映画熱


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映画 「汝、星のごとく」

生き方ひとつで、輝き方は、違って見えるのだ。

 

 

これはまさしく、文学の香りがする力作。

 

原作は、凪良ゆうの同名小説。(第20回本屋大賞受賞)

 

監督は、藤井道人。脚本は、安達奈緒子。

 

主題歌は、RADWIMPS。

 

 

舞台は、瀬戸内のとある島。

 

主人公は、男子高校生と、女子高生。

 

二人は、お互いの家庭環境において、訳ありの事情を抱えていることもあり、

 

理解し合い、心が深く結び付いていく。

 

 

卒業後、男子は東京へ。女子は自力で故郷を出ようと奮闘するが、

 

再会を重ねる度に、すれ違いが生じて、雲行きが怪しくなり…

 

 

 

主演は、横浜流星、広瀬すず。

 

この二人は、美しいですねえ。立ち姿から佇まいから表情や仕草から、

 

何もかも、「今が旬」という感じがします。

 

 

映画は、二人の年齢で区切って、4部構成になっているんですが、

 

最初の高校生パートも、それぞれ「本人」が演じているところがスゴい。

 

すげえ、ちゃんと二人とも、「高校生」をがっつり演じていました。

 

 

共演は、松村北斗、尾野真千子、石田ゆり子、木村佳乃、長谷川博己、濱田岳。

 

主演も助演も、濃ゆい面子が揃いましたが、なかなかどうして、

 

それぞれの持ち味が、バランスよく存分に生かされており、

 

物語が進むにつれて、熱量を増しながら、終盤まで駆け抜けて行きます。

 

 

夕暮れの時間帯の自然光を用いた撮影が、実に効果的。

 

(テレンス・マリック監督の、マジック・アワーですね)

 

「そこのみにて光り輝く」のラストシーンもそうでしたが、

 

心が、静かに、ゆったりと動いていく情景が、あたたかみを感じさせます。

 

 

 

 

自分は何も悪いことをしていないのに、生まれ育った境遇によって、

 

心なきレッテルを貼られることは、よくある。

 

見下された方も、見下した方も、人としては差異がないのに、

 

どこかで線を引いて、あっち側とこっち側に分けて、

 

自分は安全な場所に身を置こうとする。

 

 

どうせそう思われているのなら、と、悪の道に走る者もいるけど、

 

この二人は、自分の心を大事に、真っ直ぐに生きている。そこがいい。

 

 

だけど、耐えられない時がある。

 

しっかりしていても、疲れるし、心が折れる時もある。

 

そんな時に、心の支えになるものは、何か。

 

 

 

映画を見ながら、観客たちも、恋をして、泣いて笑って、

 

タイミングの悪さや、あと少しのところで、ああ、と。

 

二人と共に、悩んで、考えて、ホッとしたり、ハラハラしたり…

 

 

まさに、生きている映画ですね。

 

映画と一緒に、呼吸を合わせて、二人を見守りましょう。

 

 

うまくいく時があれば、うまくいかない時もある。

 

もう限界、という一歩手前が、辛抱の曲がり角。

 

 

相手がどんな状態でいるのか、わかっていたら、

 

あんなことしなかったし、言わなかったのに…

 

後からわかって、後悔して、

 

何で言ってくれなかったの、だって、言えなかったんだよ、って。

 

 

嗚呼、いじらしきかな、無垢な恋。

 

 

 

さんずいに女と書いて、汝(なんじ)と読む。

 

汝の敵を、愛することができたなら、いいのに。

 

できることと、できないことがある。

 

だからこそ、できることを精一杯やってこそ、次の光にたどり着ける。

 

 

星は、自分が輝いていることを、知らないかもしれな。

 

誰かが教えてくれるから、あ、そうなんだ、と自覚できるというもの。

 

離れれば離れるほど、輝きは、ひときわ強く感じられるのだ。

 

 

世の中、真っ暗闇でも、目を凝らしてよく見れば、

 

どこかに、その輝きを見つけられる。

 

 

…光をもらった分だけ、他の誰かを照らしてあげるのもよいでしょう。

 

 

 

 

 

ゴダイゴ LIVE に行って来ました。

新潟県民会館に、ゴダイゴが来てくれました。

 

 

嬉しいやら、有難いやら。

 

ご利益がありそうな気がして、行って参りました。

 

 

みなさん、お元気そうで、なによりでございます。

 

タケカワさんの歌声は、バリバリ健在ですね☆

 

 

午後3時開演という、高齢者に優しい時間枠が、何ともありがたい。

 

「リターン・トゥ・アフリカ」でスタート。

 

数曲歌ってくれた後は、トークタイム。

 

これが…結構長い笑

 

 

ASKAの時もそうだったけど、高齢者に配慮してくれているのかなあ、って。

 

もちろん、ご自身のペース配分も考慮されてのことなんでしょう、たぶん。

 

 

ゴダイゴの成り立ちから、出会いと別れ、色んなエピソードを、

 

ユーモア交えて話して下さいました。

 

 

トミー・シュナイダーは、「ルパン三世」の「SUPER HERO」が有名。

 

彼のトークで、大野雄二さんの追悼…と聞いて、おお!

 

「人間の証明のテーマ」を熱唱してくれました。かっけえ。

 

 

中盤以降は、おなじみのヒット曲が目白押し。

 

「ガンダーラ」「ビューティフルネーム」「ホーリー&ブライト」

 

「銀河鉄道999」…おおお。

 

「ホーリー…」は、撮影OKで、みんなスマホ構えてました。

 

「999」の間奏では、ミッキー吉野の圧巻のキーボードに、鳥肌が!

 

スティーヴのベース、トミーのドラム、吉澤洋治のギターが冴えわたる。

 

 

 

楽しかったですねえ~

 

やっぱり、年に一度は、大物のライブを聴きたいもんです。

 

今回は、記念に、ミッキーさんのタオル買って帰りました。

 

目下、行きつけのスナックで、ゴダイゴを歌いまくっております。

 

 

「GO  DIE  GO」→ 生きて、死んで、また生きる

 

「GOD  I  EGO」→ 神と、私と、自我

 

 

う~む 深い。

 

できれば、「ハピネス」と「ナマステ」も聴きたかったなあ。

 

 

 

…今、万感の思いをこめて、汽笛が鳴る。 A journey to the stars~!

