映画熱


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映画 「あのコはだぁれ?」

幽霊が補習受けたっていいじゃないか、元人間だもの。

 

 

ホラーが続きます。今度は、清水崇監督最新作。

 

彼の作風は、「怪奇映画」というキーワードが合うように感じます。

 

本作もまた、家が出て来ます。としお君も…

 

う~む、みんなつながっているんですねえ。

 

清水幽霊ファミリーワールドといったところでしょうか。

 

 

とにかく、この映画も、ひたすら、楽しい。

 

もう、ずっと、笑いっぱなしでした~

 

 

 

夏休みの補習。登場するのは、5人の高校生。(男3、女2)

 

担任が休んでいるので、臨時に雇われた女性教師が、本作の主人公。

 

プリントを配っている時に、『…先生、足りません!』

 

あれれ、女子が、もう1人いる…?

 

 

 

「サユリ」の幽霊は、小百合ちゃんでしたが、本作の幽霊は、さなちゃん。

 

あ、やべえ。俺にとっては、元カノの名前ニアミスですわ~ トラウマタイガー&ホース。

 

俺がゾッとしたのは、その瞬間だけでした。 ああ、怖ェ…

 

 

 

さなちゃんを演じるのは、穂紫朋子。

 

一重まぶたで、切れ長つり目が、実に可愛らしい。

 

俺はタレ目なので、つり目に憧れるんですよねえ。

 

(タヌキとキツネシンドローム、的な)

 

 

 

さなちゃんは、しれっと登場します。

 

そして、真面目そうな女子と、仲良くなります。

 

さなちゃんは、ピアノを弾きます。

 

そして、歌を歌います。ハミングで…

 

 

たどたどしい感じが、いいですねえ。

 

10代という、貴重な時間を生きている感が、瑞々しいですねえ。

 

おっさんは、自分が経験できなかった青春時代に、疑似タイムスリップしてしまうのです。

 

 

 

「水深ゼロメートルから」を見た時も、感じたことだけど、

 

映画は、自分が経験してこなかったことを、補完してくれる力があると思うのです。

 

俺みたいに、トラウマを抱えた過去が多ければ多いほど、

 

浄化装置のように、中和してくれるような、作用があるように思えるのです。

 

 

もちろん、完全には、キレイにはなりません。 なるはずもないし。

 

ただ、何も見えない真っ暗ではなく、薄暗い程度には、

 

何も聞こえない状態ではなく、ノイズを少しだけ、減らしてくれる程度には。

 

 

淀んだ魂を、傷だらけの命を、ほんのひとときだけ、癒してくれるんですね。

 

 

 

だから俺は、この映画に登場する青年たちを、応援したくなっちゃう。

 

過去の事件で心を病んで、おかしくなってしまっている、面倒くさい親がいても、

 

何とか理解しようとする、健気な心が、ああ、愛おしい。

 

 

俺も、彼らみたいな友達がいたら、人生が少しは変わったかもしれない。

 

でもそれは、もう、考えても遅いし、どうしようもないこと。

 

だからこそ、今を生きる彼らを、応援したくなっちゃうんですね。

 

 

 

ベテラン勢の出演者は、染谷将太、松尾諭、マキタスポーツ。

 

それぞれに、抑えた、いい演技でした。

 

主役はあくまでも、若い人たち。

 

脇役がしっかりしていると、物語が、しまる。

 

そういう意味でも、気持ちのいい映画でした。

 

 

 

怖い体験は、若いうちに、たくさんしておけ。

 

これはもう、座右の銘みたいなもんですが、

 

自分がどうやってもかなわない、脅威や権力や、理不尽な暴力は、

 

年を重ねてからだと、精神が、いとも簡単に崩壊してしまうから。

 

精神が柔軟なうちに、あらゆる「振り切れ幅」を経験しておくのが、後で生きてくる。

 

 

俺は、色んな目に遭った。

 

よく、ここまで、生きてこられたと思う。

 

人間なんて、明日はどうなるかわからない存在。

 

今、ここでこうして、生きていること自体が、奇跡。

 

 

だから、自分が生き抜いてきたことで、学んだことを、

 

誰かに、伝えることができたら、なんて、最近は思うのです。

 

 

 

主人公の女性は、たまたま雇われただけの臨時講師だけど、

 

関わったからには、何とか、役に立ちたい、と思う。

 

自分の恋人に降りかかった災難には、何か理由があるのかもしれない。

 

 

そして、俺が惚れたのは、校長先生。

 

ああ、こんな人が上司だったら、きっと俺、がんばっちゃうだろうなあ。

 

いい人は、災難に遭いやすい。

 

真面目な人は、余計な荷物を、どんどん背負っちゃう。

 

容量の悪い、お人よしは、うまく利用されてしまう。

 

 

どうせ、苦労するなら、信頼できる人と、運命を共にしたい。

 

不可能なことを成し遂げようとするなら、気持ちを理解してくれる人が、そばにいて欲しい。

 

 

 

さあ、彼らは、どうやって、さなちゃんと対峙するのでしょうか。

 

 

 

「サユリ」みたいに、何でも教えてくれる、老練な指導者がいるわけじゃない。

 

むしろ、追いつめられて、四面楚歌で、絶体絶命。

 

 

「答え」を、簡単に提示しないところが、この映画のツボですね。

 

 

 

自分で考えて、自分で決めて、自分で行動する。

 

その結果がどうなろうと、知ったことか。

 

 

大人は、子供に、偉そうなことを言う。

 

自分たちができなかったくせに、理想だけを押し付ける。

 

子供が意見を言おうものなら、ガキのくせに、と、一蹴。

 

何もわからんくせに、ってのは、テメエもおんなじだろううが!

