映画熱


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映画 「ニューノーマル」

強者と弱者という、わかりやすいバランスは、一瞬で逆転する。

 

 

お盆の繁忙期が終わり、ようやく一息つけるようになったので、映画館へ。

 

監督は、チョン・ボンシク。韓国Kホラーの巨匠だそうで、俺は初めて。

 

主演は、日本で大人気となった、チェ・ジウ。

 

本作は6編からなるオムニバス映画なので、主演代表といったところですね。

 

 

 

物語の舞台は、韓国の都会。(たぶんソウルあたりでしょうか)

 

そこで生きる、ひとり暮らしの女性、マッチングアプリでデートする若者、

 

学生、変態ストーカー、コンビニバイトの女性など、様々な人たちが笑かしてくれます。

 

 

幽霊は出てきませんが、怪しい人間がたくさん登場。

 

サイコホラーというよりは、ドタバタコメディに近い。

 

殺しのシーンでも、けっこう振りかぶってザックリ刺しまくりなんですが、

 

区分はGということで、今どきはこれくらい普通ですよ感があって、微笑ましい。

 

 

 

俺は、マッチングアプリを使ったことがないいのですが、

 

映画を見ていると、これ、結構世話しないもんですねえ。

 

おっさんは情報処理の能力が低下していくので、使いこなす自信がないです。

 

俺なんか、この街では、生き抜くのが難しいだろうなあ。

 

 

 

見どころは、意外な展開を楽しむ、ということでしょう。

 

いかにもな、わかりやすい人間が登場したら、おや、と思っていい。

 

そんなに御しやすい相手ばっかりだったら、世の中、苦労しませんって。

 

お人よしなのも、疑り深いのも、いざとなったら、直感の勝負。

 

 

さあ、あなたは、どこまでだまされるか。

 

右往左往する登場人物と一緒に、もがいてうろたえて、ドキドキしちゃいましょう。

 

 

俺が気に入ったのは、自動販売機の青年。

 

こういうロマンチックな展開は、素敵だなあって。個人的に。

 

それから、パイン缶を食う女性。

 

「恋する惑星」の金城武がそうだったっけ。何だかなつかしい。

 

 

 

 

しかしまあ、生きていると、色んなことが起こるもんです。

 

俺も、数多くの修羅場をくぐり抜けて、かろうじて生き残った男。

 

世の中は、危険でいっぱい。

 

気づかないまま、退屈な人生を送る人もいれば、

 

敏感過ぎて、毎日がサバイバルの連続な人もいるから、人の心は深いのです。

 

 

 

猛暑の夏に、ピリリのスパイスの効いた、一服の清涼剤。

 

熟女と、若い女の子と、純情な青年と、酔っ払いの汚ねえオヤジ。

 

共通しているのは、みんな、孤独感を抱えているという一点。

 

ああ、生きていくのは何かと大変だ。

 

 

迷惑かけて、かけられて、殺し殺され、天国地獄。

 

 

…最終的に、生き残るのは誰だ?

 

 

 

 

 

U-NOTE Ⅱ 「勤続2年」

桑畑は、新しい職場で、勤続2年を迎えることができました。

 

 

こんなおっさんでも、それなりに、使ってもらえるもんなんですね~

 

少しずつですが、製麺の勉強を、独学でやっています。

 

 

長岡花火を見に来たついでに、ウチの麺を買いに来て下さったお客様に感謝です。

 

この2年の間に、TV取材が3件、ユーチューバーの取材が1件ありまして、

 

じわじわと、ウチのオリジナル商品が売れているようで、嬉しい限りです。

 

やっぱり、老舗で、レトロな機械が動いている製麺所って、貴重な存在のかな。

 

昨夜も、行きつけの居酒屋から、発注をいただきました。

 

飲みに行っても、ちゃっかり営業している俺って、もしかしてちょっとだけエラいかも…なんてね。

 

 

 

11個目の仕事は、年齢的体力的にはキツいですが、精神的には、救われております。

 

長きにわたって応援して下さった皆様(故人も含む)にいたりましては、

 

ただただ、感謝の気持ちでいっぱいでございます。

 

 

 

今宵は、役所広司主演の「すばらしき世界」を見ながら、赤ワインで、しみじみと。

 

色んなことがあった男は、つらいことをたくさんん味わった男は、

 

涙もろくなっちゃうんですね、きっと。

 

「PERFECT DAYS」を見た後に、この映画を見ると、実に、味わい深い。

 

俺にとっては、「うなぎ」と合わせて、この2本が、つながっているんですね。

 

人生を大きくしくじった経験がある人には、いい処方箋になるかも…って。

 

 

 

何度も、何度も、何度も、

 

もうダメだ、って、

 

終わりだ、って思って、

 

死にたい、って思って、

 

夜中にロープを持って徘徊していたのは、つい、この間のこと。

 

 

 

それでも死なずに生きながらえている俺は、

 

図々しいのか、図太いのか、わかりませんねえ。

 

 

 

いつも、そういう時に、絶妙なタイミングで、いい映画に出会えてしまう。

 

