翔平くんがメジャー通算176号ホームランを打って、また世間を騒がせています。あれよあれよという間に、打率も一位に座っているとは恐れ入ります。構える時に左肘を下げたので、フライよりもライナーが増えたとか。
落合博満さんが現役の時に言っていました。「ホームラン王は限られた人だけだから、勝ち方は知っている。でも首位打者は誰でも狙えるから難しい」その難しい首位打者が取れるとなれば、がぜん三冠王も現実味を帯びて来ます。
周囲の喧騒を尻目に、翔平くんは野球にまっしぐら。どんな天才野球少年だって、四番ピッチャーは中学生くらいであきらめます。それを最高峰のメジャーで、しかも数多のスーパースターから抜きん出るなどとは。
翔平くんのプレイを見ていると、バッターの時は笑みを浮かべるような、ピッチャーの時は難しそうな顔をしています。だから、バッティングの方が好きだと思っていました。ところが本人曰く「まだピッチャーの方が伸び代がある」
翔平くんの活躍に感化されて、またフィールドオブドリームスを観たくなります。Amazonビデオを探したらありました。物語は極めて単純そのもの。とうの昔に諦めた夢を、周りに笑われながら実現する夢物語です。
かつて1イニングだけメジャーの守備に就いたことのあるドクは、1度でも打席に立つこと。あとちょっとだけの小さな夢です。父親の期待を裏切ったレイは、父とキャッチボールをするだけで報われます。これも実は小さな夢。
僕は四つの時に父を亡くしたので、父親と遊んだりケンカをした記憶はありません。子供が小学校の時に、娘と息子にグローブを買いました。でも、二人ともキャッチボールを嫌がります。親子のキャッチボールは叶いませんでした。
息子は中学高校と陸上短距離選手でした。何度も競走をしようと持ちかけますが嫌がります。高校三年の時でしたか、運良く町民運動会で実現します。スタートは僕がリードしましたが、10メートルも持たずに抜かれました。小さな夢が実現した瞬間でした。