2022年の暮れも押し迫った大晦日のこと、この日はお昼過ぎまで札幌に滞在していました

新千歳空港から仙台空港を経由して、仙台駅からは東北新幹線「やまびこ・つばさ」154号に乗り込み、19時48分に上野駅へ降り立ちました

 

上野駅から今回の旅の目的の一つである651系に乗車して高崎駅まで向かい、大晦日の移動を

ちなみに、新千歳空港から直接羽田空港へ向かわずに一旦仙台空港に降り立ったのは、こちらも数年以内に引退が予想されるE2・E3系に乗っておきたかったからに他なりません

 

 

上野駅のコンコースにはJR東日本の新幹線各形式に彩られたポスターがありました

辛うじてE3系の姿は確認できるものの、既にそこにE2系の姿はありません

 

E2系が表記されていないのは、ただ単にスペースの都合なのかもしれませんが、同車の将来を暗示しているような気がしてなりません

E2系が「はやて」として活躍していたのも、ずいぶん昔の話になってしまいましたね

 

 

新幹線と比べて、世代交代のスピードが穏やかな在来線であっても、時の流れに抗うことはできません

1989年3月のダイヤ改正時に「タキシードボディのすごいヤツ」というキャッチコピーを引っ提げて、JR在来線初の130㎞/h運転を実現した651系も今度のダイヤ改正で引退することになりました

 

JR東日本から1月20日に発表された春の臨時列車の運行計画には、どこを探しても651系の文字は見当たらず、ダイヤ改正以降の651系の動きは不透明ですが、JR東日本初の特急形車両ということで、何らかのイベントが企画されてもよさそうなところです

 

なお、4月1・2日に東大宮操車場にて、651系を4編成並べた撮影会は開催されることになっています

詳細は下記URLからどうぞ

https://www.jreast.co.jp/press/2022/omiya/20230309_o01.pdf

 

 

ということで、例によって前置きが長くなってしまいましたが、上野駅14番のりばから旅のスタートです

 

651系のシンボルともいえる先頭車両のLEDヘッドマークですが、引退を前にご機嫌斜めなのか調子が悪く、1号車側のヘッドマークが”回送”表示なっており、7号車側もご覧の通り列車名が表示されるはずのスペースがぽっかり空いています

 

 

上野駅地平ホームに佇むシルキーホワイトの車体は凛としています

常磐線で活躍していた頃から内外装にほとんど手は加えられていませんが、高崎線系統への転用にあたって、窓下にオレンジのラインが追加されています

 

なお、転用に際して、パンタグラフがシングルアーム式に交換されているほか、直流区間のみの走行となることから、交流機器については使用停止とする措置がとられています

このため、従来の同車とは異なり、交流区間を走行することはできないことから、高崎線系統で活躍する651系は1000番台として区分されています

 

ちなみに、651系は交直流電車でありながら、分割民営化後の登場ということもあって、60Hzには対応しておらず、当初から50Hz専用車として誕生しました

 

 

本日お世話になる編成は、1989年(平成元年)に川崎重工で製造されたOM207編成(元K102編成)です

元号が昭和から平成へと移り行く中で登場した651系は、新時代を象徴する役目と常磐線特急の重責を背負っての船出となりました

 

JR東日本初の特急形車両として生を受けた651系の歩みは、即ちJR東日本の歩みと軌を一にするといっても過言ではないでしょう

 

 

ロール幕式の行先表示器も最近ではめっきり数を減らしました

風の噂では、幕を回すモーターの製造が終わったらしく、その多くはLEDへの換装が進んでおり、JR東日本の特急形車両に限れば185系と651系でしか見ることはできません

 

 

E257系の投入により、グリーン車も無くなるので、号車札も記録しておきました

23年春のダイヤ改正では、651系が撤退すると同時に「スワローあかぎ」が「あかぎ」へ統合され、「草津」は「草津・四万」へ愛称が変更となります

 

せっかくなので、列車名が変更となる「スワローあかぎ」か、もしくは「草津」に乗りたかったところです

ただ、生憎ながら大晦日は休日ダイヤなので、そもそも「スワローあかぎ」は運行しておらず、温泉へ向かう行楽客が主眼となる「草津」は夜間帯の設定がありません

 

ということで、必然的に「あかぎ」への乗車となりますが、引退前にもう1度651系へ乗れたことに感謝せねばなりません

 

乗降ドア横には、赤字に白抜き文字で”特急 Limited Express”と書かれたステッカーが誇らしげに掲出されています

その色合いは、偉大な先輩である485系のサボを彷彿とさせるものです

 

 

 

651系への最後の乗車ということで、迷わずにグリーン車を選びました

実は、651系への乗車は今回が初めてではなく、19年3月に赤羽から高崎まで「草津」のグリーン車に乗ったことがありますが、ブログで紹介するのをサボっていたので、記事として登場するのは今回が初めてです

 

 

 

それでは、魅惑のグリーン車へ

電球色の照明に彩られた空間に、大型のハイバックシートが3アブレストで並ぶ室内は、思わず息を吞む美しさです

 

直系の後輩であるE657系の「普通車との差異を見つけるのが難しい」グリーン車と比べると、JR東日本は進むべき道をどこで踏み外してしまったのだろうかと思わずにはいられません

 

 

グリーン車のシートピッチは国鉄~JRの車両では標準ともいえる1,160㎜で、これは従来の485系から変わりありませんが、3アブレスト配置の採用により、居住性は大幅に改善されています

 

登場当初は、オーディオパネルが設置されていたほか、アームレスト内には衛星放送を受信できる小型の液晶テレビが格納されていましたが、現在はいずれも撤去されています

 

 

同社のグリーン車にしては珍しく、非常に電球色の強い照明が使われているので、WBの設定を変えて撮影してみました

昼間に乗車した場合は、こちらのイメージに近いかと思われます

 

 

2001年頃に行われた改造の結果、登場当初とは座席のフォルムがずいぶんと変わってしまいましたが、もともとはJR四国の2000系気動車に搭載されていた座席の親戚筋にあたります

2000系気動車はいまも現役バリバリで四国の鉄路を爆走していますが、グリーン車は一足早く姿を消しました

 

 

登場当初からデチューンされたとはいえ、重厚感たっぷりの座り心地は健在で、実際に着座してみると、見た目を裏切らない寛ぎが約束されています

バックレストの形状…特にランバーサポート部分…が優れており、きちんと背中に迫ってきます

 