この、不思議な世界に生きている、俺、という存在って何だろう。

 

まだ、生きていてもいいんだよ、って言われたような気分になりますね。

 

 

 

映画はやっぱり、すばらしい。

 

映画のある世界で生きられることが、幸福なんです。

 

 

俺を見捨てた人たち(親を含む)を、恨むつもりはありません。

 

俺を見捨てずにいてくれた人には、ただただ、感謝しかありません。

 

今は、もう少しだけ、この世で生きて、社会に貢献できれば…と思っております。

 

 

 

あたたかい言葉をかけて下さって、

 

つぶれそうな心を、支えて下さって、

 

ありがとう。

 

 

 

桑畑は、明日も、お仕事がんばります。

 

 

 

 

 

 

 

映画 「キングダム 大将軍の帰還」

少年よ、男の戦う姿を、その目でよ~く見ておきなさいっ!

 

 

初めて、「キングダム」を見ました。

 

もう、シリーズ4作目なんですね~

 

内容を全く知らないまま見たんですが、すげえ面白かったです。

 

「沈黙の艦隊」の大沢たかおが、なかなかよかったので、本作も見ておこうかと。

 

 

原作は、原泰久の同名マンガ。週刊ヤングジャンプ連載で、現在72巻だそうな。

 

監督は、佐藤信介。 主題歌は、ONE OK OCK。

 

 

 

物語の舞台は、古代中国の春秋戦国時代における、秦と趙、馬陽の戦い。

 

秦国軍総大将・王騎を演じるのが、大沢たかお。

 

体格もがっちりしていて、声もしっかり通っていて、面構えも佇まいも、大物感タップリ。

 

 

王騎と一騎打ちをするのが、吉川晃司。

 

この2人が、デカい剣で豪快にチャンバラするシーンは、ド迫力でございます。

 

言葉遣いも性格も対照的な2人の戦い方を、一見の価値あり。

 

 

主人公の信を演じるのは、山崎賢人。

 

観客も、彼と同じ目線で、歴史に残る壮絶な戦いを、しかと見届けましょう。

 

 

とにかく、人がいっぱい出ていて、名前も難しいので、ここでは省略しますが、

 

あと一人、王騎の側近である副隊長的な男を演じた、要潤もよかった。

 

髭がよく似合って、落ち着いた佇まいがキマってますね~

 

刀の振り回し方も面白くて、なかなか見せてくれました。

 

この2人の相棒感、すごくいい雰囲気だったと思います。

 

ラッセル・クロウの「マスター・アンド・コマンダー」並みによかった。

 

 

 

 

子供は、大人の姿を見て、生き方を覚えていく。

 

少年少女は、尊敬する大人の背中から、何かを学んでいく。

 

いい大人は、手本とし、悪い大人は、反面教師として、

 

自らの人格形成に、永遠に影響を及ぼす存在となっていく。

 

 

いいお手本に出会えた者は、幸いである。

 

不幸にして出会えなかった者は、これから探せばよろしい。

 

 

完璧な人間はいないし、完全な極悪人もまた、いない、と思いたい。

 

裏切られても、虐げられても、それでも人は、人を信じたくなってしまうもの。

 

そして、自分を信じてくれる人を、心のどこかで求めているんだと思う。

 

 

主人公の名前は、信。

 

秦軍の特殊部隊・飛信隊隊長であり、王騎にとっては、わらべ・信。

 

 

戦いの中で、王騎が、信に、色々なことを教えてくれます。

 

観客も、彼と一緒に、王騎から、多くのことを学びましょう。

 

 

…我こそは、王騎なり。ものども、我に続け!

 

 

 

 

U-NOTE Ⅲ 「花火の音」

いい、音がしています。

 

 

今朝、ごうごうと、雨が降りまくる音が。

 

ああ、お祭りは、何とかなったんだな、って。

 

 

製麺を生業とする身としては、地域のイベントが盛り上がってくれることが、

 

生活に直結するといいますか、死活問題でもあるのです。

 

 

花火の音って、いいなあ。

 

直接見られなくても、音だけで、充分。

 

 

色んな人たちの、楽しい笑顔が、

 

初々しいカップルの、ときめきが、

 

ケンカしている熟練夫婦の、一時的な仲直りの瞬間が、

 

手に取るように、浮かんでくるようです。

 

 

 

 

今日も、猛暑の中、がんばりました。

 

Tシャツは、3回着替えました。

 

明日は、もっとがんばります。

 

 

誰かが、ウチの製品を、おいしく食べてもらえますように。

 

この仕事を与えられたことに、感謝をこめて。

 

 

今宵のシングルモルトは、格別でございます。

映画 「ルックバック」

絆は、永遠。 …絶対に忘れない。 忘れてたまるか。

 

 

上映時間58分。特別料金1700円と聞いて、

 

これは、相当なクオリティなのではないかと気になり、映画館へ。

 

 

またしても、すごい作品に出会いました。

 

これは、見に行って大正解。

 

