チン電で行く浜寺公園界隈の旅 その7 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんばんは。
連日お送りしている「チン電」の旅シリーズですが、今日でおしまいです。
 
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さて、羽衣交差点から駅前通りに入ります。
この通り、かつては羽衣・東羽衣駅から浜寺海水浴場への目抜き通りだったのですが、現在は面影はありません。
 
このあたり南海の浜寺公園駅から市境を越えて、堺市から高石市に入ってまいりました。 
今日は堺市との境界に位置する、高石市・羽衣周辺のレポートです。
 
浜寺公園駅から大通りに出て、浜寺公園の松並木を右に見て進みますと高石市に入ります。さらに羽衣交差点から北に入りますと、南海羽衣駅とJR東羽衣駅があります。
 
「羽衣」という地名だけに、この一帯は有名な「羽衣伝説」の舞台の一つとなっています。
調べてみたのですが、「羽衣伝説」は各地で微妙な差異があるようです。
 
「天から舞い降り、水浴びをしている間に、帰れないように羽衣を隠す」というところまでは共通しているようなのですが、その後、話の内容によって「近江型」と「丹後型」に分かれます。
 
「近江型」は、羽衣を隠した男性と所帯を持ち、子孫を残すが、結局は天に帰ってしまうもの。
「丹後型」は、天に帰れなくなった天女が老人夫婦に引き取られるが、数年後に家を追い出され、放浪の末に「天照大神」の仕女となるもの。
 
われわれがよく知っているのは、この分類では「近江型」でしょうか。
天から降りて来たので「神の使い」だと神格化されたのでしょうね。
いずれにせよ、古代ロマンのある話です。

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南海「羽衣」駅です。
先日来、ご紹介している「浜寺公園」駅とともに、堺市~高石市内の南海線の高架工事が進行しています。
 
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今日の主題は、この何の変哲もない踏切についてです。
(踏切の奥の高架駅は、JR東羽衣駅です)
 
ちょうど、なんばゆきの特急列車が通過していきました。
 
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またまた見苦しい手書き地図が登場します。どうかご容赦ください(笑)
 
浜寺公園に関西でも有数の人気海水浴場、「浜寺海水大浴場」があった頃の大正から昭和初期にかけての話です。
 
この大観光地に、周辺を走る「南海」と、JR阪和線の前身であった「阪和電気鉄道(以降、阪和)」がそれぞれ、大阪や和歌山からのレジャー客の誘致を画策します。
 
もともと、大阪から京都・神戸・奈良への乗客数と比較して和歌山への直通客というのは少ないものでした。そのため、両社は乗客を激しい競争(抗争)で奪い合いをしていました。
既に明治期に開通していた「南海」に対し、昭和初期に、高速運転が出来る当時としては破格の高規格で建設された「阪和」は、「南海」の牙城であったこの浜寺海水浴場への乗客輸送のため、途中の阪和鳳(現在のJR鳳)から阪和浜寺(現在のJR東羽衣)までの支線を建設します。
現在のJR東羽衣支線です。
 
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ところが、阪和浜寺駅を出て浜寺海水浴場へ向かうには、羽衣駅横にあるライバル南海の踏切を越えないと行けない構造になっています。
南海は敵愾心むき出しで、海水浴シーズンにはこの踏切を通過する列車のスピードをわざと「停車寸前」に減速し、阪和の乗客に対し、意図的に「開かずの踏切」にしていたという話が残っています。
 
結局、「消耗戦」となったこの抗争は、第二次世界大戦に入る前の1940(昭和15)年、経営が傾いた阪和が南海に合併され、「南海山手線」となる頃まで続いたと言います。

現在も「南海」と「JR」はライバル関係でありますが、いまでは想像もつかない話です。同様の過剰な抗争は、大阪・名古屋間の「官営鉄道(現在のJR東海道本線)」と「関西鉄道(現在のJR関西本線・大和路線)」でも存在していたようです(利用客にうちわや弁当の無料配布などをしていたそうです)。
 何の変哲のない踏切にも、実は思わぬ歴史が隠されていたというわけです。
 
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さて、ここで「チン電」の旅は終了です。帰りはJRに乗ります。
駅のスタンプは、やはり「羽衣伝説」にちなんだものでした。
 
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立派な高架駅へ、たった一駅だけ走る、3両編成の電車でした。
今日はこんなところです。