段位と先生病 | KenさんのBLOGS

KenさんのBLOGS

日常、弓道、ダイビング
仕事、ゼミ、もろもろ

テーマ:
今日はHamburgのアルスター弓道場で稽古をして来ました。
今週末にアルスター弓道場を会場として称号までのヨーロッパ特別審査がおこなわれます。
メンバーの方は運営,受験と大変なようです。
皆さん真剣に稽古をしていました。
でも内緒の話ですが錬士や5段の審査って三名だけのJUDGEでできるのでしょうか?
 
それはさておき,
あるBlogにこんな事が書いてありました。
公開しているBlogですので紹介してもかまわないと思います。
どんな武道でも・習い事でも年齢に関係なく自分より段の上位者にはたとえ年下でも・社会的地位が逆でも・女性でも上を敬い、指導を謙虚に受け入れられない人は上達できません。
今までの経験の中で役所の職員と教員が特にこの点を理解できない人が多いようです。
笑い話「○○さん~をこうして下さい」と言うと「どうして私を○○先生と呼ばないのですか」との質問
「貴方は4段。弓道では称号を持った人が先生で貴方はそうでないから先生とは道場内では呼びません。貴方が私を先生と呼ばなくてはならないのですよ」いい年をした教師が常識もなく日教組にカブレテイルカラ頭がオカシイのですか?
でもそうではない先生のほうが圧倒的に多いのですが。
これって一見,正論のようにみえますが,なにかおかしくないですか? 
「自分より段の上位者には」??????  
「教えを請う場合には,年齢や,社会的地位,段位などには関係なく」,なら非常に納得します。
 
勿論上段者の方はそれなりに時間を懸け努力された方だと思います。
しかし,弓道の目的は段位を取得する事ではなく,取る取らないは個人の自由です。
また,弓道の一流派(日弓連流)の段位が1つ2つ,又は3つ4つ違ったからと言って弓道に関する技術や知識,または人間性が先生と呼ばなくてはいけないほど,異なるとは思えません。段位がその個人を評価する絶対的なものだとも思えません。
段位はある団体の定めた個人技術レベルを表現した技術認定証であって,技術が最高レベルであるオリンピック選手であってもそれは先生ではありません。
選手を育てたコーチやトレーナー,先生がいるはずです。
たまたま先に始めただけかもしれません。
また,方針が違っていると,まったく評価の対象にもなりません。しかし,他流派の方が,弓としてはよほど努力をして極めている場合が多いです。
古流の継承者などまさに弓の本質をおこなっているように感じます。
 
昇段試験はその時のたった二本だけを見て判断いたします。
たまたま調子よく引ければ数年でとんとん拍子で昇段していきます。
普段非常に努力して具合が良い人でも,すごい緊張症で体調的にも合わず運が悪い人も沢山います。
私たちは,その場だけで見た射に対して上手だとか下手だとか評価しがちです。
その人が普段どの様な稽古をしているのか,どの様な環境で弓を引いているのか,身体的資質など考えません。
 

無言歌に
「人毎に生まれ付きぬる弓かたちを みな一ようと思うもぞうき」
「人の弟子構えて弓をそしるなよ 其人毎に心あるべし」
とあり,人それぞれに事情が異なるので,安易に人の射を評価してはいけないという教えです。
特に他の先生のお弟子さんに対しては,決して口を出してはいけません。
 
骨肉皮の教えでは指導者は,上手な射術でも,それは,身体的能力や運動能力の高さによる場合と,不器用でも其の努力によって達成されたのかを知って評価しなければいけない。と述べています。
 
上位の段になればなるほど,審査にはお金も掛かります。
経済的に恵まれない人も沢山いるはずです。
武徳会の段位を持っていてその後は取得しなかった人も沢山いました。
初段や二段,三段で,もう何十年もそのままで受験しない人も沢山います。
生活環境,経済状況,身体状況(立射の場合はそれだけでも減点の対象です)または,考えがあって審査を受けない人もいます。様々です。
従ってどんな道場においても段位が絶対である。なんていうのはありえない話で,思い上がりも甚だしい言葉では無いでしょうか?
個人の道場で師弟関係が確立され内弟子制度などの徒弟制度がハッキリしている所は別だと思います。
 
段位は1つの目標でもあります。しかしそれは個人のものであり,他人に対するものではありません。
社会的な絶対的評価でもありません。
 
以前「弓の先生病」という記事を書きました。
http://blogs.yahoo.co.jp/kuroken3147/48338036.html
本当の先生は段位なんて関係なく先生と呼ばれるものですし,尊敬されるものです。
 
世の中先生と呼ばれたいと思っている人が多いのでしょうか?
私は街中で先生なんて言われるとぞっとしてしまいますが,私の職業の呼称が「先生」なので,しかたなく,その延長で呼ばれてしまいます。みなさん呼びやすいのでしょう。
私のBlogにも沢山の先生が訪問してくれていますが,大方の教員はみなこんな意識かもしれません。
間違っていたらごめんなさい。
 
 
僻んでいるように受け止められるかもしれません。
段位制度を批判しているわけでもありません。
そして,心から尊敬できる先生も沢山おられます。
幸いなことに私は良き師に出会う事ができました,感謝しております。