この映画を、リアルタイムで見られたことを、誇りに思います。

 

 

「水深ゼロメートルから」は、女子高生の物語でしたが、

 

本作は、女子小学生の魂がほとばしる、力作です。

 

原作は、藤本タツキの同名マンガ。

 

監督・脚本は、押山清高。

 

声の出演は、河合優実、吉田美月喜。

 

 

小学4年生の藤野は、校内で発行される学年新聞で毎週、4コマ漫画を連載していた。

 

クラスでも人気者であり、将来は漫画家になりたいと思っていた彼女は、

 

ある日、担任から、不登校になっている京本のために、一枠開けてくれないか、と言われる。

 

かくして、2人の4コママンガは、毎週、新聞の紙面で読まれることになる。

 

 

藤野は、京本の絵を見て、驚愕してしまう。

 

ギャグマンガである自分の絵よりも、明らかに画力がすごい。すごすぎる。

 

3年生から連載している自分のアイデンティティを、根底から揺るがす、一大事。

 

ちきしょう、不登校のくせにい~ こんな奴に負けてたまるか!

 

 

 

この映画は、あまり内容を話さない方がいいと思うので、情報はこれくらいにしておきましょう。

 

少なくとも、ただの女子物語ではありません。

 

むしろ、男気タップリの、直球ドストレート作品と言っていいのではないかと。

 

ぐいぐい引っ張っていく藤野と、手を引っ張られてついていく京本の、バランスが微笑ましい。

 

 

気に食わない奴が、すごい才能を持っていると、嫉妬メラメラながらも、

 

その才能に惚れこんでしまっている自分がいたりして、なかなか複雑なもんです。

 

この2人、見ていて、気持ちがいい。

 

エネルギッシュで、清々しくて、まぶしい。

 

まさに、4コママンガのように、スピーディーに展開します。

 

 

2人がどうなっていくのか、固唾を飲んで、見守りましょう。

 

 

 

 

まるで、昔からの知り合いのような感じがする出会いもあれば、

 

第一印象最悪のスタートな場合もある。

 

しかし、彼女たちは、出会うべくして出会ったんじゃないかと思う。

 

 

闇の中にいればいるほど、光っているものは見つかりますから。

 

 

タイトルの意味は、映画を見ればわかりますので、どうかお楽しみに。

 

 

この映画を見たのは先週なんですが、まだ、余韻にひたっております。

 

心に刻まれるというか、残るといいますか、とにかく、よいのです。

 

俺みたいなおっさんが見ても面白いんだから、10代はすごい反応なんでしょうね。

 

 

色んな意味で、色んなことを学べる、良質の映画だと俺は思います。

 

 

 

 

 

友達って、何だろう。

 

友達という言葉では、うまく言い表せない関係も、たしかに、ある。

 

それはきっと、何もかもを超えた、特別な関係。

 

 

才能がある者には、孤独がつきまとう。

 

自分を、本当に理解してくれる人に出会えた者は、幸いである。

 

だから、探してみよう。

 

目をこらしてみよう。

 

身近にいる誰かが、あなたの生涯のパートナーになる人かもしれないから。

 

 

…憎たらしい奴を、要チェック!

映画 「水深ゼロメートルから」

ユルい時間の積み重ねこそが、人間の精神を育てるのかもしれない。

 

 

これもまた、だいぶ遅れて見ました。ちょうどいい時間帯だったもんで。

 

第44回四国地区高等学校演劇研究大会において、

 

最優秀賞となる文部科学大臣賞を受賞した、徳島市立高等学校の演目を映画化。

 

監督は、山下敦弘。 原作・脚本は、中田夢花。

 

 

 

物語の舞台は、水が抜かれたプール。季節は、夏休み。

 

体育の単位が取れなくて、補習としてプール掃除を命じられた女子高生3名。

 

底にたまった砂を集めてバケツに入れる仕事を始めるが…

 

 

 

さすがに舞台劇だけあって、最初から最後まで、情景が変わりません。

 

名前が面倒なので、ABCD方式でお話しします。

 

A子は、大人しく真面目な感じで、ひとり黙々と掃除を続けます。

 

B子は、まったくやる気なくてダラダラ。何かイライラを抱えている様子。

 

C子は、メイクが命のギャル系女子。こいつも、働く気はないらしい。

 

D子は、水泳部の副部長。B子とのつながりがありそう。

 

上の4人に加えて、体育の女性教師、野球部のマネージャー女子と、野球部の男子。

 

 

基本は4人で、物語が展開していきます。

 

ユルユル、ダラダラの空気の中で、彼女たちの魂がぶつかり合う。

 

会話が成立してなさそうで、ちゃんと物事を考えているんだなあ、って。

 

俺が高校生の頃より、彼女たちはずっと大人ですね。

 

監督は47歳のおっさん(俺的には若造)だけど、原作と脚本は現役の高校生だから、

 

ティーンエイジャー等身大の言葉として、受け取っておきます。

 

 

この、仲がいいわけじゃない連中の組み合わせが、面白いんですね。

 

