行雲流水的くっぞこ -228ページ目

夕闇

 相変らず暑苦しいんで、今度も、ライトな涼しげな話を。


 東京に住んでいる伯父から、十数年前に聞いた話です。


 ある年の夏、伯父が体調を崩して入院しました。そこは、総合病院で、少し大きい病院だったそうです。順調に回復して、もう少しで退院できる、という時、お盆に一時帰宅の許可が下りて、家へ帰れることになりました。

 伯母は、その一時帰宅の日は、忙しくて、伯父は、一人で帰ってくることになりました。まぁ、それだけ、順調に回復していた、ということです。


 一時帰宅の日、お昼2時過ぎに病室を出て、エレベーターに乗りました。伯父は、やっぱり、家へ帰れるのが嬉しかったのか、いつも乗る一般用エレベーターじゃなく、間違えて患者搬入用(?)の、大きな方に乗って降りたそうです。たまに間違えて乗るので、まぁ、いいか、とそのまま下りて行きました。


 スゥー、と扉が開いて、伯父は、思い切り違和感を感じたそうなんですね。エレベーターから降りて気付いたそうなんですけど、周りが、かなり暗くなっていたそうなんですね。まるで、日が沈んでしまった後、少し、赤い夕焼けが残っているくらいの。赤かったそうです。

 ただ、お盆の頃の、昼2時過ぎですから、普通に考えて、まだ暗くなる訳はないんですね。伯父は、別に体調は良かったし、何でだろう?と思っていたそうです。伯父は、戸惑いながらも、病院の玄関までたどり着きました。


 家へ帰れる、という安堵感に浸りながら、外へ出ると、なんと、普通に真っ昼間だったそうです。太陽は、まだ中空高く輝いていて、いままで、暗いところにいたので、まぶしかったそうなんですね。


 その後は、普通に、病院の前でタクシーをひろって、そのまま家へ帰りました。


 伯父は、そのタクシーの中で気付いた事がありました。昼間の病院ですから、廊下には、当然、外来の患者や医者、看護婦、事務員等、大勢の人がいるはずなのに、薄暗かった1階では、人を見なかったそうなんですね。見たかもしれないけど、見た記憶がない。やけに静かだった、と。自分の病室を出るときには、看護婦さんと、普通に話していたそうなんですけどね。

 そこは、そんな小さい病院じゃないのに、何で、人がいなかったのかな?、と伯父は言ってました。

筋肉少女帯「ナゴムコレクション」

 筋肉少女帯のナゴム時代の音源が、タイトルを変えて再発しました。

 筋肉少女帯「ナゴムコレクション」(2006年)です。

 以前出ていたCDも持っていましたが、ボーナストラックがすごくて、買ってしまいました。


 以前のモノ、筋肉少女帯「ナゴム全曲集」(1990年)です。

 このCD、「ナゴム全曲集」といいつつも、ドリフターズサイドからのクレームにより、「ドリフター」「高木ブー伝説」は収録してませんでした。


 ナゴム、ナゴムといってますが、ナゴムというのは、自主製作レーベルの名前です。ナゴムレコード。

 1982年に”有頂天”のケラリーノ・サンドロビッチさんと、”東京タワーズ”のメンバー3人、が作った自主レーベルです。

 当時、東京の自主レーベルのシーンでは、ハードな音が主流だったそうですが、ハードな音じゃない、ポップな音のレコードを出したいということで、”和む”=ナゴムレコードと名付けたらしいです。東京タワーズのメンバーの3人は、意見が違ってきたため、だんだん離れていって、結局、ケラさんの個人レーベルになってしまいました。

 80枚近いレコード、ビデオ、CDを出して、ナゴムレコードを閉じたのが1989年。


 ナゴムレコードからは、その後、有名になる人もレコードを出していて、”有頂天”はもちろん、”筋肉少女帯”、電気グルーヴの前身”人生”、”たま”、”カステラ”、NHKの「プロジェクトX」のナレーションで有名になった田口トモロヲがいた”ばちかぶり”、漫画家になった中尊寺ゆつこがいた”ロシアバレエ団”。


 そのナゴムレコードから出した、筋肉少女帯のレコードは、全部で3枚です。

 

 今回の「ナゴムコレクション」にも、”ドリフター”は入ってませんでした。”高木ブー伝説”は、高木ブーさんの許可が下りて、CDが出ていたので、これにも、もちろん入っています。それに、ナゴムのオムニバスアルバム「あつまり」に入っている3曲も入ってて、お得ですね。ついでに、ビデオも入ってれば良かったのに、と思ってしまいました。


 すごいのは、ボーナストラック。30分入ってます!ベースの内田雄一郎さん秘蔵の”ナゴム時代のデモ音源とライブ音源”が8曲です。

 ”いくじなし”の1987年のライブが、個人的に最高です。

 空手バカボンの”パヤパヤ”の筋少バージョンのライブも入っています。アルバム「80年代の筋肉少女帯」にも、空バカの”大もうけバカボン”が入ってて驚きましたが、これ、訳わかんなくて凄い(笑)。