そして、日除けがブラインドではなく、プリーツカーテンなのも泣けてくるではありませんか

やはり、グリーン車たるもの、こうでなくてはと認識させてくれます

 

グリーン料金を裏切らない完成度の高いアコモデーションで、きっとあなたも虜になるに違いありません

そう書いたところで、おそらくこの座席に乗れる機会はもう無さそうですが…

 

N700系やE5系といった最近の車両と比べても、座面のクッション材をケチっている印象はなく、適度にフカフカで臀部を優しく受け止めてくれます

JR発足直後で、なおかつバブル景気という時代背景があるにせよ、30年以上前に設計された座席でありながら、現代の車両に負けるとも劣らない快適性です

 

651系の引退により、JR東日本の在来線特急列車のグリーン車で3アブレスト配置なのは、「サフィール踊り子」と「いなほ」の2列車をだけになりました

 

 

フットレストは固定式で、角度を変えることはできませんが、靴を脱いでリラックスできるようにきちんとモケット面が用意されています

こちらもE657系やE353系では、貧相なバー型に退化しています

 

 

網棚には読書灯も設置されており、不足しがちな照度を補っています

JR東日本の在来線特急では、2000年代前半に登場したE257系やE751系以降、グリーン車であっても読書灯は省略されているので、付いているだけでも偉大です

 

 

客室内が従来の485系から大幅にグレードアップしている一方で、デッキ周辺はそこはかとなく昭和テイストが漂っています

腐食しているのか、それとも長年の活躍で汚れているのか、ずいぶん床が黒ずんでいます

 

 

デッキにぽっかりと空いたいかにも”らしい”スペースは、かつてカード式公衆電話が鎮座していました

 

 

洗面台は温度調整が可能な自動水栓が採用されています

今では当たり前ですが、デビュー当時は「手をかざせば水が出てくる」は画期的だったことでしょう

 

 

 

651系では、基本編成(7両編成)にトイレ・洗面所が4ヶ所ずつ設置されています

同車のトイレで何と言って特筆されるのは、普通車も含めてすべてのトイレに洋式が採用されていることと、在来線特急列車では初めて男性用小便所が設置されたことではないでしょうか?

 

同世代に当たるキハ85系はグリーン車のみ洋式トイレで、東武100系も半数が和式トイレだった時代背景を考えると、ずいぶん思い切った判断だったといえます

 

ただし、ステンレス製の便器で足踏みペダル式水洗装置の組み合わせに時代を感じずにはいられません

もちろん、ウォシュレットのような気の利いたものは望むべくもなく、便座に座るとひんやりとした感触がダイレクトにお尻に伝わってきます

 

 

グリーン車だけではなく、ここで普通車の車内も紹介しておきます

普通車であっても読書灯が設置されているのは、やはりバブルという時代背景の為せる技でしょうか?

 

上野を発車後、終始乗客が管理人を含めて2名だけだったグリーン車とは違い、普通車は自由席を中心に50%ほどの乗車率でした

 

 

 

常磐道を走るライバルの高速バスを念頭に置き、シートピッチは485系の910㎜から970㎜に大きく拡大されましたが、さすがにフットレストは省略されています

E653系では910㎜に先祖帰りしてしまいましたが、ようやくE657系で960㎜に戻りましたね

 

 

上野駅を出発してから1時間24分で、終点の高崎駅に到着しました

新幹線であれば、上野~高崎間を45分で走り切ってしまう上に、本数も「あかぎ」「スワローあかぎ」と比べ物にならないくらい高頻度に運行されています

 

高崎線に馴染みの薄い関西人からすると、一体どういった人たちが「あかぎ」を利用しているのか気になるところですが、おそらく上野と新幹線の停まらない主要駅間のニッチな需要に支えられているのでしょう

 

それにしても、651系然り、キハ85系然り、管理人と同年代に生まれたの車両が姿を消していくは辛いものです

それどころか、キハ281系やE351系のように、年下の車両も引退していくわけで、JR黎明期を彩った花型車両が姿を消していくことに一抹の寂しさを覚えます

 

ブルトレの廃止がひと段落したかと思えば、今度はJR第一世代特急形車両の引退ラッシュが始まった印象を受けますね

キハ85系が「ひだ」の定期運用から撤退するのと時を同じくして651系の引退であり、奇しくも両車ともにTDOの松本哲夫氏の手により生まれた作品です

 

JR東日本の第一世代在来線特急列車群では、既に251系とE351系は現存せず、253系も内外装を大きく変えた1000番台車が僅かに残るのみです

そして、651系も引退となると、自ずと次に”怪しい”のが255系であることは明白です

 

 

隣のホームには211系の上越線・普通水上行きが停車していました

651系の足回りは211系をベースにしており、界磁添加励磁制御により直流モーターを駆動する方式が採用されています

 

よくよく考えてみれば、「VVVFインバータ制御ではない特急形車両」に揺られるのもずいぶん久しぶりなような気がしました

651系については、現時点でラストランイベントなどは予定されていない上に、春臨でも充当列車が見当たりません

 

もしかしたら、このまま全編成廃車になりそうですが、1両くらいは大宮の鉄博に収蔵されてもいいような気がします

さて、前回までの年越し北海道旅行記2021-2022から話題は逸れますが、今回は引退が迫る”ノースレインボーエクスプレス”に乗車した時の記録をお届けします

これを先に書くとネタバレになってしまいますが、2022年の元旦は悪天候で新千歳空港発着の飛行機が欠航し、酷い目に遭いました

 

にもかかわらず、性懲りもなく管理人は仕事納めが終わるや否や、KIXからエアバスA320に飛び乗り、2022年の年末に再び北の大地へ降り立ちました

何しろ、年が明けたら長期休暇はGWまで取れないので、23年春ダイヤ改正で引退するキハ183系、651系、キハ85系の3車種に乗車する計画を管理人は立てました

 

まずは、キハ183系「オホーツク」のグリーン車に札幌から網走まで乗車して、釧網本線で釧路へ抜けたのち、空路で羽田へ向かうつもりだったのです

ところがどっこい、札幌へ着いた後にTwitterを見ていると、キハ261系0番台が車両不具合により、「宗谷」「サロベツ」の運用に”ノースレインボーエクスプレス”が駆り出されていることが判明しました

 