これだけ自由にものが言えたら、社会人としても充分やっていけるんじゃないかな。

 

ちゃんと仕事しろよ、と言いたくなる大人の皆さま、

 

まずはじっくりと、彼女たちの言葉に耳を傾けましょう。

 

 

相手をののしりながらも、大切なことはしっかり見ているような、

 

思春期だからこその、直感的な会話が、俺的には楽しい。

 

こういうことを、素直に言い合える関係って、素敵だなあ、って。

 

 

俺は、言いたいことがちゃんと言えない、気の弱い少年だったから、

 

自由奔放に会話を楽しんでいる彼女たちが、実にうらやましいです。

 

体を精一杯使って、全身で怒りを表現する姿は、痛快そのもの。

 

健康的なあんよも、若さがほとばしっていて、神々しい。

 

上映時間87分というコンパクトな尺で、ちょっぴり夏休み気分に浸れる、

 

一服の清涼剤映画です。 あ~ポカリ飲みたくなるわ。

 

 

山下監督作品は、「告白」に続いての鑑賞となりますが、過去にも色々。

 

つげ義春原作「リアリズムの宿」での、ヒドい旅館の布団で静かに大笑いする場面。

 

「松ヶ根乱射事件」での、金の延べ棒を現行で換金しようとする爆笑場面。

 

そして、「オーバーフェンス」での、苦悩する蒼井優の生々しさ。

 

彼の映画は、人間の闇の世界を楽しんでいるように感じられて、実に面白い。

 

 

 

 

 

 

これは、本当に意味のあることなんだろうか、って思う時がある。

 

こんなことをして、何になるんだろうか、って考える時がある。

 

しかし、答えなど誰にもわからないし、とってつけたような回答なんて、ますます意味ねえ。

 

大事なことなら、自分で考えて、結論を出すべきなのだ。

 

 

 

何で、こうなるの? 誰か教えてよ!

 

知らねえよ、そんなの、テメエで考えろ!

 

わかんねえから聞いてんだよ、何とかしてくれよ!

 

何とかなるなら、とっくにやってるよ、バッカじゃねえの!

 

(注:これは俺のイメージ 劇中の彼女たちの言葉遣いはきれいです)

 

 

好きなことを言い合って、どうでもいいことでケンカして、

 

少年少女は、大人になっていくんですねえ。

 

ぜひ、面白く言葉バトルして、面白い大人に成長して欲しいです。

 

 

砂に埋もれた、プールの底で、水深ゼロメートルの立ち位置で、

 

まだ、何者にもなっていない、瑞々しい心が、エネルギーを秘めた魂が、

 

開始のホイッスルを、戦いのゴングを、今か今かと待っている。

 

 

 

号令かけなきゃ、誰も動かない。

 

号令かけられりゃかけられたで、文句タラタラ。

 

やる気スイッチなんて便利なシロモノは、一体どこに。

 

それでも、今を生きるために、今目の前にある、やるべきことを、やる。

 

 

わかんなくても、とりあえず、やる。

 

体を動かして、汗をかいて、何かを、成し遂げる。

 

面白かったら、どんどんやる。

 

つまらなくなったら、やめる。

 

苦痛だったら、逃げていい。

 

黙って耐えるよりは、行動してみた方が、得る者は大きいから。

 

 

 

心はバラバラでも、体はひとつ。

 

与えられた時間も、限られている。

 

魂がくすぶっているということは、まだ、燃えている証拠。

 

 

燃焼してこそ、青春は輝くというもの。

 

立ち上がれ! 動け! 走れ! そして、休め。

 

汗をかいたら、ポカリスエット。

 

人間は、水だ。 水分補給して、何が悪い。

 

水を飲むと怒られる剣道部なんか、大嫌いだ!

 

弱いのに部長にされた将棋部なんか、もっと嫌いだ!

 

10代の頃に、もっと怒っておけばよかった。

 

怒りを我慢し過ぎると、俺みたいな変な大人になるから、ご用心。

 

 

俺は今、青春の残りカスを、燃焼し続けております。

 

バカにされたら、腹を立てていい。

 

嫌がらせされたら、反撃していい。

 

ただ、やり方だけは、よく考えた方がいい。

 

 

思考がまとまったら、直ちに行動せよ。

 

 

…わからないのなら、ひたすら黙って、手を動かすべし!

 

 

 

 

映画 「悪は存在しない」

悪気はなくても、知らないうちに、悪人にされてしまう。

 

 

だいぶ遅れましたが、ようやくこの映画を劇場で見ることができました。

 

監督・脚本・編集は、濱口竜介。

 

彼の手掛けた作品を劇場で見るのは、これで5本目になります。

 

本作は、音楽監督の石橋英子との共同企画。

 

 

すげえ!