 

 

 

 

映画 「温泉シャーク2 九州大決戦」

温泉に浸かって、気持ちよくなると… サメが襲い掛かる!

 

 

 

しゃあああく…

 

水面から顔を出したサメが、こう言います。

 

それって、自己紹介なのか、掛け声なのか。

 

果たしてこれを、「かわいい」と思う人がいるのかどうか、

 

寡聞にして、俺は知りません。

 

 

また、こんなもの作りやがって…と思いながらも、

 

金払って劇場で見たおっさんが、ここに約1名おります。

 

 

 

前作の舞台は、静岡県暑海市でしたが、

 

今回は、九州にある、K県湯国町。

 

ここには、いにしえの「サメ太郎伝説」が語り継がれており、

 

老舗の温泉旅館の前には、石像が祀られていた。

 

 

主人公は、この旅館に住む、ミュージシャンを夢見る女子高生。

 

ある日、ラジオから流れてくる曲が、どうにも気に入ったらしく、

 

しょっちゅう口ずさんでいたところ、サメの騒動が勃発。

 

前作のレギュラー陣に加え、歌う女子高生が、

 

襲い掛かるサメ軍団に、戦いを挑む!

 

 

監督・脚本は、前作と同じく、井上森人。

 

今回、注目したいのは、主人公の祖父役で、

 

勝野洋が出演していること。これは、はっきり言って、スゴい。

 

チョイ役ですが、渋川清彦、リリコも出ていますので、お見逃しなく。

 

 

そして、主題歌にご注目。

 

彼女が口ずさんでいたメロディが、エンディングテーマになっておりますので、

 

ぜひ、最後まで聴いて帰って下さい。なかなか、カッコいいですよ☆

 

 

 

 

温泉に、ちゃぽんと入る。

 

気持ちよくなって、大息吐いて、体の力が抜けていく。

 

血行がよくなって、いい心持ちでいると、

 

サメが、がばあ~っと。

 

 

サメって、血の匂いに反応するらしいから、

 

温まった人間の血は、熱燗みたいなもんでしょうか。

 

温泉成分と合体した、ブラッディな、レアなカクテル。

 

 

フカヒレに、不覚をとって、かじられて、

 

われ泣き濡れて、カニの正面衝突。

 

 

 

ああ、ちくしょう。

 

やられてばっかりでは、悔しいじゃねえか。

 

このままでは、みんな怖くて、温泉に入れなくなってしまう。

 

 

温泉好きな民の、夢とロマンを守るために、

 

女子高生は、ノリと意地と根性で、立ち上がっちゃう。

 

マッチョ男と、科学技術を結集した3Dプリンター新兵器が力を合わせ、

 

無数のサメ軍団無法者野郎どもに、

 

人類の、知恵と勇気と愛の結晶を、ぶちかますのだ。

 

 

 

行け! 戦え! やっつけろ!

 

 

 

…ああ、魚食いてえ。

 

 

 

 

 

映画「シャドウワーク」

ゴッ、ゴッ、ゴッ… 顔面にめり込む、容赦ない、卑怯な拳。

 

 

力の強い者が、弱い者を、一方的に痛めつける…

 

「絶対こいつは、逆らわない」と思い込んでいるクソ野郎たちよ、覚悟しろ。

 

 

いやあ~ 興奮しました~

 

手に汗を握るとは、まさにこのことですね。

 

クライマックスは、固唾を飲んで、画面に釘付けになりました。

 

正義も悪も超えた、魂と本能の叫び声を、しかと見届けよ。

 

 

 

主人公は、DVに怯える女性。

 

逃げても逃げても、男が追いかけてくる。職場に現れる。

 

ある日、暴行を受けて運ばれた病院で、「おうち」の存在を知る。

 

 

一方、心に闇を抱えた女刑事がいた。

 

生き方も考え方も全く違う二人が、出会うことで、何かが変わる…

 

 

 

原作は、佐野広実の同名小説。

 

監督・脚本は、吉野竜平。

 

 

これは、映画史上に残る、傑作だと思います。

 

この時代だからこそ、生み出されるべき物語なんじゃないかと。

 

 

DVに苦しむ主人公を演じるのは、吉岡里帆。

 

彼女の演技力は、凄みを増してきましたね。

 

「ストリートキングダム」の女性ロッカー、面白かったなあ。

 

「ゾッキ」で初めて見たんだったかな。本作で3本目になります。

 

 

女刑事を演じるのは、奈緒。おお~

 

「死ねばいいのに」のキャラの延長な気もしますが、

 

独特のオーラを出していて、こちらも、目が離せない。

 

 

「おうち」のボスを演じるのは、風吹ジュン。74歳にして、抜群の風格。

 

病院の看護師は、美保純。おおお~ 彼女ももう、66歳なんですねえ。

 

他に、酒井若菜、ファーストサマーウィカ、佐月絵美。

 

男性陣は、北村匠海、原嘉孝、清水尚弥。

 

 

主題歌は、harunana kamura。切ない歌声が、胸にしみます。

 

 

ドラマ版もあるらしい。きっと、原作がいいんでしょうね。

 

俺としては、物語に触れるきっかけは、やっぱり映画がいい。

 

 

 

昔読んだマンガで、藤子不二雄の「復讐クラブ」というのがありました。

 

これは、パワハラに苦しむ主人のおっさんが、謎のクラブに入会すると、

 

その「組織」が、仕返しをしてくれる、という話。

 

最初は痛快だけど、だんだん、不穏な空気になってくる…

 

 

人を呪わば、穴二つ。

 

何事も、「タダ」では済まないのだ。

 

 

 

俺もそうだったからわかるんだけど、

 

自己主張できない者は、力で押してくる相手に、うまく抵抗できない。

 

いじめる側が、相手をナメきっているから、行動がエスカレートしていく。

 

 

いじめられて、平気な人間が、いるはずがない。

 

みんな、怒りをこらえて、我慢しているだけなのだ。

 

反撃する勇気がなくたって、自分が悪いから、と言い聞かせたって、

 

そういうものには、必ず限界がくる。

 

