オーディオ訪問記(サウンドクルーさま)(後編) | くさもんのブログ

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日々のことを徒然なるままに。

去年6月下旬のサウンドクルー邸訪問日記。
随分(どころではない!)間が空いてしまったが、これが最後。

最終日(2023/6/25(日))は、1階のオーディオルームにお邪魔した。

このお部屋はもう数回お邪魔しているが、構成が毎回微妙に変わる。
このため、改めて機材紹介をしたいと思う。

■SACDプレーヤー
エソテリック Grandioso K1X




■パッシブプリアンプ
失念
(おそらく今も、Dentec TRC-Aだったはず・・・)




■パワーアンプ
某氏作成の特注品



■スピーカー
Magico Q3



※Magico Q1も設置されているが、用途が異なるため今回は試聴せず。


3階と異なり、こちらは超正統派な音。
3階のような独特な音場感は無いが、それでも普通では味わえない豊かな音の広がりや前後感があり、各楽器は本来の位置にビシッと定位する。

定位や音場はもちろん、何と言うか、音自体が違う。
それはもう、高音や低音がどうとか解像度がどうとかという話ではなく、そうなってくると文章では表現しずらくなってくるのがもどかしい(笑)。
苦し紛れに映像で例えると、自分が初めてハイビジョン映像を見たのは95年で、その時の衝撃は今でもよく覚えているが、あの時と同じかそれ以上の違いを感じた。

まさに「リファレンス」と呼ぶにふさわしい、そんな音だった。


一番印象に残っているのは、やはり3階でも聴かせていただいた「The Drum Solo」。
3階ではCD盤を聴かせていただいたが、こちらではSACD盤を聴かせていただいた。

この前日に3階で聴かせていただいたとき、その独特な音場も手伝って、音質的にもこれ以上改善の余地はないのでは!?と思いかけた。
そのとき聴いていたのはCD盤で、少なくともSACD盤よりはフォーマット違いのぶん劣っていると分かっていてもだ。
サウンドクルーさんも「このあとで1階を聴くと、音の違いに驚くよ」とか仰っていたが、自分としては内心「ホントかなーー??」とか思っていた。
で、いざ1階で聴かせていただくと、おっしゃる通りものすごい違いがあった。

また、語弊覚悟で書くと、結構な緊張感がある。
3階は「如何にリラックスできるか、寝落ちできるか」だったのに対し、こちらは本当に音楽と真っ向勝負!

強いて言えば、3階との音の違いがあまりに大きすぎて、その「内訳」すら分からなかった。
どこまでがCDとSACDの違いで、どこからが機材やセッティングによる違いかという点である。
これについては、この1階でもCD盤も聴かせていただき、SACDとの違いを確認しておけばよかったなと若干後悔している。


今回、(厳密に言えば日付は違うが)一度の訪問で3階と1階という二つのシステムを聴かせていただいた。
感じたことはたくさんあるが、その中でも特に大きいのは二つ。

まず、これは以前も書いたかもだけど・・・。
複数のオーディオシステムを扱っておられる方は時折おられるが、普通は以下のような区分けになると思う。

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機材(特にスピーカー)の違いによる音色の違いを楽しむ。


機材(特にスピーカー)の違いによる音色の違いで、聴く音楽のジャンルを使い分けている。
例えば、タンノイのスピーカーでは主にクラシックを楽しみ、JBLのスピーカーではジャズやロックを楽しむ、とか。
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一方、サウンドクルー邸では、1階でクラシックもジャズもロックも聴く。3階でもしかり。
違いは、どう聴こえるかの音作りだ。セッティングにより音作りを分けている。

当然、機材や部屋が違うのだから、その時点で出てくる音も違う。
ただ、もし仮に全く同じ機材と部屋が2つずつあっても、サウンドクルーさんならセッティングに違いを持たせることにより全く異なる音楽表現を作り出すはずだ。

複数のシステムをお持ちの方で、こうした「積極的な」楽しみ方をしている方を、自分は他に知らない。


感じたことのもうひとつが、「The Drum Solo」に限って言えば、この1階がある意味「本物の音」ということだ。

このソフトはサウンドクルーさんご自身が製作されたことは前回書いたが、聞けば、この「Magico Q3」を使用したシステム(ご本人は「マジコ軍団」と呼んでいる)でこのソフトの音決めをしたとのこと。
そういう意味で「本物の音」と表現した。

例えば、CDの製作から再生までの過程(というか、音の出るチェックポイント)を
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a)生演奏(録音現場)
b)製作現場
c)自分の部屋
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の3つに大別したとする。

音楽鑑賞をする以上、c)は絶対に体験することになるが、それ以外の2つはどうだろうか。
よほどの音楽好きでCDを1000枚持っていたとしても、a)やb)を体験したことのあるソフトは、その中の数枚程度ではないだろうか。
1枚も無い、なんてことも十分にあり得る(っていうか普通はそうだ)。

自分の場合、a)については広島のジャズバー「ミンガス」で井上先生のベースを聴く機会に恵まれたが、b)はなかった。
今回、サウンドクルーさんのお部屋でそれを初めて体験できた。
自分の持っていないCDでa)やb)に立ち会ってもあまり意味が無いが、手持ちのCDについてそれら2つを体験できる機会があるというのは、オーディオマニアにとってとても幸せなことではないだろうか。

・・・ということのはサウンドクルーさんご本人から言われて帰宅後に気付いたのだが、サウンドクルーさんご自身も、今後も一人でも多くの人にb)の体験をしてほしいと考えておられるようで、具体的な方法をあれこれ展開されているそう
(ご興味ある方はWebサイト見てみてね)。


本当はまだ書きたいことはあるのだけど、あれもこれも書くと収拾がつかなくなるのでこの辺で。

このあと、9月にはサウンドクルーさんが拙宅においでになったり、ヒジヤン邸・コニ邸・チュー太郎邸に行かれたりなど、いろいろ出来事はあるけれど、それらについての詳細は、今回は諸事情で割愛。
また来年(もう今年か)にサウンドクルー邸に伺うことができれば、今回書ききれなかったことも触れてみたいと思う。


サウンドクルーさん、その節はお邪魔しました。
またよろしくお願いいたします。