 

彼はもう、日本を代表する映画監督の1人になっているんですねえ。

 

独特の、台詞回しが絶妙で、“静寂の間”が、何とも言えない面白さなんですねえ。

 

今回も、濱口琉のビシバシ感が満載です。じっくり味わいましょう。

 

 

 

物語の舞台は、山奥にある小さな集落、水挽町(みずひきちょう)。

 

その名の通り、ここの湧き水は、地元の財産であり、生活の糧であった。

 

主人公はタクミ。彼は、小学生の娘、ハナとふたり暮らしをしている。

 

この街に、ある開発計画が持ち込まれ、住民説明会が開かれる。

 

ここに、キャンプ場を建設しようということらしい。

 

浄化槽が不充分であり、山火事の危険性や、管理者の人員不足など、

 

いい加減な計画であることが問題視され、住民は猛反対。

 

どうやら、助成金目当ての、うさんくさい感じがするのであった…

 

 

 

冒頭、森林の神秘的な美しい情景で、映画が始まります。

 

お疲れの方は、ここで睡魔に襲われてしまうかもしれんが、

 

しばしの間、この情景に身を委ねましょう。

 

やがてようやく、人間が登場。お話が始まります。

 

 

彼は、娘を学童保育に預けて、水汲みと薪割りに精を出します。

 

ここの湧き水は、地元のうどん屋で使われているようです。

 

静かに、黙々と、自分の仕事をする男の姿が、シンプルに神々しい。

 

フレデリック・バックの「木を植えた男」を思い出します。

 

 

 

この映画に登場する人たちは、誰もが、悪気を持っていない。

 

いかにもな、悪意をもって人を貶めようとするような、露骨な存在ではない。

 

強いて言えば、開発計画を仕組んだ東京の会社側なんだろうけど、

 

彼らには、彼らの事情や思惑があるのでしょう。

 

ただ、田舎をナメているところが、いささか鼻につく。

 

 

現地に説明を試みる担当者の男女2人も、予想以上に手強い住民たちにコテンパンにやられ、

 

自分たちのやっていることって、一体何だろう、と疑問を持つ。

 

しかし、仕事である以上はやらねばならんし、成果を上げねばならない。

 

俺が養豚場で働いている時に、豚がかわいそうだと思わないんですか、と聞かれて、

 

こっちは、おまんま食うためだからね、と言うしかなかったことを思い出す。

 

 

地元民にしても、観光客が来て街が潤うのはいいことだけど、

 

自分たちの生活が脅かされるのは、まっぴらごめんである。

 

最近の、オーバーツーリズムとかいう問題にも直結しているので、考える価値はある。

 

熊が街に出没するのだって、自衛しなきゃ殺されるから、駆除せねばならん。

 

熊が出た。熊から見れば、人が出た。ってね。

 

 

とにかくこの世は、誰かに迷惑をかけなければ、生きていけないようになっている。

 

誰にも迷惑をかけずに生きるのが、不可能なのと同様に、

 

誰の世話にもならずに生きていこともまた、不可能なのである。

 

 

 

主人公親子の間には、深い溝があるように見える。

 

時折り画面に映る、母親と一緒の写真が、何かを静かに、語りかけてくる。

 

触れてはいけない話題なのかもしれないが、気になってしまう。

 

それが、はっきりと明確にわかるのが、物語の終盤。

 

 

ああ、もう、誰にも止められない。

 

不自然だって、自然のうち。

 

難解だって、明解のうち。

 

光あるところに、影があり、

 

無口な静寂の中に、雄弁な行動力が秘められているのだ。

 

 

 

誰もが、何かを抱えて、生きている。

 

重い荷物を背負いながら、痛みに耐えて、生きている。

 

幸せそうに見えるあの人には、言えないつらさがあり、

 

悩みがなさそうに見えるこの人にも、苦悩の影がある。

 

 

本作には、野性の鹿が登場します。

 

鹿と、湧き水と、そこに住む人間たちの姿を見て、一緒に考えましょう。

 

 

ラストシーンは、狐につままれたような気分になりますが、

 

俺は、帰りの車の中で、ようやく、あることに気づきました。

 

なるほど… そういうことか…

 

そうであって欲しくない気持ちもあるけど、そうなってしまうことって、よくあるから。

 

考えて、考えて、考え抜いて、ついに、その時がやってきたのかしれない。

 

 

賛否両論あるでしょうが、

 

俺は、この映画の素晴らしさを記憶しておくために、自分の解釈を大切にします。

 

 

口数が少ないのも、大事な約束を忘れてしまうのも、悪気はない。

 

しゃべっていない分だけ、人をよく観察しているのかもしれない。

 

壁を作っているのは、相手なのか、自分なのか。

 

自分を守るためでもあり、相手を守るためでもあるのかもしれない。

 

お互いに、ちょうどいい距離感で、気持ちよく生きたいものですね。

 

 

濱口監督の、「省略の多い作劇法」は、実に興味深い。

 

ニューヨーク映画祭では、「予測のつかない映画的体験をもたらす」と高評価。

 

英国映画祭では、「ドライブ・マイ・カー」との類似性において、

 

「何気ない会話から、不穏で予測不能な空気を作り出していく、

 

 催眠術のような力をはらんだ作品」と絶賛されております。

 

 