 

俺は、自分の中に、こんなに「怒り」がたまっていたということを、

 

数年前にようやく自覚して、アンガーマネジメントを日々実践しております。

 

 

子供のころに、「ケンカ」を学習しておけばよかった、と悔やんでも遅い。

 

せっかく自分の正体に気づいたんだから、今からでも、

 

そういう自分と向き合って、自分らしく生きられるように、努力したい。

 

 

吉岡里帆の熱演に、改めて学ばされました。

 

人は、血の通った生き物である。

 

殴られたら痛いし、やられたらやり返したくなる。

 

一方的に凌辱して、薄笑いを浮かべている極悪非道な連中よ、思い知れ。

 

 

気の毒だったのは、timelessの原嘉孝くんですね。

 

彼は、2025年2月に加入したらしく、今回の「事件」を知って、

 

どれほど苦しんだことでしょう。

 

奇しくも、自分の役柄がアレなだっただけに、ショックも大きかったんじゃないかと。

 

 

しかし、彼は、役者として、立派にこの役柄をこなしました。

 

彼らの、涙を流しながらの会見は、胸を打つものがありました。

 

だから、原くんにもメンバーたちにも、胸を張って、いい仕事をしてもらいたいです。

 

 

 

上映時間は、129分。ある意味、とても長く感じられる、ヘビーなひととき。

 

後半の乱闘シーンは、身を乗り出して「応援」している自分がいました。

 

今まで生きてきた中で、理不尽なことをしてきた奴らの顔が浮かんできて…

 

彼女たちが、自分の分も戦ってくれているように思えて、目頭が熱くなりました。

 

 

 

警察は、肝心な時には助けてくれない。

 

いのちの電話なんて、つながったためしがない。

 

何かあったら言ってね、なんていう人は、何かあったら逃げる。

 

都合のいい時だけ味方のような顔をして、都合が悪ければ見捨てる。

 

 

悲しいけれど、それもまた、人間の正体の一つなのだ。

 

そういう意味では、「おうち」の人たちが、ずっと、人間らしいのかもしれない。

 

 

 

泣くのは、弱い者ばかり。

 

神も仏も、ねえものか。

 

 

誰かがこれを、やらねばならぬ。

 

神がやらねば、人がやる。

 

 

…行け! 飛びかかれ! 卑怯な奴らを、ぶち殺せ!

 

 

 

 

 

 

 

映画 「八つ墓村」

借りは返す。 …きっちりと。

 

 

清水崇監督が「八つ墓村」を撮る。しかも、松竹!

 

これはもう、見るしかない。いざ、映画館へ。

 

 

これは、はっきり言って面白い!

 

楽し過ぎて笑い過ぎて、気分アゲアゲになりました~。

 

スマホのご時世に、この映画を撮っちゃうとは、さすがです。

 

犬鳴村、樹海村、牛首村に続いて、村シリーズ第4弾。…でいいのかな?

 

 

 

時は、現代。(たぶん)

 

主人公は、就職がなかなか決まらない青年、寺田辰弥(たつや)。

 

天涯孤独だと思っていた彼に、実は、遺産相続の話があるという。

 

その「故郷」は、忌まわしい過去が渦巻く、呪いの地であった…

 

 

 

ちなみに俺は、原作は読んでいません。

 

横溝正史の金田一シリーズで読んだのは、「悪魔の手鞠唄」「獄門島」

 

「犬神家の一族」「病院坂の首くくりの家」の4冊だけ。

 

 

しかしながら、「八つ墓村」は、映画としては、

 

1977年の野村芳太郎監督版、1996年の市川崑版を見ており、

 

TVドラマは、1978年の池広一夫版を見ております。

 

 

 

 

辰弥を演じるのは、奥智哉。

 

仮面ライダー俳優らしいですが、俺的には、お初。

 

かわいくて、イケメンですねえ。オネエサマ方に人気が出るでしょう。以上。

 

 

金田一耕助を演じるのは、尾上松也。

 

頼もしいのか、頼りないのか、よくわからんキャラでした。

 

でも、あの台詞が爆笑だったので、俺的にはギャハハでございました。

 

 

磯川警部は、小藪千豊。面倒くさそうに演じところが、なかなかよろしい。

 

駐在は、キングオブコメディ・今野浩喜。そこに愛はあるんか、の兄ちゃん。

 

 

落ち武者には、渋川清彦が。いいですねえ~

 

村長には、高嶋政伸が。いかにも悪そうですねえ~

 

 

久弥を演じるのは、滝藤賢一。

 

俺が彼を認識したのは、「バイロケーション」からで、

 

「残穢」もあったし、もう、ホラー俳優として、確固たる地位を。

 

 

八つ墓村の肝であり、重要キャラである、濃茶の尼は、

 

「フリフリさん」という呼称で、笹野鈴々音(りりね)が演じております。

 

おおお、「はるヲうるひと」の彼女ですな。すげえ絶妙なキャスティング。

 

尾上松也と同い年の、41歳。熟練した熟演を、堪能しましょう。

 

 

さらに、新潟県出身のベテラン俳優・五頭岳夫が、農民で出演しております。

 

あちらにもこちらにも、お忙しい方でございますな。

 

 

 

美也子を演じるのは、堀田真由。

 

おお、こないだ見たばかりなので、まだ新鮮。

 

彼女、なかなかいいですねえ~ 本作は、代表作になるかも。(ならんか)

 

 

鶴子を演じるのは、中島亜梨沙。

 

典子を演じるのは、永瀬莉子。

 

あれれ、春代さんがいないなあ… まあいいか。

 

 

尺の都合で、色々はしょっているんでしょう。よくあることです。

 

上映時間は、1時間57分。俺的には、ちょうどいい。

 

 

 

音楽は、アントン・ジュリオ・フルリオ。

 

主題歌は、TMG Tak Matsumoto Groupとなっているので、

 

エンディングのあのギターは、松本孝弘でしょうか?