 

 

 

マキタスポーツの、うろたえぶりが、滑稽だけど、リアル。

 

怖いけど、協力してくれるところが、いい。

 

校長先生と同様、すごく、いい。

 

いざとなったら、年齢も性別も立場も、関係ない。

 

行動力のある者が、解決の早道を誘うのだ。

 

 

清水監督の、無邪気な演出力は、健在ですね。

 

そしてさらに、磨きがかかっています。

 

 

彼の作品を、久しぶりに劇場で見ましたが、

 

何だか、嬉しくなりました。

 

 

東映Vシネマの「呪怨」を、レンタルビデオで見た時の興奮が、懐かしい。

 

鶴田法男、中田秀夫、黒沢清といった、Jホラーの先駆者たちに可愛がられて、

 

学校の怪談「44444444」(4がいくつだったか忘れた)で、鮮烈デビュー。

 

あの、白塗り少年の、にゃ~お!が、としお君誕生の瞬間だったのかなあ、って。

 

 

 

若者である自分の才能を認めてくれて、育ててくれた、先輩たちへの敬意を感じます。

 

ホラー映画こそは、若手俳優の、登竜門と言われて久しい。

 

彼らの、瑞々しい演技の向こうに、微笑んでいる清水監督の優しいまなざしが、目に浮かびます。

 

 

若者たちよ、表現力を磨け。

 

そして、自分を認めてくれた大人たちの優しさを、忘れるなかれ。

 

 

 

本作の、もうひとつの魅力は、主題歌。

 

ヒグチアイが歌う「誰」。

 

うわ~ この歌、やべえ。

 

 

エンドロールでは、この歌が流れる中、オマケ映像が流れます。

 

そして、エンディングの後も、ちょっとだけ、さらにオマケ映像があります。

 

よかったら、最後まで、お楽しみ下さい。

 

 

 

 

生きていると、色んなことがある。

 

出会いがあれば、別れもある。

 

いい人との出会いは、大切にしましょう。

 

イヤな人とは、自分の尊厳を傷つけるだけの人とは、距離を置きましょう。

 

それでも襲ってくるなら、逃げましょう。

 

そいつが追って来れないくらいの、遠いところまで、非難しましょう。

 

 

 

 

 

 

9月というのは、青少年にとって、とても、デリケートな時期なんですね。

 

でもそれって、わかるような気がします。

 

俺が思春期の頃は、うつ病なんていう言葉は、ポピュラーではなかったから。

 

食事が摂れなくなって、ガリガリにやせて、人が信じられなくなって…

 

 

その頃のことを思うと、誰も味方がいない状況で、よくがんばれたなあ、って。

 

でもね、やっぱり、こう思うことにしているんです。

 

 

いい映画をたくさん見たから、今の俺がいる。

 

映画から教わり、映画から力を得て、今日まで何とか、生きてこられた。

 

 

だから、この映画が、楽しくてしょうがない。

 

大変な境遇ではあるけれど、自分を理解して、守ろうとしてくれる大人が、身近にいる。

 

それだけで、どれだけ、生きる力が湧いてくるだろうか。

 

 

俺は、彼らが、羨ましいです。

 

でも、嫉妬しているわけじゃない。

 

俺みたいな、歪んだ大人にならないように、

 

彼らに、いい「栄養」をもたらして欲しい、と、願わずにはいられない。

 

 

基本、真っ直ぐに伸びようとする力があって、

 

それを妨げる力が干渉して、曲がって、そこはもう、元通りにはならないけれど、

 

それがかえって、「いい味」を出している場合もあるから。

 

 

失敗ばかりでも、それはそれで、いいじゃん。

 

成功ばかりの人よりは、違うものを学んでいるのだから。

 

誰もが失敗したくないけど、成功してばっかりだと、失敗が怖くなっちゃう。

 

俺なんて、成功するのが怖い、って思うことがよくあるくらいだから。

 

 

 

失敗して、ナンボ。

 

成功したら、たまたま。

 

俺みたいな能なしは、それくらいで、いいのかも。

 

 

ただ、自分という人間が生きるために必要なことは、体得してきたつもり。

 

 

 

 

夏休み。

 

わくわくする、楽しい時間。

 

それは、一般人の話。

 

ある人にとっては、とりあえずの非難であり、

 

新学期という苦痛を迎えるための、仮釈放の期間なのかもしれない。

 

 

休みが長ければ長いほど、その重圧は、増幅していく。

 

 

 

この映画が、夏休みの時期に公開されたことは、商売上の理由だろうけど、

 

それだけではないと、俺は思いたい。

 

 

夏休みが楽しい、と思える人ばっかりじゃないからねえ、今の世の中。

 

 

たぶん、10代のみなさんは、清水監督のメッセージを、

 

それぞれの思いで、受け取っているんじゃないかって思う。

 

その、作り手と、見る側の、本質的なバランスが、

 

新しい物語を生み出す、原動力になっているんじゃないかと。

 

 

今だからこそ、生まれ出た、今どきの、最新ホラー映画。

 

おっさん世代と、若者世代が、共同で、力を合わせて、創り出す世界。

 

 

 

この映画が、ハッピーエンドだろうと、バッドエンドだろうと、俺は、どうでもいい。

 

この世界で、この物語の中で、みんな、しっかり、自分のやれるだけのことをやった。

 

 

それが、美しい。

 

 

エネルギッシュな、いい時間でした。

 

皆様、ありがとう。

 

俺みたいなおっさんも、君らと同じ時間を過ごせたことが、限りなく、楽しかった。

 

ああ、この世界の住民になりたい。

 

殺されてもいいから、誰かを守って、感謝されたい。

 

 

そんなわけで、おっさんも、夏休みを満喫した気分になれる、いい映画です。

 

今年の夏は、小百合ちゃんと、さなちゃんで、盛り上がりましょう。

 

(猛暑が続く限りは、まだ夏ですから)

 

 

 

 

さなちゃん、さなちゃん、ごきげんいかが。

 

 

…俺も一緒に、連れてってくれないか。

 

 

 

 

 

 

映画 「サユリ」

敬老の日にふさわしい、昭和のバアさんのバトルアクションホラー見参!

 

 

鬼才・白石晃士監督最新作。

 

(白石和彌監督ではないので、間違えないようご注意)

 

今回も、イカレまくっております~ すげえ~

 

原作は、押切蓮介の同名マンガですが、絶対、監督のカラーが出ているんだろうなあ。

 

彼は、自分独自の世界観を持っているので、ある意味、最強なんですわ。

 

日本映画の重鎮、根岸季衣を、見事なまでに、魅力的なバアさんに仕上げてくれました。

 

 

 

幸せ家族が、中古の住宅を購入し、新居に引っ越して来ます。

 

両親と3人の子供、祖父母の7人で、新生活がスタート。

 

楽しい気分だったのも束の間、次々と怪事件が起きて…

 

 

両親を演じるのは、梶原善と占部房子。いかにもという感じでナイスキャスト。

 

祖父母を演じるのは、きたろうと根岸季衣。い~い組み合わせ。

 

バアさんラブなジイさんと、認知症が進行中のバアさん。

 

このバアさんが、中盤からスゴくなっていくんですねえ。

 

 

最初がホラーで、途中からコメディみたいになってしまう映画というと、

 

黒沢清監督の「ドッペルゲンガー」を思い出しますが、

 