すごいなあ。

 

日本映画、カッコええやん。

 

106分という上映時間の中に、実に濃厚なテーマを盛り込んだもんです。

 

 

もう一度、タイトルを確認してみましょう。

 

悪は、存在しない。

 

正義も、存在しない。

 

そこにはただ、生きようとする魂が存在し、

 

失ったものを、どうにかして、

 

生きるための推進力に変えようともがく魂が、静かに、佇んでいるのみ。

 

 

悪は、いつの間にか悪にされてしまって、

 

そいつを攻撃することで、正義が成立してしまう。

 

人の数だけ正義があれば、それ以上に、悪者にされる数も増えていく。

 

 

う~ん、深い。

 

実に、深い。

 

深すぎて、森の中で、迷子になってしまいそう。

 

 

「パーフェクト・デイズ」で、役所広司が見上げた、木洩れ日。

 

強い光をやわらげる、優しい森。

 

不安を煽り立てる、恐ろしい暗闇。

 

 

ギリギリのところで、バランスを取りながら、人は、生きているのだ。

 

 

 

世の中、きれいごとばかりじゃないけど、

 

悪いことばかりでもない。

 

ただ、どんなにがんばっても、できないことはできないし、

 

いくらよくしてあげようとしても、人の心は、思い通りにはならない。

 

 

だからせめて、今、こうしている時間を、

 

一緒にいられる、平穏なひとときを、心に刻みたい。

 

 

…その瞬間が訪れるまでの、大切な宝物を。

 

 

 

 

映画 「ザ・ウォッチャーズ」

誰かが見ている。 …勝手に見るんじゃねえ、見るなら、金払え!

 

 

冒頭、ニューラインシネマの導入映像がワクワクしますなあ。

 

ジョン・カーペンター作品を思い出して、感慨深いです。

 

102分という尺も、カーペンターっぽくてよろしいかと。

 

 

M・ナイト・シャマランというブランドは、なかなか、ややこしい。

 

今回は、娘さんの、イシャナ・ナイト・シャマランが、監督&脚本だそうで。

 

「ノック」で、セカンドユニット監督を務めた実績があるようで。

 

コッポラファミリーみたいで、微笑ましいやら、うさんくさいやら。

 

親父のM・ナイト・シャマランは、製作という名の、裏方見守り隊で、自らウォッチャーズ側に。

 

 

原作は、A・M・シャイン。アイルランドの文学ホラー小説だそうな。

 

もともとの優れたお話があるのだから、どう料理するのかは、御手並み拝見、ですね。

 

 

 

物語の舞台は、森。

 

主人公のミナは、「28歳の孤独なアーティスト」という設定。タバコを吸う、くすぶった女。

 

バイト先(かどうか知らんが)の店長の指示で、インコをお届けに行くことに。

 

車に乗って、森の中を走っていると、カーナビがきかなくなり、道に迷ってしまう。

 

そのうち車は動かなくなり、徒歩トホホで、さまよったあげく、謎の建物にたどり着く。

 

 

そこは、想像を絶する、ミステリアスな空間であった…

 

 

毎度のことながら、シャマランですから。アレな人ですから。

 

当たりハズレはもちろん。時には金返せムービーも量産している、

 

究極の詐欺師アオサギ君たちはどう生きるか的な領域に君臨してる、得体の知れないインド人。

 

 

ああ、何でまた、この男に金を払ってしまったんだろう。

 

しかも、親子どんぶりで、劇場で見ることになっちまった。

 

観客もまた、この世でさまよって、この映画にたどり着いた、ということで。

 

面白いかどうかはともかく、見るなら、覚悟せよ。

 

 

 

主演は、麗しのダコタ・ファニング嬢。ハリウッドの安達祐実的存在。

 

最近は、妹のエルばかり目立っていたので、俺的には嬉しい。

 

30歳になっても、かわええですなあ。

 

エルが26歳。二人とも、クラシカルな美しさを秘めた、いい女優さんです。

 

この妖艶な姉妹は、これからも魅力全開で、活躍してくれることでしょう。

 

 

囚われの身になるダコタといえば、「マイ・ボディーガード」。

 

デンゼル・ワシントンとは、「イコライザー3」でも再共演。

 

「アイアムサム」でも、父親ショーン・ペンを恋しがる、賢い娘役が印象的でした。

 

 

 

 

女優は、見られてナンボの商売ですが、見られることを強制されるのは、苦痛でしょう。

 

ましてや、どういう奴らが見ているかわからない、という、底知れない恐怖。

 

見られたくないけど 見られることで生きていけるという、この状況。

 

イヤよ、勝手に見ないで。見るなら、お金払ってよ。

 

観客は、お金を払って、覗く奴らを、スクリーンで覗き見することになるのだ。

 

 

ここで生き抜くためには、ルールに従わないといけない。

 

ここで出会った数人の“住人”と一緒に、観客も、謎解きを楽しみましょう。

 

 

 

 

逃げるために、飛び込んだ場所。

 

しかしそこは、安らげる空間ではなかった。

 

入れるけど、出られない。

 

出たいのに、出られない

 

ここから、脱出する方法はあるのか。

 

 

ヤバい。奴らがやって来た。

 

見ているだけでは、満足できなくなってきたのか。

 

ここから、逃げなきゃ。

 

時間がない。急げ。すぐそこまで、迫ってきている…!

