みなさんこんにちは。
「群馬・長野県境」に近い、「碓氷峠鉄道文化むら」(群馬県安中市)に来ています。
かつて、ここから長野県・軽井沢へとつながっていた「信越本線の山越え」のために使用された「補助機関車」がねぐらとしていた「横川機関区」を、平成9(1997)年9月の廃止後に整備した「鉄道観光施設」です。

エントランスを抜けますと、この立派な「レンガ製のアーチ橋」が並んでいました。
「造形美」を感じるのですが、この意匠の橋、「碓氷峠」で有名な風景に由来するものです(後日の記事で取り上げます)。

「メイン広場」です。さまざまな遊具の向こうに、保存車両がちらほら見えます。

まず、その一端から見て行くのですがこの「モニュメント」様の展示物がありました。


一見、「鉄道」とは関係がなさそうに思える「おしゃれな鐘」です。

「めぐり愛の鐘」という名前だそうですが、かつて、この「横川機関区」で「始業・終業」を知らせるために打刻されていたものこと。
現在では「放送設備」を用いて行うのでしょうが、掲示板の説明にあるように「一世紀前のもの」ということですので、当時としては「告知には有効なもの」だったことが伺えます。

そして、この「鐘」を支えている「支柱」も、この「横川駅」の黎明期から近年まで使用されていたものだそうです。

「鐵道新橋 明四十」の記載通り、明治40(1907)年に「跨線橋を支える柱」として設けられ、最近まで使用されていたとのこと。
この時期になると「鉄道設備」も徐々に国産のものが増加し、この種の国産の「柱」や「古レール」などは、意外に各地で見ることが出来ます。

初っ端から、貴重な遺産を拝見することが出来ました。これは楽しみです☆

続いては「鉄道資料館」へと向かいます。

この建物に入りますと、まず目に入ったのがこの「EF63 運転体験資格習得者」という大きなボードでした。しかし「運転体験」とは…?

先ほどの「メイン広場」の画像に戻りますが、ちょっとわかりにくいのですが正面奥の赤い↓の下に「架線」が張られているのがご確認頂けますでしょうか。
実は、この「文化むら」の構内で、かつて「信越本線」が通っていた線路を活用して「電気機関車の運転体験が出来る」というのです。

「運転体験」に使用されるのは、この「EF63」という形式の「電気機関車」です。
「碓氷峠を挟む区間」、つまり「横川~軽井沢間専用」として製造された形式で、この区間を通過するすべての列車に常時「2両セット」で連結され、平成9(1997)年9月30日の廃止まで使用されていました。

気になる「運転体験」ですが、まずはこのような「電気機関車の構造」や「電気工学」、「運転理論」といった「座学」を所定の時間、受けるそうです。


これは、その「鉄道資料館」に展示されていた「EF63」の「電気器具」や「制御機械」などを模したものですが、全然分かりません(笑)
参考↓
「碓氷峠鉄道文化むら EF63形電気機関車 運転体験」(公式ホームページ)

「EF63形電気機関車」の運転室です。
「電気機関車」のみならず、「蒸気機関車」や「ディーゼル機関車」などの「機関車」は「動力を持たない列車を牽引する」と言う役割があります(貨物列車やブルートレインなどの客車は動力を持たないため自走が不可能で、機関車に牽引されないと動けません)。
そういうことで、これら「機関車」には「自走、貨車や客車を牽引するための動力」が求められます。
動力が分散されている「電車」や「ディーゼル車(気動車)」と異なり、自ずから「動力を集約する機能」が備え付けられていて、特に「電気機関車」には両端の運転室以外のスペースの殆どには「機械室」が設けられています。

必然的に「機関車の運転」と言うのは複雑なものになるようで、例えば○で囲んだ箇所、これは「ブレーキ弁」と言いますが(運転の際には「ブレーキ」を差し込みます)、電車やディーゼル車(気動車)の場合には、動力が分散されているため、単一のブレーキ操作のみで制動を調整することが出来るのですが、機関車の場合は後方に牽引している「動力を持たない貨車、客車」を制御するために機関車からブレーキ操作をする必要が生じます。

ですので、機関車には「二つのブレーキ」が備え付けられています。
それが、
上の○ 「単弁(たんべん、単独ブレーキ。機関車のみに作用するブレーキ)」
下の○ 「自弁(じべん、自動電気ブレーキ。列車全体に作用するブレーキ)」
です。
これらを微妙に操作しながら、貨物列車、あるいは客車列車を動かしている、と言う訳です(かつての「ブルートレイン」などの客車に乗車していると、到着の際に「最初の衝撃」があり、その直後にもまた「衝撃」がある、と言う現象は「客車側のブレーキが作用した後、機関車側のブレーキが作用するため」です)。

「二つのブレーキ」の右側には「マスコン(マスターコントローラー、主幹制御器とも。自動車では”アクセル”に相当)」があります。
「細かい段階」が刻まれていて、これを一段ずつ操作することで加速を調整します。
そのような「細かな感覚を味わえる」と言うことがくだんの「機関車運転体験での魅力だ」と言う話を聞いたことがあります。
「重量のある巨大な機関車を、自分の手で動かすことが出来る」訳ですから、難しい講習を受ける価値もある、と言うところでしょうか。
次回に続きます。
今日はこんなところです。
次回に続きます。
今日はこんなところです。