本作は、孫を鍛えるバアさんの姿が、「酔拳」の師匠のようにも見えました。

 

 

大体、怖がりまくって逃げまくって、一番弱い者が生き残って、

 

何かしらの奇跡が起きたりしてどうにかなるか、そのまま殺されてエンドが多いのですが、

 

この映画は、とにかく、戦う、戦う、立ち向かう。

 

太極拳の極意を体得しているバアさんの、不屈の闘志が、美しい。

 

 

おお、そうだ、思い出した。

 

キーファー・サザーランド主演の「ミラーズ」がありましたね。

 

あれもまた、おっさんが幽霊と力ずくでバトルする爆笑ホラーでした。

 

 

 

根岸季衣は、現在70歳。

 

最愛の夫を亡くされているので、本作の演技もまた、凄みがあります。

 

現在は、ご自身がボーカルを担当しているブルースバンドのメンバーの男性と

 

再婚されて、「根岸季衣&ブルースロード」として活動中だそうな。

 

 

彼女の名前を初めて覚えたのは、映画「悪霊島」でした。

 

丸メガネをかけた、旅館の女中さんだったと思います。

 

「女優霊」「死国」「スイートマイホーム」「変な家」など、ホラー出演も多数。

 

「時をかける少女」「さびしんぼう」では、少年少女を優しく見守るポジション。

 

「百円の恋」では、弁当を盗みに来る怪女を楽しそうに好演。

 

 

最近だと、「仮面ライダーガッチャード」にゲスト出演し、

 

金田一耕助のパロディみたいな話で、存在感を発揮されていました。

 

いいですねえ、トシエ姐さん、これからも、心身ともにご健在であって下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

大体、そもそも幽霊なんて、ただの元人間なんだから、

 

いたずらに怖がっても、しょうがない。

 

現役で生きている人間の方が、絶対、強いんだから。

 

奴らに立ち向かうには、まず、ちゃんとメシを食って、よく寝る。

 

生命力をアップさせ、魂の輝きに、磨きをかける。

 

その、まぶしいばかりの光輝くオーラで、淀んだダーク野郎を蹴散らすのだ。

 

 

俺も、若い頃に色んな体験をしたけど、

 

こっちがひるむと、あっちは調子に乗っちゃう。

 

これって、クマに出会った時とおんなじかな?

 

でもやっぱり、生きている人間の方が恐いし、

 

生命力にあふれている存在は、やっぱり強い。

 

 

 

本作はある意味、教育映画である、と言っていい。

 

家族を愛する心が、行動となって、力を生み出していく。

 

やられたら、やり返す。

 

襲ってくるなら、撃退する。

 

 

呪文(というか、掛け声)が下品だから、R15指定になったのかどうかしらんが、

 

クソ悪霊をぶっ倒すには、それくらいの気合があった方がよろしい。

 

正攻法なんて、ファッキュー! サノバビッチ! ジーザスファッキンクライスト!

 

 

 

それでいて、相手がどうして悪霊になったのかも、きちんと理解しようとするところがいい。

 

敵の正体がわかれば、戦いようもあるというものでしょう。

 

恨みは、純粋な気持ちが踏みにじられることによって、生まれるものだから。

 

 

好きで、幽霊になったわけじゃない。

 

好んで、悪霊になったわけじゃない。

 

ただ、誰かにわかって欲しかった。

 

 

虐げられて、孤独に耐えて、暗黒の世界に沈んでいった、悲しい魂の叫びが、

 

生きている者を羨んで、暴力的にアプローチ。

 

ああ、何で、自分はこんな目に。

 

幸せそうなあいつらが、憎い。

 

 

ここは、あたしの家だ。

 

勝手に入るな、出て行け。

 

そうは言っても、こっちは金払って住んでるんだから。

 

そんなの知るか。お前ら全員殺す。

 

ふざけんな、家賃も払わんクソ幽霊め、貴様こそ出て行け!

 

 

かくして、生きている者と、死んでる者の、長い戦いが続くのであった。

 

少年よ、メシ食え。しっかり眠れ。そして、恋をしろ。

 

その、生きるエネルギーの塊りを、邪悪なクソ幽霊に、ぶちかましてやれ。

 

 

…幽霊を怖がる人は、このバアさんに学べ!

映画 「ナミビアの砂漠」

しれっと、キレまくって、あら、素敵。

 

 

いやあ~ いいでんなあ。こういう映画、懐かしくて、新鮮。

 

話題沸騰中の、河合優実最新作にして、

 

カンヌ国際映画祭、監督週間国際映画批評家連盟賞受賞作が、ようやく公開。

 

 

今泉監督の「愛なのに」を見て、おお、この女優さん、おもしれえ、って思って、

 

「あんのこと」から~の~ この映画で、確実にファンは増殖中ですね☆

 

 

 

いやあ、もう、笑うしかない映画でしたわ~

 

女子の方が先に手を出すのは、韓国映画の専売特許かと思っていましたが、なかなかどうして。

 

手足の長い河合ちゃんが、ジタバタ暴れる姿が、何とも、かわええでんなあ。

 

 

彼女の言うことにも、一理あるなあ、と思う言葉が。

 

ググることを知らない奴 = 自分の頭で考えない奴。

 

おお、これは深い。言い得て妙。当たらずといえども遠からず。

 

 

とにかく、魅力的な言葉が次々と出てくるので、楽しくてしょうがない。

 

 

こういう映画が、日本でも撮れるだなあってことを、嬉しく思います。

 

ウオン・カーウァイ監督の映画にハマった頃を、思い出すなあ。

 

アジアの女性って、ハリウッドや北欧に負けないくらい、キレイでカッコイイ。

 

 

この映画は、アジアンビューティーを世界に広める、いい起爆剤になりそう。

 

 

 

 

PG12ですが、理由はたぶん、アレかな。

 

ホントに、どうでもいいことなので、小学生でも充分OKだと思います。

 

あ、でも、年頃の男子諸君は、覚悟せよ。

 

優実姉さんの、かわいいオッパイが、チラッと映りますから。

 

 

 

 

舞台は、現代の東京。 主人公は、今どきの、女の子…でいいのかな。

 

彼女は、彼氏もいるし、ちゃんと働いているし、親友の愚痴も聞いてあげる。

 

ほうほう、いい感じで、上手に生きている感じかな~と思いきや!

 

 

当然ながら、生身の女子なワケで、ムカつくわキレるわ、大忙し!

