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科学オタクの主婦が科学物のデータを集めて取り上げております、科学もの報道データ編。
 

ネイチャーものが連日となりますが、NHKでネイチャーの姉妹誌の論文が取り上げられました。

 

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マイクロプラ 海だけでなく「山でも検出」 大気中を浮遊か
2019年4月23日 4時08分 NHK

生態系への影響が懸念されている微少なプラスチックごみ、「マイクロプラスチック」が、海だけでなく、ヨーロッパの山脈の大気中から検出されました。都市から遠く離れた場所まで浮遊して運ばれたとみられています。
 
「マイクロプラスチック」はプラスチックごみが細かく砕かれたもので、これまで海で多く見つかり、有害物質が付着しやすいことから、主に海の生態系への影響が懸念されていました。
 
ところが、フランスとイギリスの研究グループが、ピレネー山脈の標高1400メートル付近で5か月にわたって大気中の粉じんを集めたところ、1日平均でフィルター1平方メートル当たり365個のマイクロプラスチックが検出されたということです。
 
大きさは20分の1ミリ以下のものが多く、形は破片状のものから繊維状のものまでさまざまで、材質はプラスチック容器などに使われるポリスチレンやポリエチレンが多く見られました。
 
この場所は大都市から100キロ以上離れていますが、マイクロプラスチックは大気中を浮遊して運ばれたとみられていて、研究グループは、「研究は始まったばかりで、より多くの調査が必要だ。プラスチックごみを環境中に捨てるのをやめる必要がある」と指摘しています。
 
この研究成果は、イギリスの科学雑誌「ネイチャー ジオサイエンス」に掲載されています。
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かなり深刻な内容です。

 

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そよ風で移動するマイクロプラスチック
Nature Geoscience
2019年4月16日
http://www.natureasia.com/ja-jp/ngeo/pr-highlights/12921
Microplastics travel on the breeze

マイクロプラスチックは大気中を移動し、元の放出源から遠く離れた地域にまで到達し得ることを報告する論文が、今週掲載される。
 
マイクロプラスチックは非常に小さなプラスチックごみの欠片で、川や海洋、「手つかずの」極域でも見つかっている。これまでの研究では、マイクロプラスチックは川に沿って長い距離を移動して海洋に到達し、その途中で水生生態系に影響を及ぼしていることが示唆されてきた。しかし、マイクロプラスチックによる汚染が大気中を移動できるかについては、情報がなかった。
 
Deonie Allenたちは今回、フランス・ピレネー地域の人里離れた山間地の集水域を5か月にわたり調査した。5回の試料収集期間に大気中の乾燥した堆積物と湿った堆積物を収集したところ、プラスチック片、フィルム、繊維片などの大量のマイクロプラスチックが見つかった。Allenたちは、マイクロプラスチックの1日の堆積速度は1平方メートル当たり365個と測定している。
 
またAllenたちは、大気シミュレーションを用いて、マイクロプラスチックが少なくとも100キロメートル離れたところから大気中を輸送されたことを示した。
 
この研究から、大気輸送は、マイクロプラスチックが汚染されていない地域に到達して影響を及ぼす上で重要な輸送路となっていることが示唆される。
 

 

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フルテキストを直訳しますと・・・

 

遠隔山地流域におけるマイクロプラスチックの大気輸送と堆積
 

となり、Abstractを直訳しますと・・・

 

プラスチックごみはますます増え続ける地球規模の問題であり、この世代の主要な環境問題の1つです。マイクロプラスチックは、世界規模で河川輸送を介して海洋に到達しています。 2つの大都市、パリ(フランス)と東莞(中国)を除いて、大気中の微塑性堆積または輸送に関する情報が不足しています。ここで我々は、遠隔の、自然のままの山岳流域(フランスのピレネー山脈)における大気中の微塑性堆積の観察を提示する。我々は、大気中での乾湿堆積を表すサンプルを5か月にわたって分析し、マイクロプラスチックとして長さ最大750 µm、破片≦300 µmのファイバを特定しました。集水域に堆積した1平方メートルあたりの249の破片、73のフィルムおよび44の繊維の相対的な日数を文書化する。空気質量軌跡分析は、95kmまでの距離にわたる大気中の微塑性輸送を示す。我々は、マイクロプラスチックが、大気の輸送を通じて、遠隔地の、まばらに居住している地域に到達し影響を与えることを提案する。
 

となります。

 

詳細が必要な方はご購入をお願いいたします。

 

Data availabilityによりますと・・・

 

著者らは、この研究で提示された結果の根底にあるすべてのデータが補足情報ファイル内で利用可能であり、この論文と併せてダウンロードできることを確認しています。
 

 

次は、究極に溜まりに溜まったネイチャーを取り上げます。

 

 

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