9月の「ニセコ」や11月の道内各方面へのメモリアル運行は、えきねっとの事前申込を活用したものの、かすりともしませんでした

えきねっとを見ていると、極稀に通路側に空席がありましたが、わざわざ北海道まで出向いて、通路側に座るのは何だか受け入れられない自分がいたわけです

 

ところが、今回は「宗谷」の代走ということで、えきねっとでシートマップを出してみると、窓側にも空席が多数見受けられました

稼働率が極めて低い同車が、たまたま北海道に滞在しているタイミングで動いており、しかも空席多数とあっては、見過ごすわけにはいかず、急遽予定を変更して、”ノースレインボーエクスプレス”に乗車することにしました

 

とはいえ、稚内まで向かうほどの時間的余裕もなかったので、札幌から旭川へ「オホーツク」で向かい、「宗谷」に乗って戻ってくることにしました

651系とキハ85系への乗車を考えないのであれば、躊躇なく稚内まで向かっていたことでしょう

 

 

気温マイナス10℃…くらいだったと思います

札幌駅から「オホーツク」3号に揺られ、1年ぶりに旭川駅へ降り立ちました

 

相変わらず木質系の素材を活かした暖色系のインテリアは、旅人の心を癒してくれます

駅から一歩出れば酷寒の世界ですが…

 

どこか晩ごはんを食べることのできるお店がないものかと駅周辺を一頻り散策しましたが、年の瀬も迫った12月30日ということもあって、営業していない店が多く、営業していたとしても予約客限定の店ばかりでした

仕方なく夕食を駅前のイオンで調達しましたが、厚岸産の焼き牡蠣をアテにサッポロクラシックが飲みたかったですね

 

 

しずしずと駅へ戻ってくると、代走やらシカの出現やらが原因で、「宗谷」に30分ほどの遅れが発生していました

ホームで待っていると凍えてしまうので、暖房の効いたイオンのフードコートと改札口を行ったり来たりして「宗谷」の到着を待ちます

 

 

 

22時頃になって、ようやく旭川駅に”ノースレインボーエクスプレス”がやって来ました

もう見れないと思っていた、ましてや乗れるとさえ思ってもみなかった車両との対面をようやく果たしました

 

ここで乗り損なったら、また1つ後悔のタネが増えていたところですが、念願叶って”ノースレインボーエクスプレス”の旅を楽しみたいと思います

それでは車内へ乗り込みましょう

 

 

今回、管理人が予約したのは4号車5番D席だったのですが、車内をあちこち見学していたので、自席に座って寛いでいた時間はそれほど多くはありません

ちなみに、この4号車には走行用機関とは別に、発電用機関が搭載されており、かつてED79牽引で青函トンネルを通過する時には、スハネフ14形のような雰囲気だったそうな

 

 

 

客室内全体を見渡してみました

3号車にダブルデッカー車が連結されているのを除くと、”ノースレインボーエクスプレス”の車両はすべてがハイデッカー車で構成されています

 

眺望性は抜群なはずですが、外はどっぷり日が暮れており、大きく開放的な側窓の恩恵に与かれないのが残念です

客室ドア付近の少し下がった場所から撮影しているので、ガラガラに見えますが、編成全体を均すと50%ほどの乗車率でしょうか?

 

デッキ~客室間のアプローチ部分に階段が並ぶ構造は「タンゴエクスプローラー」に似通っています

思い返せば、この車両が登場した90年前後は空前の好景気を背景に、”グランドひかり”やHiSE車に代表されるダブルデッカー車やハイデッカー車が次から次へと登場しました

 

時代は変わり、バリアフリー対応が必須となった現代では、いずれも採用例が減ってしまいました

251系「スーパービュー踊り子」の後継として華々しい活躍を見せるE261系「サフィール踊り子」も全車平屋構造ですし、キハ85系の後継であるHC85系もセミハイデッキ構造は採用されていません

 

唯一、気を吐いているのは「しまかぜ」や「ひのとり」を送り出している近鉄くらいでしょうか?

ダブルデッカー車やハイデッカー車を連ねた”ノースレインボーエクスプレス”の後継が、ラウンジを1両連結しただけのキハ261系というのも物寂しい気がします

 

 

客室内には960㎜ピッチで横4列の回転リクライニングシートが配されています

以前はもう少し明るいパステルピンクのシートモケットだったようですが、経年劣化のせいなのか随分くすんでいます

 

 

車体上方側面まで大きく湾曲した側窓と天窓のおかげで圧倒的な開放感を演出している客室ですが、座席周りはごくごく普通です

 

フットレストがあるわけでもなく、ヘッドレストピローがあるわけでもなく、インアームテーブルが装備されているだけです

リクライニング角度は控えめですが、座面のクッション材がふかふかに効いていて座り心地は良好です

 

 

この座席の一番の注目点は、中央のアームレストに装着されたオーディオパネルかもしれません

かつて、新幹線や在来線特急列車を問わず、「イケてる最先端のグリーン車=オーディオサービス」という時代があったのです

 

時代が下がり、iPodの登場に象徴されるように、手持ちの端末で好きな音楽を好きなだけ再生できるようになったことで、こうした座席に装着されていたオーディオパネルは次から次へと姿を消しました

一番最後まで残っていた東海道・山陽新幹線系統のグリーン車でも2010年代前半にはサービスを停止し、オーディオパネルは撤去されています

 

この車両に装着されているのは、かつて681系やHOT7000系にあったのと同じタイプで妙な懐かしさを覚えた次第

しかも、きちんと電源が入っているので、もしかしたらイヤホンを挿せば何かしらの音楽が聞けたのかもしれません

 

 

編成の中ほど、3号車はダブルデッカーとなっており、1階部分は乗客なら誰でも使えるラウンジになっています

この車両だけは付随車なので、この階段付近に立っていると、空気ブレーキの作動音がよく聞こえます

 

 

 

編成中ほどの3号車はダブルデッカー車となっており、1階は乗客なら誰でも利用できるラウンジとなっています

片側には10名程度が座れるソファが配され、通路側には壁にもたれることができるようにクッションバーが設置されています

 

22年9月の「ニセコ」や同年11月の道内各地へのメモリアル運行では、ラウンジの治安がずいぶん悪かったようですが、さすがにこの日は乗客がそれほど多くないこともあって平和でした

登場年次が近いこともあって、室内の様子はかつて寝台特急「北斗星」に連結されていたスハネ25形500番台車の半室ロビーを想起させてくれるものです

 

 