 

あっはっは、自由奔放で、なかなかよろしい。

 

全編、彼女の独壇場。気持ちいいくらい、ブチかましますんですわ~

 

 

 

 

たぶん、俺を含めて昭和のおっさんは、ツッコみどころがあり過ぎてタイヘン。

 

しかしながら、あえてそれを計算して、確信犯ですが何か、的な開き直り感が素敵。

 

「はなっから、相手にしていない」押井監督のスタイルのような、クールなアプローチ。

 

 

かかってこいやあ、クソオヤジ!っていう気概が、いちいち素敵なんですねえ。

 

 

山中瑤子監督作品は、オムニバス映画「21世紀の女の子」に続いて、2本目。

 

あれは、色んな監督、色んな女優がスクランブルしていた、豪華なやりたい放題映画でした。

 

「あみこ」は、ぜひに見てみたいと思いました。

 

(「こちらあみ子」とは違う作品でした。勘違いにご注意)

 

 

 

 

 

男子と女子では、物事の捉え方も感じ方も違う。

 

そこが面白いんだけど、そこが許せない、っていう気持ちも、確かに、ある。

 

 

…何でそこで、そういうこと言うの?

 

…今、それ言う?

 

…はあ?

 

 

…そもそも、話、ちゃんと聞いてないよね。

 

…いいよ、もう。

 

…あ、何で逃げるの?

 

…逃げてねえよ、頭、冷やしてくるわ。

 

…そうやって、いつも逃げてんじゃん!

 

 

…だから、逃げてねえって! うるせえな! 何度言えばわかんだよ!

 

 

…お願いだから、大きい声出さないでよ。

 

 

 

いい。すごくいい。

 

健全な、痴話喧嘩。

 

俺の両親の、地獄のやり取りより、すっと、安心して聞いていられます。

 

 

 

怒りが蓄積されていないうちに、ほどよく、爆発した方がよろしい。

 

地震も、小出しに揺れた方が、大きな災害にならずに済む。

 

取り返しのつかない状態になってからでは、ハルマゲドン級の大惨事になっちゃうから。

 

 

 

俺が思い出すのは、フランス映画「ベティ・ブルー」。

 

ベアトリス・ダルと、ジャン・ユーグ・アングラードの名演。

 

そして、小栗康平監督の「死の棘」。

 

あ、この映画でも、松坂慶子がオッパイ出してたなあ、関係ないけど。

 

 

カップル同士のケンカって、一歩間違うと、猟奇的な大ごとになるんだけど、

 

本作の河合ちゃんは、しれっと、ナチュラルにキレるところが、いい。

 

何だか、かわいい。かわいくてたまらない。

 

 

だから、世の男性諸君は、好きになった女の話を、ちゃんと聞いて欲しい。

 

ちょっとしたほころびから、相手の人間性を見抜く、本能の鋭さを学んで欲しい。

 

だから、ドキドキするんですねえ。

 

恋に悩んでいる人は、必見かも。

 

 

 

 

誰かを好きになって、恋をして、

 

気持ちいい時期を過ぎてから、お互いに嫌なことを罵り合って、バトルして…

 

いいなあ~!

 

若いうちに、どんどんケンカしまくりましょう。

 

年食ったら、もう、そういう気力もなくなりますから。

 

 

 

紙ストロー。

 

ノーパンジャブシャブ。

 

タトゥ―に、ピアス。

 

 

関心のあることは、人によって違う。

 

 

今、このことに集中しないといけないのに、

 

こっちの方が、気になっちゃう。

 

 

ああ。もう。

 

何で自分は、うまくできないんだろう。

 

もっと上手に、立ち回れないんだろう。

 

 

あの人は、いいな。ちゃんとやれて。

 

この人は、いいな。リア充で。

 

 

いやいやいやいや、ようく、見てごらん。

 

みんな、ギリギリのところで、かろうじて、生きているんだから。

 

 

もう、いやだ、堪えられない。

 

どこか、全く別の世界へ、行きたい。

 

 

そういう人は、とりあえず、

 

ナミビア砂漠の、ユーチューブ動画を見ながら、深呼吸しましょう。

 

 

…潤いは、足りてますか?

 

 

 

映画 「エイリアン ロムルス」

振り返れば、酸のヨダレをたらした奴がいる!

 

 

1979年に公開された「エイリアン」から、もう45年も経つんですねえ。

 

シリーズ化されて、もう7作目(バトル物も入れれば9作目)だそうですが、

 

本作は、1作目と2作目の間のストーリーということらしく、

 

「エイリアン1.5」「エイリアン中二階」みたいな位置づけかでよろしいかと。

 

 

製作は、リドリー・スコット。ウオルター・ヒルの名前もありますね。

 

原作は、ダン・オバノン、ロナルド・シャセット。

 

監督・脚本は、フェデ・アルバレス。

 

 

 

主人公は、植民星の鉱山で働く女性レイン。

 

両親を事故で失った彼女には、アンドロイドのアンディが、唯一の家族であった。

 

科せられたノルマを達成したので、違う星へ移動願いを出すも、あっさり却下されてしまう。

 

時を同じくして、元カレであるタイラーから、脱出計画を持ち掛けられ、誘いに乗ることに。

 

 

彼らの狙いは、放棄状態になっている宇宙ステーションにある、冷凍睡眠ポッド。

 

これを盗んで、貨物用宇宙船に積み込むのに、アンディの力が必要だと言う。

 

研究施設「ロムルス」に忍び込んだ彼らは、想像を絶する恐怖に出会うことになるのであった…

 

 

 

全体的に暗めの画面が、「シルバー仮面」みたいでワクワク。

 

レトロな装置も、空想特撮映画感タップリ。

 

明るめでツルンとした、今どきのCG特撮とは違って、何だか懐かしい。

 

H・R・ギーガーがデザインしたモンスターの造形は、ホントに素晴らしい。

 

1作目が「エイリアン」で、2作目が「エイリアンズ」。

 

何でいつの間にか、こんなにウジャウジャ増えたんだろう、っていう疑問を持っていた俺は、

 

この映画を見て、ああなるほどそうだったのか、と納得してしまいました。

 

 

ジョン・カーペンター監督「ダークスター」や

 

ダグラス・トランブル監督「サイレントランニング」でも、主役はブルーカラー労働者。

 

彼らにとって、日系企業は、当時絶好の悪役ポジションだったからなあ。

 

本作の悪玉は、ウェイランド・ユタニ社の鉱山であり、研究施設。

 

「ダイ・ハード」のナカトミ商事ビルとか、「ロボコップ3」のカネミツコーポレーションとか、

 

ニンジャロボット・オートモとか、変なのがいましたなあ。

 

 

 

 

先日見た「アシッド」では、フランスの国民性が出ていたけど、

 

この映画に出てくる奴らも、曲者ばかりで面白い。

 

アメリカ人とフランス人での、仲間割れの仕方の違いを楽しみましょう。

 

無責任艦長タイラーを始め、みんな、いざとなると、超自己中心。ああ、リアル。

 

こんなロクでもない連中に比べると、アンドロイドのアンディの方が、人間らしいかもなあ。

 

アンディにしてみれば、オレを作ったのはお前ら人間だろ、オレに文句言うな!ですね。

 

 

 

そしてそしてそして、イアン・ホルムが再登場!

