みなさんこんにちは。
「新幹線に乗らないのに新大阪駅をうろうろする企画」から、またまた「SANZEN-HIROBA」の話題に戻りたいと思います。
「歴代ヘッドマーク」の話題がまだ残っております(^O^)

今日は、この色鮮やかな3枚のヘッドマークを取り上げたいと思います。
いずれも、「枚方市駅」から分岐し「私市(きさいち)」までを結ぶ「交野(かたの)線」にまつわるものです。
「交野線」は、先日の記事でも触れたのですが、現在では「通勤路線」としての趣が
強くなっており、「京阪本線・交野線」の南側を走り、同じく「大阪市内」へ向かう「JR学研都市線」との競合を意識した運行がなされています。
ところが、「大阪市内への直通」となると、従来、「京阪」の場合はどうしても「枚方市駅」での乗り換えが必要となり、「京橋・北新地・尼崎方面」へ乗り換えなしで直通する「JR学研都市線」と比較するとどうしても「分が悪い」ということで、「交野線沿線」から「大阪市内」へ向かう「通勤・通学客」を取り込むため、「朝・夕~夜ラッシュ時」にかけて「直通列車」が運転されていたことがありました。
ここからは、その「直通運転」が行われていた頃の様子をご覧頂きたいと思います。

「朝ラッシュ時の枚方市駅 5番線」のスナップです。
撮影時期は平成20(2008)年10月、「中之島線」が開業した直後のものです。
柱の発車案内に「通勤快急 おりひめ 中之島 8:13 8:22発」と記載があります。
「朝ラッシュ時」の運転区間は、「私市→中之島」で、「交野線内」は「各駅停車」で、ここ「枚方市駅」からは「香里園・寝屋川市・京橋以遠の各駅」と停車する、速達型の列車でした
(平成15年9月の運転開始から、平成20年10月の「中之島線開業」までは、当時の「最優等種別」であった「K特急 おりひめ 私市発淀屋橋ゆき」として運転されていました)。
ちなみに、列車名称の「おりひめ」とは、ここ交野線沿線が「七夕伝説」にちなんだ「遺跡」や「伝承」が数多く残されていることから、それを踏まえて一般公募で命名されたものです(枚方市から交野市にかけては、「天野川」という河川が実際にあります)。
一方、対になる「ひこぼし」は、「夕ラッシュ時後の夜間」に「中之島→私市間」に運転されていた「快速急行」で、やはり、「中之島線開業」までは「準急 おりひめ 天満橋発私市ゆき」として「夕ラッシュ時」に運転されていました。

「朝ラッシュ時」の「通勤快急 おりひめ 中之島ゆき」の1本目がやって来ました。

ここで運転調整のため数分停車していました。

「おりひめ」「ひこぼし」ともに使用されていたのはいずれも「5両編成」の車両で、必然的に日常、「5両編成」に組成されていた「元特急車」の「1900系」や「2600系」がほとんどでした。

こちらは側面方向幕です。

1本目の「おりひめ」発車の約10分後、2本目の「おりひめ」がやって来ました。

こちらにも「特製ヘッドマーク」が掲出されていました。
本来の種別は「通勤快急」なのですが、ヘッドマークには「直通通勤快急」となっていたのが特徴です。
「おりひめ」の美しいシルエットが印象的でした。いずれも枚方市にて。

続いては「ひこぼし」のヘッドマークです。
平成15(2003)年9月から平成20(2008)年10月のダイヤ改正までは、「夕ラッシュ時天満橋発私市ゆき」の「準急」として運転されていました。
ダイヤ改正以降は「中之島発私市ゆき」の「快速急行」と種別変更され、運転時間も「夕ラッシュ時以降の夜間」に繰り下げられました。

「夕ラッシュ時」に運転されていた頃の「ひこぼし」です。京橋にて。
こちらもやはり「5両編成」で運転されていました。
ところが、平成25(2013)年3月の「ダイヤ変更」で、「おりひめ」「ひこぼし」ともに全廃
されてしまいました。
「廃止の理由」は正式にアナウンスされてはいないようですが、
①「交野線各駅」の「ホーム長さ」が「5両編成」が最大で、京阪では「車両増結」を
行わないので、混雑する「京阪本線」でも「5両編成」で運転せざるを得なかった
②①の理由で、混雑する当列車を避けて、「枚方市駅」で「交野線」に乗り換えの手間があってでも「大阪方面→枚方市→交野線への着席チャンス」を求める乗客が多かった
③並行する「JR学研都市線」の列車増発(新種別「区間快速」の創設、「快速」の増発など)で、利便性が一気に向上した
④「交野線」「宇治線」の「ワンマン運転」計画が進み、「ワンマン対応出来る形式が新型の10000系、13000系=いずれも4両編成に限られていた」から
⑤使用する「2600系」の「老朽廃車」が始まって行った
(皮肉にも「2600系」の「代替新造」がなされていったのは「10000系」や「13000系」)
⑥「おりひめ」「ひこぼし」とも、「運転本数・運転頻度」が少なかった
(それぞれ2~3本程度の運転だったかと記憶しています)
といったところではないでしょうか。あくまで素人の推測ですので、ご容赦ください。
そういうことで、残念ながら、「交野線直通」の定期列車は消滅してしまった訳ですが、「京阪グループ」の「京阪バス」が、平成24(2012)年4月から「ダイレクトエクスプレス直Q号京都」という、「京都駅→高速京田辺(JR学研都市線松井山手駅から至近)→JR学研都市線河内磐船駅→京阪交野市駅」から「なんば・O-CAT」までの「直通バス」の運転を開始し、「交野線沿線」のみならず、「競合相手」の「JR学研都市線沿線」から乗り換えなしで「大阪・ミナミ」へ直行出来るようになりました。
これが「おりひめ」「ひこぼし」の「代替」とも受け取れるかは分かりませんが、利便性で大きく水を空けられている「JR学研都市線」への有効な対抗策となり得るか、注目したいところです。
(参考リンク)
京阪バス公式ホームページ
「ダイレクトエクスプレス直Q号京都」案内ページ

最後はこちら。
「七夕短冊奉納 七夕Station」のヘッドマークです。
解説には、「七夕シーズンに京阪線全駅で展示した笹飾りを回収、『七夕短冊奉納列車』として私市駅まで運転時に掲出」とあります。

京阪では、毎年7月初旬に「七夕Station」と称して、主要駅に「笹」を展示して、利用客が自由に短冊に願いを書き入れ、飾り付けることの出来る行事を行っています。
「七夕の日」の終了後、各駅に展示されているそれらの笹と短冊をを全て回収し、「交野線沿線」の「機物(はたもの)神社」に奉納しているのですが、先ほどのヘッドマークは、各駅で回収された「短冊が取り付けられた笹を機物神社へ運ぶ際」にわざわざ専用の「短冊輸送臨時列車」を仕立てた時に掲出されたものです。
写真は京阪電車広報誌「くらしのなかの京阪」(平成26年7月号)ですが、今年も「七夕Station」を行う旨の案内が載っておりました。

こちらは、「京橋駅」の「中央改札前」に掲げられている「告知ボード」です。
いつも、時期に応じた素敵なイラストが描かれているので、通るたびにいつも楽しみにしています。
「七夕」にはちょっと早いですが、みなさんはどんな願いをされるのでしょうか?
今日はこんなところです。