48歳だけに | それでいいじゃない

それでいいじゃない

日々のつぶやき帳

それは、ある夜の出来事。

 

私は、ソファに座ってベルメゾンのカタログをめくっていた。

 

最近暑くて汗がすごいから、汗ジミ対応の下着が欲しいわー。

あら、大汗さん用ってのもあるのね。いいじゃない。

グレーとか淡い色のTシャツ着てると脇汗すごいから必須よね。

 

熱心にカタログを呼んでいると、ふと、視線を感じた。

 

顔を上げると、夫が無言で私の顔をじっと見つめていた。

 

やだ…なによ?

そんなに真剣な顔で見つめられて思わずDOKI☆DOKI☆

どうしちゃったの?マイハズバンド?

 

「あのさ」

 

笑いもせず、夫が言った。

 

「シワ、増えたね!」

 

はあぁあ!?

 

しわ?シワ?皺?

え、何?急になに?

つうか、わざわざ言うか?それ!

 

「前はさ、目の横にそんなにシワなかったよね?」

 

夫は心底不思議そうに言った。

 

悪気はない。が、デリカシーもない。

 

むしろ笑いながら言ってくれたら、失礼な冗談だと思えたのに。

 

無邪気な正直さほど、残酷なものはない。

『残酷な天使のテーゼ』が脳内で爆音再生される。

初号機だったらヴウォォォオー!!と叫んで暴走してるはずだが、私は耐えた。

 

「もう48なんだから、仕方ないじゃん」

 

そう言い捨てて、ソファから立ち上がった。

 

まったく、失敬な!!

 

ムカムカしながら「大汗さん用タンクトップ」のページの右上を折る。明日注文しよう。

 

その後、布団に入ってから気付いた。

 

48…4×8…シ・ワ…。

 

私、さっき、

ダジャレ言っちゃってたじゃん…。

 

 

その夜、私はショックで眠れなかった。