キハ183系の一派となる”ノースレインボーエクスプレス”ですが、番台区分としては5200番台が与えられており、3号車はキサハ182形5200番台車となります

気動車では異色ともいえるダブルデッカー車の連結ですが、先鞭をつけたのは先輩格にあたる”クリスタルエクスプレス トマム&サホロ”に90年12月から連結されたキサロハ182形5100番台です

 

国内の気動車列車としては史上初のダブルデッカー車だった同車に続き、91年夏には「スーパーとかち」用に1階を2人用普通個室、2階をグリーン車としたキサロハ182形550番台もお目見えしました

好景気とそれを背景としたリゾートブームに支えられて華々しく登場したこれらのダブルデッカー車ですが、550番台は特急列車高速化の波に乗れず、短命に終わりました

 

5100番台の方は2019年に引退した”クリスタルエクスプレス トマム&サホロ”と命運を共にする形で解体され、現存しません

キサハ182形5200番台車がJR北海道に最後まで残ったダブルデッカー車な訳ですが、こちらも引退まで残り2ヶ月を切りました

 

 

札幌駅に到着すると、さっそく編成全体がカメラの放列に取り囲まれました

 

 

 

「流氷特急オホーツクの風」や「さくらエクスプレス」で運行していた頃に1度乗ってみたかったですね

とはいえ、念願叶ってずっと前から乗りたかった車両に乗れたので、これ以上にない形で2022年の鉄道趣味を締めくくることができました

 

いつかは、遠く離れた九州の地を走る兄弟…「あそぼーい!」…にも乗りに行きたいですね

JR北海道に所属するキハ183系とは、大きく出で立ちが異なりますが、キハ183系であることは紛れもない事実です

 

明日はCTSからSDJへ飛んで、上野から高崎まで651系「あかぎ」号に乗ります

その様子は、「関東鉄旅」のコーナーで取り上げる予定です

山形新幹線の車両としては、400系、E3系に次ぐ3世代目の車両となるE8系新幹線が本日仙台の地に上陸しました

先日、神戸の川崎重工兵庫工場より航走される姿が目撃され、2月末からはいよいよ試運転が始まります

 

試運転が始まるのとタイミングを同じくして、仙台市の新幹線総合車両センターで2月24日にお披露目会と撮影会が開催されます

E8系の営業運転開始は2024年春を予定しており、東北新幹線東京~福島間ではE5系と併結運転を行うことで、同区間の最高速度が275km/hから300km/hへ向上します

 

E8系の詳細についてJR東日本より発表がなされたわけですが、同じプレスリリースには度肝を抜かれる内容が含まれていました

なんと、E3系1000・2000番台が「つばさ」として運行を開始した当初の塗装を復活するというのです

 

ご存じの通り、「つばさ」に使用されている同車の塗装は山形新幹線新庄延伸時からのデザインで、シルバーをベースにグリーンのラインが入ったものでした

同時に、400系についても塗装が変更されましたが、シルバー×グリーンの基本的な組み合わせは踏襲されました

 

ところがどっこい、2014年の山形DCに合わせて、奥山清行氏の監修で山形県の県鳥であるオシドリと県花である紅花をモチーフにしたエクステリアデザインへ生まれ変わりました

山形新幹線=シルバーの図式が大きく崩れ去るデザインであったことから、賛否両論が渦巻きましたが、今回E8系への全面置き換えを前に、銀色の「つばさ」が復活を遂げることになりました

 

JR東日本によると、今回の塗装変更で山形新幹線の魅力を改めて全国へ発信し、同路線の利用促進に繋げたい狙いがあるようです

さてさて、以前管理人が大宮駅で撮影したE3系の写真を紹介して、結びに代えたいと思います

 

▲大宮駅に停車中のE3系2000番台旧塗装

400系置き換え用として、2007年より営業運行を開始しました

 

▲車体側面のロゴマーク

羽を広げた様子をモチーフにしたデザインは「つばさ」のシンボルでした

 

▲やはり「つばさ」にはシルバーがよく似合いますね

 

▲旧塗装から新塗装へ移行する過渡期には、大宮駅でこのような光景も見ることもできました

 

↑前回からつづく↑

 

長万部からキハ281系「北斗」に揺られて、札幌駅に到着しました

ここから「ライラック」に乗り換えて旭川へ向かいますが、1時間ほど待ち時間があるので、せっせと撮り鉄に励むことにしました

 

札幌駅でカメラを振り回すのは、2014年11月以来7年ぶりのことになります

7年前の機材はソニーのコンデジで、屋根に覆われた札幌駅での撮影は厳しいものがありましたが、今回はデジイチなので余すことなくJR北海道の魅力をお伝えできるかと思います

 

なお、機材が改善されても管理人の腕はさほど向上してないので、ありきたりなアングルばかりですが、その辺はご愛嬌ということで…

実は、次の日に札幌駅で撮影した写真もあるのですが、分量も少ないのでこの記事でまとめて紹介します

 

 

 

民営化後の北海道の鉄路を、そして道内主要幹線の速達化を象徴する振り子車同士の共演も過去のものになってしまいました

この1枚をファインダーに収められただけでも、今回渡道した甲斐がありました

 

 

傍らに立っているだけで、キハ283系の重低音で唸り続けるコマツ製直6E/gサウンドで耳が幸せになりますね

乗降ドア周りに配されたレッドが、側面のデザインをグッと引き締めています

 

 

キハ283系の列車名/号車表示は、横型と縦型のLEDを組み合わせた独特のスタイルとなっており、同社の他形式はもちろんのこと、日本全国を見回しても同車しか見られません

個人的には、独特のエンジン音や自己操舵台車と並んでキハ283系の萌えポイントの一つですね

 

 

 

 

JR北海道のイケメン気動車といえば、キハ281系も忘れていけません

2021年12月末時点では、まだキハ281系の引退日は発表されておらず、「おおぞら」からの撤退を間近に控えたキハ283系ばかりが注目されていました

本州在住の管理人としては、キハ281系を撮影するチャンスは滅多にないため、撮影に勤しんでおりました

 

 

先頭部や乗降ドア周りに配されたブルーは噴火湾をイメージしたもので、萌黄色はJR北海道のコーポレートカラーですね

台車は制御付き振り子機構が奢られたN-DT281形を装着しており、曲線通過速度はR≦600で本則+30㎞/hを実現しています

 