 

 

 

…さあ、君は、映画館から無事に外に出られるか?

 

 

映画 「温泉シャーク」

これを見たら、怖くてお風呂に入れなくなっちゃう!

 

 

またしても、わざわざ映画館で、しょうもない映画を見てしまいました。

 

「ニンジャVSシャーク」も見に行った俺だし、ここはしっかり見届けねば。

 

 

S県暑海市において、怪死事件が続出。

 

海岸で全裸で発見された死体の近くに、温泉浴場の鍵が落ちていたりして、

 

風呂から上がった客が、そのまんま海まで歩いて溺死…?

 

はるほど、早くもバカバカしさが全開であります。

 

 

どうやらこれは、サメの仕業らしい。

 

このままでは日本が滅びてしまうので、内閣総理大臣は、緊急事態を宣言。

 

日米合同の海軍を結成し、総攻撃を開始することに。

 

その日までに、何とか奴らを倒さねば。

 

3Dプリンターで製作した潜航艇「あつみ丸」を起動し、432匹のサメたちに、戦いを挑む。

 

謎の超人、マッチョとともに、壮絶な怪獣バトルが始まるのであった…

 

 

 

う~ん、サメって、温泉入るんだ。すごいなあ。

 

しかも、温泉のあるところを、自由に移動できるらしい。

 

市民はおびえ、子供は、お風呂に入りたいよう、と泣き出す。

 

俺も、フロに入れないのは困るので、一緒に応援したくなっちゃう。

 

よくわからんが、ガンバレ!

 

 

 

監督・脚本・編集は、井上森人。 原案は、永田雅之。

 

主題歌は、ストーリーテリングスが歌う「灼熱の戦歌」。

 

この歌、ムダにカッコいいのが泣かせます。

 

特殊音響効果で、平沢進が参加しているのも、興味深い。

 

 

本作は、熱海市の地域活性化を目指す、日本発のサメ映画プロジェクト。

 

クラウドファンディングで、目標額の100万をはるかに超える1140万円を獲得。

 

マシマシプランで、特撮に使用した背ビレとかもらえるみたいです。

 

 

しかも、パンフレットが2200円!映画のチケット代より高え!

 

上映時間は、77分。

 

ちょっとしたスキマ時間に、お気軽にサメと戯れて、さめざめしちゃいましょう。

 

 

ちなみに、山形県には「あつみ温泉」がありますが、関係あるのかな。

 

次回作では、山形にも遠征して、姉妹都市になっちゃえばよろしいかと。

 

 

しかしいいなあ、静岡。 こんな映画を作ってもらえて。

 

これはぜひ、各地を順繰りに回っていただいて、いずれは新潟でもやっていただきたい。

 

コメ怪獣コシリカラーとか、ラーメン怪獣セアブラーとか、どんぶり怪獣タレカツドンとか、

 

日本酒怪獣ヨシノガワラスとか、枝豆怪獣チャマメンガとか、色々浮かんで、楽しい~

 

 

実際、サメが大量発生したら、観光業界は痛手だろうに、

 

あえて逆の発想で攻めることろが、なかなか「粋」ってもんでしょう。

 

これはぜひ、サメのオブジェからお湯が出る、サメ風呂なんかも作って欲しい。

 

 

映画に登場するサメが、いちいち『…シャーク!』って自分で言うところがニクい。

 

シャーク…シャーク…シャァァァク!

 

何だか、ガンダムの「シャアが来る」の旋律が聞こえてきそう。

 

でもこいつら、何だかかわいい。

 

 

サメ大好きな人は、ぜひチェックしてみて下さい。

 

しょうもなくてバカバカしいくて、現実のイヤなことを一瞬だけ忘れられます。

 

 

海外のサメ映画は、空を飛んだり地上を這ったり、ビルに突き刺さったりと、

 

アクティブな暴走を続けておりますが、日本は、かわいさで勝負だ。

 

次回作は、サメ同士の恋とか、サメと人間との禁断の恋とか、ドラマを掘り下げて欲しい。

 

 

サメた瞳で笑いなよ~ ギンギラギンにわざとらしく~

 

サメードリーム~ 光る~波を~バックに~

 

噛む噛むカムカム、トップガム~

 

 

風呂上がりは、出血も大放出。

 

サメに噛まれるなら、入浴中が最適。

 

立ちどころに、確実に死ねます。

 

 

泳げ! 飛べ! 食いちぎれ!

 

茹でた人間、食いまくれ。

 

…噛む噛む、エブリバディ!

