。
車体幅に制限があるため、向かって右側の座席は1人掛けになっています。

「通常の平屋建て車両」へと移って、こちらは「客用扉横」に設置されていた「補助いす」です。「長距離を走る特急運用」が中心だったため、「少しでも着席機会を多く設けたい」という現れだったのではないかと思われます。
ところで、この「補助いす」の間の部分には不自然なスペース、ねじ止めの跡があります(赤い○)。

実は、ここにはこのようなプレートが掲出されていました。
もともと、この「補助いす」は京都・大阪間のノンストップ区間での使用を想定したものでした。ノンストップ区間に入ると「ただいまから補助いすが使用出来ますのでご利用ください」という車内アナウンスが流れ、案内を行っていました。

それ以外の区間、あるいは「ノンストップ区間」に入っても、車内の混雑が激しい場合にはこのランプが点灯し、「補助いす」にはロックがかけられていました。
よく考えられたものだと思いますが、表示ランプが実にアナログでいい感じです。
次回に続きます。
今日はこんなところです。