キハ281系のベースとなったJR四国の2000系気動車がコロ式の振り子台車なのに対して、当形式では冬季の雪対策として密閉性に優れるベアリングガイド式振り子台車が採用されました

後に、ベアリングガイド式振り子台車はJR東海の383系やJR西日本の283系・キハ187系など他社にも広がりを見せます

 

 

登場当初は幕式だったキハ281系の行先表示板は、2017年頃から順次フルカラーLEDに刷新されました

 

 

JR北海道の通勤形電車といえば、このスタイリングが定番でしたが、H100形に似た切妻型の737系がまもなく登場予定です

それにしても、道外在住の人間にとっては塗装以外のポイントで731系と733系と見分けるのは至難の業ですね

 

 

 

この日(12/31)の「すずらん」6号には、789系1000番台車のトップナンバー車HL-1001編成が充当されていました

心の中では、引退の迫る785系が来て欲しかったのですが、この日の「すずらん」は789系ばかりだったと記憶しています

 

 

同車もまだまだ新しい車両のように思えて、781系の後継車両として2007年の10月に営業運転開始からで既に15年以上が経過しています

萌黄色が印象的な0番台と比べると、カラーリングが大きく異なるほか、5両固定編成でドア数も違うため、識別は容易です

 

 

ライトケースの上部が鋭角になっているため、0番台よりも目つきがキリっとしています

ヘッドマークにフルカラーLEDを装着したのは、JR北海道の特急型車両で同車が初の採用例となります

 

 

キハ261系による「おおぞら」7号が入線してきました

所定の運用ではキハ283系が充当される運用なはずですが、車両トラブルの影響で急遽キハ261系が充当されていました

 

実は、この日この列車にもし空席があれば、これに乗って帯広か釧路まで向かう予定だったので、トラブルに巻き込まれずに済みました

しかし、私がそうであったように、せっかくキハ283系へ乗るためにわざわざ北海道までやって来た人も中にはいたはずで、冬の北海道はトラブルが付き物とはいえ、ガッカリした人もいたのではないでしょうか?

 

 

ヘッドマークのフルカラーLED化が進むキハ261系…6次車以降は登場時からフルカラーLED…ですが、まだまだロール幕式ヘッドマークが残る車両も少なくありません

ちょうど札幌駅に到着した車両の幕回しが始まったので、「スーパー北斗」「スーパーとかち」幕を記録しておきました

 

「北斗」のヘッドマークに関して言えば、赤文字の”SUPER”があった方がデザインにメリハリが効いていて、精彩に富んでいると思います

 

 

平成初期生まれの管理人としては、「スーパーとかち」と聞くと、真っ先にスラント顔にキサロハ182形550番台車が頭に思い浮かんでしまいます

現在の「とかち」は、そのルーツをたどると90年9月改正時に帯広発着の「おおぞら」を改称する形で登場しました

 

その後、何度か「スーパーとかち」へ統合される形で愛称が消滅したり復活したりを繰り返していましたが、20年3月改正より「スーパー北斗」や「スーパーおおぞら」と共に、”スーパー”の接頭辞が愛称から外されて現在に至ります

 

ひとしきり撮影を終えたところで、「ライラック」23号に乗り込んで旭川へ向かいますが、次回は番外編をお届けします

 

年越し北海道旅行記番外編~ノースレインボーエクスプレス乗車編~へつづく…

12月16日に鉄道各社より、23年春のダイヤ改正のあらましが一斉に発表されました

なんやかんやで年末は忙しく、ようやく今日になって記事を書く時間が確保できたわけですが、1週間も経ってしまったので、追加で発表された情報も盛り込んでいこうと思います

 

鉄ちゃんにとっては、クリスマスと並ぶ年末の風物詩となっていますが、今年もJR北海道から順番に気になったところを整理していきます

 

●JR北海道

札幌・旭川~網走を結ぶ「オホーツク」「大雪」にキハ283系が投入されます

22年春改正までは札幌~釧路間を走る「おおぞら」で活躍していた車両が、石北本線へコンバートされた形となります

 

意外なことに、JR化以降に製造された振り子車が他線区へ転用される初めての例となりますが、特に石北本線では高速化工事等は行われていないので、振り子は固定されたまま運用に入るのでしょう

しかし、「オホーツク」1号の札幌~旭川間を除いて、最大で7分所要時間が短縮されており、20年以上前に製造された車両とはいえ、キハ183系と比べるとキハ283系の高性能ぶりが窺えます

 

12月21日になって、JR北海道よりキハ283系の先頭車両側面に「オホーツク」「大雪」の走行する石北本線の沿線自治体にちなんだロゴを掲出することが発表されました

上川町は大雪山国立公園、網走市は能取岬のように8種類のイラストが用意される予定ですが、凛々しいFURICO283のロゴは見れなくなってしまいます

 

737系電車については、春のダイヤ改正に間に合わなかったのか、23年5月20日から運行を開始し、室蘭本線を走るキハ143形を置き換えます

 

●JR東日本

E7系の増投入に伴い、上越新幹線からE2系が撤退し、ダイヤ改正以降は上越新幹線を走る車両はE7系に統一されます

これにより、大宮~新潟間の最高速度が240㎞/hから275km/hへ向上し、改正前と比べて東京~新潟間で7分のスピードアップが図られます

 

上越新幹線で275㎞/h運転というと、かつて200系新幹線が新清水トンネルの下り勾配を活用して275㎞/h運転を行っていましたが、99年12月で終了しているため、上越新幹線では実に23年ぶりに275㎞/hが復活することになります

 

21年10月1日にE4系が引退し、23年3月17日にE2系が撤退し、車種の統一が図られる上越新幹線

鉄ちゃん的には車種が多い方が楽しいですが、ダイヤが乱れた時のことを考えると、北陸・上越新幹線を走る車両がE7系に一本化されるのは”前進”と捉えることができます

 

▲新潟駅に停車中のE2系新幹線

 

そして、在来線で一番注目したいトピックは、上野~高崎・長野原草津口間を結ぶ「草津」「あかぎ」「スワローあかぎ」から651系が撤退し、E257系5500番台が投入されることです

列車名についても、「草津」が「草津・四万」へ改称され、「スワローあかぎ」は「あかぎ」へ統合されるほか、改正後は両列車共に全車指定席で運行されます

 

この話題については、651系の老朽化が進んでいることやE257系5500番台の網棚に座席の発売状況を表示するランプが設置されたこと、そして車両基地で「草津・四万」という謎のHMを掲示していたことで、徐々に現実味を帯びてきました

