拝見させていただきます 拝見させていただきたい 拝見させてください〈2〉 | tobiの日本語ブログ それ以上は言葉の神様に訊いてください

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日本語アレコレの索引(日々増殖中)【16】 

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1945401266&owner_id=5019671 


 元々の話は下記。 

【「~せて/させて(ください)」の形にして不自然な動詞は?】 

https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9126864.html 


 質問の趣旨がよくわからず、半ば傍観しているうちに、激しく脱線していき……なんでこんなことになるの(泣)。No.8で交通整理モドキを試みたけどまったくのムダ(大泣)。 

  

 関連する感じで当方が書いたのは下記。 

【拝見させていただきます 拝見させていただきたい 拝見させてください】 

http://ameblo.jp/kuroracco/entry-12105560745.html 

【「~させていただきます」の正しい使い方】 

http://ameblo.jp/kuroracco/entry-12105786722.html 


 ずうっと気になっていたが、まだよくわからず、とりあえずのメモ。 

 ポイントになりそうなことが2つ。 

1)質問者が【補足】で書いた〈自動詞にも関係あるかも知れませんが、「意志動詞」と「無意志」動詞の問題かも知れません。例「落ちさせて」〉 

2)No.13で出た「出る」 

 質問者が求めていたのは、下記のようなことかもしれない。 


 ほかにもいろいろな要素があると思うが、主体?と客体?で一組になっている動詞で考えると摩訶不思議なことがある。理由はまったくわからないが、意味がよじれることや、一方が「~(さ)せて(ください)」の形にしにくくなることがある。 

 以降、「自動詞」は「自」と表わし、「他動詞」は「他」と表わす。上二段活用動詞と下二段活用動詞は「二」と表わし、五段活用動詞は「五」と表わす。 
※いかんなあ。
 二段でなく一段だ。文法音痴バレバレ(泣)。
 さすがに混乱の元なんで、以下「一」に修正する。

■出る(自・)→出(で)させてください × 

 出す(他・五)→出(だ)させてください(「出(だ)・させてください」ではなく、「出(だ)さ・せてください」) 

 本来「出(だ)させてください」は「出す」を「~(さ)せて(ください)」の形にしたもののはず。これを使えるのはキャスティングする立場の人のはず。出演依頼のお願いに使えなくはないのかも。実際には「出てください」「出演してください」になるだろうが。 

 ところが、実際には「出(だ)させてください」は「出る」の「~(さ)せて(ください)」形として使える印象がある(ちょっとおかしいけど)。たとえば、プロダクションの社長が売り込みにきて、自分のところのタレントの出演を頼み込む……。 

 もちろん、「出してください」のほうが素直なんだけど。 

 o( ̄ー ̄;)ゞううむ 。ややこしい(泣)。 

「出る」を「出演する」にかえるとわかりやすい。「~(さ)せて(ください)」の形は「出演させてください」。 


■入(はい)る(自・五)→入(はい)らせてください 

 入れる(他・)→入れさせてください 

 これは両方ともアリだな。 


■落ちる(自・)→落ちさせてください △ 

 ※文法的には間違っていないが、相当強引な場面設定が必要? なんだかダチョウ倶楽部的な話になりそう(笑)。 

 落とす(他・五)→落とさせてください(「落とさ・せてください」) 


■借りる(他・)→借りさせてください △ 

 貸す(他・五)→貸させてください × 

「借りさせてください」は通常「貸してください」だろう。 

 一方、「貸させてください」は「借りてください」ならかろうじてアリ? 

「借りさせてください △」だから、「拝借させてください」も△のはず。ところがこれは文化庁が認めている。この話はまた今度。 


■もらう(他・五)→もらわせてください △ 

 ※文法的には間違っていないが、相当強引な場面設定が必要? 

 くれる(他・)→くれさせてください × 


 自然現象(たいてい自動詞?で無意志動詞)は、たぶんほとんどが ×。 

 太陽が「暮れさせてください」、風が「吹かせてください」etc.……ナシだろう。 

 映画監督が演出の指示を出す……ならアリかなぁ。かなり微妙。木の実〝を〟「落ちさせてください」は、「落としてください」だろう。 



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