小学校の頃は、失敗するとすぐに涙が出そうになりました。涙を見られるのが恥ずかしくて、何も言えずにうつむいていました。そんな自分が情けなくて、また涙が出てきます。
ある時そろばん塾で、誰も手をあげない時に手をあげたら、先生にほめられました。「手をあげる子は、伸びる子だ」そうほめられると、どんどん勇気が出てきました。
弱気な虫を何とかしたいと思っていました。弱虫を強くするには、鍛えなければいけません。そこで、とりあえず手をあげることに決めます。学校でもそろばん塾でも、「答えがわかった人?」と聞かれたら手をあげます。
手をあげない理由は、間違ったら恥ずかしいということです。まずは、間違ってもいいんだと自分に言い聞かせます。そして、間違えないように準備するよう心がけます。
効果が現れてきたのは、中学校でバスケットボールを始めてからです。一所懸命に練習したら、誰よりも上手になって自信がついてきました。勉強の成績が伴わなかったのはご愛嬌。
自信がついてくると調子に乗って、人前にも出るようになります。特別に能力があるわけではないので、人前で恥をかくことも増えました。高校大学では、前に出ても何もできなくて恥ずかしい思いもしました。
それでも、へこたれずに手をあげ続けています。今でも講習会に参加すると、質問コーナーで決まって手をあげます。会議では必ず手をあげて意見を言います。あらかじめ、質問や意見をいっぱいためておきます。
気が小さいことは変わりません。手をあげる時は緊張します。人前に出ると、ポーッと顔が熱くなります。でも、その緊張感がたまりません。強気な弱虫です。