前記事でも触れましたが、私に膵腫瘍が見つかったのは、今から3年半前(2016年10月)のことでした。
もともと事務系のお仕事をしていた時に、社内のピリピリした雰囲気に馴染めず、2年近く、1時間に2~3回トイレに駆け込まないといけないくらいの”腹痛”や”下痢”に悩まされていたんです。
結局、別会社に転職したのですが、転職後も”腹痛”や”下痢”は続いてしまって…。困った末に、近所の病院(消化器内科)を受診したことが、まさかの”膵腫瘍”発見のきっかけでした。
腹部エコー検査で偶然見つかった膵腫瘍
病院を受診した当時の私のおもな心配事は”腹痛”と”下痢”でしたが、それらはIBS(過敏性腸症候群)によるものとの診断で、投薬治療をしていこうという話になりました。
・・・ただ、お医者さんいわく、腹痛や下痢以上に深刻かもしれないのが『すい臓』で、「腹部エコー検査で、すい臓に腫瘍のようなものが見えた」とのこと。
その後、急遽、造影CT検査を追加することになりました。
「ん?すい臓??」
「”腹痛”と”下痢”以上に深刻?」
「腫瘍って、がんってこと??」
と緊張する中、CT検査は15分ほどで終了。
検査の結果は、やはり「すい臓に直径3cmほどの腫瘍」が見られるとのことでした。
病名に関しては、くわしい検査をしてみないと分からないものの、年齢(当時27歳)的に、若い女性に多く、比較的体への悪影響は少ない『SPN(Solid pseudopapillary neoplasm)』という腫瘍が疑われるとことで、「紹介状を書くから、できるだけ早いうちに大きな病院で診てもらうように」と勧められました。
(参考:SPNとは? 【膵臓の病気】その他の膵腫瘍 | 広島大学 第一外科)
すい臓の病気は発見が遅れやすい!
私の膵腫瘍が見つかったのは、偶然、腹部エコー検査を受けたことがきっかけですが、一般的にも、すい臓の病気(膵のう胞・膵癌など)は、”自覚症状が現れるまで時間がかかる”ケースが多く、”偶然発見”されることが多いのだとか。
(参考:膵がんを初期に発見するためには | 西大井内科公式サイト)
すい臓の病気が疑われたらすぐ専門病院へ!
また、余談になりますが、、、
『すい臓』は肝臓や腎臓、胃など他の臓器と隣接していて、”転移リスク”も高く、抗がん剤が効きづらかったりと、”手術以外の有効な治療法が少ない”ため、生死にかかわるケースが多いのが特徴だそうです。
膵癌の5年生存率がほかの癌とくらべて圧倒的に低いのも、発見された時点でステージ4以上だった…という方が多いからとのこと。
(参考:膵臓がん、「5年生存率8%未満」でも絶対に諦めてはいけない理由 | DIAMOND ONLINE)
すい臓の病気を治すためには、病気が疑われた時点で「”すぐに” 専門の病院でくわしい検査&診断を受けること」が大切です!
私の場合は、すい臓の病気の深刻性のことをわからず、大きな病院に行くのを先延ばしにしてしまったんですが、、、それがより事態を悪化させてしまったんだなと、今では後悔しています。
もし病院に行こうか悩んでいる方がいたら、ぜひすぐに予約を取ってください_(._.)_
すい臓の病気は病院選びが重要!!
さてさて。すい臓に直径3cmの腫瘍が見られると言われて、大きな病院を紹介してもらうことになった私。
でも、この時点では、”すい臓”というよくわからない臓器に腫瘍があるらしい…くらいの、ぼんやりとした認識しかありません。
紹介先の病院に関しても、「家から通いやすい所がいいな~」というくらいに思っていました。
が・・・。今思うと、この時のこの甘い考えが大きな間違いでした(´;ω;`)
”すい臓の病気は病院選びが非常に重要”だからです!!!
すい臓は、胃の裏側、からだの奥まった部分に位置し、手術後の合併症のリスクも高いので、とても難易度が高く、手術可能な病院は限られてきます。
膵臓がん(膵がん)の手術は非常に高度な技術と手術前後の管理を必要とします。手術中に重篤な合併症を起こすこともあるという膵臓がん手術については、熟練した医師の下で受けるようガイドラインでも推奨されています。 (※中略)
膵臓がんの手術は胃や大腸の手術以上に消化器外科の領域で、スペシャリティが高いと言えます。高度な技術の習得には、やはり経験を重ねていくこと、手術数をこなしていくよりほかに方法はありません。(※中略)
膵臓がん等に行う膵頭十二指腸切除術を年間20例以上行う施設は「ハイボリュームセンター」と呼ばれます。
私が住んでいる札幌では、すい臓の手術件数が多い病院は片手で数えられるくらいしかありません。
中でも、最もすい臓手術件数が多いのが、”手稲渓仁会病院”で、腫瘍を見つけてくれた近所のお医者さんも、
「すい臓に関しては、札幌だと手稲渓仁会が有名だから~」と、おすすめしてくれました。
でも、もともと札幌出身ではない私は、はじめて聞く名前の病院だし、車が無いから遠いし…と困惑。
通いやすい所の方が良いかという話になり、比較的近所にある市営の某病院に紹介状を書いてもらったのです。
ただ、その病院の対応がひどくて(´;ω;`)。
十分な説明や検査をしてもらえず、間違った診断で話をすすめられてしまい、、、
危うく、手術不能な状態まで腫瘍を放置してしまうところでした。
具体的に書くと、既述の某病院では”SPN”という低悪性腫瘍だからすぐに手術しなくても大丈夫と言われたのですが、別の病院で、画像診断だけじゃなく、生体検査をしてもらったら、”SPN”ではないらしい。早めに対応しましょうとの話になって、即手術に。
術後の病理診断で、膵癌を含む腫瘍だとわかったんですよね。。。(焦)
すい臓に関しては、術前の診断が非常に難しく、お腹を切ったり、腫瘍を取ったりしないとわからないケースが多いそうです。
だから、某病院を誤診で責めたりすることはできないのですが、もし転院せずに手術を先延ばしにしていたら、「癌が進行して、取り返しのつかないことになっていた」かもしれません。…とても怖いです(;´Д`)
行った病院が違うだけでその後の人生(寿命)が大きく変わることもあるので、ぜひ慎重に病院選びをしてみてください。
※ なお、私の腫瘍は膵尾部にできていたので、”膵体尾部切除”という術式でしたが、膵頭部に腫瘍がある場合は、”膵頭十二指腸切除術”という、消化器系の手術で最も難しい(と言われる) 手術を行わなくてはなりません。
その場合は、より手術件数/症例数 の多い病院かどうかが重要で、最低でも年10件の手術実績がある病院が良いそうです。
ネットで探したら、いくつか都道府県別に症例数等をまとめたサイトがあったので、下記にリンクを貼っておきます。参考になれば。
▶ 膵臓・脾臓がん - 主な疾患別患者数ランキング | 病院情報局
↑また、各病院の公式サイトには、手術件数や症例数を記載している所が多いので、気になっている病院がある時は、公式サイトで確認してみると良いかと思います。
(私もそうやって転院先を探しました(・ω・)ノ)
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次に続く。
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