京阪電車の鉄道資料館、「SANZEN-HIROBA(さんぜんひろば)」で行われていた
期間限定の「ヘッドマーク展示」を拝見しています。

最後のショーケースになりました。今日はこちらを見て参りたいと思います。

「白・赤地」に塗り分けられた、実にシンプルなデザインの「特急」ヘッドマークです。

こちらも「白・赤地」が特徴的な意匠。先ほどの「特急ヘッドマーク」を意識したものであることが伺えます。

この二つのヘッドマークは昨年(平成25年)、「京阪特急」が「昭和25(1950)年」に運転を開始して「65周年」を迎えたことを記念して掲出されていたものです。

ところで、「京阪特急」と言いますとこちらの「鳩マーク」が知られています。
これは「昭和27(1952)年」に一般公募で決定されたデザインで、沿線の「石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう、京都府八幡市。八幡市駅からケーブル線のりかえ男山山上駅が最寄り)」にちなみ、「神のお使いの鳩」ということから採用されたもので、登場以来60年以上にわたり広く親しまれているものです。

ということで、
「京阪特急の運転開始」は「昭和25(1950)年」、
「鳩マークの使用開始」は「昭和27(1952)年」…
という事実がわかりました。
ただその間、「2年間という空白時期」が存在しているのですが、「その間にはどのようなヘッドマーク類が使用されていたのか」という疑問が生じて来ます。
その答えは、ここ「SANZEN-HIROBA」のパネル展示にありました。

「2両編成」の「京阪特急」。「1000型(2代目)」という戦前に製造された車両なのですが、よく観察して見ますと…

モノクロ写真なのでわかりにくいのですが、先ほど取り上げた「白・赤地の特急マーク」が正面に掲出されています。これが「元祖・京阪特急のヘッドマーク」で、つまり先ほどのものは「65周年」を記念して当時使用されていたデザインを復刻したものでした。

これらのヘッドマークは昨年の「65周年記念イベント」の期間中、このように実際に「特急列車」へ掲出されていました。

「わずか2年しか使用されなかった幻の特急ヘッドマーク」。
わたしも追いかけました(汗)


そして、ここ「SANZEN-HIROBA」で静態展示されている「テレビカー」こと「旧・3000系」にも、うれしいことにこれら2枚の「記念ヘッドマーク」が掲出されていました。
「普段見慣れないデザイン」だったことからか、個人的には大変新鮮な印象を受けたことを記憶しています。
この「復刻ヘッドマーク特急」について詳しくはこちらもどうぞ↓
当ブログ
「京阪特急」65周年!記念ヘッドマーク編成を追って~その1
(2015年9月13日アップ)※全8回シリーズ

さて、その「65周年ヘッドマーク」の間にはこれが展示されていました。
先ほども触れましたが、「京阪特急鳩マーク」のヒントとなった「石清水八幡宮」につながる「ケーブル線」で使用されていた「八幡宮 夏の夜間特別拝観」にまつわるヘッドマークです。そのような事情からか、「特急鳩マークとまったく同じデザインの鳩」が中央に控えています。

「男山ケーブル」は、「八幡市駅(やわたしえき、京都府八幡市)」から、その「石清水八幡宮」のある「男山山上駅(おとこやまさんじょうえき、同)」を結ぶ、全長0.4kmの路線で、毎年の初詣にはたくさんの参拝客でにぎわいを見せています。

実は、「わが家の初詣」には毎年その「石清水八幡宮」へと詣でていて、やはり「男山ケーブル」にお世話になっているのですが、今年詣でた際にもこのようなヘッドマークが掲出されていました。
よく似たデザインなのですが、こちらは「ケーブル開業60周年」を記念したものです。
「ケーブル線」では、このような「ヘッドマーク類」の掲出はほとんどなかったのですが、近年においてはこれらさまざまな種類のものを目にすることが多くなりました。
今後は「京阪線」のみならず、こちらも注目されるものになりそうです。

こちらは「SANZEN-HIROBA」の別の場所で展示されている「歴代ヘッドマーク類」。
さて、ここまで見て参りましたが「種別・行先を表記した本標(ほんひょう)」が全廃された現在、今回取り上げた「沿線のイベント・記念行事などをPRする副標(ふくひょう)」はほぼ途切れることなく何らかのものが掲出されており、実に「百花繚乱な状態」ではないかと思われます。
そういったことで、「現在はどんなヘッドマークをつけた列車が走っているのか」という楽しみが出来て(特に「撮り鉄」さんには…)、今回の展示を拝見して「あらたな楽しみ方が出来たな」ということを感じました。
4回にわたり、おつきあいくださりありがとうございました。
今日はこんなところです。