 

 

 

映画 「蛇の道」

コウがコワい。 …黙々と、虎視眈々と、それは、実行されていく。

 

 

黒沢清の、伝説の作品が、何とフランスで、セルフリメイクだそうな。

 

しかも、主演は、柴咲コウ! これは絶対、見逃せない1本ですね。

 

 

「修羅の極道 蛇の道」は、「修羅の極道 蜘蛛の糸」と二部作で、本作は前者。

 

30代の頃にVHSのレンタルビデオで見たんですが、はっきり言って、マニアックな世界。

 

主演の哀川翔は、塾の先生でしたが、本作の柴咲コウは、心療内科医。

 

“相棒”の香川照之は、ダミアン・ボナール。大柄なので、力はありそう。

 

小柄な小夜子と、がっしりしたアルベールの組み合わせが、何とも面白い。

 

 

 

物語の舞台はフランスだけど、都会ではなさそうな、ひっそりした街。

 

小夜子が、相手を特定し、2人で襲って、古い倉庫に連れて来る。

 

スタンガンで攻撃して気絶させ、寝袋に入れて運ぶのが笑えます。

 

手際が悪いようで、それなりに何とかなってしまうのが、クロサワスタイル。

 

鎖で手足を拘束し、ある映像を見せて、罪を自白させようとする。

 

連れて来られた男は、激しく抵抗しながらも、従わざるを得なくなってしまい…

 

 

 

どんよりして、湿気を帯びた独特の映像が、雰囲気タップリ。

 

柴咲コウの、ギロリとした目線が、いいですねえ。

 

「バトルロワイアル」を思い出すなあ。栗山千明とダブルでブレイクしたっけ。

 

落ち着きがなくうろたえるアルベールと、落ち着き払った小夜子が対照的でよろしい。

 

これって、北野武の「ブラザー」で、ヤクザたけしと黒人俳優のバランス感を思い出します。

 

堂々としてりゃあ、日本人の方がカッコよく見えるんだから、これは痛快でございます。

 

 

派手なアクションとか、絶妙な台詞回しとか、ほとんどありません。

 

ただ、男をさらって連れて来て、鎖につないで、放置するだけ。

 

TVモニターが、ブラウン管じゃなくて薄型になっているところに、時代を感じるなあ。

 

連れて来られる男を演じるのは、グレゴワール・コラン、マチュー・アマルリックのお2人。

 

おお、マチュー氏は、「潜水服」のおっちゃんですね。大半を目だけで演技した映画。

 

彼は、007でも悪役やったし、これは柴咲コウちゃんと、目ヂカラ対決の構図ですな。

 

火花バチバチ、スタンガンバチバチで、日仏の対決を楽しみましょう。

 

 

そして、忘れてならないのは、高橋洋のオリジナル脚本であること。

 

本作では原案というポジションですが、彼の薄気味悪い、ギャグ混じりの鬼才ぶりが発揮した作品。

 

「女優霊」「リング」も、彼が脚本を書いたからこそ、あれだけキモチワルイ傑作になったんだから。

 

中田秀夫、黒沢清、鶴田法男、清水崇、白石晃士といった、Jホラー監督に加えて、脚本の高橋。

 

俺的には、コワすぎて笑える、というサム・ライミ的な面白さを開拓した先駆者たちなんですよね。

 

 

 

黒沢作品を初めて見たのは、たしか「スイートホーム」だったかと思います。

 

俺が好きなのは、「霊のうごめく家」「降霊」「CURE」の3本がダントツ。

 

あと、「蟲たちの家」の緒川たまきも、なかなかよかったなあ。

 

復讐シリーズみたいなのが何本かあって、「蛇の道」「蜘蛛の糸」の二部作が生まれました。

 

このシチュエーション、けっこう何度も使っているスタイルだったような気がするなあ。

 

変てこなんだけど、ショボいんだけど、シンプルなこだわりが何とも、素敵なんですねえ。

 

できれば、柴咲コウちゃんそのまんまで、「蜘蛛の糸」もお願いしたいところ。

 

大杉漣の長台詞を、フランス人俳優に堂々と演じ切っていただきたいですな。

 

監督は、今年で68歳。まだまだこれから、面白いものを見せてもらいたいです。

 

 

あ、そうそう、“草々”青木崇高と、西島秀俊も、出番少ないけど存在感抜群なので、ご注目。

 

いいなあ、日本人俳優が堂々と演じている姿が、俺はゾクゾクするほど嬉しんですわ。

 

 

 

そんなワケで、フランス人たちが、いかに日本映画を愛して下さっているか、よくわかる貴重な1本。

 

クロサワファンの皆様は、絶対見た方がよろしいかと。

 

監督ご自身が、『…これはリメイクではなく、完全版である。』とおっしゃっておりますので。

 

 

 

 

復讐は、静かに、淡々と行うべし。

 

やろうてめえこのやろう、と思っていても、ポーカーフェイスで、ジロリ。

 

相手を睨み、確実に、ターゲット・ロックオン。

 

最後の最後まで、気を緩めるな。

 

問題が起きても、慌てずに、冷静に、対処せよ。

 

 

…視界に入ったら、狙いは外さないわ。覚悟しなさい!

 

 

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