 

それでも、651系が6編成在籍しているのに対して、E257系5500番台は5編成しか在籍しておらず、予備車が不足すること、そして何よりも波動輸送を受け持っていることから、置き換えは現実的ではないと思っていました

 

それでも、今回の改正で置き換えへ踏み切ったということは、それほど651系の老朽化が深刻なのでしょう

高崎支社のチラシには、改正後の「草津・四万」「あかぎ」の両列車には、グリーン車が連結されない旨の表記があるので、651系の定期運用撤退は間違いなさそうです

 

なお、改正後の特急料金については、「草津・四万」が従来通りのB特急料金ですが、「あかぎ」の方は他の首都圏を発着する「ひたち」や「あずさ」と同様の新たな着席サービスと同じ料金が適用されます

つまり、同じ上野~高崎間を乗車する場合で比較すると、前者が通常期1,890円に対して、後者では1,580円となり、同じ区間を走る同じ車両の特急列車であるにもかかわらず、特急料金に差異が生じています

利用者からすれば煩雑であることに変わりなく、なぜ統一しなかったのか不思議です

 

▲登場から30年以上が経過した651系

ダイヤ改正後の去就に注目が集まる

 

●JR東海

何と言っても、最大の注目点は「ひだ」の使用車両がキハ85系からHC85系へ全面的に刷新されることです

22年6月1日から「ひだ」の定期列車10往復中2往復で運行が始まったHC85系ですが、7月1日からは3往復へ、12月1日からはさらに1往復を置き換え、遂にJR西日本エリアである富山駅への乗り入れも始まりました

 

23年3月改正では、「ひだ」の定期列車全てがHC85系での運行となり、大阪ひだも存続のうえ、同車に置き換えられることになりました

なお、「ひだ」5・25号については、高山本線内での停車駅が見直され、名古屋・大阪~高山間で10分のスピードアップが図られます

 

今回の発表では「ひだ」と同じキハ85系で運行される「南紀」の置き換えについては、なにも触れられていません

HC85系の増備ペースを考えると、「南紀」からキハ85系が退くのは23年の夏頃でしょうか?

 

●JR西日本

うめきた新駅の開業については、先日公開した別記事をご参照ください

 

 

同社管内のダイヤ改正で、地味な変更点ながら興味深いのが、鳥取発着の「はまかぜ」が従前の2・5号から1・4号に変更されることです

これまで、鳥取を発着する「はまかぜ」は、車両基地への回送を兼ねて運行されている感が否めず、お世辞にも利用しやすい時間帯に運行されているとは言い難い状況でした

 

今回、1・4号が大阪~鳥取間の運転に変更され、城崎温泉~鳥取間が昼間の運行となるため、観光客にとっても利用しやすくなるのではないでしょうか?

一方で、2・5号については運行区間が大阪~豊岡・城崎温泉間に短縮されるため、香住駅基準では「はまかぜ」が1往復減便されることになります

 

●JR四国

岡山駅で在来線と新幹線との接続を改善することで、東京・新大阪~高松・松山間において、最大18分の短縮が図られます

 

●JR九州

九州新幹線の運転時刻がよりパターン化され、博多駅における「のぞみ」と「つばめ」の接続時間が見直されることにより、熊本~博多間の各駅から博多以西への移動が便利となります

また、鹿児島中央駅を朝一番に出発する上り「みずほ」の発車時刻が30分ほど繰り上げることにより、日帰りで大阪市内へ向かう場合に滞在時間が拡大します

 

また、12月20日になって、23年4月1日乗車分から新幹線及び特急列車のグリーン料金を見直す旨の発表がありました

これまでJR九州のグリーン料金は、例えば在来線特急列車で100㎞まで1,050円、新幹線であっても1,050円と、JR他社の1,300円より低く抑えられていました

 

ところが、弊社を取り巻く経営環境が厳しいことから、これをJR他社と同じレートに引き上げることと相成ったようです

これに連動してDXグリーン料金とグリーン個室料金も値上がりするため、今春のJR東日本のグリーン料金値上げに引き続いて、乗り鉄のお財布を直撃しそうです

12月14日にJR西日本からアッと驚く発表がありました
本当は、昨日各社から一斉に発表のあった23年春のダイヤ改正の感想も書きたいのですが、先にこちらの話題から紹介します
 
同社から発表されたその一本のプレスリリースには、今年の3月に登場した381系国鉄色に対して、より往時の姿に近付けるべくJNRマークの装着を行うこと、そしてJR化以降に同社管内において381系で運行された特急列車のヘッドマークを復刻することが謳われています
 
そして、何よりも驚かされたのが、「スーパーやくも」塗装が復刻されることです
「スーパーやくも」は94年12月に、智頭急行の開業と時を同じくして登場しました
 
ノーマルの「やくも」と比べて、「スーパーやくも」は停車駅を絞り、岡山~出雲市間を2時間45分で結んでいました
「スーパーやくも」用として、先頭にパノラマ型グリーン車のクロ380形を連結した専用編成が2本用意されました
 
クロ380形については、1989年に「スーパーくろしお」で登場した車両と同一設計ですが、カラーリングについては、神話の国へのアクセスに相応しい紫を基調にしたものでした
米イモに配置されている381系については、2007年からゆったりやくも化改造が始まり、紫の塗装を纏った「スーパーやくも」編成についても2008年頃には改造工事を受けたため、今回14年ぶりの復刻となります
 
せっかくなので、昔撮影した「スーパーやくも」の写真が無かっただろうかと探してみたところ、小学生の時に撮った緑やくもの写真だけ見つかりました
ということは、管理人自身も30年以上生きてきて、この目で「スーパーやくも」塗装を見たことがないようです
 
国鉄色の復活に続いて、盛り上がりを見せる「やくも」と伯備線
273系の投入まで目が離せませんね
 

▲20年ほど前の岡山駅にて、管理人の後ろ姿と緑やくも

毎年12月になると、鉄道会社から来春のダイヤ改正の概要が発表されます

この業界では、年末の恒例行事となっており、ネット上では早くも予想記事が出回っています

 

そんななか、今度のダイヤ改正において、関西圏では梅田貨物線の移設・地下化によるうめきた新駅の開業がもっとも大きなトピックではないしょうか?