 

スペシャルサンクスで、綾辻行人の名前があるのが、味わい深い。

 

 

八つ墓村といえば、俺的には、松竹のイメージが強い。

 

美也子は、小川真由美でしたねえ。怖くて、妖艶でした。

 

山崎務よりも、小川さんの方がゾーっとしたもんです。

 

東宝版では、浅野ゆう子。横顔が、とてもキレイでした。

 

本作では、濡れ場がなくて残念でしたが、それは、仕方ないでしょう。

 

 

小竹・小梅の双子ババアは、野村版が市原悦子。市川版は、岸田今日子でした。

 

どっちもハマり役で、コワかったけど、

 

本作では、何と、高島礼子! うっはー、色っぺえ~

 

濡れ場がない分、こっちのお色気で、美魔女熟女オーラで、中高年を悩殺しまくり。

 

 

なるほど、清水監督、ぬかりはないですな。

 

これからは、「大人のJホラー」を開拓して下さい。

 

中田秀夫監督も、女の子の物語がお好きだし、エログロ路線で、ぜひ。

 

 

 

この映画が、どんな評価を受けるかは、まだわかりません。

 

だけど、Jホラーの歴史を語る上で、外せない1本になるのではないかと。

 

 

 

何たって、コウモリ。

 

そして、「呪怨」の加耶子のアレが。

 

 

子供の頃に、震えあがったあの恐怖映画を、

 

見事に、清水マジックで、決めてくれました。

 

 

「たたり」という字は、「出て示す」と書いて、「祟り」。

 

清水崇監督、お疲れっス。

 

 

たたって、たたられて、たたいて、たたかれて。

 

たたかれるのが怖くて、前に進めるか。

 

たたられるのが怖くて、好きなことができるか。

 

 

呪われるが怖くて、ホラー映画撮れるか、見られるか!

 

 

大人の怪談、のぼ~る~

 

君はまだ、死んでれら。

 

 

 

1978年の古谷一行版での、濃茶の尼は、白石万理さんでした。

 

中村主水ご家族様の、ご冥福をお祈りします。

 

 

八人の落ち武者の中にいた、七人の侍・稲葉義男さんにも、リスペクトを。

 

野村版の落ち武者、夏八木勲、田中邦衛、金田一を演じた渥美清、

 

鶴子を演じた中野良子、壮絶に死んだレジェンド熱演・加藤嘉…

 

 

皆様の勇姿を、みなぎる魂を、内面から滲み出る凄みを、美しさを、

 

俺は決して、忘れない。 忘れたくない。 忘れてたまるか。

 

 

…怖い記憶は、夜中にがっつり、思い出すべし!

 

 

 

 

 

 

映画 「私たちは、ちょうどいい」

出会って、話しかけて、応えてくれて、嬉しくて。

 

 

たまに、こういう映画に出会うと、何だかほっとします。

 

何とも、ピュアで素直で、いじらしい物語。

 

やきもきヒヤヒヤしっぱなしで、変な汗をかいてしまった笑

 

 

 

 

舞台は、たぶん、アメリカのどこか。

 

主人公は、悶々ストレスMAXな、若い女性リリー。

 

彼女は、唯一の家族である、父親の機嫌をとるのに苦悩しています。

 

ある日、父の恋人との食事の席で、うまく立ち回れず、

 

もう絶縁だ!と言われたて、大ショック。

 

必死で連絡を取ろうとして、やっと見つけた!…と思ったら、

 

同姓同名の、別人のおっさんでした…あわわ、どうしよう?

 

 

 

監督・脚本は、トレイシー・レイモン。

 

彼女の実体験らしいので、ボブこれはまさしく、真実の物語。

 

 

主人公、リリー・トレヴィノを演じるのは、バービー・フェレイラ。

 

とにかく、表情が豊かです。ふくよかな体型も、親しみやすい。

 

感受性が強くて、目が離せないキャラを、元気いっぱいに演じています。

 

 

 

ネットで出会うおっさん、ボブ・トレヴィノを演じるのは、ジョン・レグイザモ。

 

おお、すげえ絶妙なキャスティング! 俺的には、彼が肝ですね☆

 

不器用だけど誠実で真面目な男を、ユーモアたっぷりに、深く演じています。

 

 

原題は、「Bob Trevino Like It」。 

 

ボブ・トレヴィノ、いいね!ってところでしょうか。

 

上映時間は、1時間42分。俺的には、ちょうどいい。

 

 

 

 

何だかんだ言いながらも、俺自身、いつの間にか、

 

彼女を見守るおっさんの一人になっちゃっているんですねえ、あはは。

 

 

どんな時代でも、どんな世代でも、素直な人が、報われる世界であって欲しい。

 

リリーとボブが、どんな「冒険」をするのか、一緒に、見守りましょう。

 

 

 

 

リリーは、今まで、狭い世界の中で、もがきまくっていた。

 

違う世界の空気を吸うことで、考える範囲が広がって、

 

色んな新しいことに、気づいていくんですね。

 

それを、観客も一緒に、味わえるようになっている。お見事でした。

 

 

何でもいいから、声をかけるところから、すべては始まる。

 

リアルでも、ネットでも、勇気を出して、第一声。

 

 

出会いがあって、そこから、どうするかは、その人の自由。

 

リリーは、色んなことに気づいて、学び、自分の力に変えていく。

 

それを、リアルタイムで、観客も同時並行で、感じ取っていく。

 

 

もがいて苦しんで、泣き叫んで、どうにもならない気持ちを、

 

受け止めてくれる誰かが、いてくれたら。

 

間違って出会ったけど、これもまた、神の采配なのかも。

 

 

着信音が鳴る度に、ケータイに飛びつく二人の姿が、何とも微笑ましい。

 

お互いに、気になって仕方がないんですな。

 

 

ぎこちない、やり取り。

 

早とちりによる、勘違い。

 

誤解からの、和解。

 

 

二人の周囲の人たちにも、ご注目。

 

やっぱり、人は、ひとりでは生きられないんだなあ、って。

 

誰かがいてくれるから、自分もまた、ここにいられるというもの。

 

 

 

俺も、やらかしちゃうことが多いので、この映画は、共感しまくり。

 

世の中、器用な人ばかりではない。

 

失敗して、すべって転んで大怪我して、何かを学んでいく。

 

 

健気なリリーを、自分の生き方にこだわるボブを、

 

血の通った、ぬくもりのある人生を生きるために、よく見ておきましょう。

 

 

 

世の中、まだまだ捨てたもんじゃないですね。

 

便利なツールがあふれていても、コスパだタイパだと言われても、

 

人の心の本質は、昔も今も、変わらないと思う。

 

 

 

出会いは、一瞬。

 

関係は、期間限定。

 

 

…この、大切なひとときを、心に刻んでおきましょう。

 

 

 

 

映画 「四月の余白」

誰かがこれを、やらねばならぬ。

 

 

ごつんがつん、ひゅーん、ごっ!

