みなさんこんばんはー
今日は夕立がざっと降って、ちょっとだけ涼しい感じの夕方でした。
前回からの続きです。
白浜から和歌山駅まで戻って来ました。
さて、今回の「18きっぷ 紀州路の旅」、「ローカル私鉄に乗車する!」という目的もあります。
先日アップしました「紀州鉄道」に続き、今日は「和歌山電鉄」の様子をレポートしたいと思います。
「和歌山電鉄」は、JR和歌山駅から紀ノ川の南岸、「貴志駅」までを走るローカル線です。
沿線にも、特に有名な観光地も存在していない、という点で何の変哲もないように思えます。
かつては、関西の大手私鉄「南海電鉄」の「貴志川線」という路線でしたが、沿線の過疎化など理由で利用客が
減少し、廃線の危機に瀕していました。
「廃線」という最悪の状態から脱すべく、岡山県で交通事業を展開している「両備グループ」が主体となって、
「南海電鉄」から分離し、「和歌山電鉄」が誕生しました。
ただ、あたらしく設立された会社でも情勢は大きく変わらなかったといいます。
そこで、活性化のためにさまざまな試みがなされています。
沿線をたどりながら、その「試み」をご紹介したいと思います。
まずは…

和歌山駅のホームで発車待ちをする「たま電車」です。
終点の「貴志駅」には、南海電鉄時代から駅に近接する商店に「たま」という猫が住み着いていました。
この「たま」、隣接する駅に居座っていて、地元の乗降客からは親しまれていたそうですが、それを宣伝材料に
した、というわけですね。
「和歌山電鉄」の救世主とも言える存在で、当の電鉄は「和歌山電鉄」=「たま」という図式でいっそう大いにアピールしているようです。
これに由来した「ラッピング電車」です。
さっそく車内に入ってみます。
「目新しいのは塗装だけか~」と最初は思ったのですが…

車内の様子です。
2両編成の電車のつなぎ目ですが、のれんのような、神社のようですね。
「SUPER STATION MASTER TAMA」とあります。
「スーパー駅長たま」と言い換えるそうです。

車内は木目基調になっていて、落ち着いた雰囲気です。
それだけではなく…

なんと車内に本棚が!

よくよく見てみると、「ねこ」にちなんだ本が並んでいます。
列車に乗っている間、退屈しないようにするというもくろみなのでしょうか。
「ねこ」つながりで、「三毛猫ホームズ」シリーズがならんでいます(^O^)

「ねこ」とは関係ないですが…
私が小学生の頃の愛読書「学習まんが 少年少女 日本の歴史(小学館)」があるではないですか!
(これはいまでも実家にあります)
思わずなつかしい思いで手に取ってしまいましたm(__)m

こちらの棚には幼児向けの絵本が並んでいます。
ちょうど乗り合わせた小学生の団体が、黙々と棚の本を読んでいる姿はなかなか新鮮でした。
わたしも「日本の歴史」に必死でした(笑)

和歌山駅から40分あまりで、終点の「貴志駅」に到着しました。

「貴志駅」の駅舎です。
つい数ヶ月前に改築されたばかりだそうです。
ねこの表情ですね\(-o-)/
ちなみに左側が、「たま」が居ついていた商店だそうです。
この駅、無人駅なのですが大変なにぎわいです。
駅前に出てみますと、クルマでやってくる見学者がひきも切らぬ状態のようで、整理のためのガードマンまで
居りました。

改札を出たところではこの人だかり…

これが件の「たま」です。
この時は機嫌が悪かったのか、柱の奥に隠れたままでした。
この「たま」ですが、「和歌山電鉄」がその存在を宣伝し始めてから利用客が急増し、見学ツアーまで組まれる
ありさまだったようです。
「救世主」となった「たま」は、この無人の「貴志駅」の「駅長」に任命されたそうです
(ちなみに役員待遇だそうで、給与はキャットフードだそうです)
「たま」をモチーフにした商品も多数発売され、さきほどご紹介した「たま電車」もこれにちなむものです。
実は、今回の訪問の前、「和歌山電鉄」になる前の「南海電鉄貴志川線」時代に「貴志駅」まで乗車したことが
あります。
その時とは別世界のような差になっていて、少々驚きました。
古いデータを探していましたら画像が出て来ましたので、ちょっとご覧ください
(いずれも2005年1月撮影)

和歌山駅から乗車した電車。
終点までこの状態でした。

「貴志駅」の駅名板。
いかにも「ローカル線」という感じです。
終点まで乗り続けていたのは私を含め3~4人ほどだったと記憶しています。

改装前の「貴志駅」改札前
(4枚前の画像は、この角度から左を向いたものです)
この時は有人駅でしたが、駅前には人影もなく折り返しの電車に乗っていたのは私ひとりでした。
しかし大変な変わりようです。
慢性的な赤字に苦しむローカル線というのは全国に数あれど、楽しんでいるお客さんの表情とか、グッズの人気などを見ていますと、工夫の仕方でここまで活性化するものだなと感心しました。
さて、折り返しの列車に乗り込みます。
「一日乗車券(650円)」を手にした観光客を満載して、貴志駅を後にします。
次回に続きます。
今日はこんなところです。