姫路城マラソン2024の記録(記憶)の続きを残しておきます。
いよいよスタートの時がやってきました。
今回、私の第1目標はサブ3.5、第2目標はPB更新、第3目標は4回連続のサブ4でした。
1年3ヶ月前の初フルマラソン直後の状況からは想像もつかない話です。
50代半ばから走り始めた私にとって、
「タイム更新」という切り口と、
「年齢」という切り口を両方踏まえると、
速いタイムを目標に出来る時間は、冷静に考えてあまり残っていないように思います。
でも、私のこれからの人生で、
今日が「一番若い日」です。思い切って、自分がいま出せる最高のタイムを狙ってみよう。
今回の私の目標は、そういった気持ちから立てたものです。
そんな目標を掲げ、姫路城マラソンがスタートしました。
プランは、前半の上り基調から積極的に押していく「ポジティブスプリット」です。そして、17km過ぎに下り基調に変わったら、流れに乗って更に貯金を稼ぐ。30km以降、その貯金を少しずつ使っていき、最後、ギリギリでもサブ3.5以内で「ゴール」。
・・・でした。
小さいアクシデントはいくつかありましたが、レースは順調に進みました。
前半から4:40台前半で押していき、順調に貯金を稼ぎましたので、30㎞付近で多少お尻から足にハリが出てきても、「ここからだ!大丈夫!」と前向きな気持ちはキレませんでした。
・・・ただ、タイムはこの辺りから徐々に遅れだし、数秒ずつ貯金を食いつぶし始めていました。
それでも35㎞付近に到着した時点で、私の計算では、サブ3.5圏内。貯金時間は「4分程度」。なので、サブ3.5ペーサーはずっと後ろのハズ。だから、ペーサーはまだ来ない。という感覚でした。
ペーサーは来ないはず。
来ないはず。
こ、来ないはず!!!!!
どういうわけか、36㎞手前で風船を腰からぶら下げたサブ3.5ペーサーが私を抜いていきました。
どういうことだ!!計算ミス?ガーミンのタイムがズレている???
この辺りの私のペースは5:10/km~5:13/kmくらい。
1km当たり約15秒ほど貯金を使っているけれど、まだまだペーサーに抜かれるような場所にはいないはずでした。
ペーサーに抜かれた私は、力が出ません。ペーサーと私とのスプリットの差は、この時、約15秒/kmありましたので、少しずつペーサーは私から離れて行きます。
どうしよう。そんなバカな・・・
力が出ません。足が重い。痛い…
急に訪れた危機的な状況に、私は頭がパニックになり、冷静に事態を把握し行動することが出来なくなっていました。
更に、ここからペースを上げて走ることなど無理だと「脳」が私に囁きかけてきました。
第2目標(PB更新)
それでいいじゃないか。サブ3.5なんて、まだ無理なんだよ。「脳」が私にそう囁きかけます。第2目標達成で十分だよと。
そうだな。よく頑張った。私はよく頑張った。サブ3.5は、私には荷が重かった。
少しずつ離れて行くペーサーを眺めながら、私は「脳」とそういう会話をしていました。
その時・・・
沿道から切り裂くような声で、
「ペーサーと10秒差!10秒差!今日の全力を出せ!行け―――!!!」
ハッとしました。
沿道のその声援に、私の中の何かが反応しました。
・・・10秒差
・・・10秒差
諦めて良いのか?チャンスは目の前にある。ここまで辛い36㎞を走り抜け、自分の力で積み上げてきたチャンス。手が届く位置まで頑張ってきたのは「自分自身」
追いかけろ!!!!!
歯を食いしばってペースを上げました。
瞬間:4:40/km ガーミンが表示していました。
まだ、行ける!
38㎞手前で、私はペーサーに追い付きました。
追いついて、ペーサーについて行こうとピッタリ張り付きました。
負けない!
でも、ついて行くのも簡単なことではありません。
一度落ちたペースを再び上げて維持することは、とても苦しいことでした。
死ぬ気でペーサーについて行きました。
身体は悲鳴を上げています。苦しい。でも、周囲のランナーの皆さんと「行けるぞ!」「いけるぞ!!!」と声を掛け合いながら進みました。
姫路城が・・・見えてきた。
そして・・・
ゴール…
グロス:3時間28分02秒
ネット:3時間27分13秒
サブ3.5達成の瞬間です。
私は、ゴール直後、ペーサーに駆け寄り握手を求めました。
「ありがとうございました!!!!!」
「おめでとう!」
その後、私は泣き崩れました。
やり切った自分。沿道の声援の力。ペーサーの力。一緒に声を掛け合ったランナーの力。すべてが重なって成し遂げられたサブ3.5でした。
涙が、止まりませんでした。
ゴール後、冷静になぜペーサーに抜かれたかを検証しました。
・Bブロックスタートで約50秒のロスがあったこと
・ペーサーが2~3分程度余裕をもって引っ張ってくれていたこと
・自分のペースが想定より数秒遅くなっていたこと
がその主な理由でした。
これが、私の「姫路城マラソン2024」のスタートからゴールまでの記録(記憶)です。
以下、データをここに残しておきます。