 1982年の曲作り中の録音の”肉の王者”。しゃべりが、妙にコントチックなんですけど(笑)。


"WEBダ・ヴィンチ”に連載している、オーケンのコラムでの、「ナゴムコレクション」の自己解説です。

http://web-davinci.jp/contents/four_channel/contents/ohtsuki_index.php


オーケンが、↑の解説で書いている”あの曲”、オーケンは、”フジワラ”を”ミネシ”と勘違いした、と書いてますけど、私には、”フジワラ”じゃなくて、”イシカワ・ミネヨシ”に聞こえます。

 

窓から

 暑い。寝苦しい夜が続いています。ということで、涼しくなる話をひとつ。


 私の叔母から、もう、十数年前に聞いた話です。


 叔母が、夜中、目が覚めて、トイレに行きたくなったそうなんですね。

 叔母の部屋から、トイレへ行くには、居間を通っていくんですが、その日は、月が出ていたみたいで、居間の窓から差し込む月影が、居間の床に四角く映っていたそうです。

 用を済まして、居間へ戻ってきました。当然、居間の床には、四角い月影が差し込んでいますが、その月影に、胸から上の人影が、映っていたそうです。

 叔母は、エッ!と思って、窓を見ましたが、既に誰もいなくて。それで、窓に近づいて、外を見たそうですが、外にも誰もいなかったそうです。


 ここで、説明しておくと、叔母の家というのは、丘の中腹に建っています。そして、その窓というのは、狭い道路に面しているんですが、丘の関係で、窓から地面まで、3-4mあるんですね。、しかも、外壁は、コンクリートの壁なので、素手じゃ登れないんですよ。はしごを架けないと、その窓まで、上がって来れない位置にあるんですね。


 窓の外には、はしご等、台みたいな物もなくて。道路にも人影がなくて。月が出ていたので、それがよく分かったらしいんですけど。

 叔母が、人影を見て、窓から外を見る間、数秒です。その間に、はしごを降りて、それをどこかに隠して、自分も隠れるなんて出来ないしね、隠れる場所もないし、変な物音も聞こえなかったし、あの人影は、なんだったんだろう?と叔母は言ってましたけど。

 

 叔母は、たまに見る人です。

EBERHARD WEBER「THE COLOURS OF CHLOE」

 好きなジャケット、EBERHARD WEBER「THE COLOURS OF CHLOE」(1974年)です。

  エバーハルド・ヴェーバーさんは、ドイツのジャズ・ベーシストで、このアルバムは、ドイツのレーベル”ECM”から出ています。


 このジャケットは、彼の奥さんのMAJA WEBERさんが描いたものです。彼のアルバムは、ほとんど彼女が描いています。薔薇の茂みの前で、家族全員そろって記念写真を撮っている、という絵。まぁ、それだけなんですけど、好きなんですよ。

 実は、このアルバムを買ったとき、本当は、彼の別のアルバムを買うつもりだったんですが、横の棚にあった、このジャケットに惹かれて、このアルバムを買ってしまいました。


 音の方は、いわゆる、”ジャズ”ぽくなくて、ジャズ・ロックといっていいですね。モコモコうねってます。イマジネイティヴで、グルーヴィーで。ECMですから、どこまでも、静かで、広がっていく感じ。鍵盤のライナー・ブリューニングハウスさんが良くて。

 ヴェーバーさんが、最近アルバムを出したのは、2000年でしたけど、これも良かったですね。

ZABADAK「IKON」

 好きなCD、ZABADAK「IKON」(2000年)です。


 ザバダックは、1985年結成のバンドで、当初、3人いたメンバーも次々抜けていって、1994年からは、吉良知彦さんのソロユニットとなっています。

 元々、男女ツインヴォーカルのバンドだったのですが、一人になってからも、ゲストとして、女性ヴォーカルを迎えて作っていたりするので、どうなんだろ?という感じなんですけど(笑)。


 このCDは、一人になってからの盤です。一人になってからの盤は、地味めなものが多かったんですが、このCDは、聴いて驚きました。

 鈴木光司さんの小説「楽園」にインスパイアされた音楽だそうです。


 このCDで、個人的に好きな曲は、3部構成になっている、13分強の「遠い旅の記憶」です。

 8-9-8-12と、木琴の刻むリズムの上を、メロトロン風なシンセ、エレキギターが、泣きのメロディを奏でていく、冒頭の2分くらいまでの音で、もう琴線を掻き鳴らされっぱなしです。

 あとは、もうため息をつくだけですね。


 こんな曲を書いたりするから、ZABADAKも目が離せないですね。とは言っても、全部持ってないですけどね(笑)。


 ここ で(部分的に)試聴できます。ただ、「遠い旅の記憶」は、冒頭の部分じゃなくて、ヴォーカル部分が試聴パートになっています。