 

何のためらいもなく、執拗に、金属バットを振り下ろし続ける…

 

痛い痛い痛い、このままでは、殺されてしまう!

 

 

これは、直球の映画と言っていいでしょう。

 

リアルでガチな、迫真の演技のぶつかり合いを、お楽しみ下さい。

 

たぶん、「教材」として、価値ある1本になるでしょう。

 

 

 

 

舞台は、更生施設。

 

主人公は、施設代表のおっちゃん。

 

 

ここでは、色んな“訳あり”の少年少女たちを、随時、受け入れている。

 

揉め事は、日常茶飯事。それでも、独特の“日常”が続いている。

 

 

ある日、そこへ、“手に負えない少年”が、入所することになった…

 

 

 

監督・脚本は、吉田恵補。

 

彼の映画を劇場で見たのは、「銀の匙」「神は見返りを求める」

 

「ミッシング」に続いて、4本目。

 

(「ヒメアノ~ル」「檸檬」はDVD鑑賞でした)

 

いやあ~ すごい切り口ですねえ。惚れ惚れする腕前。

 

 

 

主演は、一ノ瀬ワタル。

 

彼はなかなか、貫禄が出てきましたねえ~

 

色んな映画やドラマで彼を見ているはずなんですが、

 

「ヴィレッジ」「炎上」と本作で、俺もようやく彼を記憶できました。

 

 

“最悪の問題児”を演じるのは、上阪隼人。

 

いやあ、見ていて、コワかったですねえ。

 

無邪気で、罪悪感ゼロなところが、ヤバいです。

 

 

 

見た目が強そうで、腰が低いおっさんと、見た目が弱そうな、暴れん坊少年。

 

この二人の掛け合いが、なかなか面白い。

 

ギスギスしながらも、どこかユーモラスで、ぬくもりを感じさせるところがいい。

 

 

「奴」の担任、高校教師を演じるのは、夏帆。

 

いいですねえ~ 彼女の演技は、毎回、楽しみです。

 

映画界において、すでに、独特のポジションを確立しつつあります。

 

 

 

その他、登場する少年少女たちにも、ご注目下さい。

 

みんなそれぞれ、問題を抱えて、ここにやって来る。

 

居心地がいいかどうかはともかく、面倒を見てもらえる。

 

しかし、もともと、人間関係がうまく作れない…

 

 

新しく来たこいつ、めっちゃ気に食わねえ。

 

小競り合い、からの… ああ大変。

 

 

 

この映画を見て思うのは、

 

やっぱり、体が丈夫なのは、何よりの財産かもしれない、ということ。

 

ケンカができるのも、殴り合いができるのも、元気があればこそ。

 

 

施設長のおっちゃんも、殴られ強いのが、最大の武器かと。

 

ボコボコにされても、翌日に絆創膏貼って、ニコニコしている。

 

このくらいじゃないと、悪ガキの相手はできんのかも。

 

 

格闘技と殺し合いの違いは、ルールがあるかないか、だと思う。

 

ケンカというものが、何とも難しいんですな。

 

 

どこで終わるかを、自分たちで決めなければならないから。

 

 

自己主張できないよりは、できた方がいい。

 

だけど、やり過ぎは、よくない。

 

ケンカは、相手に致命傷を与えてはアカン。

 

 

 

この悪ガキは、自分が痛いのは嫌だけど、

 

自分以外の人が痛がるのは、平気だと言う。

 

どうして、そうなってしまったのか。

 

 

映画は、静かに、教えてくれます。

 

持って生まれた資質と、育った環境と、悪い見本と、

 

抑え込まれた喜怒哀楽と… さあ、考えてみましょう。

 

 

 

色んな人間がいて、色んな心がある。

 

うまくやれる者がいれば、うまくできない者もいる。

 

器用に話せる者と、なかなかうまく話せない者がいる。

 

境遇や家庭環境、本人の資質などで、個性は無数に存在する。

 

 

気持ちを伝えることが不器用なために、心が濁ってしまう。

 

濁り過ぎて、淀んでしまって、腐敗していくのを、止められない。

 

自ら進んで、地獄に入ったわけじゃない。

 

気がついたら、そこにいたのだ。

 

 

もがいて、逆らって、怒りをぶつける相手を間違って…

 

 

 

 

同じものさしで、全員をはかるのには、無理がある。

 

しかしながら、世の中で生きて行くためには、ルールを学ぶ必要がある。

 

 

だから、どこかで、学ばないといけないし、

 

それを教えてくれる人が、必要なのだ。

 

 

教えたい者と、学びたい者がいれば、最高の教育ができる。

 

しかし、どちらかがしっかりしていれば、教育は成り立つ。

 

教えたい者と、学びたくない者。

 

教えたくない者と、学びたい者。

 

教えたくない者と、学びたくない者の間にも、何かしらの化学反応があるもの。

 

 

強制された関係じゃなくても、自然と、そういう関係になる場合もある。

 

 

 

強がりと、甘え。

 

強情と、寛容。

 

遠慮と、拒絶。

 

こだわりと、プライド。

 

 

 

一瞬でも、何かしらの歯車が噛み合えば、何かが起こる。

 

そこが、面白え。

 

 

 

 

「普通」に当てはまらない体験をした者だからこそ、わかる世界がある。

 

「普通」の人には、絶対見えない景色を見た者だからこそ、体得できたことがある。

 

過酷な環境を生き抜いた者だからこそ、言える言葉が、きっとある。

 

 

 

可能性ってのは、誰にでもある。

 

ダメになっていく権利も、這い上がっていく権利も、

 

落ち込んで、落ちぶれて、落ちまくって、

 

坂口安吾の堕落論の世界に浸る権利だって、誰にでもある。

 

 

 

