前記事前々記事で触れた通り、すい臓に腫瘍が見つかってから約3年半。

 

膵腫瘍が直径3cm→6cmに肥大してしまっていたので、私は”手術”を受ける決意をしました。

 

ところが、、、ここから始まったのが、『手術待ち』という新たな苦痛です。

 

 

手術の辛さは術後だけじゃない!”手術待ち期間”の不安とは?

昔とちがい、最近の病院は”長期間入院させない”ようなシステムになっていて、リハビリや長期的な治療を目的とした病院を除いて、”2週間以内”での退院が推奨されています。

 

(参考:④入院しても早期に退院や転院させられるのはなぜ? | きつこう会ヘルスケアシステム

 

そのため、手術に必要な検査をしている期間や、手術の順番待ちをしている間は、”自宅待機”をしなくてはならないケースが多いのです。

 

私の場合も、約1週間の検査入院を経て、一時退院することを求められました。

 

一人暮らしだと、この”自宅待機期間”=”手術待ち期間”が結構な負担。。。

 

入院している時と違って、家に帰ると、体調が悪い中で家事をしなくてはなりません。

容態が急変した時、近くに誰もいないことも、心細くてたまりませんでした。

 

 

※ あとで知ったのですが、病院によっては「家に帰るのが怖い」と相談すると、1週間ほど”入院を延長”してくれたり、院内の”長期入院可能な病棟(地域包括ケア病棟)”に、移れるようにしてくれたりするケースもあるそうです。

 

手術待ち期間を家で過ごすのが不安という方は、主治医の先生に相談してみてください_(._.)_

 

手術の順番待ちは常識?待ち日数の平均は?

退院から約1週間後の2019年7月25日。

私は再度、市営の某総合病院の外科を受診します。

 

私の場合、親と疎遠で本人以外の”同意書のサイン”をもらえないことがネックになり、外科の医師から「家族のOKがもらえないと手術できない」 と言われていたので、病院内のソーシャルワーカーさんに同席してもらいました。

 

ソーシャルワーカーさんも一緒ということで、医師はこれまでと打って変わったように、丁寧な対応。

 

↑やっぱり、若い女ひとりで甘く見られていたのでしょうか。。。"(-""-)"

 

 

結局、「継母が出てくるのが嫌なので、手術直前(前日)に父に電話で連絡し確認を取る」という案で、外科の医師にも納得してもらい、手術をする方向になりました。

 

ヤッタ―――(∩´∀`)∩

 

 

…と思ったのも束の間、このあと、ますます不安な展開に…。

 

医師にとっては”あたりまえ”。でも、患者にとっては”あたりまえではない”。

外科の医師との話で、いよいよ、手術日の調整に入りました。

 

私の希望はできるだけ早く。次月(8月中)を希望していました。

 

…でも、その外科医から帰ってきた言葉は、

「8月中は無理だね!」という一言。

 

ーーー?????(*´Д`)

 

たとえ癌でも、2~4週間手術待ちするのは”あたりまえ”だそうです。

医師 「手術日はだいたい2週間前に決まるから。もう8月3週目まで決まってて、8月中は無理だね。」

 

私 「…(絶句)」

 

医師 「他の患者さんもみんな待ってるから。手術日が決まったら連絡するから。」

 

私 「…(泣)」

 

後々調べたのですが、たとえ癌患者であったとしても、2~4週間ほど手術の順番待ちをすることは普通のようです。

 

(参考:がん種別治療待ち日数、入院日数の目安 | 聖路加国際病院

 

反省:事前に手術待ち期間の平均はチェックしておこう。

はじめて手術を受けることになった私は、”手術待ち”という期間が存在することを知りませんでした。

病気が分かったら、すぐ手術してもらえるものだと思っていたんです。

 

反省ポイント:手術には待ち期間がある!病気によって待ち期間が変わるので、ネットなどで平均を調べておくと良い。

 

「本当に無知だったな」と思います(´;ω;`) 

 

 

もし、「手術を待っている患者さんがたくさん居るので、8月中は難しいんですよね。できるだけ早く手術できるようには調整してみますね。」とか。

 

「緊急時を除いて、癌の患者さんでも、2~4週間待ちになるのが一般的なんです。」と言われたら、そうなのかな~と思ったと思います。

 

でも、いきなり、「無理だね!」と言われて、ただ「連絡を待て」と言われて待てるほど、私には経済的(仕事の)余裕も、肉体的余裕もありませんでした。

 

この頃は、”極度のめまい”で5分身体を起こしておくこともままならない様な状況だったので、手術日の目途が立たない不安に駆られながら、一人暮らしの自宅に戻らなきゃいけないことも、苦しくて仕方なかったんです(´;ω;`)

 

医師によって言うことが違う。大病院はコミュニケーション不足??