 

1作目に出ていたアンドロイド、アッシュを演じていた彼は、2020年に亡くなっていますが、

 

今回、最新の技術で甦りました。名前はルークになっていましたが、これって、アレかな?

 

悪のアンドロイドに対して、アンディは正義の味方になれるのか。

 

いやいやいやいや、そもそも、正義も悪もねえだろ。

 

機械は、黙々と、指令を実行するのみ。人間は、ひたすら、もがく。

 

機械が憤慨したり落ち込んだり、人間がクールに仲間を見捨てたり。

 

ああ、もう、生き残った方が勝ち。もう、それしかねえ!

 

 

何だか、高校生の時の時代に、タイムスリップしたような気分に浸れます。

 

手作りの特撮に興奮して、あれはどうやって撮影しているんだろう、ってワクワク。

 

あの、酸の体液にまみれた、凶悪な風貌が、全身鳥肌心臓バクバク驚愕戦慄呆然自失極まれり。

 

仕事が終わって汗ビッショリだったけど、ささっと着替えて、映画館に直行。

 

いいじゃん、俺もヌルヌル、貴様もヌルヌル。一緒に繁殖しようじゃねえか。

 

 

 

B級映画感タップリな、特上A級シリーズSFホラーの世界。

 

ジョン・ハートも、ハリー・ディーン・スタントンも、2017年に死去。

 

しかし、彼らの勇姿は、今も健在。永遠に、色あせない名演。

 

 

今回の主役、ケイリー・スピーニーは、最初はおとなしく、次第にエンジンがかかって、

 

クライマックスでは、知恵と勇気で、ワイルドなバトルを見せてくれます。

 

やっぱり、こういう主人公だと、応援したくなっちゃいますね。

 

 

レインと、アンディ。

 

人とロボットの、強い絆。

 

彼女が彼に告げた言葉が、胸にしみます。

 

 

 

 

命が続く限り、電源が続く限り、もがいてあがいて、戦え。

 

映画館で、マスクを装着している人はだんだん少なくなってきたけど、

 

フェイスハガーが飛んできた時に、多少の防御にはなるかも。

 

あるいは、ギョーザをいっぱい食っておいて、ニンニクガスで撃退するか。

 

あいつら、目は見えないけど、音と、温度の変化で、標的を認知するらしいから。

 

 

どんな怪物にも、必ず弱点はあるもの。

 

戦う方法は、無限にある。

 

走れ! 飛べ! 息を吸え!

 

 

シャアシャア~ ヌルヌル、ニュルニュル、バシュー、おぎゃあ。

 

映画を見た後は、胸の奥に違和感がないか、どうぞご注意下さい。

 

車に乗った時に、後ろに誰もいないことをご確認下さい。

 

 

こうしている間にも、忍び寄ってきているかも。

 

あなたのすぐ耳元に、シャアア…ってね。

 

 

エイリアン、英語で書けば、「ALIEN」。

 

…こんな奴は、ありえん!

 

 

 

 

映画 「ACIDE / アシッド」

殺人レインドロップ、強襲! …逃げ場はあるのか?

 

 

 

台風10号が暴れまくり、各地で大雨の被害が出ているさなか、

 

世にも恐ろしい映画が公開されました。

 

 

「ACID」は、「酸」という意味と、「辛辣な、厳しい」という意味があるらしい。

 

(アドバンストフェイバリット英和辞典より)

 

フランス語だと、Eがつくのかな、と。

 

 

 

 

環境汚染か何かの理由で発生した、酸性雨を降らせる雨雲。

 

南米で大きな被害を出した後、フランスでも、それは始まった。

 

ジワジワと近づいてくる、陰鬱な雨雲怪獣…

 

大変だ! ケンカしている場合じゃないぞ、早く逃げろ!

 

 

上映時間100分の、フランス映画。

 

監督・脚本は、ジュスト・フィリッポ。

 

2018年に、同じタイトルの短編映画を製作したみたいですね。

 

 

「酸性雨」といえば、「ブレードランナー」「装甲騎兵ボトムズ」ですが、

 

この映画の雨は、生き物はもちろん、建物の屋根まで溶かしてしまう、強酸性。

 

白い蒸気がシュワシュワたちこめる状況におかれた人間たちは、一体どうなってしまうのか。

 

 

 

 

冒頭、暴動のシーンが延々と流れ、画面サイズがケータイになったり、スクリーンいっぱいになったり。

 

鎮圧に来た警官に暴行したおっさんが、実は主人公!(爆笑)

 

彼は逮捕され、現在、仮釈放中。足にGPSのようなバンドを巻かれている。

 

どうやら、怪我をした同僚(女性)の保証問題で、話し合いがつかず、暴動になった…みたい。

 

彼はすでに離婚していて、その同僚が、今の恋人らしい。

 

 

彼には、ひとり娘がいた。

 

彼女は、寄宿舎で乗馬の授業を受けていたが、父親のことで同級生たちから嫌がらせを受け、

 

そいつに馬乗りになって、馬糞を口に押し込む。

 

すげえ、ブチ切れ方が、父親とおんなじ。

 

穏やかに見える母親もまた、いちいち文句をたれる悪い癖があるようで、

 

両方の要素をダイレクトに受け継いだ娘が、物語を面倒な方向に誘導します。

 

 

怪物化したヤバい雨雲が迫る中、親子バトルもまた、一気にヒートアップ。

 

罵り合いながら、ひたすら逃げ続ける彼らに、感情移入している余地はない。

 

生きるか死ぬか、いちかばちかの、地獄の入り口へようこそ。

 

 

 

 

しかしまあ、さすがフランス、ロクな奴が出てきません。

 

ひとりひとりは、決して悪い人間ではなさそうだけど、

 

イライラがたまってしまうと、牙をむいてしまう。

 

