姫路城マラソン2024の記録(その②) | 50代から始めた挑戦の記録

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50代半ばの夏、その時は…
自分がその後、登山・マラソン・ゴルフ・資格取得などに挑戦する日々が訪れるなど思ってもいませんでした。年を取ってからの挑戦は上手くいかない事ばかりですが、やりがいもあります。そんな自分が「生きた証」をここに綴っていきます。

姫路城マラソン2024の記録(記憶)の続きを残しておきます。

 

 

いよいよスタートの時がやってきました。

今回、私の第1目標はサブ3.5、第2目標はPB更新、第3目標は4回連続のサブ4でした。

 

1年3ヶ月前の初フルマラソン直後の状況からは想像もつかない話です。

 

 

 

50代半ばから走り始めた私にとって、

「タイム更新」という切り口と、

「年齢」という切り口を両方踏まえると、

速いタイムを目標に出来る時間は、冷静に考えてあまり残っていないように思います。

 

でも、私のこれからの人生で、

今日が「一番若い日」です。思い切って、自分がいま出せる最高のタイムを狙ってみよう。

 

今回の私の目標は、そういった気持ちから立てたものです。

 

 

 

そんな目標を掲げ、姫路城マラソンがスタートしました。

 

プランは、前半の上り基調から積極的に押していく「ポジティブスプリット」です。そして、17km過ぎに下り基調に変わったら、流れに乗って更に貯金を稼ぐ。30km以降、その貯金を少しずつ使っていき、最後、ギリギリでもサブ3.5以内で「ゴール」。

・・・でした。

 

 

小さいアクシデントはいくつかありましたが、レースは順調に進みました。

 

前半から4:40台前半で押していき、順調に貯金を稼ぎましたので、30㎞付近で多少お尻から足にハリが出てきても、「ここからだ!大丈夫!」と前向きな気持ちはキレませんでした。

・・・ただ、タイムはこの辺りから徐々に遅れだし、数秒ずつ貯金を食いつぶし始めていました。

 

それでも35㎞付近に到着した時点で、私の計算では、サブ3.5圏内。貯金時間は「4分程度」。なので、サブ3.5ペーサーはずっと後ろのハズ。だから、ペーサーはまだ来ない。という感覚でした。

 

ペーサーは来ないはず。

 

 

 

 

来ないはず。

 

 

 

 

 

こ、来ないはず!!!!!

 

 

 

どういうわけか、36㎞手前で風船を腰からぶら下げたサブ3.5ペーサーが私を抜いていきました

 

どういうことだ!!計算ミス?ガーミンのタイムがズレている???

 

この辺りの私のペースは5:10/km~5:13/kmくらい。

1km当たり約15秒ほど貯金を使っているけれど、まだまだペーサーに抜かれるような場所にはいないはずでした。

 

ペーサーに抜かれた私は、力が出ません。ペーサーと私とのスプリットの差は、この時、約15秒/kmありましたので、少しずつペーサーは私から離れて行きます。

 

 

どうしよう。そんなバカな・・・

 

 

力が出ません。足が重い。痛い…

急に訪れた危機的な状況に、私は頭がパニックになり、冷静に事態を把握し行動することが出来なくなっていました。

 

更に、ここからペースを上げて走ることなど無理だと「脳」が私に囁きかけてきました。

 

 

第2目標(PB更新)

 

 

 

それでいいじゃないか。サブ3.5なんて、まだ無理なんだよ。「脳」が私にそう囁きかけます。第2目標達成で十分だよと。

 

そうだな。よく頑張った。私はよく頑張った。サブ3.5は、私には荷が重かった。

 

少しずつ離れて行くペーサーを眺めながら、私は「脳」とそういう会話をしていました。

 

 

その時・・・

 

 

 

沿道から切り裂くような声で、

 

 

「ペーサーと10秒差!10秒差!今日の全力を出せ!行け―――!!!」

 

 

 

ハッとしました。

沿道のその声援に、私の中の何かが反応しました。

 

・・・10秒差

・・・10秒差

諦めて良いのか?チャンスは目の前にある。ここまで辛い36㎞を走り抜け、自分の力で積み上げてきたチャンス。手が届く位置まで頑張ってきたのは「自分自身」

 

 

 

 

追いかけろ!!!!!

 

 

 

 

歯を食いしばってペースを上げました。

瞬間:4:40/km ガーミンが表示していました。

 

まだ、行ける!

 

 

38㎞手前で、私はペーサーに追い付きました。

追いついて、ペーサーについて行こうとピッタリ張り付きました。

 

負けない!

 

でも、ついて行くのも簡単なことではありません。

一度落ちたペースを再び上げて維持することは、とても苦しいことでした。

 

 

死ぬ気でペーサーについて行きました。

身体は悲鳴を上げています。苦しい。でも、周囲のランナーの皆さんと「行けるぞ!」「いけるぞ!!!」と声を掛け合いながら進みました。

 

 

姫路城が・・・見えてきた。

 

 

そして・・・

ゴール…

 

グロス:3時間28分02秒

ネット:3時間27分13秒

 

サブ3.5達成の瞬間です。

 

 

 

私は、ゴール直後、ペーサーに駆け寄り握手を求めました。

「ありがとうございました!!!!!」

 

「おめでとう!」

 

 

 

その後、私は泣き崩れました。

やり切った自分。沿道の声援の力。ペーサーの力。一緒に声を掛け合ったランナーの力。すべてが重なって成し遂げられたサブ3.5でした。

 

涙が、止まりませんでした。

 

 

 

ゴール後、冷静になぜペーサーに抜かれたかを検証しました。

・Bブロックスタートで約50秒のロスがあったこと

・ペーサーが2~3分程度余裕をもって引っ張ってくれていたこと

・自分のペースが想定より数秒遅くなっていたこと

がその主な理由でした。

 

 

 

これが、私の「姫路城マラソン2024」のスタートからゴールまでの記録(記憶)です。

 

 

 

 

 

以下、データをここに残しておきます。