
先日に引き続きまして、京阪電車の常設資料展示施設「SANZEN-HIROBA(さんぜんひろば、大阪府枚方市。樟葉駅前の「くずはモール」内)で行われていた、「歴代ヘッドマーク」に関する期間限定展示の様子を取り上げたいと思います。
平日で、さらにオープン直後でしたのでこのように空いていました。

では、さっそく拝見して行きたいと思います。

まずはこちらから。「ミシガン」の文字が見えます。
しかし、なかなか彩やかなデザインですが…


その「ミシガン」とは、「びわ湖」を就航する大型外輪観光船のことです。
戦後間もない時期に建造され、「琵琶湖の女王」という愛称で親しまれていた「玻璃丸(はりまる)」の後継船として「昭和57(1982)年」に就航しました。
運営はやはり京阪系列の「琵琶湖汽船」で、各便は大阪・京都方面から京阪電車を介しての連絡が取られていました。

「京阪時刻表 Vol.3 昭和59年発行」より。
これは「ミシガン」の就航から2年後のものになるですが、先ほど触れましたようにここでは「大阪・京都方面から各便への連絡一覧表」が掲載されているのですが、注目されるのは「大阪・京都→ミシガン等」という「往路」だけでなく、下船後の「ミシガン等→京都・大阪」という「帰路」についても連絡が図られていた、ということでしょうか。
先ほどのヘッドマークは、これら往路・復路において指定された「連絡列車」に使い分けられていたものです。
また、連絡列車として設定された特急の車内放送(自動式)でも、
「この電車は17時ちょうど発の、琵琶湖外輪船ミシガンショーボート連絡京都三条行き特急です…」という具合に、その旨がきちんと案内されていました。

「連絡時刻表」の「黒い○」(通常の「ミシガン」便)に連絡する列車にはこの「ミシガン」ヘッドマーク。

夕方から夜間にかけて運航される「ミシガンショーボート」に連絡する列車にはこのヘッドマークが。

こちらは「ミシガンナイト」とあります。
「ナイト便」と「ショーボート便」との違いなのですが、先ほどの「京阪時刻表 Vol.3」が発行された「昭和59年当時」にはいずれも「所要時間3時間」、ただし「日没の長い、短い」の関係で春・秋シーズンでそれぞれ呼称を変えていたようです(後年には「ショーボート=所要時間3時間」、「ナイト=所要時間1時間」という分類がなされている時期もあり)。

さて、先ほどの「連絡一覧表」を再度見てみます。
実は、くだんの「ミシガン」以外にも「近江八景」、「竹生島」という便があるのがわかります。これらは「ミシガン」を使用しての運航ではなかったのですが、時刻表に掲載されているように「大阪・京都方面からの連絡」が図られていました。
ということで、同様に「連絡列車を示すヘッドマーク」が掲出されていたのですが、「ミシガン」を使用しないので、果たしてどんなヘッドマークかと言いますと…

「京阪電車開業50周年記念誌 鉄路五十年」(昭和35年刊)より。
かなり古い書籍なのですが、そこに掲載されている当時の「ヘッドマークイラスト」にありました。

左側、そのものずばり「びわこ連絡」と書かれたもの、これが使用されていました。このヘッドマークは平成初期まで使用されていた「ロングセラー(?)」でした。
近年では、「1900系(第3代京阪特急。昭和31年製造初年、平成20年全廃)」や「旧・3000系(第四代京阪特急。昭和46年製造初年、平成25年全廃)」の「引退前イベント」で、往年の「びわこ連絡」列車をイメージし、このヘッドマークが掲出される姿が見られました。
かく言うわたしも、それでしかこのヘッドマークは見たことがありませんでした。

続いてのショーケースに移ります。こちらも、先ほどの「琵琶湖連絡」に関するものがありました。

こちらは「Bianca LAKE BIWA」とあります。
「ミシガン」とともに「琵琶湖観光」で人気を博している観光客船「ビアンカ」です。

「浜大津港に到着したミシガン」からの写真。右側に見える船が「ビアンカ」です。
ちょっとごちゃついた写真なのですが、ご了承ください(汗)
「ビアンカ」は、「平成2(1990)年」に建造された客船です。
「びわ湖初の湖上宿泊が可能な客船」という触れ込みで登場しました。

「京阪時刻表 Vol.7 平成3年発行」より。
こちらは「琵琶湖汽船」の就航便案内なのですが、前年に登場したばかりの「ビアンカ」も掲載されています。
「宿泊施設が設けられている」ということで、「ビアンカ 予約制 ワンナイトクルーズ」についての記載が見られますが、「1室2名」で「ツイン27.000円」、「スイート38.500円」などと、なかなか高価です。ただ、価格に見合う豪華な設備だそうで、また「朝に目覚めると湖の上」という体験はなかなか出来ないことでしょうから、リゾートユーズには良さそうです。一度、乗船してみたいものです(^^)v
ここまで取り上げました「ミシガン」の乗船記についてはこちらもどうぞ↓
当ブログ
京阪電車「ミシガン&大津線1日フリーきっぷ」で行く 秋のびわ湖でブッフェクルーズ その9 (2014年11月18日アップ)
次回に続きます。
今日はこんなところです。