自分が、それでいいと思えば、それでいい。

 

でも、それじゃ嫌だ、と思うなら、変えてみればいい。

 

すぐには変われないけれど、失敗しながら、少しずつ、変わっていく。

 

 

変わりたい、という気持ちがあれば、大丈夫、変われる。

 

正確には、「本来の自分を、取り戻す」ということでいいと思う。

 

 

 

失敗は、若いうちに、いっぱいしておいた方がいい。

 

転落も堕落も、失恋も破綻も、心の病気も、早めに経験しておいた方がいい。

 

実感として、そう思う。

 

 

 

 

この映画に出てくる人たちは、晩年、きっと、幸せになるような気がする。

 

いや、そうなって欲しいし、そうでなくちゃアカンのだ。

 

もちろん、自分がしでかしたことは、一生背負って生きねばならない。

 

その上で、経験したことを、ぜひ、生かして欲しい。

 

 

怒りっぽい人がいれば、笑い上戸もいる。

 

クールな人がいれば、涙もろい人もいる。

 

表情豊かな人、無表情な人、強引な人、繊細な人…

 

 

それぞれに、きっと、役割がある。

 

 

映画の彼らもきっと、いい居場所が、見つかる。

 

いやいや、見つけて欲しい。

 

とりあえずの居場所が見つかったら、

 

自らの力で、居心地のいい場所にしていけばいい。

 

それはきっと、楽しい作業。

 

 

 

必死でがんばったことは、

 

死に物狂いで抗ったことは、

 

一生の宝物であり、心の財産である。

 

 

それは、その人にしかないものだから。

 

その真心が、いつかきっと、実を結びますように。

 

 

 

…夏帆さん、結婚おめでとうございます。どうか、お幸せに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画 「ルックバック」

振り返って、思い出せ。 …丁寧に、しっかりと。

 

 

2024年7月に見たアニメーション映画が、今度は実写映画に。

 

原作はもちろん、藤木タツキの同名マンガ。

 

監督・脚本・編集は、是枝裕和。

 

 

物語の概要は、以前書いたことと同じなので、割愛します。

 

ただ、尺が長くなったので、後半に「追加シーン」が出てきます。

 

 

正直、個人的には、アニメの方が好きですが、

 

これはこれで、是枝ワールドの味付けがあって、面白い。

 

 

藤野を演じるのは、出口夏希。「かくしごと」の彼女ですな。

 

本作では、漫画家なので、「描くお仕事」になったわけですな。

 

中国出身だそうで、堂々と自己主張するキャラが、ピッタリきますね。

 

勝ち気で、プライドが高くて、走り出したら、止まらない。

 

こういう、行動力のある女子が、引っ込み思案な子を引っ張っていくんですなあ。

 

 

京本を演じるのは、蒔田彩珠。おお~☆

 

俺は、彼女が出ているから、見に行ったようなものです。

 

独特の、存在感。深さと奥行きがあって、吸い込まれる感じが、いい。

 

自分の中に、秘めた世界を持っている雰囲気が、この役柄にとても合います。

 

今度は、「探偵BAR」シリーズ最新作に出演するそうで、楽しみですね。

 

 

子役は、七瀬ふうり、岡田六花。

 

二人とも、いい感じでした。

 

大人に切り替わる瞬間も、ごく自然で、違和感なかった。

 

「怪物」の少年二人もよかったけど、本作の少女二人も、なかなかよろしい。

 

二人が楽しそうに駆けて行く姿は、瑞々しい美しさがある。

 

きゃはきゃは、びゅーん、って感じですね。

 

 

アニメだと、4コママンガ的なスピード感がありましたが、

 

是枝スタイルでは、少し離れたところから俯瞰している感じがあって、

 

「幻の光」みたいな、あたたかみがある演出を思い出しました。

 

 

彼女たちを見守る大人たちを演じるのは、

 

野呂佳代、宮藤官九郎、菅田将暉。

 

宮藤官九郎は、「時には懺悔を」で見たばっかりなので、笑えて仕方ありませんでした。

 

 

 

それから、音楽でも、遊び心がありました。

 

ボーカルで、三浦透子が参加。

 

そして、“友情演奏”として、米津玄師が。

 

作者がチェンソーまんで、サメで、親友の菅田将暉がいて…そういうことかな。

 

さらに、シンエイ動画が参加しているのも、見どころですね。

 

 

同じ物語だから、アニメだけで終わってもよかったんだけど、

 

せっかく実写で製作したんだから、オマケ映像があってもいいでしょう。

 

軸は変わらないんだけど、世界観が広がるワクワク感を楽しんで下さい。

 

 

 

 

 

思春期の思い出も、青春の思い出も、

 

いいものばかりとは限らないし、悪いものばかりでは、決して、ない。

 

 

過去の記憶を、自分の都合のいいように書き換える人もいれば、

 

負の記憶を、全部自分のせいだと背負って苦しむ人もいる。

 

 

この物語の二人は、「いい関係」なのかどうか。

 

たぶん、意見の分かれるところかもしれない。

 

 

どちらかが主導権を取って、もう一人を、引っ張っていく。

 

主従関係ではないし、主人と奴隷でもない。

 

そんなの、二人を見ていれば、わかる。

 

スタートは、たしかに、「差」があったかもしれない。

 

 

しかしながら、人は、成長していく生き物。

 

どこかで、変わらなければならないのである。

 

一生の友達だと思えば思うほど、苦しくなってしまうことがある。

 

 

自分も相手も、お互いに変わることを受け入れてこそ、友情は深まる。

 

こういう自分しか出せない、こういう相手じゃなきゃ嫌だ、と思った瞬間に、

 

関係は、崩壊してしまう。そこが、つらい。

 

 

観客によって、色々な感じ方がある映画なんだと思います。

 

考えずにすぐ解答を知りたがる人には、手強いかも。

 

俺としては、①見た直後 ②見た日の夜 ③翌日 の3段階くらいで、

 

ゆっくりと考えをめぐらせて、自分なりの答えを見つけて欲しいと思います。

 

 

 

以前の記事で、「タイトルの意味は、映画を見ればわかる」なんて言いましたが、

 

う~ん、やっぱり、見てもわからないかも笑

 

 