ああ、よくあることだなあ、と感心してばかりはいられない。

 

 

予期せぬ事態は、突然、訪れるもの。

 

追いつめられて、どこまで冷静でいられるか。

 

俺なんか、超慌て者だから、彼らを笑えないし、見下すこともできない。

 

 

自分だったら、どうしただろう。

 

そういう視点で、災害に対しての行動を考えながら、彼らと一緒に逃げましょう。

 

 

 

「ディープインパクト」もそうだったけど、災害映画は、

 

人を押しのけてでも助かろうとする場面がたくさん出てくる。

 

愛だの友情だの、お題目のようなシロモノは、いざとなると、全部吹き飛んでしまう。

 

俺は、そういう景色を、たくさん見てきた。

 

非常事態になれば、普段優しい人も、びっくりするくらい、凶暴になる。

 

 

主人公家族たちは、血も涙もない奴らに見えるけど、

 

命と直結した、類いまれな行動力は、大したものである。

 

いつも偉そうにしている奴が、無能になったり、

 

大人しい者が、信じられない力を発揮したりする。

 

そういう、リミットが外れた、超人的な行動もまた、

 

ディザスタームービーの醍醐味なのだ。

 

 

 

雨は、水。

 

水は、上から下に流れる。

 

しかし、下からも、それはやって来る。

 

 

ジワジワと、浸食される屋根。

 

蒸気が立ち込める、ぬかるみ。

 

水道の水は、飲めない。飲んだら、死ぬ。

 

 

さあ、どうする?

 

どうやって、生き延びる?

 

考えているヒマはないぞ。

 

 

急げ!

 

走れ!

 

本能に従って、行動せよ。

 

 

…とにかく何でもいいから、生き残るべし!

 

 

 

映画 「ラストマイル」

荷物を開ける時は、よ~く、耳をすませて…

 

 

タイトルの意味は、映画を見るとわかるので、ここでは言わないでおきますね。

 

 

監督は、塚原あゆ子。脚本は、野木亜紀子。

 

「アンナチュラル」「MIU404」の名コンビが放つ、オリジナル映画が公開されました。

 

…これは、絶対見ねば!

 

 

いや~ このお二人が描く人物は、いちいちカッコいい。

 

みんな生き生きして、惚れ惚れするようなお仕事ぶり。

 

困難な状況におかれても、知恵と勇気で突き進み、

 

華麗なフットワークで、画面を動きまくる。

 

年齢や性別に関係なく楽しめる、極上の娯楽作品に仕上がりました。

 

 

 

舞台は、大手物流会社の、巨大倉庫。

 

年に一度のビッグイベント、ブラックフライデーを目前に控え、

 

新しいセンター長が赴任。

 

そのタイミングで、配送された荷物が爆発する事件が起きる。

 

一体誰が? 何の目的で?

 

警察と現場の人間たちが入り乱れた、“暗黒の金曜日”が幕を開ける。

 

 

主演は、満島ひかり。やり手のセンター長としてのオーラが光りまくり。

 

ナンバー2であるチームマネージャーを演じるのは、岡田将生。

 

配送センターの関東局長に、阿部サダヲ。追い詰められてストレスがヤバい演技が絶品。

 

そして、静かな存在感を放つ、中村倫也。

 

 

いきなりの爆発から、画面が一気にヒートアップ。

 

橋本じゅんが登場したあたりから、いよっ、待ってました!という展開に。

 

酒向芳と大倉孝二が、星野源と綾野剛が、石原さとみと市川実日子が…うひゃあ。

 

豪華ですねえ~ いいじゃん、お祭りみたいで。

 

 

ただし、あくまでも“脇役”なので、出番は多くはないです。

 

出し過ぎると、本筋がぼやけてしまうんじゃないかな、と。

 

むしろ、彼らがバックアップしているんだぜ、という感じが、かえって心地いい。

 

ツッコミどころは満載ですが、そういう“隙間”をあえて作ることで、

 

見ている観客に、キャラの“深み”を考えるための、一工夫のような…

 

ああ、いちいちうまいですよねえ、憎たらしいほど。

 

 

とにかく、色んな人が、色んな役で出ているので、楽しくてしょうがない。

 

中でも異彩を放つのが、火野正平と宇野祥平。 …おお、名前がよく似ている!

 

しかも、親子!(爆笑)

 

それから、わけあってシングルマザーの、安藤玉恵。

 

薬師丸ひろ子も、麻生久美子も、松重豊も、なんか全員、(A)。

 

いいなあ、もうずっと、ゾクゾクしまくりの、2時間8分でした。

 

 

さらに、音楽はもちろん、得田真裕、

 

悲鳴のようなBGMが、相当ヤバい。不安をあおるような不気味さ。

 

しかし、404の二人が登場する時とか、アクティブな音楽が、かっけえ。

 

 

 

 

俺は、色んな仕事を経験しましたが、ことごとくダメでした。

 

しかしながら、彼らのような“一瞬”は、たしかにあったように思えるのです。

 

そういう話を誰かにしても、結局やめたんでしょ、という言葉で片づけられる。

 

結果が全て、という社会風潮の中では、俺は、使い物にならない存在でした。

 

でも今は、貴重な戦力として、重宝されております。

 

 

不思議なもんですね。

 

 

この映画には、第一線で活躍する人と、日陰に追いやられた人と、

 

保身にしがみついて、大切なことから逃げ続けている人。

 

大切なことを、息子に教えたいのに、うまくいかない父親…

 

 

 

俺が、彼女たちが生み出す物語から感じるのは、

 

どんな人も、何かと戦い続けて、生き抜いているということ。

 

いかにもな物語では描けない、中途半端なキャラが、“深み”を帯びて、心に迫ってくる。

 

やたらと、人にダメ出しする人ほど、自分の短所から、目を背けているもんです。

 

自分がマイナス思考だからこそ、人の悪いところばかり見えてしまう。

 

人を責めれば責めるほど、自分のことは限りなく、オン・ザ・ターナー。

 

弱い者、抵抗できない者を、怒鳴れば怒鳴るほど、本当の自分から逃げられるから。

 

 

ああ、いやな世の中だこと。

 

しかしながら、それでも、現場で、もがいている者がいる。

 

理不尽なことに立ち向かう、勇敢な魂を持っている者が、最前線にいる。

 

勇気を出して、意見を言うのも、弱い立場の者にとっては、命がけ。

 

そういうことをたくさんやらかしてしまった俺は、仕事を辞めなければならなかった。

 

だから、本作で、ギリギリのところで戦っている人たちが、他人に思えない。

 

 

ありがとう。

 

あなた方のおかげで、俺は、自分がダメな男じゃなかったのかも、と、少しだけ思えました。

 

 

仕事は、お客様のためにある。

 

生業は、生きるためにする仕事。

 

死にたいくらい辛い環境の向こうに、お客様の顔を思い浮かべる。

 

皆様の笑顔を守るために、オイラの仕事があるんだから。

 

だから… もっとがんばらなくちゃ。もっともっと、もっと!

