京阪電車の鉄道資料展示施設、「SANZEN-HIROBA(さんぜんひろば、大阪府枚方市)」で行われていた「歴代ヘッドマーク展示」を拝見しています。

今日はこちらのものから見て参りたいと思います。

「旧3000系特急車 最後の夏」というヘッドマーク。

「旧3000系特急車」とは、「昭和46(1971)年」に登場した「第四代京阪特急」です。


「SANZEN-HIROBA」の目玉として展示されている「旧3000系特急車」、その車内に復元された「カラーテレビ」。
「全車冷房完備」、「カラーテレビ搭載」、また「自動式座席転換装置」(終着駅で座席の向きを自動的に転換することの出来る世界初の装置)」などが備え付けられ、大変な人気を博した車両なのですが、「平成元(1989)年10月」の「鴨東線(おうとうせん、三条~出町柳間)開業」に伴い登場した「第五代京阪特急」こと「8000系」(現在の「京阪特急」の主力車両)に取って替わられ、晩年には「8両1編成」が残るのみとなり、ついに「平成25(2013)年春」、「全車勇退」が発表されました。
その直後にこの「最後の夏」ヘッドマークの掲出が発表されたのですが、これは長年、「京阪のフラッグシップ」として大きな役割を果たして来た「旧3000系へのはなむけ」としてのイベントのひとつでした。
その際の様子はこちら↓
「京阪特急・ノンストップ時代の旅 その2」(2014年3月27日アップ)

その「記念イベント」の一環として、登場直後の姿(「クラシックタイプ」)に復元され、当時使用していた「びわこ連絡」ヘッドマークを掲出した「旧3000系」。樟葉駅にて。
翌年の「平成25(2013)年春」、「旧3000系」は予定通り全車が勇退したのですが、定期列車の運転から離れたのち、「往年の京阪特急」を再現した「大阪京橋~京都七条間ノンストップ」というダイヤでの「お別れ運転」、その後にも「ツアー扱い」でも「最後のお別れ運転」が行われました。
余談ですが、その行程の最後の地「寝屋川車庫(大阪府寝屋川市)」で、「係員から受け取った花束とメッセージカードを座席シートに置き、車外へ退出する…」という式次第がありました。

その際、「旧3000系」に掲出されていたのがこの「最終回送」というヘッドマークでした。「もう走ることがない」ということを無言で語っているわけで、実に「琴線に触れる内容のイベント」だったのではないかと思われます。
この「旧3000系」、個人的には、幼少から大変親しみがある車両でした。
これら「引退記念イベント」は約半年の期間にわたって展開され、わたしもおなごり乗車したり、沿線でカメラを構えたりしたのですが、それからもう3年…
時間が経つのは実に早いものです。

さて、次はこちらのヘッドマーク、「臨時特急 クリスマスエクスプレス」とあります
(「特急鳩マーク」の「鳩」が帽子を被っているのがご愛敬ですね)。
ここ数年、クリスマス・イブにはこのような「クリスマストレイン」と銘打たれた「臨時列車」が運転されています。
その終着駅、「中之島駅(なかのしまえき、大阪市北区)」では列車の発着にあわせて「グッズ即売会」や「撮影会」などが実施されているのですが、おもしろいのはこの「クリスマストレイン」に充当される列車内に「クリスマスパーティーさながらの特別装飾が施されている」、ということでしょうか。
2年前に運転された「クリスマストレイン」についてはこちらもどうぞ↓
当ブログ
青い京阪特急!「きかんしゃトーマスとなかまたち クリスマストレイン2014」が運転
前編(2014年12月26日アップ)
しかし、「臨時列車」とはいえ、車内に乗り込むと「クリスマスパーティー会場」を思わせる装飾が広がっているので、事情の知らない一般の乗客にとってはビックリなのではないかと毎年感じます(汗)

続いてはこちらを見て参ります。

「祝 鴨東線開通」。大阪から洛北へのアクセスを劇的に改善した「鴨東線(おうとうせん)」が開通した、「平成元(1989)年」に掲出されたものです。

その「祝賀ヘッドマーク」を掲出した、デビューまもない「8000系特急車」。
「SANZEN-HIROBA」内のパネル展示に発見しました。
京都市内から北へ、「八瀬(やせ)、大原(おおはら)、鞍馬(くらま)」などといった「京の奥座敷」として知られている「洛北(らくほく)」へは、「出町柳駅(でまちやなぎえき、京都市左京区)」から「叡山電車」が路線を延ばしているのですが、接続する鉄道路線がなく、アクセス改善を主な目的として開通したのが「鴨東線」でした。
開通後は、「出町柳駅」での乗り換えを経て「大阪市内中心部」と「洛北」とが直結され、乗客が大幅に減少していた「叡山電車」も急激な乗客増となり、沿線の開発も一気に進むなど、その様相は劇的に変化を遂げました。

そして、開通から20周年経過した「平成21(2009)年」、記念に掲出されたのがこのヘッドマークでした。「鴨川沿いに林立する柳の木々」、そして「白鷺」…と、実に「京都らしいデザイン」です。個人的には、かなり秀逸なものだと思います。

こちらは「鉄道の日」記念に際して掲出されたヘッドマークでしょうか。
「京阪特急50年」とあるので、「平成12(2000)年」のものだと思われます。
「新橋~横浜間に日本で最初に鉄道が開業した日」、旧暦の「明治5(1872)年10月14日」は「鉄道の日」として親しまれており、全国の鉄道会社でさまざまなイベントが行われているのですが、これはその一環のものだったようです。
ただし近年、京阪ではこの種のヘッドマーク掲出はみられません。

最後はこちらのショーケース。ただ、「ヘッドマーク」ではないようですが…

「鉄道模型ジオラマ」でした。こじんまりとしたものですが、なかなか変化に富んだものですね。

走行しているのはやはりと言いますか、この「SANZEN-HIROBA」のヌシ?である「旧3000系」でした。

これは「Bトレインショーティー」という「Nゲージ(9mmゲージとも。線路の幅が9mm)」に準拠した「鉄道模型」です。
玩具メーカー「バンダイ」から発売されている商品で、「京阪電車」のみならず、全国各地の鉄道会社の、新旧を問わず多数の車両がモデル化されており、高い人気を博しているものです。かくいうわたしもその「Bトレコレクターのひとり」です(^^)v
「レイアウトの製作」にはおカネがかかるイメージがありますが、セット価格も廉価なようですし気軽に楽しめそうですね。

ということで、ここまで「期間限定展示」を拝見して来ました。
毎回興味深いものばかりなので、次回の展示も楽しみにしたいと思います。
おつきあいくださりありがとうございました。
今日はこんなところです。