12月9日にJR西日本より、うめきた新駅開業後の運行体系について発表がありました

 

そして、今回発表された一連のプレスリリースにより、これまでうめきた新駅とされてきた駅名について、大阪駅となることが正式に決定しました

 

その発表によると、開業後はこれまで大阪駅を素通りせざるを得なかった「くろしお」と「はるか」について、全列車が新駅に乗り入れ、大阪駅に停車するようになります

また、現在は新大阪を発着しているおおさか東線の列車についても、うめきた新駅への乗り入れが始まります

 

なお、「くろしお」については西九条駅に上下合わせて13本…和歌山方面行き9本・大阪方面行き4本…停車していますが、大阪駅に停車するのと引き換えに通過となります

USJの開業もあってか、2001年から「はるか」が、翌年から「くろしお」が停車するようになりましたが、前者は既に2010年改正時点で停車が取り止めとなっていました

 

そして、今度のダイヤ改正で「くろしお」についても、全列車が西九条駅を通過するようになるため、同駅に停車する特急列車は見納めとなります

ただし、USJへのアクセスや阪神電車の乗り換えを考えると、同駅への停車は継続してもよかったのではないでしょうか?

 

なお、うめきた新駅の開業を約1ヶ月後に控える2月11日の深夜から2月13日の早朝にかけて、梅田貨物線で線路の切り替え工事が行われることから、2月12日(日)の「はるか」については全列車・全区間で運休の措置がとられます

「くろしお」については、全ての列車が天王寺折り返しとなり、天王寺以南は通常通り運行されます

 

2月5日には、「うめきた地下探検」と称した開業前の新駅の様子を見学できるツアーを行う予定で、公式アプリのWESTERより申込ができます

 

本来であれば、北陸新幹線敦賀開業が2022年度末を予定しており、うめきた新駅の開業と合わせて同社エリア内で白紙ダイヤ改正が行われたであろうことは想像に難くありません

まことしやかに囁かれている、「はるか」の敦賀乗り入れや「サンダーバード」の関空乗り入れが2024年改正で実現するのか気になりますね

 

▲梅田貨物線の地下化により、「くろしお」「はるか」の大阪駅への停車が実現する

 

↑前回からつづく↑

 

 

2021年の年末から2022年の年始にかけて、北海道をふらりと放浪する旅行を企画したよっちゃんはKIXからCTSへ向かい、東室蘭駅前のホテルルートインで一泊し、無事に2日目の朝を迎えました

部屋のカーテンを開けると雪化粧した北海道の山並みが旅人を迎えてくれました

 

早いもので2021年も今日を入れて残り2日となりました

この日は、3本の特急列車を乗り継いで、東室蘭→長万部→札幌→旭川と移動する予定です

 

本当は中途半端に長万部で折り返さずに、もう少ししっかりと計画を練りたかったのですが、コロナ禍が始まって以来、初めてとなる移動制限のない年末年始であったことから、北海道に限らずどの列車も混雑していたため、仕方なくこんな旅程になってしまいました

 

 

ルートインの無料朝食サービスで腹ごしらえをして、東室蘭駅へ向かいました

室蘭市が太平洋側に位置しているからなのか、スマホの天気予報アプリで気温を確認してみると、当たり前のように氷点下を指しています

ただ、雪が積もっているとはいえ、風が穏やかなので、耐えられない寒さではありません

 

 

 

この時は737系電車による置き換えが発表されておらず、撮影者が皆無だったキハ141系もこれから注目度が上がっていくことでしょう

魔改造によって客車から気動車へ生まれ変わり、さらに一部はSLと協調運転を行うなど、数奇な運命を辿った車両も終焉を迎えます

 

 

東室蘭からキハ261系による「北斗」6号に乗り込みました

やはり帰省ラッシュのど真ん中なだけあって、ハザ・ロザ共に満席で、2両連結されている自由席車も通路やデッキに立ち客いる盛況ぶりです

 

 

なんとか洞爺を過ぎたところで観光客が下車して、空席にありつけましたが、それでも自由席車に限って言えば乗車率は100%超えです

 

それにしても、冬の北海道は目まぐるしく天気が変わることに驚きました

晴れているかなと思って安心していたら、あっという間に猛吹雪の中を突っ走るようになり、まったくもって油断なりません

 

 

東室蘭から50分ほどで長万部に到着しました

ホームにはこんもりと雪が積もっており、うっかりすると滑って線路へ落ちてしまいそうです

 

 

 

これまで「北斗星」や「北斗」で幾度となく通ったことはありますが、長万部駅に降り立つのは初めてです

この駅で降りた理由は、この旅の目的の一つであるキハ281系に乗車するために他なりません

 

空路で関西からHKDへ飛んで、函館→札幌でキハ281系に乗車できれば理想的だったのですが、空路の便数が少ないため、CTSへ行かざるを得なかったわけです

この時は、キハ281系が引退するのは、23年春のダイヤ改正だろうと予想しており、とりあえず長万部→札幌間だけでも乗っておこうと相成ったわけです

 

結果、キハ281系は今年の9月に電撃引退となってしまったので、この時に無理をしてでも全区間(函館→札幌)に乗っておけばよかったと後悔しています

 

 

 

ということで、特に用事はありませんが、次に乗車する「北斗」7号まで30分ほど待ち時間があるので、長万部駅前を散策します

駅前には、一足先に北海道新幹線H5系がお目見えしています

 

長万部といえば、かなやさんのかにめしが有名ですが、どこで販売しているのか見つけることはできませんでした

 

 

 

意味もなくふらふらと海を目指して歩きます

実は、この旅行にあたってスノーブーツを買ったわけでもなく、普段使いのニューバランスのスニーカーで雪の積もった歩道を歩いています

最悪、どうしようもなく歩くのが難しかったら、札幌がどこかでブーツを買おうと考えていたのですが、これくらいの積雪量ならなんとかなりそうです

 

 

「北斗」7号の発車時刻が近付いてきたので、駅へ戻りました

一昔前までキハ40だらけだったのに、いまはDECMOだらけですね

 

 

それでは、長万部から札幌まで、最初で最後になってしまったキハ281系の旅を楽しみたいと思います

登場当初は、札幌~函館間を途中東室蘭のみに停車して、所要時間2時間59分、表定速度100㎞/hオーバーの驚異的な速度で運行していました

 

さすがに、停車駅が東室蘭のみでは需要が低迷したのか、その後は南千歳と苫小牧が停車駅として追加され、所要時間は3時間ちょうどになりました

その後、JR北海道を取り巻く一連のトラブルに起因して、2013年11月よりキハ281系については、最高速度が130㎞/hから120㎞/hへと引き下げられました

 