 

 

壊れるのは、自分が弱いから。

 

だけど、壊れるまでがんばれるって、すごくない?

 

命削って、必死に立ち向かっている者を笑う奴には、永遠にわからない。

 

 

米津玄師の歌う「がらくた」が、心にしみる。

 

しみてしみて、しょうがない。

 

「百円の恋」のクリープハイプのように、

 

「君たちはどう生きるか」のように、

 

主題歌を聞いて、映画が完成するんですね、きっと。

 

いやいやいやいや、観客ひとりひとりが、それぞれの思いを持ち帰って咀嚼して、

 

夜眠る前に、もう一度思い出して、ああ、あれはもしかして…なんてね。

 

これは、映画館で映画をリアルタイムで見た人にしか、わからない領域かも。

 

 

米津氏の、この歌を作った時に込めた思い、なるほど、と思いました。

 

誰かから見たらがらくたでも、別の誰かから見たら、使い道があるかもしれない。

 

だから、俺みたいながらくたを拾って下さった、社長に感謝しています。

 

 

 

あきらめるな、とか、がんばれ、とか、きれいごとばかり並べて逃げる人がいれば、

 

行動で見せて、人の心を引っ張ってくれて、一緒になって悩んでくれて、

 

自分が倒れても、いいものを残していってくれる人も、たしかに、いる。

 

 

 

キャストのキャラに、不満を感じたら、それは、人間性を演出するための工夫かも。

 

登場人物の誰もが、何かを背負って、生きている。

 

それを感じさせる力が、この映画には、ある。

 

 

見終わった後に、いいものが残ったら、この映画に出会えてよかったね、と言ってあげたい。

 

若い人にも、ベテランな人にも、壊れかかっている人にも、

 

今どきの言葉で言うなら、“刺さる”ところがあるかもしれませんね。

 

 

映画館には、じいさんばあさん、女性のひとり客がたくさん。

 

エンドロールが始まると、ばあさんは帰る。じいさんは携帯を開く。

 

できれば、米津氏の歌を、じっくり聴きましょうよ。

 

歌詞が字幕で出ないので、しっかり聴きとらないといかんので。

 

 

でも、いいか。

 

色んな人がいて、それぞれの生活があって、

 

こうして、たまたま、一緒に同じ映画を見ていた者同士なんだもんね。

 

あはは、色んな人がいて、楽しいね。

 

 

 

 

帰り道に、色んなトラックとすれ違いました。

 

みなさん、おつかれさまです。

 

そして、ありがとうございます。

 

 

荷物が、当たり前に届くこと。

 

自動販売機が、ちゃんと動くこと。

 

電車が、時間通りに来ること。

 

スーパーに、食材が、毎日入荷すること。

 

電気、ガス、水道が使えること。

 

そのために、必死でがんばってくれている人たちがいる。

 

この映画は、働く人たちのための、レクイエム。

 

 

…戦士たちに、敬礼!

 

 

 

映画 「ニューノーマル」

強者と弱者という、わかりやすいバランスは、一瞬で逆転する。

 

 

お盆の繁忙期が終わり、ようやく一息つけるようになったので、映画館へ。

 

監督は、チョン・ボンシク。韓国Kホラーの巨匠だそうで、俺は初めて。

 

主演は、日本で大人気となった、チェ・ジウ。

 

本作は6編からなるオムニバス映画なので、主演代表といったところですね。

 

 

 

物語の舞台は、韓国の都会。(たぶんソウルあたりでしょうか)

 

そこで生きる、ひとり暮らしの女性、マッチングアプリでデートする若者、

 

学生、変態ストーカー、コンビニバイトの女性など、様々な人たちが笑かしてくれます。

 

 

幽霊は出てきませんが、怪しい人間がたくさん登場。

 

サイコホラーというよりは、ドタバタコメディに近い。

 

殺しのシーンでも、けっこう振りかぶってザックリ刺しまくりなんですが、

 

区分はGということで、今どきはこれくらい普通ですよ感があって、微笑ましい。

 

 

 

俺は、マッチングアプリを使ったことがないいのですが、

 

映画を見ていると、これ、結構世話しないもんですねえ。

 

おっさんは情報処理の能力が低下していくので、使いこなす自信がないです。

 

俺なんか、この街では、生き抜くのが難しいだろうなあ。

 

 

 

見どころは、意外な展開を楽しむ、ということでしょう。

 

いかにもな、わかりやすい人間が登場したら、おや、と思っていい。

 

そんなに御しやすい相手ばっかりだったら、世の中、苦労しませんって。

 

お人よしなのも、疑り深いのも、いざとなったら、直感の勝負。

 

 

さあ、あなたは、どこまでだまされるか。

 

右往左往する登場人物と一緒に、もがいてうろたえて、ドキドキしちゃいましょう。

 

 

俺が気に入ったのは、自動販売機の青年。

 

こういうロマンチックな展開は、素敵だなあって。個人的に。

 

それから、パイン缶を食う女性。

 

「恋する惑星」の金城武がそうだったっけ。何だかなつかしい。

 

 

 

 

しかしまあ、生きていると、色んなことが起こるもんです。

 

俺も、数多くの修羅場をくぐり抜けて、かろうじて生き残った男。

 

世の中は、危険でいっぱい。

 

気づかないまま、退屈な人生を送る人もいれば、

 

敏感過ぎて、毎日がサバイバルの連続な人もいるから、人の心は深いのです。

 

 

 

猛暑の夏に、ピリリのスパイスの効いた、一服の清涼剤。

 

熟女と、若い女の子と、純情な青年と、酔っ払いの汚ねえオヤジ。

 

共通しているのは、みんな、孤独感を抱えているという一点。

 

ああ、生きていくのは何かと大変だ。

 

 

迷惑かけて、かけられて、殺し殺され、天国地獄。

 

 

…最終的に、生き残るのは誰だ?

