みなさんこんにちは。
「京阪電車」に乗り、初詣へと向かっているところです。

「京橋駅(きょうばしえき、大阪市都島区)」から40分ほど、下車したのは大阪・京都の府境に近い「八幡市駅(やわたしえき、京都府八幡市)」です。
このカーブ上にあるホーム、いつみても独特なものがあります。
普段は静かな駅なのですが、毎年正月には多くの乗降があるということで駅員さんがホームに立ち、列車の往来を見守られています。
あちらこちら観察していたのですが、待ちきれないのか嫁と娘はさっさと行ってしまいました(笑)

「八幡市駅」の改札を出て、大阪方面へ少し進みますとこの人の出!

奥では「オレンジと赤」に塗られた「ケーブルカー」がちょうど出て行くところでした。
この「八幡市駅」に隣接している「男山(おとこやま)」の山上には「日本三大八幡宮」として知られる「石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)」という、平安初期、「貞観2(860)年」の創建からの長い歴史を持つ八幡宮が鎮座しています。
その参拝客を輸送しているのがこの「男山ケーブル」で、わが家は毎年これに乗ってそちらへ詣でています。気が付けば、もう20年以上になるでしょうか。

「ケーブル線」は「京阪本線」とは改札が別になっているので、ケーブル駅の前には「臨時きっぷうりば」が設けられています。
駅舎内に自動券売機はあるのですが、このようにとてもそれだけではまかない切れないほどの乗客が押し寄せるので、この可動式の「臨時きっぷうりば」が活躍しています。
塗装はこの「男山ケーブル」の車両、もっと言えばかつての「京阪特急」と同じもので正月しか見られないものです。
写真に収めていますと、ここでも待ちきれない嫁と娘はさっさと行ってしまいます(笑)

これほどの人の出なので「ケーブル乗車」まで待つことが多いのですが、今年は幸いにもすぐに改札を入ることが出来ました。
正月には「5分間隔でのピストン運転」が行われています。

3分ほどで、山頂の「男山山上駅(おとこやまさんじょうえき、京都府八幡市)」に到着。どっと乗客が吐き出されます。

さて、乗車して来た「男山ケーブル」ですが、車両には2枚のヘッドマークが掲出されていました。「2枚看板」とは、正月からなかなか豪華です。
このヘッドマークの理由というのは…

駅舎を出たところに答えがありました。
「祝 国宝 石清水八幡宮本社」の掲示。
昨年10月、本殿を含む10棟が「国宝」に認定されたとのこと。
関西では大きく報道されていました。
公式ホームページによりますと、
・・・織田信長の社殿修復、豊臣秀吉の回廊再興、豊臣秀頼の境内再興、そして徳川家光の大造替など、名だたる天下人を始め多くの人々の祈りが大切に守られ、伝統文化が受け継がれて来たことの証であり…
という記載がありました。長年にわたっての歴史と、深い信仰のもとで大切にされて来たことが伺えます。誠におめでとうございます。
(参考)
石清水八幡宮公式ホームページ 「当宮本社10棟 国宝指定へ」

そして、もう1枚は「男山ケーブル60周年」のもの。
「昭和30(1955)年12月」に開業した(もともとの開業は大正時代。戦時中に鉄材供出のため休止となっていた)「男山ケーブル」、昨年末で60周年を迎えました。おめでとうございます。

記念すべき、2つのイベントが重なった「男山ケーブル」と「石清水八幡宮」でした。年始から縁起のよいことですね。

さて、「男山山上駅」から「本殿」へは、この緑濃い山中を進みます。
毎年、みな無言で黙々と歩を進めているのが印象深い道のりでもあります。

竹林を進む中、その間から陽の光が射し込んで来ます。神々しい光景です。

正面門に到着しました。「ケーブル」以外、徒歩や自動車でやって来る人がここで加わり、さらに大変な人出になります。

こちらにも「国宝指定」の垂れ幕がありました。先にある「本殿」へと向かいます。

こちらが、その「国宝」に指定された「本殿」です。
幾度も拝見していますが、いつみても立派なのには変わりないですね。


毎年正月には、本殿前にこの大きな「弓矢」が飾られています。よく出来ています。

お参りを終えますと、そこはかとなく人が多くなって来ました。

参拝のあとは、恒例の「おみくじ」です。
毎年、楽しみな瞬間なのですが・・・「吉」なので、今年はよい年になりますでしょうか。
あろうことか娘は「凶」を引いてしまい、狼狽していたので(!)たしなめるのに少し大変でした(汗)

それはさておき、無事にお参りも終わりましたので再び「男山山上駅」へと戻ります。
帰りも竹林の中を歩いて行くのですが、こちらの帰路は陽があまり入らないのでひやっとします。例によって、嫁と娘はさっさと進んで行きます(笑)

この「帰路」の途中には、実に眺望のよい場所があります。それがこちらです。

「男山」から北東方向を向いています。
画面左右を通過している二層立ての道路は「京滋バイパス(けいじバイパス)」。
名称どおり「名神高速道路のバイパス道路」という位置づけです。
中央に流れているのは「宇治川」。この先、びわ湖へと続いています。
左側の「赤白の煙突」の下付近には「京都競馬場」のスタンドも見えます。
「天王山」も近く、古くから「交通の要衝」として知られているこのあたりの交通事情がよく分かります。

そこから「ケーブル駅」まではすぐでした。

帰りの「ケーブル」も混み合っていました。
注目されるのが、車内中央に設けられている握り棒。変わった形をしていますが、「ソケット電球」を模したものです。
発明王「エジソン」が白熱電球を改良する際に、内部の「フィラメント」の素材にしっくり行くものがなく、世界中あちこち探した結果、この「男山」に自生する竹が最適だということでこれを採用し、結果、「一般に普及した白熱電球が完成した」ということに由来するのだそうです。

さて、「八幡市駅」へと戻って来ました。
「男山ケーブル60周年」のパネル展示が行われていたので、今度は嫁と娘を待たせて見学します(笑)

普段、何気なく利用している路線や沿線の施設にも、実は立派な由来があることを改めて感じた、今年の初詣でした。
ここからは「京都市内」へ出て、「年始の京都」をそぞろ歩くことにしました。
次回に続きます。
今日はこんなところです。