「look back」は、①振り返って見る ②回想する という意味があります。

 

(アドバンストフェイバリット英和辞典より)

 

言葉のニュアンス的には、後ろを見ろ、とか、私の背中を見て、とか、

 

色んなイメージが膨らんでいきますね。

 

 

 

 

自分が今まで一番だと思っていたことが、他の誰かに脅かされる。

 

相手の才能に嫉妬するも、やっぱり、惹かれる気持ちは、隠せない。

 

自分にはないものが、奴には、ある。

 

 

そこに気づいた藤野は、がんばるのである。そこが、いい。

 

なりふり構わず、全ての時間を、画力アップに費やすのである。

 

俺は、このシーンが、すごく気に入ってます。

 

 

才能というのは、本気で磨けば、洗練されていく。

 

自分が主導権を取っているけど、どうしてもかなわないところがある。

 

そこを認めた上で、いい関係を築いていくところが、いいんですね。

 

 

友達であり、ライバル。

 

同志であり、大切なパートナー。

 

 

一心不乱に、描き続ける姿が、美しい。

 

カリカリ、サラサラ、トントン、ゴシゴシ、パラパラ…

 

ペンと紙の音が、懐かしい。

 

 

現代では、画面タッチの音が、マンガを描く時のスタンダードになるのでしょうか。

 

俺はやっぱり、ドキドキしながらページをめくる方が好きだし、

 

縦じゃなくて、横に読み進める方が、読んでいる感があるんですよね。

 

 

 

アニメも、マンガも、手描きが原点。

 

この作品が残る限り、描く仕事の魅力は、伝わり続けることでしょう。

 

 

 

ちくしょう、あいつ、あたしよりうまく描きやがって。

 

振り返れば、奴がいる。

 

奴がいるから、がんばれる。

 

あいつが、あたしの背中を押してくれたんだ。

 

 

だから… ありがとう。

 

 

そこにいてくれて、よかった。

 

出会えて、よかった。

 

 

…また、一緒に描こうね。

 

 

 

 

映画 「バックルームズ」

映画の中で、迷子になってしまう。 …時間も空間も、心の中も。

 

 

なんじゃあ、こりゃ!

 

A24最新作。またしても、映画界に風穴があきました。

 

「8番出口」とも、「マルコヴィッチの穴」とも違う、

 

「変な家」とも、「ビバリウム」とも違う。

 

世にも変てこな、迷い道くねくね映画の登場です。

 

 

 

舞台は、家具屋。 主人公は、家具屋の店長であるおっさん。

 

最近どうも、電気代が高過ぎるという疑問が生じて、

 

電気屋を呼んで配電盤を調べたところ、謎のブレーカーが。

 

 

そこを落としても、何も起きない。

 

他の電源を落として、そこだけ入れてみると、おやおや…?

 

 

真っ暗な壁の向こうに、ほんのり光が見える。

 

あの奥に、「部屋」が存在するのか?

 

 

ここから、彼の「冒険」が始まるのであった…

 

 

監督は、ケイン・パーソンズ。アメリカ出身の21歳。

 

本業はユーチューバーだそうで、2022年から公開していた

 

ウェブシリーズが人気で、待望の映画化だそうな。

 

 

「リミナルスペース」というジャンルがあるらしく、

 

「8番出口」も、ここから発想を得たそうな。

 

監督自身も、日本の「進撃の巨人」がお好きだそうで、

 

色んな国の文化が、溶け合って融合して、さらに、奇怪な作品ができる。

 

 

公開当時は20歳で、北米で初登場1位を記録。

 

監督としては、史上最年少の快挙となりました。やったね!

 

 

 

 

 

部屋の向こうに、部屋がある。

 

いわゆる、隠し部屋。

 

昭和の少年たちは、わくわくするテーマですなあ。

 

江戸川乱歩も、宮崎駿監督も、隠し部屋大好きだもんネ。

 

 

 

まず、色味がいい。

 

白色じゃなくて、ゆったりした、カーキ色に近い、落ち着いたイエロー。

 

王道の黄土色、アールグレイ、俺の仕事的には、柿渋がジャストフィット。

 

仮眠室だったら、よく眠れそうな色合い…

 

 

そして、埋め込みの照明灯が、ぼんやりした輝きで、何ともまばゆい。

 

柱は見当たらず、壁と天井が、無作為に交差し、

 

パーテーションで、かろうじて通路が形成されているような…

 

 

時たま、色んなものが置いてあったり、半分埋まっていたりして、

 

やんわりと、首を絞められているような感覚になっていく。

 

 

ああ、ここは、どこなんだろう?

 

俺は確か、映画を見に来たはずなんだよなあ。

 

 

 

イオンシネマは空調がいいはずなのに、この息苦しさは何だろう。

 

温度も湿度も最適なはずなのに、この不快感は、一体何だろう。

 

 

これは、体調が悪い人は、見ない方がいいかも。

 

逆に、体力があり余っている人は、寝ちゃったりするかも笑

 

よくも悪くも、映画がお好きな人には、見ておいて損はないでしょう。

 

トラウマもまた、心の宝物になりますから。

 

 

 

クリストファー・ノーラン監督の「インセプション」は、

 

人の思考や記憶を立体化した、多層構造物のようなアクション映画でした。

 

 

この映画は…違うよねえ笑

 

深層心理を描くジャンルとしては、デビッド・リンチ監督か、

 

デビッド・クローネンバーグ監督に通じるものがある、と俺は思います。

 

 

まったく、どう説明していいのやら。困った1本ですこと。

 

 

新しいものに触れると、拒否反応を示す人と、歓迎ムードの人に分かれる。

 

保守派と革新派みたいに、わあわあ言う人がいるかもしれない。

 

でも俺は、こういう、「新しい風」を歓迎します。

 

 

混沌とした世の中だからこそ、鬱屈した時代だからこそ、

 

風通しがよくなるような、画期的で前衛的な、起爆剤が必要なのだ。

 

若きクリエイターたちよ、奮い立て。

 

若きデザイナーたちよ、閃きまくれ。

 

こんな時代だからこそ、「新しい立ち位置」は、そこらじゅうに転がっているぞ。

 

 

 

この映画、どんな映画、気になる映画。

 