じつは、外科を受診する1週間前、私は消化器内科の医師に手術日程について相談していました。

 

直近で色々なお仕事を抱えていたこともあり、「手術は8月中、もしくは、まとまった休みが取りやすい12月~1月にしてほしい。」という要望を消化器内科の医師に伝えました。

 

そして、消化器内科の医師からは、

  • すい臓の場合、他の臓器と隣接しているので、12月まで待っていると、転移してしまうリスクがある。
 
  • 脅すわけでは無いんだけれど、腫瘍が大きくなってきてしまっているし、SPN(低悪性腫瘍)と診断しているけれど、もしかしたら、身体に悪いものが腫瘍内にあるかもしれない。
 
  • 若いから進行が早い可能性もあり、もしになって抗がん剤治療をすることになったら大変。
 
  • 1~2ヶ月なら待っても良いかもしれないけれど、12月頃まで放置するのは良くないと思う。

と言われていたんです。

 

 

この消化器内科の先生は、私の行く末を本当に案じてくれているように思ったし、私は実母を”乳がん”で亡くしているので、”抗がん剤治療の大変さ”は身に染みていました。

 

そこで、7月17日頃には、①8月中の手術を希望することと、②もし叶わないようであれば転院したい旨を、消化器内科の医師、看護師さん達に伝えていたんです。

 

でも、全く音沙汰なく、退院日(19日)を迎えました。

朝の回診で、消化器内科の先生に手術日程がどうなったか聞いてみました。

 

先生は「●●先生(外科)に確認しているんだけど、まだわからないそうなんだよね。」と。

 

不安がよぎりました。

ただ、先生が「家に帰る前に外科によって日程を相談するように」と言ってくれたので、退院手続きを済ませて、外科外来に行きました。

 

ところが、外科の看護師さんからは、「●●先生は今いないので、お話できないです。来週25日に外来予約が入っているので、その時に~」と告げられます。

 

次の予約まで1週間ほどあります。

転院するならするで転院先を探す時間もいるし、この1週間を無駄にしたくはありません。

 

「8月中の手術を希望していて、日程的な余裕もないので、無理そうかどうかだけでもわからないでしょうか?」と聞いてみました。

 

でも、看護師さんは、先生じゃないと分からないので…と。

 

 

体調が悪い中、”①家族の同意書の件”と”②手術日程の件”という2つの壁が、私にはものすごく大きく立ちはだかっているように思えました。

 

 

思わず号泣。。。

 

大人になって人前で号泣するなんて恥ずかしいんですけど、こんなに体調が悪いのに、治療が受けられないかもしれない…というストレスがMAXな状態でした。

 

 

結局、看護師さんに「8月中に手術を受けたいという強い思いがあることは、●●先生に伝えておくから。」と言われ、病院を後にします。

 

病院からの返答待ち期間は結構つらい…

それからの1週間。毎日が不安との闘いでした。

 

動けない身体を抱えての一人暮らしは、予想以上に過酷で。入院前よりも体調が悪化しているように思いました。

 

 

でも、前記事で書いたように、”①家族の同意書の件”については、ソーシャルワーカーさんに相談するという方法で解決できそうと分かったし、”②手術日程の件”は、看護師さんが医師に伝えておいてくれると言っていたので、希望をもって外科の受診に行きました。

 

しかし、待っていたのは、「8月中は無理だから!」という冒頭の一言。

 

 

ムリなら無理で、電話するなり何なり、早めに伝えてくれたらよいのに…(´;ω;`)と、この時ばかりは小言を言いたくなりました。

 

希望が絶望に変わった感じです。。。

 

手術は体調が悪い時にはできない?