現行ダイヤ(21年春改正時)における最速列車は、札幌を朝一番に出発する「北斗」2号で、札幌→函館間を3時間33分で結び、表定速度は89.8㎞/hとなります

かつての走りっぷりからすると、ずいぶんスジが寝ています

 

キハ281系充当されていたスジは、22年10月から運転時刻を大きく変更することなく、そのままキハ261系に置き換えられました

つまり、私が乗車した時点では既に、キハ281系の本来の性能を活かした高速運転は行わていなかったわけですが、それでも振り子装置は作動していました

 

 

 

もしかしたら、最初で最後の乗車になるかもしれないので、迷わずにグリーン車を確保しました

 

この日乗車したのはキロ280-2で、93年に日本車両で製造されました

振り子式気動車は、JR四国の2000系や智頭急行のHOT7000系のように、その多くが富士重工業の手により生まれました

なので、てっきりキハ281系も全ての車両が富士重の製造かと思いきや、日本車両もキハ281系の製造に参画していたのですね

 

 

コロナ禍が始まって以来の行動制限のない年末年始ということで、「北斗」7号のロザはほぼ満席で、客室ドアが目の前に飛び込んでくる通路側の座席(2番C席)を前日に辛うじて確保できました

 

別にデッキ間近の座席でも問題ないのですが、せめて車窓が撮影できる窓側が空いていればよかったのですが…

これに関しては、前日まで行程が決まらない優柔不断な管理人の性格のせいですね

 

 

オープンカウンター型の車掌室はキハ281系に始まり、キハ283系にも受け継がれました

ドアで仕切られている車掌室よりも、何かと相談しやすいですよね

 

 

えきねっとの座席表を確認すると、1番A席は南千歳まで空席だったので、車窓を撮るためにちょくちょく移動しました

河原までびっしり雪で埋め尽くされた光景に北国を感じる管理人でした

 

 

 

 

途中、北広島駅付近を走行中に、札幌ドームに代わる日本ハムファイターズの新本拠地として、23年春開業予定のエスコンフィールド北海道を眺めることができました

先日、ファウルゾーンがNPBの規約を満たしておらず、とりあえずは改修工事を実施することになったものの、23年のシーズンについては規定違反のまま公式戦が開催されることになりました

 

 

豊平川を渡ると、程なくして札幌駅に到着しました

 

 

本来であれば、座席の詳しい紹介もしたかったのですが、満席に近い車内では札幌到着後に乗客が出払ってから車内の様子を数カット撮影するのが精一杯でした

この道中で、同じ座席に「北斗」を含めて計5回お世話になっているので、追い追い座り心地や使い勝手をレポートしようと思います

 

 

ホームへ降り立つと、13時56分発の「すずらん」6号に充当される785系と僅か4分間だけ共演しました

平成初期生まれの人間にとっては、キハ281系と785系が肩を並べる姿に、JR北海道らしさを感じてしまうのですが、もう二度と同じ写真を撮ることができないと思うと悲しいです

 

 

噴火湾をイメージしたブルーの先頭部が眩しいですね

おでこのヘッドライトは、登場時から2回交換され、2018年以降はLED灯を装着していました

 

 

ロゴマークは登場時のHEAT281からFURICO281へ変更されました

引退前にキハ281‐901にHEAT281のロゴが復活し、大いに話題になりましたね

 

次回、札幌駅撮影記2021へつづく…

本日、JR西日本から岡山と出雲市を結ぶ「やくも」に投入される273系電車の詳細なデザインが発表されました

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/221020_03_press_yakumo.pdf

 

岡山と出雲市を結ぶ同列車には、伯備線・山陰本線の電化開業時の1982年から40年に渡って国鉄生まれの381系電車が活躍しています

381系は国内初の振り子車両として登場し、中央西線を走る「しなの」を皮切りに紀勢西線の「くろしお」、そして「やくも」の三列車に投入されました

 

「しなの」用の381系から383系へ、「くろしお」用は287・289系へ既に世代交代を果たしています

そのため、「やくも」は全列車が国鉄型電車で運行される本邦最後の特急列車であるほか、振り子車両のパイオニアである381系が最後の孤塁を守っていました

 

そんな「やくも」にも今年の2月に後継車両である273系電車が投入されることが発表されましたが、詳細なデザインが未定でした

そして、本日詳細なイメージ図と共に、内外装のコンセプトも発表されました

 

まず、エクステリアデザインについてですが、「沿線の自然・景観・文化・歴史を尊び、お客様交感する色」である”やくもブロンズ”が採用されます

ゆったりやくものテーマカラーであるディープレッド×ナチュラルグリーンのカラーリングは継承されませんでしたが、”やくもブロンズ”が今後の新たなブランドイメージとなるのでしょう

 

できれば、681系の量産車が登場した頃から代わり映えしない先頭形状も、この際リファインして欲しかったのですが、そこは予算の都合なのか、鉄道会社側の都合なのか、さすがに川西康之氏の力をもってしても変えられなかったようですね

 

一方、内装では「山陰の我が家のようにくつろげる温もりのある車内」をコンセプトとし、グリーン車では吉兆の象徴であるカメの甲羅をイメージした積石亀甲模様があしらわれます

普通車では、魔除けの意味を持つ麻の葉模様のグリーンの座席が並び、JR西日本の在来線特急列車としては初めてヘッドレストピローが設けられるほか、271系に引き続き全ての座席にコンセントが設置されます

 

あまりにも内装が素っ気なく無機質な287系と比べて、予想CGでは内装の質感がずいぶん豊かになっており、素直に「乗ってみたい」思わせてくれる魅力を備えた車両になりそうですね

 

内装面で特筆されるべきは、グループ向け座席が設置されたことです

合造車となるグリーン車の後方に、大型のテーブルと袖仕切りを備える2~4名向けのセミコンパートメントがあり、発表では「リゾートしらかみ」のようにフルフラットにして寛ぐことも可能なようです

 

静寂さが求められるグリーン車のすぐ隣にグループ向け座席が設けられるのは少し気掛かりですが、わざわざ通常の客席以外にこうした空間を生み出すあたりに、JR西日本の273系への注力ぶりが窺えます

デビューは予定通り2024年春以降とされており、381系に残された時間はそう多くはなさそうです