 

 

 

 

 

U-NOTE Ⅱ 「勤続2年」

桑畑は、新しい職場で、勤続2年を迎えることができました。

 

 

こんなおっさんでも、それなりに、使ってもらえるもんなんですね~

 

少しずつですが、製麺の勉強を、独学でやっています。

 

 

長岡花火を見に来たついでに、ウチの麺を買いに来て下さったお客様に感謝です。

 

この2年の間に、TV取材が3件、ユーチューバーの取材が1件ありまして、

 

じわじわと、ウチのオリジナル商品が売れているようで、嬉しい限りです。

 

やっぱり、老舗で、レトロな機械が動いている製麺所って、貴重な存在のかな。

 

昨夜も、行きつけの居酒屋から、発注をいただきました。

 

飲みに行っても、ちゃっかり営業している俺って、もしかしてちょっとだけエラいかも…なんてね。

 

 

 

11個目の仕事は、年齢的体力的にはキツいですが、精神的には、救われております。

 

長きにわたって応援して下さった皆様(故人も含む)にいたりましては、

 

ただただ、感謝の気持ちでいっぱいでございます。

 

 

 

今宵は、役所広司主演の「すばらしき世界」を見ながら、赤ワインで、しみじみと。

 

色んなことがあった男は、つらいことをたくさんん味わった男は、

 

涙もろくなっちゃうんですね、きっと。

 

「PERFECT DAYS」を見た後に、この映画を見ると、実に、味わい深い。

 

俺にとっては、「うなぎ」と合わせて、この2本が、つながっているんですね。

 

人生を大きくしくじった経験がある人には、いい処方箋になるかも…って。

 

 

 

何度も、何度も、何度も、

 

もうダメだ、って、

 

終わりだ、って思って、

 

死にたい、って思って、

 

夜中にロープを持って徘徊していたのは、つい、この間のこと。

 

 

 

それでも死なずに生きながらえている俺は、

 

図々しいのか、図太いのか、わかりませんねえ。

 

 

 

いつも、そういう時に、絶妙なタイミングで、いい映画に出会えてしまう。

 

この、不思議な世界に生きている、俺、という存在って何だろう。

 

まだ、生きていてもいいんだよ、って言われたような気分になりますね。

 

 

 

映画はやっぱり、すばらしい。

 

映画のある世界で生きられることが、幸福なんです。

 

 

俺を見捨てた人たち(親を含む)を、恨むつもりはありません。

 

俺を見捨てずにいてくれた人には、ただただ、感謝しかありません。

 

今は、もう少しだけ、この世で生きて、社会に貢献できれば…と思っております。

 

 

 

あたたかい言葉をかけて下さって、

 

つぶれそうな心を、支えて下さって、

 

ありがとう。

 

 

 

桑畑は、明日も、お仕事がんばります。

 

 

 

 

 

 

 

映画 「キングダム 大将軍の帰還」

少年よ、男の戦う姿を、その目でよ~く見ておきなさいっ!

 

 

初めて、「キングダム」を見ました。

 

もう、シリーズ4作目なんですね~

 

内容を全く知らないまま見たんですが、すげえ面白かったです。

 

「沈黙の艦隊」の大沢たかおが、なかなかよかったので、本作も見ておこうかと。

 

 

原作は、原泰久の同名マンガ。週刊ヤングジャンプ連載で、現在72巻だそうな。

 

監督は、佐藤信介。 主題歌は、ONE OK OCK。

 

 

 

物語の舞台は、古代中国の春秋戦国時代における、秦と趙、馬陽の戦い。

 

秦国軍総大将・王騎を演じるのが、大沢たかお。

 

体格もがっちりしていて、声もしっかり通っていて、面構えも佇まいも、大物感タップリ。

 

 

王騎と一騎打ちをするのが、吉川晃司。

 

この2人が、デカい剣で豪快にチャンバラするシーンは、ド迫力でございます。

 

言葉遣いも性格も対照的な2人の戦い方を、一見の価値あり。

 

 

主人公の信を演じるのは、山崎賢人。

 

観客も、彼と同じ目線で、歴史に残る壮絶な戦いを、しかと見届けましょう。

 

 

とにかく、人がいっぱい出ていて、名前も難しいので、ここでは省略しますが、

 

あと一人、王騎の側近である副隊長的な男を演じた、要潤もよかった。

 

髭がよく似合って、落ち着いた佇まいがキマってますね~

 

刀の振り回し方も面白くて、なかなか見せてくれました。

 

この2人の相棒感、すごくいい雰囲気だったと思います。

 

ラッセル・クロウの「マスター・アンド・コマンダー」並みによかった。

 

 

 

 

子供は、大人の姿を見て、生き方を覚えていく。

 

少年少女は、尊敬する大人の背中から、何かを学んでいく。

 

いい大人は、手本とし、悪い大人は、反面教師として、

 

自らの人格形成に、永遠に影響を及ぼす存在となっていく。

 

 

いいお手本に出会えた者は、幸いである。

 

不幸にして出会えなかった者は、これから探せばよろしい。

 

 

完璧な人間はいないし、完全な極悪人もまた、いない、と思いたい。

 

裏切られても、虐げられても、それでも人は、人を信じたくなってしまうもの。

 

そして、自分を信じてくれる人を、心のどこかで求めているんだと思う。

 

 

主人公の名前は、信。

 

秦軍の特殊部隊・飛信隊隊長であり、王騎にとっては、わらべ・信。

 

 

戦いの中で、王騎が、信に、色々なことを教えてくれます。

 

観客も、彼と一緒に、王騎から、多くのことを学びましょう。

 

 

…我こそは、王騎なり。ものども、我に続け!

 

 

 

 

U-NOTE Ⅲ 「花火の音」

いい、音がしています。

 

 

今朝、ごうごうと、雨が降りまくる音が。

 

ああ、お祭りは、何とかなったんだな、って。

 

 

製麺を生業とする身としては、地域のイベントが盛り上がってくれることが、

 

生活に直結するといいますか、死活問題でもあるのです。

 

 

花火の音って、いいなあ。

 

直接見られなくても、音だけで、充分。

 

 

色んな人たちの、楽しい笑顔が、

 

初々しいカップルの、ときめきが、

 

ケンカしている熟練夫婦の、一時的な仲直りの瞬間が、

 

手に取るように、浮かんでくるようです。

 

 

 

 

今日も、猛暑の中、がんばりました。

 

Tシャツは、3回着替えました。

 

明日は、もっとがんばります。

 

 

誰かが、ウチの製品を、おいしく食べてもらえますように。

 

この仕事を与えられたことに、感謝をこめて。

 

 

今宵のシングルモルトは、格別でございます。

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