
京阪電鉄広報誌「K-PRESS」2016年1月号 より。
京阪電鉄のグループ会社で、現在はびわ湖周辺でバス事業を展開する「江若交通(こうじゃくこうつう)」が、かつて「昭和44(1969)年」までびわ湖の西岸で運営していた「江若鉄道(こうじゃくてつどう)」の主力車両だったディーゼルカーを、人気の鉄道模型シリーズ「鉄道コレクション」(トミーテック)で発売する、というものです。

いわゆる「Nゲージ(150分の1縮尺)」に準拠したもので、2両セット(定価3000円)とのこと。以前から、ぜひ入手したいと思っていたので発売初日の先週16日(土)、さっそく購入して来ました。

「自宅の展示用レイアウト」へと入線させてみました。
同じディーゼルカーなのですが、比べてみますと随分と様態が違います。

まずは、手前の「キニ9」車両。
実車は「昭和10(1935)年」製造とのことですが、いちばんの特徴は「なめらかな形状の流線型」でしょうか。この車両が登場した当時、鉄道車両や自動車のデザインには世界的に「流線型」の形状が大流行していて、それに範を得たものです。
また、この「江若鉄道」と接続していた「京阪電車」でも、「大阪・びわ湖間」を直通運転で結んでいた「60型(びわこ号)」が同様の「流線型車体」を採用するなど、大変興味深いものがありました。
「びわこ号」についてはこちらもどうぞ↓
当ブログ
「京阪電車開業100周年記念 ファミリーレールフェア2010訪問記 その3」
(2010年10月22日アップ)
また、車長が長いのも印象的です。収容力がかなりあったことが推測されます。
実車を見たことはもちろんないのですが、とてもよく出来ています。

もう1両の方は「キハ14」車両。
当時の国鉄(現在のJR)から譲渡されたそうで、「正面の4面窓」は戦前期の国鉄ディーゼルカー車両では「プロトタイプ」ともいえるものです。

「江若鉄道」は、びわ湖の玄関口「浜大津駅(はまおおつえき、滋賀県大津市)」からその西岸を北上、「近江今津駅(おうみいまづえき、滋賀県高島市)」とを結ぶ、「総延長51.0km」の鉄道でした。
沿線住民の足として以外にも、沿線に「海水浴場」や「スキー場」を控え、当時関西の「人気リゾート地」として人気の高かったため「観光客輸送」もこの鉄道の大きな特徴ともいわれていたようです。
ただし、昭和40年代に入り、当時「東海道本線」を経由していた「大阪・京都方面から北陸本線へと向かう列車」のルート短縮と高速化が計画され、びわ湖の西岸に高規格路線の「湖西線(こせいせん)」を新設することが決定し、それとほとんどの区間が重複する「江若鉄道」は廃止されました。「昭和44(1969)年10月」のことです。
廃止から50年近く経過した「江若鉄道」ですが、昨年、その歴史を振り返る「企画展」が、沿線の「大津市歴史博物館」で行われました。
次回からは、その「江若鉄道の思い出」展の様子をシリーズでお送りしたいと思います。どうぞご期待ください。
今日はこんなところです。
今日はこんなところです。