冒頭のやり取りがあった後、私はちからを振りしぼって、「今すごく体調も悪くて、早く手術して元気になりたいんです。」と医師にお願いしました。

 

すると、「あのね~、体調が悪い時は、手術はできないからね!」と一言。

 

 

ガーン〜〜〜〜。

 

 

心がポッキリ折れました(ノД`)・゜・。

 

 

確かに、後々調べると、「体調が悪い時に手術をする」と、合併症などのリスクが高まるため、体調が万全になってから手術をした方が良いのだそうです。

 

体調管理
 風邪等で体調が優れないまま全身麻酔を受けると、気道トラブル等のリスクが高くなります。気道トラブルは時に命を危険に晒すことになりますので、手術前の体調管理には気をつけて頂き、もし手術直前等に体調不良を感じた場合は遠慮なく主治医に相談するようにして下さい。

(出典:手術を受ける方へ | 東京医科歯科大学病院麻酔科 公式HP

 

ただ、、、どうしても、その医師の対応や言い草に対する不信感が募ってきました。

 

さらに、「8月中が無理なら、12月~1月が良いって言ってたんです。」と吐露すると、「あ、12月でも良いよ。」とまさかの一言が。

 

 

消化器内科の先生は、膵腫瘍を放置するリスクから12月まで放置するのは危険と言っていたのに、外科の医師は、「腫瘍大きくなってるけど、”癌じゃないと思う”から12月でも大丈夫。」と言うのです。

 

大病院になると、科によって言うことが異なったり、医師同士の共通認識が持たれていなかったりするのだと感じました。

 

お医者さん同士で、病状についてよく話したりしないのかな~?(*_*;)

 

 

何はともあれ、その時、私は”転院”を決意しました。

 

 

外科の医師が、私の人生を心配してくれているようには思えなかったし、この医師の「大丈夫」という発言を鵜呑みにして、病気が悪化した場合、後悔してもしきれないと感じたからです。

 

 

結論から言うと、私の膵腫瘍はSPNという低悪性腫瘍ではなく、””を含む悪性の腫瘍でした。

 

そして、もし数カ月放置していたら、”腎臓”に”浸潤(転移)”していたかもしれない、リスクの高い状況でした。。。

 

今となっては、本当にあの時、”転院”を決めて良かったなと思います。

 

自分の人生は、自分で責任を持とう。

今回の一件で得た教訓は”自分の人生は、自分で責任を持つ”ということ。

 

確かに、私は医学の専門家ではありません。それどころか、病気になるまで”すい臓”という臓器がどこにあるのかも知りませんでした。

 

でも、自分の体を自分以上に分かって、心配できる人って、なかなかいないんですよね。

 

 

お医者さんからしたら、私は100人、いや、300人以上いる患者の中のひとり。

 

直前に、もっと重症の患者を診ていたら、手術が数カ月遅れたって良いと思うかもしれないし、お医者さんの常識から考えたら、体調不良時に手術できないのは”あたりまえ”。

 

 

私は最初に手術内容の説明を受けた時、すい臓だけでなく、”脾臓を全摘出”と言われてビックリしてしまったけれど、お医者さんにとっては、”脾臓は全摘しても問題ない臓器”。”あたりまえ”で、大したことではないという認識だったんだと思います。

 

 

病気に慣れている医師と、患者さんの間には、ギャップが生じやすいんですよね。。。

 

 

だからこそ、私は”自分の身体は自分で守る”ことが大切なんだと感じました。

  1. わからないこと、不安なことは納得がいくまで質問する
  2. あとで齟齬が無いように”メモ”を取る。
  3. 医師じゃないとわからないと言われたら、”わかり次第電話してもらう”よう頼む。
  4. 病院からのリアクションが無い時は、どうなったか自分から聞く何度も聞く!!!
ちょっとしつこいかもしれないですけど、それくらいやった方が良いのかなと思います。
 
遠慮して、自分の人生(命)が不利にならないように、参考にしていただけたらと思います_(._.)_
 
 
転院前エピソードで予想以上の量になってしまったので(苦笑)、転院先探しのおはなしは、次回に~ (*- -)(*_ _)ペコリ。

 

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次に続く。

 

 

◆過去記事一覧◆

① 私がすい臓(膵体尾部切除)の手術をうけるまで

② すい臓に腫瘍が発覚!そして、病院選びで大失敗・・・

③ 担当医と合わなくて3年通院せず、腫瘍が肥大化。大病院ゆえの失敗。

④ 手術の同意書。身寄りなしの場合は?おひとり様はつらいよ…