何とも不思議な映画ですから、何とも不思議な感想が飛び交うことでしょう。

 

 

夢は、まぼろし。

 

悪夢は、まやかし。

 

 

…ひとときの、亜空間ドライブ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画 「私はあなたを知らない、」

どうして、悪い方へ、悪い方へと行ってしまうんだろう…ああ。

 

 

何とも、気の毒な映画です。 それだけに、心にしみる1本。

 

登場人物みんな、悪気がないのに、こんな展開になっちゃった。

 

 

監督・原案・脚本は、中野量太。

 

彼の映画を初めて見ましたが、なかなかの力作でした。

 

これは、色んな意味で、勉強になる教材だと思います、生きていく上で。

 

 

 

 

舞台は、東京。 主人公は、工場で働く青年。

 

彼はひとりであったが、孤独ではなかった。

 

ある日、年齢が近い女性が入社してから、彼の人生が動き始める…

 

 

 

主演は、坂口健太郎。

 

人とコミュニケーションを取るのが苦手な、静かな役どころ。

 

本作の彼を見ていると、「パーフェクトデイズ」の役所広司を連想しますね。

 

「盤上の向日葵」でも、屈折した青年を熱演していたので、

 

“苦悩しながら生きる男”を表現する技術に、磨きがかかったように感じます。

 

体温を感じさせる、繊細かつダイナミックな演技を、ご堪能下さい。

 

 

 

ヒロインを演じるのは、堀田真由。

 

彼女の演技を映画で見たのは、たぶんこれが初めて。

 

なかなか、積極的なアプローチをするので、奥手な男とちょうどいい。

 

人を好きになっていく表現がストレートで、クスリと笑えます。

 

 

恋が始まると、次は、お互いの嫌な部分が見えてくる。

 

まあ、そこからなんですけどね。

 

 

二人とも、それぞれに秘めた「爆弾」を抱えており、

 

何が「トリガー」になってしまうのか、そこが、本作の肝なんじゃないかと。

 

 

 

そして、もう一人。早瀬憩の演技も、初めてみました。

 

彼女がこれまた、かなりの存在感。

 

まだよくわからないけど、

 

河合優実や白鳥玉季のような、器の柔軟さと、弾力を感じます。

 

今後の活躍が、楽しみな女優さんですね。

 

 

ヒロインの母親を演じるのは、原田美枝子。

 

保育士に、渡辺真起子。 弁護士は、滝藤賢一。なかなか絶妙なキャスティング。

 

ベテラン勢が、土台をがっちり固めていて、奥行きが出ました。

 

 

 

それから、音楽を担当した世武裕子にもご注目。

 

エンディングに流れるピアノの、情感あふれる旋律が、すごくいい感じでした。

 

 

見終わった後に、すがすがしい余韻が残る、不思議な映画でした。

 

 

 

 

松本清張の世界では、よくあることなんですが、

 

人は、どういうわけか、悪い方の選択肢を選んでしまうことがあります。

 

 

何とかしよう、という思いが強ければ強いほど、逆方向に舵を切る。

 

火消しのつもりが、余計にひどくなって、収拾がつかなくなる。

 

さらに焦って、だんだんと、ひどい状態になっていく…

 

 

善人と悪人って、どこが根本的に違うのだろう。

 

どこまでが善人で、どこからが悪人なんだろう。

 

 

最初は、あんなにラブラブで楽しくてあたたかいのに、

 

ある瞬間から、次第におかしくなってしまう。

 

途中、その“前触れ”的な暗示はあるものの、

 

何とか、穏便に切り抜けようとして、お互いに努力するんですが、

 

どういうわけか、裏目に出てしまうんですね。

 

 

そういうことって、誰でも日常的に起こりうることなので、

 

お互いに気になることは、早めに解決した方がよさそうですね。

 

 

咄嗟の時に、その人の人間性が出ることがある。

 

そこで終わる愛もあれば、そこから強い愛に変わる場合もある。

 

 

俺は、家族の愛情がわからないまま、成人してしまったので、

 

色んな失敗をして、人にいっぱい迷惑をかけてきたんだと思います。

 

明るくて仲のいい家族を見ると、羨ましいという感覚になっちゃう。

 

自分も結婚して家族ができましたが、ちゃんと父親をやれているのかどうか、

 

未だによくわからない部分が多いです。

 

 

 

この映画を見ていて、抑え込まれてきた感情って、危うい一面があるよなあ、と。

 

心の奥底に封じ込められた思いって、どこかで噴き出すもんだから。

 

 

彼の性格を考えた場合、ああ、俺でもこうなるかもな、って。

 

彼女の性格を考えたら、ああも言いたくなるだろうな、って。

 

 

愛情の裏返しが、愛憎って言うものなのかもしれない。

 

お互いに暴走すると、もう、ブレーキが利かなくなって、

 

気持ちはわかるが、それをやっちゃあ、おしめえよ。ということになる。

 

 

どうしたらよかったのか、観客自身も考えて欲しい、と、

 

監督からメッセージを託されたかのような気持ちになります。

 

 

あと、タイトルの最後に読点が入るのは、何でだろう?

 

藤岡弘、みたいな理由でしょうか。

 

〇〇なんだけど、とか、

 

〇〇なのであり、そして…みたいな意味とか、

 

色々と、深読みしてみたくなりますね。

 

 

 

映画が終わってからも、彼らの人生は、続いて行く。

 

過去は取り戻せないし、してしまったことは仕方ないし、

 

どこかで区切りをつけて、また、歩き出すしかないのだ。

 

 

 

後悔。

 

恨み。

 

トラウマ。

 

フラッシュバック。

 

色んなものを抱えながら、生きる。

 

 

もう一度、ゆっくり立ち上がって、新しい景色を見る。

 

そこからどうするかは、自分次第。

 

 

 

生きるって大変だけど、

 

生き続ければ、いいこともある。

 

苦しんだ分だけ、優しくなれるし、

 

失敗した経験を生かして、誰かを助けることも、きっとできる。

 

 

 

この映画で学んだことを、これからの人生に生かしましょう。

 

 

…坂口健太郎さん、ご結婚おめでとうございます。どうか、お幸せに。

 

 

 

 

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